TOEIC700点を取得する勉強法

はじめに

TOEIC700点は、英語を実務で使ううえで大きなアドバンテージとなるスコアです。履歴書や転職活動での評価が高まるだけでなく、海外出張・外資系企業・英語を使った部署への異動など、キャリアの選択肢を広げることができます。

また、TOEIC700点を取得することで「日常的なビジネス英会話はほぼ理解できる」「英語でのメールや資料作成が問題なく行える」といった実践的な英語力を示せるため、仕事での信頼性も向上します。

しかし、600点台から700点台への壁は意外と厚く、多くの学習者が「あと一歩」で苦戦しがちです。その理由は、基礎力に加えてリスニングの精度向上リーディングの時間管理が求められるからです。

本記事では、TOEIC700点を効率的に達成するための具体的な勉強法、学習計画、スコアアップのコツを徹底解説していきます。


1. 目標スコアと必要な英語力を理解する

TOEICで700点を目指すには、まず「どの程度の正答率が必要か」を把握しておくことが大切です。目標があいまいなまま勉強しても、効率的にスコアを伸ばすことは難しいからです。

700点に必要な正答率

  • Listening(495点満点):おおよそ 350〜380点(約70〜75%正答)

  • Reading(495点満点):おおよそ 320〜350点(約65〜70%正答)
    → トータルで約70%前後の正答率が求められます。

到達レベルの目安

TOEIC700点の受験者は次のような力が身についていると考えられます。

  • 短い会話や電話のやり取りを理解できる

  • ビジネス文書やメールを大まかに理解できる

  • 単語・文法の基礎力はおおむね安定している

  • 長文読解では内容を追えるが、時間が足りなくなることが多い

学習の優先ポイント

  • Listeningで安定して得点する:700点を狙うなら、リスニングで確実に350点以上を取ることが鍵。

  • Readingで時間配分を最適化する:Part 7(長文読解)をどこまで解き切れるかが合否を分ける。

  • 文法・語彙の取りこぼしを減らす:Part 5の短文穴埋めで確実に得点し、得点源を増やす。


2. リスニング対策

TOEIC700点を狙ううえで、リスニングはスコアを底上げしやすい重要パートです。実際に、多くの学習者はリーディングよりもリスニングで安定した点数を伸ばしやすく、350点以上を確保することが700点達成の大きなカギとなります。

学習の柱となるトレーニング方法

① シャドーイング

  • 音声を聞きながら、同時に声に出して復唱する学習法。

  • 効果:発音・イントネーションが身につき、英語の音が自然に耳に入ってくる。

  • ポイント:最初はスクリプトを見ながら、慣れてきたら音声だけで挑戦。

② ディクテーション

  • 聞き取った英語を紙に書き取る練習。

  • 効果:自分が聞き取れない「弱点の音」や「つながり音」を発見できる。

  • おすすめ活用法:Part 2(応答問題)や短めの会話で実践。

③ 公式問題集の徹底活用

  • ETS公式問題集は本番の傾向に最も近い教材。

  • 使い方

    1. 模試として解く

    2. 間違えた問題の音声を何度もリピート

    3. シャドーイングで聞き取れない部分を潰す

④ 倍速再生で耳を慣らす

  • 通常音声の1.2〜1.5倍速で練習し、通常速度を「ゆっくり」に感じられるようにする。

  • 特にPart 3・4(会話・説明文)で効果的。

各Part別の攻略法

  • Part 1(写真描写):基礎力で得点源に。必ず満点近く狙う。

  • Part 2(応答問題):ひっかけ問題が多いので、冒頭の疑問詞や文型に集中。

  • Part 3(会話問題):設問先読みがカギ。人物・場所・目的を意識する。

  • Part 4(説明文):アナウンスやナレーションは要点を聞き取る練習を。


3. リーディング対策

TOEICのリーディングは 時間との戦い です。700点を目指すなら、文法や単語の基礎力を固めつつ、長文をいかに効率的に処理できるかがカギとなります。

学習の柱となるトレーニング方法

① Part 5(短文穴埋め)

  • 頻出文法の重点対策:時制、仮定法、分詞構文、品詞問題が定番。

  • 解答スピードを意識:1問20秒以内が目標。

  • おすすめ学習法:文法書で知識を確認 → 問題集で即アウトプット。

② Part 6(長文穴埋め)

  • 文脈を意識する練習:単語や文法だけでなく、文章の流れから選択肢を判断。

  • スピード強化:1問30秒以内を目指す。

③ Part 7(長文読解)

  • 時間配分が最大の課題

  • シングルパッセージ → ダブル → トリプルの順で解く。

  • 速読トレーニング:英語の文章を「返り読みせず前から理解する」練習を日常的に行う。

  • 解答戦略:設問を先に読んでから本文に取り組むことで、答えを探しやすくなる。

語彙力強化のポイント

  • TOEIC頻出語彙(約3,000語)を確実に。

  • 単語帳の例文暗記が効果的。文脈ごと覚えることで、Part 6やPart 7で役立つ。

  • 通勤や隙間時間を活用して「毎日30〜50語」ペースで復習。

時間配分の目安(75分)

  • Part 5:10分

  • Part 6:10分

  • Part 7:55分
    → 特にPart 7は後半で時間切れになる人が多いため、スピード強化+捨て問を決める戦略も必要。


4. 学習計画(3〜6か月目安)

TOEIC700点は、一気に到達するというよりも 段階的に基礎 → 実践 → 本番対応 と積み上げていくことが重要です。ここでは3〜6か月を想定した学習ロードマップを紹介します。

1〜2か月目:基礎固め

  • 単語力強化:毎日30〜50語を覚える(TOEIC頻出語彙3000語を目安に)。

  • 文法復習:中学・高校レベルの文法を短期間で総復習。特に品詞問題、時制、接続詞。

  • リスニング耳慣らし:毎日15〜30分、公式問題集や英語ニュースを聞く。

  • 目標:模試で600〜650点レベルに到達。

3〜4か月目:実践演習

  • 公式問題集に本格着手:週に1回は模試形式で解く。

  • 復習中心の学習:間違えた問題を徹底分析。理由を書き出す。

  • リスニング重点強化:Part 3・4を繰り返し聞き込み、シャドーイング。

  • リーディング強化:Part 5をスピード重視で解き、Part 7は設問先読みを徹底。

  • 目標:模試で650〜680点レベルに安定。

5〜6か月目:本番対応

  • 時間配分練習:本番同様の75分でリーディングを解く。

  • 弱点補強:Part 2・5の取りこぼしをなくす。

  • 倍速リスニングで耳を慣らし、通常速度を楽に感じられるようにする。

  • 模試を繰り返す:最低でも3回は本番シミュレーション。

  • 目標:模試で安定して700点を超える状態に。


5. 効率を高める工夫

TOEIC700点を目指すには、ただ長時間勉強するだけでなく、効率的に学習を積み重ねる工夫が必要です。以下のポイントを取り入れると、スコアアップまでのスピードが大幅に向上します。

① 毎日リスニングに触れる

  • 通勤・通学やスキマ時間に英語音声を流す習慣をつける。

  • 英語ニュース、ポッドキャスト、YouTubeなどを活用。

  • ポイント:聞き流しではなく、短時間でも「集中して聞く」時間を確保。

② 学習ログをつける

  • 勉強時間・解いた問題数・模試のスコアを記録。

  • 成長が可視化されることでモチベーションが維持できる。

  • アプリ(Studyplus など)やスプレッドシートで管理すると便利。

③ 英語を生活に取り入れる

  • 洋画や海外ドラマを英語字幕で視聴。

  • 興味のあるトピックを英語ニュースサイトで読む。

  • SNSやアプリで英語の投稿を読む習慣を作る。

④ 模試を本番同様に解く

  • 机にスマホを置かず、本番同様に2時間集中。

  • リーディングの時間配分を身につける絶好の練習になる。

  • 解いた後は必ず復習。特に「なぜ間違えたか」を言語化することが大切。

⑤ 弱点を意識した重点学習

  • 例えば「Part 2が苦手」なら1日10分だけPart 2を集中練習。

  • 小さな改善を積み重ねることで、最終的な得点力が安定する。


6. まとめ

TOEIC700点は、英語を実務で使うための大きな基盤となるスコアです。600点台から700点台に上げるには、基礎力の復習に加え、リスニングの安定得点リーディングの時間管理が欠かせません。

本記事で紹介した勉強法のポイントを振り返ると:

  • リスニング:シャドーイング・ディクテーションで耳を鍛え、Part 3・4で安定得点。

  • リーディング:Part 5は高速処理、Part 7は設問先読みと速読で攻略。

  • 学習計画:3〜6か月を目安に「基礎固め → 実践演習 → 本番対応」と段階的に取り組む。

  • 効率化の工夫:毎日の習慣化・学習ログ・模試シミュレーションで学習を最大化。

TOEIC700点は、決して特別な才能が必要なスコアではありません。計画的な学習を継続すれば、誰でも到達可能です。ぜひ自分に合った学習スタイルを見つけ、効率的に700点突破を目指してください。


FAQ:TOEIC700点を取得する勉強法

TOEIC700点までに必要な学習期間は?

現在600点前後からなら目安は3〜6か月。毎日90〜120分の学習を継続できる場合の想定です。

1日の学習配分はどうすればいい?

リスニング40%・リーディング40%・語彙/文法20%が目安。直前期は模試と復習に比重を移します。

700点に必要な正答率は?

全体で約70%前後。Listeningは350〜380点、Readingは320〜350点を目標に配分すると安定します。

おすすめ教材は?

  • ETS公式問題集:本番形式の演習・自己採点用
  • 文法特化問題集:Part 5対策(品詞・時制・接続詞)
  • 頻出語彙帳:例文付きのものを選ぶと定着が早い

シャドーイングはどう進める?

①スクリプト確認→②音読→③スクリプト見ながらシャドーイング→④スクリプトなしで実施→⑤録音して自己評価。1素材を最低3〜5周。

ディクテーションは毎日必要?

毎日でなくてOK。週2〜3回、短い素材(Part 2/3の一部)で「聞き取れない音」を特定し、次のシャドーイングで矯正します。

語彙はどのくらい覚えるべき?

頻出3000語が目安。毎日30〜50語を「例文ごと」覚え、翌日・3日後・1週間後の間隔反復で定着させます。

Part 5を速く正確に解くコツは?

設問を見た瞬間に「品詞・文法・語法」のどれかを即判定。根拠が取れない選択肢は消去し、1問20秒以内を意識します。

Part 7の時間切れを防ぐには?

設問先読み→該当箇所スキャン→根拠マーキングの順で処理。シングル→ダブル→トリプルの順で解き、難問は潔く後回しに。

模試はどのくらいの頻度で解く?

学習中期は2週間に1回、直前期(3〜4週間)は週1回。本番同様の環境・時間で実施し、復習に学習時間の半分以上を使います。

復習は何をどの順でやる?

①誤答の原因分類(語彙/文法/設問把握/推論/時間配分)→②同タイプの類題で再演習→③1週間後に再テストで定着確認。

スコアが伸び悩んだときの打開策は?

  • 学習ログを見直し、配分と弱点のミスマッチを修正
  • 同一素材の多周回(音声5周・記事3本精読)
  • セクション別ミニ目標(例:Part 5正答率85%)を設定

直前1週間は何をすべき?

新しいことは手を出さず、誤答ノートの総点検と公式音源のリスニング周回。本番2〜3日前にフル模試1回、前日は軽い復習のみ。

試験当日の時間配分は?

ReadingはPart 5:10分、Part 6:10分、Part 7:55分が目安。各パートの上限時刻を問題用紙に小さくメモして守ります。

Listeningで聞き逃したら?

引きずらずに即リセット。次設問のキーワード(人物・目的・数字・固有名)に意識を切り替える訓練を普段から行います。

忙しくて毎日まとまった時間が取れない場合は?

通勤5分×6回など「スキマの分割学習」を習慣化。短時間でも「集中シャドーイング」「Part 5の10問高速」など目的を明確に。

英語ニュースやドラマは効果ある?

あります。ただし「学習化」するのが前提。要約・キーフレーズ抽出・シャドーイングをセットで行うとTOEIC力に直結します。

700点取得後の維持は?

週3回の音声トレ(15〜20分)と週1回の長文精読で感度を維持。3か月ごとにミニ模試で現状チェックすると落ちにくいです。

再受験の間隔は?

学習計画により異なりますが、復習が回るサイクル(2〜4週間)での受験がおすすめ。毎回の誤答分析を必ず次回へ反映します。

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