目次
不動産投資におすすめのセブ島エリア【2025年版】
はじめに
近年、フィリピン・セブ島は不動産投資先として急速に注目を集めています。美しいビーチと温暖な気候に恵まれたリゾート地でありながら、セブ市はIT産業や観光業を中心に経済成長を続けており、都市部とリゾートの両方の魅力を併せ持つ稀有な市場です。国際空港の拡張や道路網の整備など、インフラ開発も加速しており、国内外からの移住者・観光客が年々増加しています。
不動産投資の観点から見ると、セブ島には都市型で安定した賃貸需要が見込めるエリアと、観光客を対象に短期高収益を狙えるリゾートエリアが混在しています。これにより、投資目的や資金規模に応じた多様な戦略を立てやすいのが特徴です。
一方で、物件価格の上昇や新規開発ラッシュによる競争激化など、慎重なエリア選定が求められる局面でもあります。本記事では、2025年時点での市場動向を踏まえつつ、長期賃貸・短期運用・将来値上がりといった目的別におすすめのセブ島主要エリアを解説します。
これからセブ島で不動産投資を検討している方は、エリアごとの特性を理解し、自分に最適な投資戦略を見つける参考にしてください。
投資前に押さえるポイント
セブ島の不動産市場は魅力的ですが、購入前に理解しておくべき投資条件とリスクがあります。特に海外投資は法制度や文化の違いも影響するため、事前の知識が成功の鍵となります。
1. 物件タイプ別の利回り傾向
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コンドミニアム 
 外国人が唯一単独名義で所有可能。都市部では長期賃貸で年利5〜7%、Airbnbなど短期運用で8〜12%が目安。
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一戸建て・タウンハウス 
 外国人は土地を所有できないため、法人設立やフィリピン人配偶者名義が必要。賃貸需要はローカル富裕層や駐在員向けに限定される。
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商業物件 
 店舗・オフィスビルは高い収益性が見込めるが、初期投資額が大きく、空室リスクも高い。
2. 投資期間と戦略の違い
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短期回収型(1〜5年) 
 Airbnb運用やリゾート物件転売など、高収益を狙うが、市場変動リスクも大きい。
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長期保有型(5年以上) 
 家賃収入と資産価値の上昇を両立させる戦略。都市部の高稼働率物件や将来開発予定地が対象。
3. 外国人購入に関する規制
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コンドミニアムは全戸数の40%までが外国人所有可能 
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土地は所有不可(法人設立や賃借権利用での運用は可能) 
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契約書や登記手続きは英語で行われるが、法的助言は現地弁護士の確認が必須 
4. 運用管理の重要性
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プロパティマネジメントサービスの利用で家賃集金・清掃・修繕対応を委託可能 
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信頼できる管理会社の選定が、収益性と資産価値の維持に直結 
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賃貸契約の透明性(家賃支払い方法・保証金管理)が重要 
セブ市内おすすめ投資エリア
セブ市内は経済・商業・教育の中心であり、長期賃貸需要が非常に安定している市場です。特に外国人駐在員、BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)関連の従業員、大学生など、明確なターゲット層が存在するため、稼働率の高い運用が可能です。
1. ITパーク(Lahug)
特徴
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セブ島最大のIT・BPO企業集積エリアで、24時間稼働するビジネス街 
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高級コンドミニアム、オフィス、レストラン、ナイトライフ施設が集約 
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徒歩圏内で生活が完結する利便性の高さ 
投資メリット
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駐在員、デジタルノマド、長期滞在の外国人に安定した賃貸需要 
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Airbnb・マンスリー賃貸の両方で高い稼働率(年間平均80%以上) 
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家賃相場:1BRで月35,000〜55,000ペソ、高級物件では60,000ペソ超も 
注意点
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物件価格はセブ島内でもトップクラス 
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新築物件の供給増加による競合激化の可能性 
2. アヤラセンター周辺(Cebu Business Park)
特徴
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高級ショッピングモール「Ayala Center Cebu」を核とした商業・オフィス街 
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外資系企業の本社、銀行、医療機関が近接 
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落ち着いた都市景観と高級感のある街並み 
投資メリット
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高所得層や長期駐在員の賃貸需要が安定 
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賃料下落が起きにくく、資産価値維持が期待できる 
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家賃相場:1BRで月40,000〜60,000ペソ、ペントハウスは100,000ペソ超も 
注意点
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初期投資額が大きく、表面利回りはやや低め(4〜6%) 
3. フエンテ・オスメニャ周辺
特徴
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医療機関(Chong Hua Hospitalなど)や大学、ショッピングモールが集まる生活利便エリア 
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ローカルと外国人が混在する賑やかな地域 
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交通の要衝でジプニーやバスのアクセスが良い 
投資メリット
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学生向け・医療滞在者向けの中価格帯賃貸需要 
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初期投資を抑えて高利回りを狙いやすい(表面利回り7〜9%) 
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家賃相場:1BRで月18,000〜28,000ペソ 
注意点
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一部エリアでは夜間の治安に注意 
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物件の築年数や管理状態により資産価値の差が大きい 
セブ市外・リゾートエリア
セブ市中心部から離れたエリアは、観光需要を背景に短期賃貸で高収益を狙える市場です。海や自然を活かしたリゾート開発が進み、将来的な地価上昇も期待できます。一方で、シーズンオフの稼働率やインフラ面には注意が必要です。
1. マクタン島(Lapu-Lapu City)
特徴
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マクタン・セブ国際空港が位置し、国際線・国内線の玄関口 
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高級リゾートホテル、ダイビングショップ、マリンアクティビティが集中 
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空港から主要ビーチリゾートまで車で15〜30分 
投資メリット
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観光客向けAirbnbやリゾートコンドで高単価運用可能(1泊3,000〜8,000ペソ) 
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空港アクセスの良さでビジネス客・トランジット客の需要も確保 
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高級リゾート隣接物件は将来的に転売益が期待できる 
注意点
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シーズンオフ(6〜9月)は稼働率が低下しやすい 
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物件価格はリゾートエリア特有のプレミアム価格 
2. モアルボアル
特徴
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世界的に有名なダイビング・シュノーケリングスポット(イワシトルネードが有名) 
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欧米人長期滞在者が多く、落ち着いたビーチタウンの雰囲気 
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セブ市から車で約3時間 
投資メリット
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ゲストハウス・小規模リゾート運営で高利回り(Airbnb単価1泊2,500〜6,000ペソ) 
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ダイバーコミュニティ向けに長期滞在プランを組みやすい 
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土地・海沿い物件の希少価値が高い 
注意点
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インフラ(道路・医療・通信)が都市部に比べ劣る 
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シーズンに左右されやすい 
3. バンタヤン島
特徴
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手つかずの白砂ビーチと穏やかな海が魅力 
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フェリーでのアクセス(セブ市から約4〜5時間) 
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観光開発が進み始めている成長段階の島 
投資メリット
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今後の観光開発による地価上昇が見込める先行投資エリア 
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土地価格が比較的低く、長期保有型の資産形成に適する 
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小規模宿泊施設やビーチハウスの需要が拡大中 
注意点
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現段階では観光インフラが未発達 
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物件運営には現地管理人が必要 
投資目的別おすすめマトリクス
不動産投資は「どのエリアが良いか」だけでなく、どんな目的で投資するかによって最適な選択肢が変わります。ここでは投資目的別に、エリア・物件タイプ・想定利回りを整理しました。
| 投資目的 | おすすめエリア | 物件タイプ | 想定利回り(表面) | ポイント | 
|---|---|---|---|---|
| 高稼働率・安定収入 | ITパーク(Lahug) / アヤラセンター周辺 | 高級コンドミニアム | 5〜7% | 外国人駐在員・ビジネス客向けの安定需要 | 
| 短期高収益 | マクタン島 / モアルボアル | Airbnb運用可コンド・リゾート物件 | 8〜12% | 観光シーズンに高稼働、短期回収型 | 
| 将来値上がり狙い | バンタヤン島 / 新規開発予定地 | 土地・ビーチフロント物件 | 年5%以上の値上がり可能性 | 観光開発の波に乗る先行投資 | 
| 初期費用抑制 | フエンテ・オスメニャ周辺 | 中価格帯コンド | 7〜9% | 学生・医療滞在者向け、低価格で参入可能 | 
| 分散投資 | ITパーク+マクタン島 | 都市型+リゾート型の組み合わせ | 平均6〜9% | 稼働率の安定と短期高収益の両立 | 
リスクと回避策
海外不動産投資には魅力と同時にリスクも存在します。特にセブ島のような新興市場では、事前に想定しておくことで被害を最小限に抑えられるケースが多くあります。
1. 為替変動リスク
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リスク内容 
 投資収益や売却益が為替変動で目減りする可能性。円安・ペソ高が続く場合、日本円換算でのリターンが変動する。
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回避策 - 
資産を複数通貨で保有し、為替リスクを分散 
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フィリピン国内での再投資やドル建て資産への振替 
 
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2. 市場変動・需要低下
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リスク内容 
 過剰供給や観光客減少による賃料下落・稼働率低下。特に短期賃貸はシーズンに影響されやすい。
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回避策 - 
エリア選定時に需要の安定度を重視 
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長期賃貸と短期賃貸を組み合わせた運用でリスク分散 
 
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3. 天災・気候変動リスク
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リスク内容 
 台風や洪水などによる建物損傷や運営停止。
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回避策 - 
台風被害の少ない立地・建物仕様を選択 
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保険(火災保険・自然災害保険)への加入 
 
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4. 管理不全による資産価値低下
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リスク内容 
 物件の清掃・修繕不足や、管理組合の機能不全による資産価値の下落。
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回避策 - 
信頼できるプロパティマネジメント会社を選定 
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管理費や修繕積立金の使途を定期的に確認 
 
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5. 法務・契約上のトラブル
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リスク内容 
 登記の不備、賃貸契約の不透明さ、外国人所有規制の違反。
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回避策 - 
現地弁護士による契約書レビュー 
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外国人の所有条件(コンドミニアム40%ルール等)の遵守 
 
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まとめ
セブ島は、都市型の安定した賃貸需要と、リゾート型の高収益チャンスが同時に存在する、東南アジアでも稀有な不動産市場です。ITパークやアヤラセンター周辺では外国人駐在員やビジネス層向けの長期賃貸が安定し、マクタン島やモアルボアルでは観光需要を活かした短期賃貸運用で高利回りが期待できます。さらに、バンタヤン島などの新興リゾートエリアは、将来の地価上昇を狙う先行投資先としても魅力的です。
ただし、為替変動、需要の季節変動、天災、管理不全など、海外不動産ならではのリスクも存在します。エリア選定から契約、運用まで、信頼できる現地パートナーと連携し、情報収集と管理体制の構築を怠らないことが成功の鍵です。
投資目的や予算、運用スタイルによって、最適なエリアや物件は異なります。本記事で紹介した特徴や利回り目安を参考に、自分に合った戦略を組み立ててください。セブ島の不動産市場は、適切な判断と準備さえあれば、安定した収益と将来的な資産価値の向上を同時に実現できる可能性を秘めています。
不動産投資におすすめのセブ島エリア:FAQ
一番利回りを狙いやすいエリアは?
短期高収益ならマクタン島やモアルボアルのリゾート物件、安定利回りならフエンテ・オスメニャ周辺の中価格帯コンドが有力です。価格帯・運用方法によって最適解が変わるため、想定稼働率と客層を先に決めましょう。
安定した賃貸需要があるのはどこ?
ITパーク(Lahug)とアヤラセンター周辺(Cebu Business Park)は、駐在員・BPO人材・ビジネス客の長期賃貸需要が堅調です。管理のしやすさと空室リスクの低さが魅力です。
短期賃貸(Airbnb)はどのエリアが向いている?
マクタン島は空港アクセスとビーチ需要で有利、モアルボアルはダイビング需要で比較的高単価を狙えます。シーズンオフの稼働率低下に備え、月貸しプランとのハイブリッド運用が効果的です。
外国人は何が買える?土地は所有できる?
外国人はコンドミニアムの専有部分を購入可能(総戸数の40%上限)。土地は原則所有不可のため、法人活用や長期賃借権などのスキーム検討が必要です。契約は必ず専門家レビューを受けましょう。
コンド vs 一戸建て、投資向きはどちら?
運用のしやすさ・法的明確さではコンドが優位。富裕層ファミリー向けの長期賃貸や価値向上余地を重視するなら一戸建て・タウンハウスも選択肢ですが、所有・登記スキームに注意が必要です。
表面利回りの目安は?
目安として、都市型の長期賃貸で5〜7%、短期賃貸を絡めると8〜12%も可能です。管理費・修繕費・空室・税コストを差し引いた実質利回りで判断しましょう。
初期費用を抑えたい場合のエリアは?
フエンテ・オスメニャ周辺は購入価格が比較的抑えられ、学生・医療滞在者需要で回転が見込めます。築年数・管理状態の見極めが鍵です。
将来値上がりを狙うなら?
バンタヤン島などの新興リゾートや新規インフラ計画周辺は先行投資の妙味があります。長期保有前提で、流動性と管理体制を確保しましょう。
台風・洪水などのリスク対策は?
立地(標高・排水)、建物仕様(耐風・耐水)、保険(火災・自然災害)をセットで検討。非常時の鍵受け渡しや復旧手順を管理会社と事前に取り決めておくと復帰が早まります。
管理会社の選び方は?
稼働率・平均賃料・レビュー件数・対応SLA(問い合わせから何時間で返答)が評価軸。費用は賃料の8〜15%が目安。短期賃貸は清掃・備品補充・クレーム対応の体制も要確認。
税金・諸費用はどれくらい?
購入時の印紙・登記、毎年の不動産税、賃貸収入に対する所得税、管理費・修繕積立金が主コスト。キャッシュフロー表に空室率と年間維持費を明記して投資判断を。
融資は受けられる?支払い通貨は?
外国人への現地融資はハードルが高めですが、デベロッパー分割や海外口座からの送金で対応可能なケースがあります。支払いは通常PHPまたはUSD建て。為替ヘッジも検討しましょう。
プリセリングと完成済み、どちらが良い?
プリセリングは値上がり益が狙える一方、引き渡し遅延リスクあり。完成済みは即賃貸開始でキャッシュフローの可視性が高いです。デベロッパーの実績と財務健全性を比較しましょう。
賃貸需要の季節性はある?
リゾートは繁忙期(乾季・連休)に高稼働、雨季は落ちやすい傾向。都市型は通年安定。短期・中期・長期のプランを併用すると季節変動の平準化に有効です。
治安や生活利便性の観点で注意点は?
夜間の人通り、主要道路までの距離、病院・スーパー・公共交通の近さをチェック。物件周辺の夜間視察と、住人・管理人へのヒアリングが実効的です。
どのくらいの資金から始められる?
中価格帯コンドであれば頭金と諸費用込みで比較的少額から参入可能。キャッシュフローとリスク許容度に合わせ、分散投資(都市+リゾート)も検討を。
必要書類・手続きの流れは?
予約合意→デューデリジェンス→売買契約→支払い→登記・引き渡し→賃貸運用スタート、が基本フロー。契約書は英語が主流のため、弁護士・公証の確認を必須化しましょう。
出口戦略(売却)のコツは?
周辺の成約事例・家賃実績・稼働率ログを整備し、投資家向け資料として提示できる状態に。ピークシーズン前に販売開始し、価格交渉の幅を確保します。

 
		 
		 
			 
			 
			 
			