2025/06/5
目次
カラフルで甘くて冷たい、夏にぴったりのローカルスイーツを深掘り!
“ごちゃまぜ”から生まれるフィリピンの甘くて冷たい幸福感
「ハロハロ(Halo-Halo)」とは、タガログ語で「混ぜる」「ごちゃまぜ」を意味する言葉。
その名の通り、色とりどりの具材が層のように重なり合い、最終的にはスプーンで豪快に混ぜて食べるという、ちょっとユニークなスタイルのスイーツです。
まず目に飛び込んでくるのは、そのカラフルで派手なビジュアル。
紫、赤、黄色、白、緑――まるでパフェとパステル画を融合させたようなビジュアルは、初めて見る人に強烈なインパクトを与えます。
ベースになるのは、細かく削った氷。日本のかき氷よりもシャリッとした粒感のある氷に、甘い**エバミルク(加糖練乳)**をたっぷりとかけ、そこにさまざまな具材をどんどん重ねていきます。
一般的に下層には、ゼリーや甘く煮た豆、バナナやココナツなどの果物が入り、上層にはプリン(レチェフラン)や紫色のウベアイス(フィリピンの紫芋)、カラフルなゼリーやクラッシュアイスがトッピングされます。
見た目はパフェに近いですが、味わいはプリン、かき氷、ぜんざい、ゼリー、アイスクリームが同時に口に入ってくるような不思議な食感。まさに“ごちゃまぜ”なのに、なぜかバランスが良い。それがハロハロの最大の魅力です。
ハロハロに慣れていない人は、つい上から順番に食べがちですが、本来は全体をしっかり混ぜてから食べるのが“正しいスタイル”。
氷と具材とミルクが均一に混ざることで、甘さ・食感・温度のバランスが整い、一口ごとに異なるハーモニーを味わうことができます。
ちなみに、現地では「混ぜ方が甘い=初心者」と思われることもあるとか…?(もちろん好みでOKです)
ハロハロは、単なるスイーツ以上の存在です。
暑い国フィリピンでは、冷たいもの=贅沢で嬉しいご褒美。
それに、ハロハロは基本的に一人で食べるよりも“シェア”して食べることが多く、家族や友達と一緒に楽しむ場面でよく登場します。
そのためハロハロは、人と人とのつながりを象徴するスイーツとも言えるのです。
アイスやフルーツを取り合いながら食べる――そんなちょっとした時間こそ、フィリピンらしい温かさが感じられる瞬間かもしれません。
最近では、**“映えるスイーツ”**としてInstagramやTikTokでもハロハロは大人気。
紫色のウベアイスが乗ったビジュアルは、まさに南国スイーツのアイコン。
セブやマニラのカフェでは、ハロハロをさらにアレンジした**“デザートカクテル風ハロハロ”**や、高級志向のハロハロも登場しており、若者から観光客まで幅広い層に愛されています。
“ごちゃまぜ”の中にある、それぞれの個性と役割を知る
ハロハロの最大の魅力は、“見た目のカオス”を構成する多彩な具材たち。
初めて食べる人の多くが驚くのは、その種類の多さと組み合わせの妙です。
ここでは、ハロハロによく使われる定番具材を一つひとつ紹介します。
紫色がひときわ目を引く「ウベ」は、フィリピン原産の紫ヤムイモ。
濃厚で少しねっとりとした甘さがあり、ハロハロの“象徴”的な存在です。
ココナッツミルクやコンデンスミルクと相性が良く、冷たいかき氷との温度差も楽しい。
“ウベが乗っていないハロハロは、ハロハロじゃない”という現地の声もあるほど!
スペインの影響を受けたフィリピン風のプリン。
卵とコンデンスミルクを使い、濃厚でなめらかな舌触りが特徴。
ハロハロの中では“甘さ担当”で、全体にコクを与える存在。
日本のバナナとは異なる、加熱調理用の甘みが強いバナナ。
砂糖で煮詰めた“ミニ蜜煮”のような味わいで、しっとり・ほくほくとした食感が加わります。
自然な甘さで、デザートの中での箸休め的な役割も。
煮た赤インゲンやガルバンゾ豆(ひよこ豆)など、甘く味付けした豆類。
日本のぜんざいを思わせる、どこか懐かしい味。
一見「スイーツに豆?」と思うかもしれませんが、甘さと食感のバリエーションを広げてくれる重要パートです。
ココナッツを発酵させて作るぷるぷる&コリコリのゼリー。
透明感があり、さわやかな食感で全体にアクセントを加えます。
甘さ控えめで、ウベやレチェフランの重さを中和する効果も◎
赤・緑・黄色などのフィリピン式寒天ゼリー(グラマン)。
コリッとした歯ごたえで、彩りと遊び心を演出します。
子どもにも大人気のトッピング。
タピオカに似た小粒のもちもち食材。
噛むとむちっと弾け、スイーツらしさを演出する要素として人気です。
アイスやフルーツとの相性も良く、意外に重要な食感担当。
東南アジアならではのフルーツで、バナナに近い香りと濃厚な甘みがあります。
果肉は引き締まっていて繊維質ですが、柔らかく煮て使われることも多いです。
「南国感」を引き立てるポイント。
最後に忘れてはいけないのが、ハロハロの“土台”。
細かく砕いた氷に、たっぷりの**エバポレートミルク(エバミルク)**をかけたベースは、ハロハロ全体を“まとめ役”として支えます。
濃厚な具材の数々を、氷とミルクの“清涼感”で包み込む――それがハロハロの完成形!
お店によっては、上記以外にも
チーズ
ピーナッツ
コーン
ココナッツ果肉(マカプノ)
クラッシュライス(ピニピグ)
などが追加されていることも。
そのバリエーションの広さと自由度こそ、ハロハロが“国民的スイーツ”と呼ばれる理由でもあります。
“ごちゃまぜ”スイーツに秘められた、多民族国家フィリピンの記憶
ハロハロは一見すると「現代的でSNS映えを狙ったスイーツ」に見えるかもしれませんが、
そのルーツをたどると、フィリピンという国の歴史・文化・多様性を象徴する存在であることが見えてきます。
フィリピンでは、1900年代初頭から多くの日本人が移民として生活していました。
特に「ミスビス地方」や「ダバオ」などには日本人が集まり、氷を使った甘味文化を持ち込んだとも言われています。
当時の日本人移民が持っていたのは、あんみつやかき氷、豆類を使った和スイーツの文化。
これが現地の食材と融合し、“混ぜて食べる”フィリピン式デザートとして形を変えたのが、現在のハロハロの原型とされています。
→ 和スイーツ文化 × 南国の果物・砂糖文化 × アメリカ式ミルク文化
これらが融合した「トロピカル和風ぜんざい」とも言える存在です。
フィリピンは熱帯の国であるため、冷たいデザートはかつて“超高級品”でした。
エアコンや冷蔵庫が一般家庭に普及し始めたのは1980年代以降であり、それまではかき氷機や氷を扱うスイーツ屋台が、街中で“特別な存在”だったのです。
そんな中で、氷を削って練乳や甘く煮た豆をかけるハロハロは、**「贅沢=冷たい+甘い+具だくさん」**という価値観の象徴に。
今でも「ハロハロを食べる=ちょっとしたご褒美」的な感覚を持つ人も多くいます。
フィリピンはスペイン・アメリカ・中国・日本など、さまざまな国の影響を受けて発展してきた多民族国家。
ハロハロの最大の特徴である「多様な具材を“ごちゃまぜ”にして一つにする」というスタイルは、まさにフィリピンという国の縮図そのものと言えるかもしれません。
異なる食材がぶつかり合うことなく、ひとつのカップの中で共存し、それぞれの個性が際立つ。
それは、多民族・多文化が共存するフィリピン社会の理想形を表現しているとも解釈できます。
冷たいデザートとしての機能性だけでなく、
歴史
国際交流
多様性
豊かさの価値観
地域性
といったさまざまな要素が詰まったハロハロは、**単なるスイーツを超えた“文化的アイコン”**なのです。
“どこで食べるか”で味も体験も変わる、ハロハロ名店ガイド
セブには「ハロハロが食べられる店」がたくさんあります。
でも、同じハロハロでも店によって味も具材も“個性”がまったく違うのが面白いところ。
ここでは、留学生に人気の定番チェーンから、ローカル感たっぷりの穴場まで、目的別におすすめの5店をご紹介します。
“迷ったらここ!”フィリピン全国チェーンの安定感
中華系ファストフードチェーンとして全国展開するChowkingでは、誰でも食べやすいバランス型のハロハロが楽しめます。
定番の具材をしっかり押さえつつ、ウベアイス・レチェフラン・ゼリー・クラッシュアイスなどが綺麗に層になっており、見た目も味もハズレなし。
しかも価格がリーズナブル(100ペソ前後)で量も多め。留学生の“最初の一杯”として圧倒的におすすめです。
️「フィリピンに来て最初に食べたハロハロがChowking。安定の味で、リピートしてます」(韓国人学生・女性)
具材は少なめ、でも洗練された“上品ハロハロ”
マニラ発の名店「Razon’s」は、ハロハロの中でもシンプル&洗練系。
具材はたったの3つ──ミルク、サババナナ、レチェフランのみという潔さですが、氷のきめ細かさ・ミルクの濃厚さ・プリンの美しさは別格。
「ハロハロ=ごちゃごちゃ甘すぎる」と思っている人にこそ試してほしい、“大人のハロハロ”です。
セブではSMモールなどに店舗があります。
️「あのふわふわ氷と滑らかなプリンが忘れられない!少ない具材でも十分満足できる」(台湾人留学生・男性)
ローストチキンの名店で、意外なハロハロ発見?
Mang Inasalはローストチキンが有名なローカル系ファストフードですが、実は**隠れた“ハロハロ穴場”**としても人気です。
食事ついでに軽くハロハロを楽しめるので、ランチやディナー後のデザートにぴったり。
ボリュームは控えめですが、価格もお手頃(60〜80ペソ前後)で気軽さ重視の人におすすめ。
️「チキンだけかと思ってたら、ハロハロが想像以上に美味しかった(笑)安いし量もちょうどいい」(日本人学生・男性)
ローカル感MAX!BBQのあとに味わう“庶民派ハロハロ”
セブ市内にあるラルシアンは、観光客にも人気のローカル屋台村。
BBQやフィリピン料理を楽しんだあとに、素朴で甘さ控えめのハロハロを出してくれる屋台が何軒かあります。
雰囲気も込みで「ローカルを味わいたい」人には最適。
プラスチックカップ&手作り感たっぷりで、インスタ映えはしないけど“思い出に残る一杯”になること間違いなし。
️「ローカルの人と一緒にベンチで食べたハロハロ。豪華じゃないけど、あれが一番“フィリピン”だった気がする」(サウジアラビア人学生・男性)
おしゃれで濃厚。“映えハロハロ”が食べられるカフェたち
ちょっと贅沢したい日や、SNSにアップしたい人には、セブのカフェ系ハロハロもおすすめ。
La MareaやDessert Factoryでは、ウベを贅沢に使ったジェラート風ハロハロや、ビスケット・ソースがトッピングされた創作系が楽しめます。
価格は200ペソ前後とやや高めですが、その分味も見た目もグレードアップ。
カフェ巡りが好きな人や、女子旅的な空気を味わいたい人には特に人気です。
️「インスタ映えを狙って行ったけど、味も本格的!リッチ系ハロハロって感じで満足度高い」(ベトナム人学生・女性)
まずは安心の Chowking
上品派には Razon’s
気軽なデザートなら Mang Inasal
ローカル体験なら Larsian
映え狙いなら La Marea / カフェ系
ハロハロは、「どこで誰と食べるか」によって、体験そのものがガラリと変わります。
あなたのセブ留学にぴったりの一杯を、ぜひ見つけてください!
“見る・混ぜる・味わう”で、五感を使って楽しむ南国デザート体験!
ハロハロは、ただ口に運ぶだけではもったいない。
せっかくフィリピンに来て「本場のハロハロ」を体験するなら、その魅力を余すことなく楽しみ尽くす方法を知っておきましょう!
以下では、初めての人でも失敗しない、ハロハロの楽しみ方&ポイントを紹介します。
注文したら、まずは上から眺めてみましょう。
ウベアイスの紫、ゼリーの赤と緑、プリンの黄色、氷の白…
一杯の中にフィリピンの色彩がぎゅっと詰まっています。
SNS用に写真を撮るなら、このタイミング!
特に“真上からの俯瞰ショット”と、“スプーンですくって断面が見えるショット”が映えます。
ハロハロはそのまま食べるよりも、全部をしっかり混ぜることで真価を発揮します。
プリン・アイス・豆・ゼリー・バナナ・ミルク…それぞれの味が融合し、**“一体感のある甘さと冷たさ”**が生まれるのです。
「崩すのがもったいない」と感じる気持ちもありますが、“ごちゃまぜ=Halo-Halo”という名前そのものが正解の食べ方を教えてくれています。
もちろん、混ぜないで上から順番に食べていく“分解派”もいます。
特にウベアイスやレチェフランはそれ単体でも美味しいので、最初に少し味見してから混ぜるのもおすすめ。
「少しずつ混ぜる派」「全力でかき混ぜる派」「まずはプリンだけ楽しむ派」など、自分だけの楽しみ方を見つけるのも、ハロハロ体験の一部です。
気温の高いフィリピンでは、あっという間に氷が溶けて**“甘いジュース状態”になってしまう**ことも。
氷が残っているうちに食べ始めると、ザクザク+とろとろの理想的な食感を楽しめます。
途中で味が薄く感じたら、下に沈んでいる甘い豆やゼリーを探してみてください。
“宝探し”的な感覚も、ハロハロの醍醐味です。
ハロハロは1杯のボリュームが意外と多く、特に大きめサイズの場合は2〜3人でシェアするのも一般的です。
「ここに何入ってる?」「これ何の味だろう?」と、コミュニケーションが自然と生まれるのもこのスイーツならでは。
フィリピンのローカル文化では、“一緒に食べる”ことが人との距離を縮める鍵。
留学中、英語が少し不安な人でも「ハロハロ」という共通体験が会話のきっかけになるかもしれません。
ハロハロは、ただのスイーツではありません。
日本にはない食材
英語での注文
ローカルな空気
初めての味
これらを一つひとつ経験することが、**“英語だけじゃない留学の価値”**につながります。
だからこそ、ハロハロを食べるときは、スプーン1杯ごとに“異文化体験”をしているつもりで味わってみてください。
ハロハロは、ただのスイーツじゃない。フィリピンという国そのもの。
ハロハロは「甘くて冷たい南国スイーツ」として知られていますが、
その本質は、“フィリピンの文化・歴史・人の温かさ”を一杯に詰め込んだような存在です。
カラフルな具材たちが1つの器に収まり、個性を出しながらも全体として調和する。
それは、多様な民族や文化が共存するフィリピンという国そのものを象徴しているようでもあります。
「まずはベーシックな味を試したい」→ 迷わず Chowking
「素材にこだわったシンプルな一杯を」→ 洗練された Razon’s
「ランチのついでに軽く甘いものを」→ お手軽な Mang Inasal
「観光よりも、ローカルのリアルを味わいたい」→ ローカル派の Larsian
「SNSにアップする“映え”を求めたい」→ カフェ系の La Marea / Dessert Factory
どの店にも、その場ならではの空気感やストーリーがあります。
あなたの性格・気分・シチュエーションによって、きっと“マイ・ハロハロ”が見つかるはずです。
特に留学生にとって、ハロハロを食べるという体験は単なるデザート以上の意味を持ちます。
英語で注文してみる
フィリピン人の友達におすすめを聞いてみる
一緒にシェアして笑い合う
そんな日常の小さな一歩が、言語の壁を越えて文化を理解し、人と繋がるきっかけになるのです。
ハロハロに正解はありません。
きれいに混ぜてもよし。上から順番に食べてもよし。甘すぎても、冷たすぎても、その経験が“あなたとフィリピンの距離”を近づけてくれることに変わりはありません。
せっかくフィリピンに来たなら、勉強だけでなく、その土地の味・文化・感覚もまるごと味わってみてください。
そして、いつかあなたの「お気に入りのハロハロ」が、誰かに語りたくなる“留学の思い出”になりますように。
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