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レッスン中にやりがちな失敗と対策:オンライン英会話ガイド
はじめに:オンライン英会話のレッスンで“失敗”が起きる理由
オンライン英会話は、好きな時間に受けられて継続しやすい一方、「レッスン中によくある失敗」に悩む学習者は少なくありません。緊張して話せなくなる、講師の英語が速すぎてついていけない、聞き返せずに流してしまう、沈黙が続いて気まずくなるなど、多くの人が同じパターンを経験します。これらの失敗は英語力の問題というより、準備不足やコミュニケーションの工夫不足、環境面での問題によって起きることがほとんどです。
ただし、これらの課題は対策次第で簡単に改善できます。レッスン前の心構え、講師への伝え方、質問の仕方、そしてレッスン後の振り返りを少し変えるだけで、英語力の伸びが大きく変わってきます。本ガイドでは、レッスン中に起こりがちな代表的な失敗と、それを避けるための実践的な対策をわかりやすく紹介します。明日からのオンライン英会話がより効果的でストレスのないものになるよう、具体的な方法を押さえていきましょう。
よくある失敗①:講師まかせで受け身になる
オンライン英会話では「講師が進行してくれるだろう」と思い、つい受け身になってしまうことがあります。話題もレッスンの流れも講師任せにすると、自分が話す時間が減り、レッスンの密度が下がってしまいます。また、目標が曖昧なまま受講すると、ただ会話をしただけで終わり、学習効果が感じにくくなります。
この問題を避けるためには、レッスン前に「今日言えるようになりたいフレーズ」や「練習したいテーマ」を一つだけ決めておくのが効果的です。さらに、レッスン開始時に講師へ「今日はスピーキングを多めに練習したいです」「文法を軽めに直してください」など、希望をシンプルに伝えることで、レッスンが自分のペースに合ったものになります。受け身ではなく、こちらから小さく主導する意識を持つことで、学習の質は大きく変わります。
よくある失敗②:わからないのに「わかったふり」をしてしまう
オンライン英会話で最も多い失敗のひとつが、「聞き取れなかったのに、つい Yes と返してしまう」ことです。講師の説明が速かった、単語が分からなかった、意味が曖昧だった―そんなときに確認せず流してしまうと、会話が進むほど理解が追いつかなくなり、結果的にレッスンが負担になります。
この問題の最大の原因は、「聞き返すのが恥ずかしい」「迷惑をかけたくない」という心理です。しかし、オンライン英会話では聞き返すことはむしろ普通で、講師側も想定しています。大切なのは、聞き返し用の簡単なフレーズを事前に用意しておくことです。
例えば、
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Could you say that again?
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Could you explain it in a simpler way?
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What does that mean?
といった定番の一言が言えるだけで、レッスン中のストレスが大きく減ります。また、「理解度80%」を目安に、それ以下の場合は遠慮なく確認する習慣をつけることで、理解が曖昧なまま進むミスを防げます。講師のスピードを調整してもらう(Could you speak a little slower?)のも、効果的な対策です。
よくある失敗③:予習なしで挑み、会話が続かなくなる
オンライン英会話は手軽に受けられるため、「準備ゼロでそのまま参加する」人が多くいます。しかし、まったく予習をしないと、話題について知らない・言いたい表現が出てこない・沈黙が増える、といった状況に陥りやすく、レッスンの満足度が大きく下がります。
とはいえ、長時間の予習は必要ありません。むしろ続かなくなる原因になるため、事前準備は2〜3分で十分です。レッスン前に以下のような軽い準備をするだけで、会話の流れがスムーズになり、自信を持って話せるようになります。
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今日のトピックに関連するキーワードを3つチェックする
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自分が言いたいことを「短い日本語メモ」で書いておく
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1つだけ英語の例文を作っておく(完璧でなくてOK)
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今日あった出来事を一つ思い出しておく(small talk対策)
この程度の予習でも、レッスン中に「言葉が出てこない」というストレスが大幅に減ります。準備に気負わず、軽い習慣として続けることがポイントです。
よくある失敗④:間違えたくなくて発言が減ってしまう
オンライン英会話では、「正しく話さなければ」というプレッシャーから、発言が極端に減ってしまうことがあります。文法のミスを恐れて言葉が詰まったり、講師に訂正されると緊張して黙ってしまう、といった状況は多くの学習者が経験します。しかし、発言量が減るとスピーキング力は伸びにくく、レッスンの効果も低くなってしまいます。
この問題を防ぐために最も大切なのは、「完璧に話す」より「まずは口に出す」ことを優先する姿勢です。講師は学習者のミスを前提にレッスンを進めており、間違えること自体はまったく問題ではありません。むしろミスがあるほど、講師はあなたの課題を把握しやすくなり、より適切なサポートができます。
また、レッスンの最初に講師へ希望を伝えることも効果的です。
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「間違いは軽めに直してほしい」
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「会話中は自然に話すことを優先したい」
といった一言を伝えるだけで、心理的な負担がぐっと減ります。さらに、長い文章を作ろうとしすぎないこともポイントです。
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I think…
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In my opinion…
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For me…
など、短い導入で話し始める習慣をつけると、自然に発言量が増えます。怖がらず、小さく話し始めることで、レッスン全体がスムーズに流れるようになります。
よくある失敗⑤:通信トラブルでレッスンの質が下がる
オンライン英会話では、内容以前に「通信環境の問題」でレッスンがうまく進まないケースが意外と多くあります。音声が途切れる、画面が固まる、雑音が入るなどのトラブルが起きると、せっかくの会話練習が中断され、集中力も途切れてしまいます。特にスピーキング練習ではタイムラグがあるだけで会話がぎこちなくなり、学習効率が大きく落ちてしまいます。
この問題に対する実践的な対策としては、まず通信環境のバックアップを用意しておくことが効果的です。自宅のWi-Fiが不安定な場合には、スマホのテザリングを予備として準備しておくだけで安心感が大きく変わります。また、パソコンの内蔵マイクでは雑音が入りやすいため、イヤホンマイクやヘッドセットを使用すると音声の質が安定し、講師とのやり取りがスムーズになります。
さらに、レッスン開始前に
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マイクの音量
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カメラの映り
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通信速度の状態
といった基本チェックを毎回30秒で済ませる習慣をつけると、予期せぬトラブルをほぼ防げます。「環境の安定」はレッスンの質を左右する重要な要素の一つであり、小さな準備が結果的に大きな差につながります。
よくある失敗⑥:講師に合わせすぎて疲れてしまう
オンライン英会話では、講師が主導して話題を進めることが多いため、つい相手に合わせすぎてしまうケースがあります。興味のない話題でも無理に話を続けたり、得意でないテーマを避けられず、気づくとレッスン後にどっと疲れてしまうことがあります。これを繰り返すと、「レッスンはしんどいもの」という印象がつき、継続自体が難しくなることもあります。
この問題を防ぐには、こちらが話題を提案する習慣を持つことが効果的です。たとえばレッスン開始時に、
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Today, can we talk about traveling?
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I’d like to practice daily conversation today.
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Can we focus on business English this time?
など、希望をシンプルに伝えるだけでレッスンの主導権が自然とこちらに移ります。また、興味のない話題になりそうな場合は、軽く軌道修正することも可能です。たとえば、
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That’s interesting. By the way, can I ask you about…?
といった自然な切り替えフレーズを使えば、失礼なく話題転換ができます。
さらに、ストレスを減らす大きな方法としてお気に入り講師の固定化があります。講師との相性は学習のしやすさに直結するため、「話しやすい」「ペースが合う」「フィードバックが的確」と感じた講師をブックマークしておくと、毎回のレッスンが格段に楽になります。講師探しに時間を使いすぎないことも、継続のコツです。
よくある失敗⑦:フィードバックを整理せずに流してしまう
レッスン中に講師から correction(修正)や新しい表現を教えてもらっても、レッスンが終わると忘れてしまう――これは多くの学習者が経験する典型的な失敗です。理解したつもりでも「翌日には思い出せない」「同じミスを繰り返す」という状態が続くと、学習成果が感じられず、伸びが鈍くなります。
この問題を防ぐ最も効果的な方法は、レッスン終了後30秒だけ復習メモを作ることです。長時間の復習は必要ありません。重要なのは、記憶が鮮明なうちに要点だけを残すことです。メモはシンプルで構いません。
例
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Today’s mistakes(今日のミス)
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Corrected sentences(修正された文)
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New vocabulary(新しく学んだ単語・表現)
この3つを書くだけで、次回レッスンで同じミスをする確率が大幅に減ります。
さらに、次のレッスンでこのメモを講師に共有すると、講師もあなたの弱点を把握しやすくなり、より効果的なフィードバックが得られます。
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I made these mistakes last time. Could we review them first?
とお願いすれば、復習の質が一段と高まります。
オンライン英会話では「記録する習慣」が上達の速度を大きく左右します。少しのメモでも継続すれば、着実にスピーキング力が向上していきます。
よくある失敗⑧:レッスン中に使える“万能フレーズ”を準備していない
オンライン英会話では、英語が詰まった瞬間に何も言えなくなり、沈黙が生まれることがあります。多くの人は「どう言えばいいかわからない」状態になり、会話が止まることを恐れて焦ってしまいます。しかし、これは英語力だけの問題ではなく、使い回せるフレーズを事前に持っていないことが原因のケースがほとんどです。
実は、レッスン中に頻出する場面はパターン化されています。聞き返すとき、考える時間が欲しいとき、例を求めたいときなど、それぞれに使える“万能フレーズ”を数個知っているだけで、沈黙とストレスを大幅に減らすことができます。
たとえば以下のようなフレーズは、どのレッスンでも役立つ汎用性の高い表現です。
聞き返したいとき
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Could you repeat that?
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Could you speak a little slower?
意味を確認したいとき
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What does that mean?
-
Could you give me an example?
時間が欲しいとき
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Let me think.
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Give me a second.
修正をお願いしたいとき
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Please correct me if I make mistakes.
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Could you tell me a more natural way to say it?
これらのフレーズは、丸暗記しておけば「困ったときの安全装置」として機能します。英語が出てこなくても、まずこの一言を使えば会話は止まりません。レッスンの質を安定させるためにも、“自分専用の基本フレーズ集”を持っておくことが、オンライン英会話をスムーズに進める鍵になります。
まとめ:小さな工夫でレッスンの質は大きく変わる
オンライン英会話のレッスン中に起きる失敗の多くは、英語力そのものよりも、準備・心構え・講師とのコミュニケーションといった“運用面”が原因です。受け身になったり、わかったふりをしたり、予習や復習をしなかったりするのは、誰にでも起こり得る自然なことです。しかし、それらは少しの工夫で簡単に改善できます。
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レッスン前に目的を一つ決める
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わからないときは必ず聞き返す
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予習は3分だけ
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間違いを恐れず短く話す
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通信環境を整える
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講師に合わせすぎない
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フィードバックは30秒でメモ
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困ったときの万能フレーズを持つ
これらを意識するだけで、オンライン英会話は「なんとなく話して終わる場」から「確実に英語力が伸びるトレーニングの場」へと変わります。
失敗は恥ずかしいものではなく、むしろ上達の材料です。今日から小さな改善を積み重ねていけば、毎回のレッスンがより充実し、英語で話す楽しさを実感できるようになります。
よくある質問(FAQ)
Q1. レッスンで沈黙が続くとき、どうすればいいですか?
沈黙は誰にでも起こる自然な現象です。
困ったときは「Let me think.」や「Could you give me an example?」など、時間を稼ぐフレーズを使うとスムーズに流れが戻ります。また、話題が合わないと感じたら別のトピックに切り替えても問題ありません。
Q2. 間違いを直されると緊張してしまうのですが…
講師は学習者がミスをする前提でレッスンを行っています。気になる場合は「軽めに直してほしい」「会話中は自然に続けたい」など、自分の希望を最初に伝えることでプレッシャーが減ります。無理に完璧を目指さなくて大丈夫です。
Q3. 英語が速くて聞き取れないときの対処は?
「Could you speak a little slower?」と一言伝えるだけで調整してくれます。聞き返すのは失礼ではありません。むしろ講師は歓迎します。わからないところはその場で確認することが上達への近道です。
Q4. 毎回予習する時間がありません。どうすればいいですか?
予習は長時間する必要はなく、2〜3分で十分です。
テーマに関連したキーワードを3つ調べる、今日の出来事を一つ思い出すだけでも会話がスムーズになります。気負わず「ミニ予習」を習慣にすることがポイントです。
Q5. 講師との相性が合わないときはどうすべき?
遠慮せずに別の講師を試すのがベストです。話しやすさやフィードバックの質は学習効率に直結します。「安心して話せる」講師を固定すると、レッスンが安定しストレスも減ります。
Q6. レッスン後の復習はどのくらいすればいい?
30秒だけで十分です。
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今日のミス
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修正された文
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新しい単語
この3つをメモすれば、次回に活かせます。長時間の復習は継続の妨げになるため、短くシンプルに続けるのがコツです。
Q7. オンライン英会話は毎日受けるべき?
毎日が理想ですが、負担になるなら週3〜4回でも十分に効果があります。重要なのは「回数」よりも「一回のレッスンの質」です。目的を持って取り組めば、頻度が少なくても上達できます。
Q8. 英語がまったく話せない初心者でも大丈夫ですか?
問題ありません。初心者向けの講師や教材が多く用意されているため、簡単な挨拶や自己紹介から始めればOKです。初心者であればあるほど「万能フレーズ」の準備が効果を発揮します。
