セブ島賃貸の入居・退去時の注意点【セブ島不動産ガイド】
はじめに
セブ島で賃貸物件を借りるとき、日本と同じ感覚で契約や入居・退去を進めると、思わぬトラブルや余計な出費につながることがあります。
例えば、デポジット(保証金)の返金条件、原状回復の範囲、退去通知の期限などは、フィリピン独自の慣習やルールが存在します。
このガイドでは、入居前の契約確認ポイントから、入居後の注意事項、そして退去時の手続きまでを順を追って解説します。
事前に流れや注意点を把握しておくことで、スムーズに新生活を始められ、退去時も円満に契約を終えることができます。
これからセブ島で賃貸物件を探す方や、すでに入居を控えている方は、ぜひ参考にしてください。
1. 入居時の注意点
1-1. 契約前に必ず確認すべき項目
セブ島の賃貸契約は、基本的にオーナー(家主)と直接交わす場合と、不動産仲介業者を通す場合があります。
契約書は英語で作成されることがほとんどなので、不明な点はその場で確認し、必要であれば翻訳サポートを受けましょう。
特に確認すべきポイント
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契約期間:多くは6か月〜1年契約。短期契約は家賃が割高になる傾向あり。 
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家賃の支払い方法と期日:現金、銀行振込、小切手など。支払い期日や遅延時のペナルティを確認。 
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デポジット(保証金):通常1〜2か月分。退去時の返金条件を契約書に明記してもらう。 
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前払い家賃:1〜2か月分を契約時に前納するのが一般的。 
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光熱費の負担:家賃に含まれる場合と、別途請求される場合がある。 
1-2. 入居前の物件チェック
契約前や入居前には、必ず室内を細かく確認しておきましょう。特に家具・家電付き物件の場合は、動作状況を証拠として残すことが大切です。
チェック項目
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家具・家電の動作:エアコン、冷蔵庫、洗濯機、電子レンジなど 
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水回り:水漏れや排水の詰まりがないか 
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鍵と施錠:玄関・窓・バルコニーのロックがしっかり機能するか 
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壁や床の状態:キズや汚れがあれば写真で記録 
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メーターの初期値:電気・水道メーターを撮影し、入居時の数値を残す 
1-3. 入居時に必要な書類・費用
契約・入居には、いくつかの書類と初期費用が必要です。
必要書類
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パスポートのコピー(ビザページ含む) 
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契約書(署名済み) 
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光熱費名義変更の申請書(必要な場合) 
必要費用
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デポジット(保証金)1〜2か月分 
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前払い家賃1〜2か月分 
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仲介手数料(不動産業者利用時のみ/通常は家賃1か月分) 
2. 入居後のポイント
2-1. 家具・家電の使用ルール
セブ島の賃貸物件は、家具・家電が最初から備え付けられているフルファーニッシュタイプが多く見られます。
ただし、使用方法や修理負担については契約ごとに異なるため注意が必要です。
チェックしておくべきこと
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故障時はオーナー負担か借主負担か 
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修理依頼の方法(直接修理業者を呼ぶのか、オーナー経由なのか) 
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エアコンの定期清掃やフィルター交換の費用負担者 
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長期間の不在時は電源を落とすべきか(電圧変動対策) 
2-2. 管理オフィスやオーナーとの連絡方法
コンドミニアムやゲーテッドコミュニティでは、**管理オフィス(フロントデスク)**が常駐しており、設備トラブルや宅配受け取りの対応をしてくれます。
一方、アパートタイプや戸建て賃貸では、直接オーナーとやり取りすることが一般的です。
おすすめの連絡方法
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修理や相談は必ずチャットやメールで残す(WhatsAppやViberが多い) 
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緊急連絡先(停電・水漏れ時など)をメモしておく 
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英語が苦手な場合は、翻訳アプリを活用して短文でやり取り 
2-3. 公共料金の支払い管理
セブ島では電気・水道・インターネットなどの公共料金は、物件により家賃込みか別払いかが異なります。
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電気代:家電使用量が多いと高額になる(エアコンは特に) 
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水道代:コンドでは管理会社一括請求、アパートでは直接検針が多い 
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インターネット:オーナー契約をそのまま使うか、新規契約をするかで速度や安定性が変わる 
2-4. ご近所・住人ルールの把握
フィリピンでは夜間の騒音やペットの飼育ルールに厳しい物件もあります。
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ペット飼育可否(犬・猫のサイズ制限ありの場合も) 
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深夜の楽器演奏やパーティーに関する規則 
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プールやジムの利用時間 
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ゴミ出しのルール(曜日指定や分別方法) 
ポイント
入居直後は「生活の癖」が出やすく、ルール違反に気づかないまま注意を受けるケースがあります。
最初の1か月は、管理規約を熟読し、他の住人の行動を観察することが安心です。
3. 退去時の注意点
3-1. 退去通知の期限
セブ島では、退去の意思を30〜60日前までにオーナーまたは管理会社へ書面またはチャットで通知するのが一般的です。
契約書に記載がある場合は必ず従い、通知が遅れると家賃1か月分が追加で請求されるケースもあります。
ポイント
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退去通知は口頭ではなく記録が残る方法で(WhatsApp、Viber、メールなど) 
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通知日と退去日を明確に伝える 
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受け取り確認の返信ももらっておく 
3-2. 原状回復の考え方
フィリピンでは、日本のように細かい「原状回復ガイドライン」が法律化されていません。
そのため、入居時と同じ状態に戻すことが基本ルールですが、何を経年劣化とみなすかはオーナーの判断による部分が大きいです。
よく差し引かれる修理例
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家具や家電の破損 
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壁の大きな穴や落書き 
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床の深い傷や焦げ跡 
基本は入居時の写真や動画で証明することで、不要な修理費負担を避けられます。
3-3. 光熱費・インターネットの精算
退去前に必ず全ての公共料金を精算しましょう。
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電気・水道:最終検針を行い、残額を支払う 
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プリペイド方式:残高は返金されないことが多い 
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インターネット契約:解約手続きまたは移転手続きを行う(違約金が発生する場合あり) 
3-4. デポジット(保証金)の返金
デポジットは通常、退去後の物件チェックが終わってから返金されます。
返金まで1〜2か月かかることも珍しくありません。
返金額が減額される主な理由
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修理費の差し引き 
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未払い光熱費の控除 
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契約違反によるペナルティ 
アドバイス
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退去時立ち会いを依頼し、その場でチェック内容を確認 
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減額理由は必ず書面やメッセージで説明をもらう 
3-5. 鍵とアクセスカードの返却
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コンドミニアムではアクセスカードやゲート用リモコンも返却対象 
- 
紛失時は再発行料を請求される 
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返却時に「受領確認書」をもらっておくと安心 
4. トラブル防止のコツ
4-1. 記録を残す習慣
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入居時と退去時は必ず写真・動画を撮影 
 → 家具・家電・壁・床・天井・バルコニー・メーター類など
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修理や相談内容はチャットやメールで証拠を残す 
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口約束は避け、必ず文面化する 
4-2. 契約書の保管
- 
原本とコピーの両方を保管 
- 
契約条件や支払い履歴もセットで保存 
- 
デジタル化してクラウド保存しておくと紛失防止になる 
4-3. 早めのコミュニケーション
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設備の不具合は小さいうちに報告 
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退去予定が決まったら早めに通知 
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交渉や要望は感情的にならず事実ベースで伝える 
4-4. ローカルルールの尊重
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近隣住民や管理規約への配慮が、結果的にトラブル回避につながる 
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ペット・騒音・共有施設利用のルールは特に注意 
まとめ
セブ島の賃貸契約では、日本とは異なる慣習やルールが存在します。
入居前のチェック、入居後の管理、退去時の手続きを正しく理解して行動すれば、デポジット返金トラブルや追加費用請求のリスクは大きく減ります。
特に、
- 
契約条件の事前確認 
- 
写真・動画による証拠保管 
- 
書面でのやり取り 
 の3つは必須です。
事前準備と記録の徹底で、安心してセブ島生活を楽しみ、退去時も円満に契約を終えましょう。
よくある質問(FAQ)
Q1. デポジット(保証金)はいくら必要?返金はいつ?
相場は家賃の1〜2か月分。退去後に室内チェックと未払い精算を終えてから返金されるのが一般的で、数週間〜1〜2か月かかることがあります。返金時期・方法は契約書に明記してもらい、退去立ち会いのメモを残しましょう。
Q2. 退去通知はいつまでに出せばいい?
多くの契約で30〜60日前の書面通知(メールやチャット可)が求められます。期日を過ぎると追加で家賃を請求される場合があるため、受領確認の返信も必ず保存してください。
Q3. 途中解約はできる?ペナルティは?
可能かどうかは契約条件次第です。違約金やデポジット没収、残存期間の一部支払いなどの条項があることも。転勤・病気など例外条項があるかも含め、署名前に確認しましょう。
Q4. 原状回復はどこまで必要?
入居時と同等の状態に戻すのが基本。ただし通常使用による経年劣化は除外されるのが一般的です。入居時の写真・動画を残しておくと、不要な修理費の請求を避けやすくなります。
Q5. 退去時のクリーニング費用は誰が負担?
契約で借主負担の基本清掃が定められている場合があります。プロ清掃の指定や金額の上限有無を確認し、引き渡し前に簡易清掃(キッチン・水回り・床)を済ませましょう。
Q6. 家具・家電が故障したら誰が直す?
原因と契約内容で変わります。自然故障はオーナー負担、過失や誤使用は借主負担とされることが多いです。修理は事前にオーナーへ連絡し、書面で承認を得ましょう。
Q7. 入居時のチェックリストは?
ドア・窓・鍵、壁・床のキズ、家電の動作(エアコン・冷蔵庫・洗濯機など)、水回り(漏れ・排水)、電気・水道メーターの初期値を撮影し、管理側に共有して記録を残しましょう。
Q8. 光熱費やインターネットは名義変更が必要?
物件により家賃込み/別払いが異なります。別払いの場合は名義変更や保証金が必要なことも。退去時は最終検針・解約を行い、未払いゼロの証憑を保管しましょう。
Q9. インターネットを解約・移転する手順は?
契約者がオーナーか借主かで手続きが変わります。機器返却・違約金・移転可否を事前確認し、退去日から逆算して申請しましょう。回線停止の証明も保存しておくと安心です。
Q10. ペットは飼える?違反するとどうなる?
物件規約次第です。体重・頭数・種類の制限がある場合も。禁止物件での飼育や無断飼育は罰金や契約違反になることがあります。必ず事前に許可を確認してください。
Q11. 騒音トラブルを避けるには?
静粛時間帯やパーティーに関する規約、楽器使用ルールを確認。苦情が来たら即時対応と記録を。再発防止策(時間帯調整、防音マット等)もメッセージで共有しておくと良好な関係を保てます。
Q12. 退去時の立ち会いは必要?
立ち会いは後日の認識ズレ防止に有効です。チェック項目・修理必要箇所・清掃範囲をその場で確認し、同意内容をメッセージで残すと返金手続きがスムーズになります。
Q13. 家賃の支払い方法と、遅れた場合の対応は?
現金・振込・小切手など。遅延時はペナルティや利息が定められていることがあります。事情があれば期日前に連絡し、合意した支払計画を文面化しましょう。
Q14. 保険(家財・損害)は入ったほうがいい?
任意ですが、家財の盗難・水濡れ・第三者賠償をカバーできると安心です。適用範囲・免責・支払い条件を確認し、必要に応じて加入を検討しましょう。
Q15. オーナーが物件を売却したら契約はどうなる?
契約期間中は新オーナーへ承継されるのが一般的ですが、条項により異なる場合があります。連絡窓口・家賃送金先・デポジットの承継を書面で確認してください。
Q16. 退去日が週末・祝日の場合は?
管理オフィスが休みだと立ち会いやカード返却ができないことがあります。前営業日での手続きや一時対応(鍵ボックス等)の可否を事前に調整しましょう。
Q17. 領収書ややり取りの保存期間は?
契約期間中〜退去後しばらくは保管推奨です。家賃・デポジット・光熱費・修理の証憑、連絡履歴(チャット・メール)はトラブル時の重要な根拠になります。
Q18. 英語が苦手。やり取りはどうすれば?
短文+翻訳アプリでのメッセージが有効です。要点・期限・金額を箇条書きにし、画像(写真・動画)で状況を補足すると誤解を減らせます。重要事項は最終的に英文の合意文面にまとめましょう。
Q19. デポジットから差し引かれやすい項目は?
修理費・破損補修・未払い光熱費・鍵やカードの再発行料など。減額理由と金額の内訳は明細で提示してもらい、合意できない場合は入居時記録やメッセージ履歴を根拠に協議します。
Q20. 鍵やアクセスカードを紛失したら?
再発行費用がかかるのが一般的です。速やかに管理側へ連絡し、必要ならシリンダー交換の可否・費用負担を確認しましょう。返却時は受領の記録(写真・受領書)を残してください。

 
		 
		 
			 
			 
			 
			 
			