セブ島観光スポット: フォート・サンペドロ(Fort San Pedro)
1. 概要
フォート・サンペドロ(Fort San Pedro)は、セブ島の旧市街エリアにある歴史的な要塞で、フィリピン最古の軍事要塞として知られています。スペイン統治時代の1738年に完成し、当時は港を通じてやってくる貿易船や外敵からセブを守るための重要な拠点でした。三角形の特徴的な構造と、厚い石壁で囲まれたその姿は、300年近くの歳月を経た今もなお威厳を放っています。
かつてはスペイン軍の防衛基地としてだけでなく、アメリカ統治時代や日本占領時代にも軍事目的で利用され、戦後は学校や動物園として使われた歴史もあります。現在ではセブ市が管理し、美しい庭園や展示室を備えた観光スポットとして一般公開されています。
訪れると、城壁から見えるセブ港や市街の景色、歴史的資料が並ぶ展示室、南国の花が咲く中庭など、多彩な見どころが楽しめます。また、周辺にはマゼランクロスやサントニーニョ教会などの名所も徒歩圏内にあるため、旧市街散策のスタート地点や立ち寄りスポットとしても人気です。短時間でセブ島の歴史と文化を感じられる、旅行初心者から歴史好きまでおすすめの観光地です。
2. 歴史
フォート・サンペドロの歴史は、セブ島の歩みそのものと深く結びついています。
その起源は1565年、スペインからやってきた探検家ミゲル・ロペス・デ・レガスピが、セブ港防衛のために木造の簡易砦を築いたことに始まります。当時は海賊や他国からの襲撃が頻繁で、防衛拠点の整備は急務でした。
その後、18世紀に入るとより強固な守りが求められ、1738年に現在の三角形の石造要塞が完成します。厚い石壁は石灰岩で築かれ、三つの角には砲台(バスチオン)が配置されました。これにより、港に入る敵船を効果的に迎撃できる構造となっていました。
スペイン統治が終わると、フォート・サンペドロは新たな役割を担います。アメリカ統治時代には兵舎や刑務所として、日本占領時代には軍の拠点として利用されました。戦後は一時期、避難民の住居や学校、さらには小さな動物園としても使用されたことがあります。
1970年代になるとセブ市が保存と観光利用を目的に整備を開始。現在は美しい庭園や展示室を備えた歴史公園として生まれ変わり、訪れる人々にセブ島の多層的な歴史を伝えています。
まさにここは、セブ島の「過去」と「現在」が交差する場所なのです。
3. 見どころ
フォート・サンペドロは小規模ながらも、歴史を感じさせるスポットが凝縮された場所です。敷地を一周するだけでも、数百年の時を越えた旅をしているような感覚が味わえます。特に以下のポイントは見逃せません。
1. 三角形の要塞構造
要塞は珍しい正三角形の形をしており、それぞれの角には砲台(バスチオン)が配置されています。高い石壁と、時間の流れを感じさせる風化した石肌は写真映えも抜群です。
2. 歴史展示室
内部には小さな博物館があり、スペイン時代の航海図、古い写真、武器、当時の生活用品などが展示されています。セブ島の歴史や要塞の役割を知ることで、見学がより深く楽しめます。
3. 中庭と庭園
南国の花や緑に囲まれた中庭は、要塞の無骨な石壁と美しいコントラストを作り出しています。日差しを避けながらゆっくり休憩できるベンチもあり、のんびり散策するのに最適です。
4. 城壁からの眺望
城壁の一部に登ることができ、そこからはセブ港や市街地を一望できます。かつて兵士たちが海を見張っていた場所からの景色は、歴史の臨場感を感じさせます。
5. 記念撮影スポット
入口の「Fort San Pedro」の石碑、アーチ状の門、苔むした石壁は、旅行者に人気の撮影ポイント。インスタ映えを狙うなら午前中の柔らかい光がベストです。
4. 観光のポイント
フォート・サンペドロは敷地がコンパクトなため、初めてでも迷わず見学できますが、ちょっとした工夫でより充実した時間を過ごせます。
⏱ 所要時間の目安
全体の見学は30分〜1時間程度で十分。周辺の旧市街観光と組み合わせるのがおすすめです。
おすすめの時間帯
午前中や夕方の涼しい時間に訪れると、暑さを避けながら快適に散策できます。昼間は日差しが強いため、帽子やサングラス、水分補給は必須です。
写真撮影のコツ
城壁や石壁の質感を活かすなら午前中、逆光を避けて柔らかい光が差し込むタイミングが狙い目です。
庭園の花やアーチ状の門、港の眺望も人気の撮影ポイントです。
ガイドを利用すると理解が深まる
敷地内では有料で現地ガイドの案内を受けられることがあります。短時間で歴史背景や隠れたエピソードが分かり、見学がより面白くなります。
チケットと入場料
入場料は大人約30ペソ、子ども15ペソ(目安)。現金支払いが基本なので、小額紙幣や硬貨を用意しておきましょう。
5. 基本情報
| 項目 | 詳細 | 
|---|---|
| 名称 | フォート・サンペドロ(Fort San Pedro) | 
| 所在地 | A. Pigafetta Street, Cebu City, Philippines | 
| 営業時間 | 8:00〜20:00(年中無休)※イベント等で変更の場合あり | 
| 入場料(目安) | 大人 30ペソ/子ども 15ペソ | 
| 所要時間 | 約30分〜1時間 | 
| おすすめ時期 | 乾季(11月〜5月)の午前中または夕方 | 
| 公式サイト | なし(観光案内はセブ市観光局サイト参照) | 
| 管理者 | セブ市政府 | 
| 言語対応 | 英語(現地ガイドによる説明) | 
6. アクセス
フォート・サンペドロは、セブ市中心部の港エリアに位置し、旧市街の主要観光地からも近いためアクセスは比較的容易です。以下の方法で訪れるのが一般的です。
タクシー
セブ市内から最も簡単で安心な方法。
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所要時間:セブ市中心部(アヤラセンター付近)から約10〜15分 
- 
料金目安:100〜150ペソ(メーター利用) 
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渋滞を避けたい場合は午前中か夕方以降がおすすめ。 
Grab(配車アプリ)
事前に料金が表示されるため安心。クレジットカード払いも可能。観光地やホテルから直接指定できるので、土地勘がなくてもスムーズ。
ジプニー(ローカル交通)
コロンストリートやPierエリア行きの路線を利用すれば安くアクセス可能。
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料金目安:10〜15ペソ 
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観光客にはやや難易度が高いため、経験者やローカル同行時におすすめ。 
徒歩
マゼランクロスやサントニーニョ教会からは徒歩5〜10分。旧市街観光の途中に立ち寄るルートとして便利。
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ただし日中は暑いため、日焼け対策と水分補給は必須。 
7. 周辺スポット
フォート・サンペドロはセブ旧市街の観光エリアに位置しており、徒歩圏内に歴史的建造物や賑やかなストリートがあります。時間があれば、以下のスポットをセットで訪れるのがおすすめです。
⛪ マゼランクロス(Magellan’s Cross)
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徒歩約5分 
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フィリピンにキリスト教を伝えた象徴的な十字架が収められた小さな礼拝堂。セブ観光の定番スポット。 
⛪ サントニーニョ教会(Basilica Minore del Santo Niño)
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徒歩約5分 
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フィリピン最古のカトリック教会で、国内外から多くの巡礼者が訪れる聖地。 
⛪ セブ大聖堂(Cebu Metropolitan Cathedral)
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徒歩約7分 
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白い外壁が美しいカテドラル。落ち着いた雰囲気で静かに見学できる。 
コロンストリート(Colon Street)
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徒歩約10分 
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フィリピン最古の通りで、ローカル感あふれる商店や屋台が並ぶ賑やかなエリア。 
カサ・ゴロルド博物館(Casa Gorordo Museum)
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徒歩約15分 
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19世紀のスペイン植民地時代の邸宅を保存した博物館。家具や装飾品が当時の暮らしを伝える。 
8. 観光のコツ
フォート・サンペドロは旧市街観光の中でもアクセスが良く、短時間で回れるスポットですが、ちょっとした準備でより快適に楽しめます。
持ち物
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帽子・日傘:日差しが強い時間帯は必須 
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飲み物:敷地内には売店が少ないため、ペットボトルの水を持参 
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小額現金:入場料やちょっとした買い物用(30〜50ペソ程度) 
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カメラ・スマホ:歴史的な石壁や庭園は写真映えスポットが多数 
服装
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動きやすい軽装と歩きやすい靴(敷地内は石畳や段差あり) 
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日焼け止めを塗ると安心 
⚠ 注意点
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夕方以降や休日は観光客で混雑することがある 
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旧市街エリアは車や人通りが多いのでスリに注意 
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ジプニー利用時は貴重品を目立たせないようにする 
観光ルートの工夫
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午前中に訪れ、そのままマゼランクロスやサントニーニョ教会へ向かうと効率的 
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旧市街を半日観光するなら、フォート・サンペドロをスタート地点に設定すると回りやすい 
まとめ
フォート・サンペドロは、セブ島の長い歴史を今に伝える貴重なスポットです。
コンパクトながらも、スペイン統治時代の要塞構造、歴史展示室、緑あふれる中庭、そして港を望む景色など、見どころが詰まっています。徒歩圏内にはマゼランクロスやサントニーニョ教会などの名所もあり、旧市街散策の拠点としても最適です。
短時間で回れるため、初めてセブ島を訪れる旅行者にもおすすめ。歴史に興味がある人はもちろん、美しい写真を撮りたい人や、旧市街を効率よく観光したい人にもぴったりの場所です。
キャッチコピー
300年の時を越えて、セブの物語が静かに息づく場所――フォート・サンペドロへ。

 
		 
		 
			 
			 
			 
			 
			