目次
セブ島で不動産を売却する方法:手続き・税金・成功のコツ【2025年版】
はじめに
セブ島はフィリピン有数のリゾート都市として知られ、近年は観光客だけでなく、海外からの投資家や移住者からも注目を集めています。特にコンドミニアムやリゾート開発エリアでは不動産需要が高まり、売却を検討するオーナーにとっては魅力的なタイミングです。
しかし、フィリピンの不動産売買は日本とは大きく異なり、法律や税制、必要書類、手続きの流れを正しく理解していないと、売却がスムーズに進まないだけでなく、思わぬトラブルや追加費用が発生することもあります。
本記事では、セブ島で不動産を売却するための基本的な流れ、必要書類、税金・費用の目安、そして売却を有利に進めるためのコツを、現地の実情に沿ってわかりやすく解説します。初めてフィリピンで物件を手放す方でも、全体像をつかみやすいよう、ステップごとに整理しました。
セブ島の不動産売却を成功させたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
1. 売却前に確認すべきこと
セブ島で不動産を売却する場合、まずは物件の法的状態や市場価値を正確に把握することが重要です。ここでの準備が不十分だと、買い手との交渉や手続きでトラブルが発生するリスクが高まります。
1-1 所有権の確認
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外国人オーナーの場合の制限
フィリピンでは外国人が土地を所有することはできません。所有できるのはコンドミニアムユニットのみで、その際も外国人の所有割合が建物全体の40%以下である必要があります。
土地付き物件(戸建てや商業用地など)を売却する場合は、名義がフィリピン人または法人(60%以上がフィリピン資本)であることを確認しましょう。 -
権利証の確認
コンドミニアムはCCT(Condominium Certificate of Title)、土地や戸建ては**TCT(Transfer Certificate of Title)**が発行されています。これらの書類で名義、物件面積、所在地が正しいかを確認します。
1-2 抵当権や負債の有無
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登記簿(Registry of Deeds)でEncumbrance(負担)記録を確認
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銀行ローンが残っている場合は、完済証明(Release of Mortgage)を取得する必要があります。
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未納の固定資産税(Real Property Tax)がある場合は、売却前に精算しておくことが望ましいです。
1-3 市場価格の把握
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周辺エリアでの過去1年以内の売買事例を調査
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不動産ポータル(Lamudi, DotProperty, Facebook Marketplaceなど)で同条件の売出価格を確認
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信頼できる不動産ブローカーに依頼して、プロの査定額を入手すると交渉がスムーズになります。
1-4 売却目的の整理
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すぐに現金化したいのか、それともできるだけ高値で売りたいのかで戦略が変わります。
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緊急売却の場合は市場価格より低めの設定が必要になることもありますが、計画的に売却する場合はマーケティング期間を長めに確保できます。
この段階で、**「売れる状態」**になっていない物件を売り出すと、契約後の手続きが長引いたり、価格交渉で不利になったりするため、必ず事前チェックを済ませておくことが成功の鍵です。
2. 売却までの基本的な流れ
セブ島で不動産を売却する場合、日本のように不動産会社がすべて代行してくれるケースもあれば、売主自身が積極的に動く必要があるケースもあります。ここでは、売却の全体像を6つのステップに分けて解説します。
ステップ1:物件評価(Appraisal)
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不動産売却の出発点は**「いくらで売れるか」**を知ることです。
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評価方法には以下があります:
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不動産仲介業者の無料査定(相場ベース)
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独立評価士(Licensed Appraiser)による有料査定(公的機関や銀行で使用可能)
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特に外国人バイヤーを対象にする場合は、複数の査定結果を比較して適正価格を設定しましょう。
ステップ2:販売準備
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内覧時の印象を高めるため、清掃・修繕・ホームステージングを行います。
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家具付きで売却する場合は、破損や劣化のある家具を修理または交換。
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プロのカメラマンによる高品質写真撮影は、オンライン掲載のクリック率を大きく向上させます。
ステップ3:販売チャネルの選択
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仲介業者を利用する場合:販売戦略の提案、広告掲載、交渉、契約までを代行してくれます。
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**個人売却(FSBO: For Sale By Owner)**の場合:Facebook Marketplace、Lamudi、DotPropertyなどのオンライン広告やSNSを活用します。
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現地の外国人コミュニティ(例:Cebu Expat Group)や日本人会ネットワークに情報を流すのも効果的です。
ステップ4:購入希望者との交渉
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価格交渉では、事前に**最低受け入れ価格(Bottom Price)**を設定しておくことが重要です。
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価格だけでなく、引き渡し時期、家具付きか否か、支払い条件(現金一括、分割払い、銀行ローン利用)なども交渉ポイントになります。
ステップ5:契約書作成(Deed of Absolute Sale)
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交渉がまとまったら、弁護士または仲介業者を通して契約書を作成します。
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契約書は公証人(Notary Public)で認証され、正式な効力を持ちます。
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契約書には、物件情報、売買価格、支払い条件、引き渡し日、税金負担の明記が必要です。
ステップ6:税金支払いと名義変更
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売主は**譲渡所得税(Capital Gains Tax)を、買主は印紙税(Documentary Stamp Tax)**を支払うのが一般的(交渉により変更可)。
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税金支払い後、登記所(Registry of Deeds)で新しい権利証を発行。
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最後に市役所で**固定資産税の名義変更(Tax Declaration更新)**を行います。
ポイント
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フィリピンでは書類手続きに数週間〜数ヶ月かかる場合があります。
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余裕を持ったスケジュールで売却計画を立てることが成功の秘訣です。
3. 売却方法の選択
セブ島で不動産を売却する場合、大きく分けて**「仲介業者を通す方法」と「自分で売却する方法(個人間取引)」**の2つがあります。どちらを選ぶかによって、手間・コスト・売却スピードが変わります。
3-1 不動産仲介業者を利用する
メリット
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集客力
広告ネットワークや既存顧客リストを活用して、短期間で多くの潜在バイヤーにアプローチ可能。 -
手続き代行
書類準備、税金計算、契約書作成、登記までサポートしてくれる。 -
価格交渉のサポート
市場相場を踏まえて適正価格を提示し、買主との交渉をスムーズに進める。
デメリット
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仲介手数料
成約価格の3%〜5%(高額物件では金額が大きくなる) -
業者の質の差
経験の浅いブローカーだと販売戦略が弱く、売却まで時間がかかることも。
おすすめの活用シーン
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海外在住でセブ島に頻繁に来られない場合
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物件の価格帯が高く、海外バイヤーを狙う場合
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書類や税金手続きを任せたい場合
3-2 自分で売却(個人間取引 / FSBO: For Sale By Owner)
メリット
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仲介手数料が不要
販売価格を下げずに売却益を最大化できる。 -
交渉の自由度が高い
買主と直接やり取りでき、柔軟な条件設定が可能。
デメリット
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集客力の限界
広告媒体やSNSに頼るため、買主候補の数が限定される。 -
書類や契約の負担
法的な書類作成や税金計算を自分で行う必要がある。 -
詐欺や未払いリスク
事前のデューデリジェンス(身元・資金確認)が不可欠。
おすすめの活用シーン
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売却価格が低めで仲介手数料負担を避けたい場合
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セブ島に滞在しており、交渉や内覧対応が可能な場合
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ローカル市場(フィリピン人バイヤー)にターゲットを絞る場合
3-3 ハイブリッド型(部分的に業者利用)
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初期集客や広告は仲介業者に依頼し、交渉や契約は自分で行う方法。
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例:広告掲載のみ依頼(Listing Service Feeを支払い)、成約後の手続きは自力で行う。
比較表:売却方法別の特徴
| 項目 | 仲介業者利用 | 自分で売却 |
|---|---|---|
| 費用 | 高い(3〜5%手数料) | 低い(広告費のみ) |
| 集客力 | 高い | 中〜低 |
| 手続き負担 | 低い | 高い |
| 売却スピード | 速い場合が多い | マーケティング次第 |
| リスク管理 | プロが対応 | 自分で対応 |
4. 買い手を見つけるための戦略
セブ島で不動産を売却する際、買い手探しは成功のカギとなります。特に外国人バイヤーとフィリピン人バイヤーでは、情報収集方法や購入動機が異なるため、ターゲットに応じた販売戦略が必要です。
4-1 ローカルバイヤー向け集客
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Facebook Marketplace
セブ島では物件探しに最も利用されている無料プラットフォーム。写真・価格・立地情報を明確に掲載し、Messengerでの問い合わせに迅速に対応します。 -
Carousell(旧OLX)
中古品だけでなく不動産売買にも活用可能。 -
新聞広告・ローカル掲示板
一部の年配層は依然として紙媒体を利用。SunStar CebuやThe Freemanなど。
4-2 海外バイヤー向け集客
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Lamudi / DotProperty
海外在住者がフィリピン不動産を探す際によく使うポータルサイト。英語での掲載が必須。 -
海外向けSNSグループ
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Cebu Expat Group(Facebook)
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セブ日本人会や韓国人会のネットワーク
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不動産展示会・投資セミナー
マニラやシンガポール、香港で開催されるフィリピン不動産イベントに出展している仲介業者と連携。
4-3 物件の魅力を伝える工夫
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多言語対応
英語だけでなく、日本語、中国語、韓国語の広告を用意すると問い合わせ数が増加。 -
プロ写真・動画ツアー
ドローン映像や360度ビューで物件を紹介。特にリゾート物件では海や景観を強調。 -
家具付き・即入居可の訴求
海外バイヤーは「手間がかからない物件」を好む傾向。
4-4 現地販売イベントの活用
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モール(Ayala Center、SM City Cebu)やホテルで開催される不動産フェアに出展。
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直接来場者と話すことで、ネットでは拾えない顧客層を取り込める。
ポイント
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ターゲット市場ごとに広告の「言語・媒体・見せ方」を変える。
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価格交渉を前提に少し高めに設定しておくと、値引き後も納得できる条件で成約しやすい。
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問い合わせには即レス(24時間以内)が鉄則。返信の早さは信頼度につながります。
5. 必要書類一覧
セブ島で不動産を売却する際には、多くの書類を正確に揃える必要があります。書類不足や不備があると、契約や名義変更が遅れ、最悪の場合は取引が無効になることもあります。ここでは、売却時に必要となる主な書類と発行先を整理します。
5-1 権利証関連
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Original Title(CCTまたはTCT)
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コンドミニアムの場合:CCT(Condominium Certificate of Title)
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土地・戸建ての場合:TCT(Transfer Certificate of Title)
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発行先:Registry of Deeds(登記所)
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名義、面積、所在地が正しいかを必ず確認。
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5-2 税関連の書類
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Real Property Tax Clearance(固定資産税完納証明書)
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発行先:市役所(City Treasurer’s Office)
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売却時点で未納がある場合は清算が必要。
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Tax Declaration(資産申告書)
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発行先:市のAssessor’s Office
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物件評価額や課税額が記載されており、売買時の参考資料となる。
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BIR書類
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Capital Gains TaxやDocumentary Stamp Tax支払いに必要。
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発行先:Bureau of Internal Revenue(国税局)。
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5-3 売買契約関連
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Deed of Absolute Sale(売買契約書)
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売主・買主の署名、公証人(Notary Public)の認証が必要。
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契約内容には売買価格、引き渡し日、税金負担区分を明記。
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Special Power of Attorney(委任状)(必要な場合)
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売主が現地に来られない場合、代理人に手続きを委任するための書類。
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公証およびフィリピン大使館での認証が必要なケースもある。
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5-4 身分証明関連
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有効な身分証明書
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フィリピン国民:Government-issued ID(パスポート、ドライバーズライセンス等)
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外国人:パスポート、ACR I-Card(外国人登録証)
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買主の身分証コピー
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契約書作成時に添付。
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書類準備のコツ
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可能であれば売却開始前に、全ての書類をスキャンしてPDF化しておく。
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名義や地番に誤りがある場合は、Registry of Deedsで修正手続きを行ってから売却活動を始める。
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海外在住者は、委任状(SPA)や契約書の公証・認証手続きに時間がかかるため、早めに着手すること。
6. 売却時にかかる税金と費用
セブ島で不動産を売却する際には、売主・買主の双方がいくつかの税金や費用を負担します。特に売主側は**Capital Gains Tax(譲渡所得税)**などの支払い義務があるため、事前に金額と計算方法を把握しておくことが重要です。ここでは、代表的な税金・費用とその目安を整理します。
6-1 売主が負担することが多い税金・費用
① Capital Gains Tax(譲渡所得税)
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税率:売却価格またはBIR評価額(Zonal Value)の高い方の6%
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支払い先:Bureau of Internal Revenue(BIR、国税局)
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支払い期限:契約締結日から30日以内
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※ 実際には「譲渡益」にかかるのではなく、売却価格を基準に計算される点が日本と異なります。
② Notarial Fee(公証人費用)
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目安:売買価格の1〜2%
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契約書の公証を行うための費用。物件価格が高額な場合は交渉で割引されることもあります。
③ Broker’s Commission(仲介手数料)
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相場:成約価格の3〜5%
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仲介業者利用時のみ発生。通常は売主負担。
④ Unpaid Real Property Tax(未納固定資産税)
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売却時に未払いがある場合は清算が必要。完納証明書(Tax Clearance)が発行されるまで手続きは進められません。
6-2 買主が負担することが多い税金・費用
① Documentary Stamp Tax(印紙税)
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税率:売却価格またはBIR評価額の高い方の1.5%
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原則は買主負担ですが、交渉により売主と折半することもあります。
② Transfer Tax(譲渡税)
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税率:売却価格またはBIR評価額の高い方の0.5〜0.75%(自治体によって異なる)
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市または州政府に支払います。
③ Registration Fee(登記手数料)
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目安:売却価格に応じて数千〜数万ペソ程度
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Registry of Deedsで所有権移転時に支払う費用。
6-3 税金・費用負担の交渉例
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一般的な取り決め(ローカル取引の多く)
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売主:Capital Gains Tax、仲介手数料、公証費用
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買主:Documentary Stamp Tax、Transfer Tax、Registration Fee
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外国人同士や国際取引では、税金負担を半分ずつにするケースもあります。
注意点
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BIR(国税局)のZonal Valueは定期的に改定されるため、売却前に最新の評価額を確認しておくこと。
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税金の支払い証明がないと名義変更ができません。
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買主との契約書には税金負担区分を明記し、後からトラブルにならないようにします。
7. 所有権移転の手続き
セブ島で不動産を売却する際、契約が成立しても手続きが完了するまでは正式に所有権が移りません。フィリピンでは、書類処理や税金支払いの流れが日本とは異なり、複数の官公庁を経由するため時間がかかります。ここでは、契約から名義変更完了までのステップを時系列で解説します。
ステップ1:契約書(Deed of Absolute Sale)の締結
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売主・買主が合意した条件を盛り込み、公証人(Notary Public)の立会いのもと署名。
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契約書は複数部作成し、売主・買主・BIR・Registry of Deeds用に保管。
ステップ2:税金の支払い(BIRでの手続き)
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売主:Capital Gains Tax(6%)の支払い
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買主:Documentary Stamp Tax(1.5%)の支払い
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支払い完了後、BIRから**Certificate Authorizing Registration(CAR)**が発行されます。
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CARは所有権移転の必須書類で、有効期限があるため早めの申請が望ましいです。
ステップ3:Transfer Taxの支払い
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発行先:市役所または州政府(Municipal/City Treasurer’s Office)
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契約日から一定期間内(通常60日以内)に支払う必要があります。
ステップ4:Registry of Deedsで名義変更
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必要書類:Original Title(CCT/TCT)、CAR、税金支払い証明書、契約書、身分証コピー
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Registry of Deedsで新しいTitle(権利証)が発行されます。
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発行までの期間は通常1〜3ヶ月程度ですが、混雑時はさらに時間がかかることもあります。
ステップ5:Tax Declarationの更新
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最後に市のAssessor’s Officeで**Tax Declaration(固定資産税台帳)**を新オーナー名義に更新。
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この手続きを怠ると、固定資産税の請求が旧オーナーに届くことがあります。
ポイント
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フィリピンでは、税金の未払いがあると名義変更手続きが進められません。
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海外在住者は、Special Power of Attorney(委任状)を使って代理人に手続きを任せることが可能。
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全体の所要期間は早くて2〜3ヶ月、遅い場合は半年以上かかるため、売却計画には余裕を持たせましょう。
8. 売却を有利に進めるコツ
セブ島の不動産市場では、同じエリア・同じ間取りでも売り方次第で売却スピードや価格が大きく変わります。ここでは、できるだけ高く・早く売るための実践的なポイントを紹介します。
8-1 販売タイミングの工夫
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**観光シーズン前(11〜1月)**に売り出すと、移住希望者や投資家の動きが活発になります。
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コンドミニアムの場合は、新築物件の大量供給時期を避けると価格競争に巻き込まれにくくなります。
8-2 広告の質を高める
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プロによる写真撮影は必須。室内を明るく見せ、広さを強調します。
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動画ツアーや360度ビューを追加すると、海外からの問い合わせ率が大幅アップ。
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多言語(英語、日本語、中国語、韓国語)での広告文作成により、ターゲット層を広げられます。
8-3 内覧対応のポイント
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内覧前に清掃・換気を行い、第一印象を良くする。
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エアコンを稼働させ、快適な室温に保つ。
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家具やインテリアを整えて、生活イメージを持たせやすくする。
8-4 価格交渉の準備
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**最低受け入れ価格(Bottom Line)**を事前に決めておき、即答できるようにしておく。
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値引きに応じる場合は、その分を家具や家電の撤去費用免除や、引き渡し日の柔軟化などでバランスを取る。
8-5 信頼性をアピール
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所有権証明や税金完納証明を事前に準備し、買主に提示することで安心感を与える。
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仲介業者や弁護士を介して契約を行うことで、トラブルのリスクを低減。
小さな工夫が大きな差に
セブ島では物件数が多く、特にコンドミニアム市場は競争が激しいため、広告や内覧の質を高めることが重要です。「きれい・安全・すぐ住める」物件は、価格交渉でも有利になります。
まとめ
セブ島で不動産を売却するには、日本とは異なる法律・税制・手続きを理解し、計画的に進めることが成功のカギです。売却までの流れをおさらいすると、次のようになります。
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売却前の確認
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権利証や名義の正確性、未払い税金の有無をチェック
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市場価格や売却目的を明確化
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販売準備と戦略立案
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プロによる写真撮影や修繕で物件価値を高める
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ターゲット(ローカル/海外)に合わせた広告チャネルを選択
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売却方法の選択
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仲介業者を利用してスムーズに進めるか、自分で売却してコストを抑えるかを判断
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契約・税金・所有権移転
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Deed of Absolute Saleの作成、公証、税金支払い、Registry of Deedsでの名義変更
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必要に応じてTax Declarationの更新
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トラブル防止の工夫
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書類と税金を事前に整備
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契約条件を明文化し、支払い遅延リスクを回避
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成功のためのポイント
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早めの準備:書類や税金清算は販売開始前に済ませる
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情報の透明性:買主に信頼感を与えることで交渉が有利に
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多言語での訴求:海外バイヤーへのアプローチ力が高まる
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現地パートナーの活用:仲介業者・弁護士・会計士を組み合わせて安全に取引
セブ島は今も不動産需要が堅調で、特に立地の良いコンドミニアムやリゾート物件は世界中の投資家から注目されています。正しい知識と戦略を持って臨めば、短期間で納得のいく価格で売却できる可能性が高まります。
不動産は大きな資産です。焦らず、確実に、そして安全に売却を進めていきましょう。
よくある質問(FAQ)— セブ島で不動産を売却する方法
Q1. 外国人でもセブ島の物件を売却できますか?
はい、所有している物件の種類に応じて売却できます。外国人名義で所有できるのは原則コンドミニアム(建物部分)です。土地や土地付き戸建は通常フィリピン人または比資本60%以上の法人名義となるため、名義人が売主になります。
Q2. 売却開始前に必ず確認すべき書類は?
- 権利証:CCT(コンド)またはTCT(土地・戸建)
- Real Property Tax Clearance(固定資産税完納証明)
- Tax Declaration(資産申告書)
- 身分証明(パスポート等)
- 抵当権の有無(Encumbrance記録)
Q3. 売却にかかる期間の目安は?
販売期間は物件や相場次第ですが、成約後の名義変更完了まで2~3か月程度が目安です。手続き混雑や書類不備があると半年以上かかる場合もあります。
Q4. 売主が負担する税金や費用は?
- Capital Gains Tax(譲渡税):売却価格または評価額の高い方の6%
- Notarial Fee(公証費):通常1~2%
- Broker’s Commission(仲介手数料):通常3~5%
- 未納固定資産税の清算
負担区分は交渉で変更可能です。契約書に明記しましょう。
Q5. 買主が負担することが多い税金は?
- Documentary Stamp Tax(印紙税):約1.5%
- Transfer Tax(譲渡税):約0.5~0.75%(自治体差)
- Registration Fee(登記手数料):価格帯に応じて変動
Q6. 価格はどう決めればいい?
周辺の売買事例・ポータル掲載価格・独立評価士の査定を参考にし、交渉を見越して少し高めに設定します。最低受け入れ価格(ボトムライン)をあらかじめ決めておくとスムーズです。
Q7. 仲介を使うべき?自分で売るべき?
海外在住・高額帯・手続き代行を望む場合は仲介が有利。費用を抑えたい・現地対応が可能・ローカル向けに売るなら自分売りも選択肢。広告だけ業者に頼むハイブリッドも有効です。
Q8. 売却の集客はどこで行う?
- ローカル:Facebook Marketplace、Carousell、新聞広告
- 海外:Lamudi、DotProperty、各国コミュニティ(例:Cebu Expat Group)
- 補足:多言語掲載(英・日・中・韓)と高品質写真・動画が効果的
Q9. 予約金や頭金はどう扱う?
予約金(Reservation Fee)や頭金(Down Payment)は金額・返金条件・期限を契約書に明記し、領収書を発行。エスクローや弁護士口座を使うと安全性が高まります。
Q10. 銀行ローンが残っている物件は売れますか?
可能です。完済してRelease of Mortgage(抵当解除)を取得するか、買主ローンへ切替える手続きを金融機関と調整します。スケジュールに余裕を持ちましょう。
Q11. 売却時の支払い方法と通貨は?
一般的にはフィリピンペソでの銀行振込。海外への送金・為替リスク・送金限度・必要書類(ソースオブファンド等)を事前に確認してください。現金受け渡しは避け、振込記録を残すのが安全です。
Q12. 海外在住で現地に行けない場合は?
Special Power of Attorney(委任状)を用意し、代理人に手続きを委任できます。公証・大使館認証が必要な場合があるため、早めに準備しましょう。
Q13. BIRのCAR(Certificate Authorizing Registration)とは?
税金の支払い完了を示す証明で、名義変更に必須です。Capital Gains Tax・Documentary Stamp Taxの納付後にBIRから発行されます。
Q14. 内覧時に気をつけることは?
- 清掃・換気・空調で快適性を確保
- 破損箇所や水回りの事前修繕
- 家具・家電の状態と引渡可否を明確化
Q15. よくあるトラブルは?どう防ぐ?
- 名義不一致:登記で事前確認・修正
- 税金未払い:完納証明を取得してから販売
- 外国人購入制限の誤解:コンドのみ所有可を明確化
- 未払い・遅延:支払スケジュールと違約条件を契約に明記
Q16. 税率や評価額は変わることがありますか?
はい。BIRのZonal Valueや各種税率・手数料は改定される場合があります。売却前に最新情報を確認し、数字は契約書と領収書で裏付けを取りましょう。
Q17. 家具付きで売ると有利ですか?
ターゲット次第です。海外バイヤーには「即入居可」が好評で成約が早まる傾向。家具・家電の明細と状態をリスト化し、価格内訳を明確にすると交渉がしやすくなります。
Q18. 仲介手数料は誰が払いますか?
ローカル慣行では売主負担が一般的ですが、交渉次第です。負担区分・割合・支払時期を契約に明記してください。
Q19. 売却後の固定資産税はどうなりますか?
Registry of Deedsで権利証の名義変更後、市のAssessor’s OfficeでTax Declarationを新オーナーへ更新します。これを怠ると請求が旧オーナーに届くため必ず実施してください。
Q20. 詐欺やトラブルを避ける実務的な方法は?
- 本人確認(ID)、資金証明の取得
- 支払いは銀行経由、受領記録を保存
- 契約書は弁護士・経験豊富なブローカーでレビュー
- 重要条件(価格・税負担・引渡日・違約条件)を明文化
