目次
ITパークのレンタルコンドミニアム利回り【セブ島不動産ガイド】
はじめに
セブ島の中でも、特に投資家から高い注目を集めているエリアが「ITパーク」です。
近代的なオフィスタワーと商業施設が立ち並び、24時間眠らないビジネス街として発展を続けるこの地区は、フィリピン国内外のBPO企業や外資系企業が集中し、毎日数万人の就業者が行き交います。
このような経済活動の中心地であることから、ITパーク周辺のコンドミニアムは高い入居率と安定した賃貸需要を誇り、長期的な資産運用先としても魅力的です。特に近年は、外国人駐在員や留学生、短期滞在者向けの賃貸市場が拡大しており、家賃相場も上昇傾向にあります。
しかし、表面利回りや実質利回りを正しく理解せずに購入を決断すると、「思ったよりも手残りが少ない」「空室期間が想定より長い」などの課題に直面する可能性があります。本記事では、2025年時点の最新データをもとに、ITパークの賃貸コンドミニアムの利回りを具体的な数字と事例で解説し、投資判断に役立つ実務的なポイントを整理します。
ITパークのエリア概要
立地とアクセス
ITパークは、セブ市ラフグ地区(Lahug)の中心に位置する再開発エリアで、元々は旧空港跡地を基盤に計画的に整備されました。市内の主要道路であるサリナスドライブ(Salinas Drive)やマリア・ルイサ通り(Maria Luisa Road)に接し、セブ・マクタン国際空港からは車で約30〜40分、市内のビジネス街やショッピングモール(アヤラセンター)にも10分程度でアクセスできます。
ビジネスの中心地
フィリピン有数のBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)企業が拠点を構え、外資系企業やIT関連企業も多数入居しています。特に夜間稼働するコールセンターが多く、24時間人の流れが途絶えません。このため、深夜や早朝の通勤需要に応える飲食店やカフェも充実しています。
商業施設と生活利便性
エリア内にはショッピングモール「アヤラMセンター(Ayala Malls Central Bloc)」や、大型スーパーマーケット、銀行、薬局、フィットネスジムなど生活に必要な施設がすべて揃っています。また、徒歩圏内に多国籍レストランやカジュアルなフードコートもあり、短期滞在者から長期居住者まで生活の不便さを感じることはほぼありません。
治安とセキュリティ
ITパークは敷地全体がセキュリティゲートで囲まれており、24時間警備員が巡回しています。防犯カメラやアクセスカードによる出入り管理が徹底されているため、セブ市内でもトップクラスの安全性を誇ります。特に外国人単身者や女性の夜間移動において安心感が高いのは大きな魅力です。
賃貸市場への影響
こうした立地条件と治安の良さ、そしてビジネス需要の高さが相まって、ITパーク内および周辺のコンドミニアムは空室率が低く、家賃相場が安定しているのが特徴です。これが、投資家にとって安定的なキャッシュフローを見込める最大の理由と言えます。
家賃相場と賃貸需要
物件タイプ別 平均月額家賃(2025年最新)
ITパーク内および徒歩圏のコンドミニアムは、家具・家電が備え付けられた「フルファーニッシュ物件」が主流です。以下は2025年時点の一般的な家賃相場です。
| 物件タイプ | 広さ(㎡) | 月額家賃(PHP) | 備考 | 
|---|---|---|---|
| スタジオ(Studio) | 25〜30㎡ | 18,000〜25,000 | 単身者・短期滞在者向け。眺望や階数で差が出る | 
| 1ベッドルーム(1BR) | 35〜45㎡ | 28,000〜40,000 | 駐在員やカップルに人気。家具の質で家賃変動 | 
| 2ベッドルーム(2BR) | 55〜70㎡ | 45,000〜70,000 | 家族・シェア居住向け。高層階・角部屋はプレミア価格 | 
※ペソ(PHP)表記。為替レートは1PHP ≒ 2.6円前後(2025年8月現在)
入居需要の主なターゲット層
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BPO企業勤務者(長期契約) - 
24時間勤務体制のコールセンター従業員 
- 
通勤時間短縮のためITパーク内または徒歩圏を希望 
- 
家賃は給与の20〜30%を充てるケースが多い 
 
- 
- 
外国人駐在員・長期出張者 - 
日系・外資系企業の派遣社員 
- 
家具・家電付き、Wi-Fi環境完備を条件に契約 
- 
1BRまたは2BRを法人契約する傾向 
 
- 
- 
留学生・短期滞在者(Airbnb含む) - 
語学学校が近いことから短期需要も安定 
- 
清掃・光熱費込みの月単位契約が多い 
- 
オフシーズンは法人・長期契約で稼働率維持 
 
- 
家賃相場の安定要因
- 
ITパークの「徒歩圏需要」が常に高い 
- 
大学や語学学校が近く、学生向け賃貸も途切れない 
- 
長期・短期両方の市場を取り込める柔軟性 
- 
新築物件の供給はあるものの、需要が供給を上回る傾向 
利回り計算の基本
不動産投資において「利回り」は、物件の収益性を判断するための重要な指標です。ITパークのような高需要エリアでも、利回りを正しく計算しないと、実際の手残りが予想より少なくなることがあります。ここでは、表面利回りと実質利回りの計算方法と、それぞれの違いを解説します。
表面利回り(Gross Yield)
計算式:
- 
物件の購入価格に対して、年間の賃貸収入がどれだけの割合になるかを示す。 
- 
維持費や税金などのコストは含めないため、あくまで「見かけ上」の利回り。 
例:
購入価格:PHP 7,000,000
月額家賃:PHP 30,000(年間 PHP 360,000)
表面利回り = 360,000 ÷ 7,000,000 × 100 = 5.14%
実質利回り(Net Yield)
実質利回りは、賃貸運用で発生する各種コストを差し引いたうえでの収益性を示す指標です。
計算式:
(年間家賃収入 − 年間経費) ÷ 購入価格 × 100
年間経費には、以下のような項目が含まれます。
- 管理費
- 固定資産税
- 保険料
- 修繕費
- 家具・家電の更新費
- (必要に応じて)清掃費・仲介手数料・その他運営費
上記の経費を差し引いて算出するため、実際のキャッシュフローに近い数値を把握できます。
例:
年間家賃収入:PHP 360,000
年間経費:管理費 PHP 60,000 + 固定資産税 PHP 12,000 + その他経費 PHP 18,000 = PHP 90,000
実質利回り = (360,000 − 90,000) ÷ 7,000,000 × 100 = 3.85%
計算時の注意点
- 
空室率を考慮する 
 年間稼働率が100%になるとは限らない。ITパークでも年間1〜2ヶ月の空室は想定しておくべき。
- 
初期費用の含め方 
 購入価格には仲介手数料、税金、家具購入費なども含めたほうが、より現実的な利回りになる。
- 
通貨と為替の影響 
 円建て投資の場合、為替変動が利回りに影響するため、購入時と売却時のレート差も意識する必要がある。
ITパークでの利回り実例(2025年データ)
前提条件(共通)
- 
空室・募集期間:年間1.5ヶ月(稼働率約87.5%) 
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管理費(HOA):PHP 100/㎡・月 
- 
固定資産税:購入価格の約1.2%/年(便宜上、評価額=購入価格の簡便法) 
- 
保険・小修繕・雑費:年額PHP 12,000(目安) 
- 
家具・家電更新積立:年額PHP 15,000(目安) 
- 
仲介/管理委託:長期賃貸は家賃の8%/月(オプション) 
実務では物件・評価額・管理規約で差が出ます。以下はあくまで保守的なモデルケースです。
ケースA:スタジオ(25㎡)
- 
想定購入価格:PHP 5,000,000 
- 
相場家賃:PHP 22,000/月(フルファーニッシュ) 
表面利回り
- 
年間家賃収入(満室想定):22,000 × 12 = PHP 264,000 
- 
表面利回り = 264,000 ÷ 5,000,000 × 100 = 5.28% 
実質利回り(稼働率87.5% + 経費控除)
- 
実収入:264,000 × 0.875 = PHP 231,000 
- 
経費: - 
管理費:100 × 25㎡ × 12 = PHP 30,000 
- 
固定資産税(簡便):5,000,000 × 1.2% = PHP 60,000 
- 
保険・小修繕・雑費:PHP 12,000 
- 
家具・家電更新:PHP 15,000 
- 
管理委託(任意):22,000 × 12 × 0.08 × 0.875 ≒ PHP 18,480 
 
- 
- 
年間経費合計(委託あり):PHP 135,480 
- 
年間手残り:231,000 − 135,480 = PHP 95,520 
- 
実質利回り:95,520 ÷ 5,000,000 × 100 = 1.91% 
自主管理で委託料ゼロの場合:実質利回り ≒ 2.28%
ケースB:1ベッドルーム(40㎡)
- 
想定購入価格:PHP 7,500,000 
- 
相場家賃:PHP 32,000/月 
表面利回り
- 
年間家賃(満室):32,000 × 12 = PHP 384,000 
- 
表面:384,000 ÷ 7,500,000 × 100 = 5.12% 
実質利回り(稼働率87.5% + 経費)
- 
実収入:384,000 × 0.875 = PHP 336,000 
- 
経費: - 
管理費:100 × 40㎡ × 12 = PHP 48,000 
- 
固定資産税:7,500,000 × 1.2% = PHP 90,000 
- 
保険・小修繕:PHP 15,000 
- 
家具更新:PHP 20,000 
- 
管理委託(任意):32,000 × 12 × 0.08 × 0.875 ≒ PHP 26,880 
 
- 
- 
年間経費(委託あり):PHP 199,880 
- 
手残り:336,000 − 199,880 = PHP 136,120 
- 
実質利回り:136,120 ÷ 7,500,000 × 100 = 1.81% 
自主管理時:実質利回り ≒ 2.17%
ケースC:2ベッドルーム(60㎡)
- 
想定購入価格:PHP 12,000,000 
- 
相場家賃:PHP 55,000/月 
表面利回り
- 
年間家賃(満室):55,000 × 12 = PHP 660,000 
- 
表面:660,000 ÷ 12,000,000 × 100 = 5.50% 
実質利回り(稼働率87.5% + 経費)
- 
実収入:660,000 × 0.875 = PHP 577,500 
- 
経費: - 
管理費:100 × 60㎡ × 12 = PHP 72,000 
- 
固定資産税:12,000,000 × 1.2% = PHP 144,000 
- 
保険・小修繕:PHP 20,000 
- 
家具更新:PHP 30,000 
- 
管理委託(任意):55,000 × 12 × 0.08 × 0.875 ≒ PHP 46,200 
 
- 
- 
年間経費(委託あり):PHP 312,200 
- 
手残り:577,500 − 312,200 = PHP 265,300 
- 
実質利回り:265,300 ÷ 12,000,000 × 100 = 2.21% 
自主管理時:実質利回り ≒ 2.60%
短期運用(Airbnb等)シナリオ(参考)
- 
日額:PHP 2,600/泊(スタジオ) 
- 
稼働率:75%(清掃・予約間隔を考慮) 
- 
月間売上:2,600 × 0.75 × 30 = PHP 58,500 
- 
年間売上:PHP 702,000 
- 
運営コスト(清掃、人件費、OTA手数料等):売上の**30%**想定 → PHP 210,600 
- 
HOA・税・保険・家具積立:前掲と同様(合計 ≒ PHP 117,000/年 *スタジオ想定) 
- 
年間手残り:702,000 − 210,600 − 117,000 = PHP 374,400 
- 
実質利回り:374,400 ÷ 5,000,000 × 100 = 7.49% 
稼働率・日額・規約制限で大きく上下します。運用体制の確保が前提。
実質利回りへの影響要因
ITパークの物件は空室率が低く、比較的安定した収益が見込めますが、実質利回りはさまざまな要因によって変動します。ここでは、利回りに大きな影響を与える主要なコストや条件を整理します。
1. 管理費(Homeowners Association Fee / HOA)
- 
相場:PHP 80〜120 /㎡・月 
- 
高層物件や共用施設(プール、ジム、ラウンジ)が充実しているほど高額になる傾向 
- 
例:40㎡の1BRで、100PHP/㎡なら月額PHP 4,000(年間PHP 48,000) 
- 
長期保有では確実に累積コストとなるため要確認 
2. 固定資産税(Real Property Tax / RPT)
- 
税率:評価額の約1.2%前後(セブ市) 
- 
物件の評価額は購入価格や市場価格とは異なり、市の査定による 
- 
評価額が高い新築・大型物件は税負担が重くなる傾向 
- 
毎年支払う必要があるため、保有期間が長いほど影響大 
3. 家具・家電の更新費
- 
ITパークでは家具・家電付きが標準のため、老朽化や故障に伴う更新は避けられない 
- 
目安:スタジオで年額PHP 10,000〜15,000、1BRでPHP 15,000〜20,000 
- 
Airbnbなど短期賃貸では消耗が早く、更新頻度が高くなる 
4. 修繕・メンテナンス費
- 
エアコン洗浄、水回り修理、塗装補修など小規模な工事が定期的に発生 
- 
築年数が経過すると頻度が上がるため、長期投資では年間予算を確保すべき 
5. 空室期間と稼働率
- 
ITパークは需要が高いものの、テナント入れ替え時の空室は避けられない 
- 
保守的に**年間1〜2ヶ月(稼働率83〜92%)**を見込むのが現実的 
- 
繁忙期・閑散期の差がある短期賃貸では稼働率の振れ幅が大きい 
6. 管理委託費
- 
賃貸管理会社への委託料は長期賃貸で家賃の8〜10%/月が相場 
- 
短期運用では清掃・チェックイン対応・OTA手数料(Airbnb手数料3〜15%)など別枠で発生 
- 
自主管理で節約可能だが、時間と現地対応力が必要 
7. 為替変動(外国人投資家の場合)
- 
日本円や米ドル建てで投資している場合、ペソ円レートやペソドルレートの変動で実質利回りが上下 
- 
家賃はペソ建て固定のため、円高時は利回りが低下する可能性あり 
1. 家賃・収益性の比較
| 項目 | 長期賃貸 | Airbnb等 短期賃貸 | 
|---|---|---|
| 料金設定 | 月額固定(例:1BR PHP 32,000) | 日額変動(例:PHP 2,800/泊) | 
| 稼働率 | 高く安定(85〜95%) | 季節変動大(60〜85%) | 
| 年間売上(例) | PHP 384,000(1BR) | PHP 2,800 × 0.75 × 365 ≒ PHP 766,500 | 
| 実質利回り | 2〜3%台 | 5〜8%台(運営効率による) | 
2. 運営コストの違い
長期賃貸
- 
管理委託:家賃の8〜10%/月(任意) 
- 
修繕費・家具更新:低頻度 
- 
光熱費:テナント負担 
短期賃貸
- 
OTA手数料(Airbnb等):売上の3〜15% 
- 
清掃費(客ごと):PHP 600〜1,000/回 
- 
光熱費:オーナー負担(電気・水道・Wi-Fi) 
- 
家具・家電の消耗が早い 
- 
消耗品(シャンプー、タオル、アメニティ)補充 
3. ターゲット層の違い
- 
長期賃貸:駐在員、BPO勤務者、学生、現地法人の社員住宅 
- 
短期賃貸:観光客、出張ビジネスマン、短期留学生、イベント参加者(例:Sinulog Festival) 
4. メリット・デメリット比較
| 観点 | 長期賃貸 | 短期賃貸 | 
|---|---|---|
| メリット | 空室リスクが低い、運営が安定、手間が少ない | 日額単価が高い、繁忙期に収益最大化、柔軟な料金設定 | 
| デメリット | 家賃は固定、利回りは中〜低水準 | 稼働率依存、運営負荷大、家具消耗が早い、規約制限あり | 
5. ITパークでの実務的運用例
- 
ハイブリッド運用:繁忙期(12〜4月)は短期賃貸、それ以外は長期賃貸で稼働率を維持 
- 
短期専業運用:専任マネージャーや管理代行業者を確保し、清掃と予約管理を外注 
- 
長期安定運用:企業法人契約を優先し、1年更新で安定収入を確保 
投資戦略のヒント
1. 資金計画とローン活用
- 
頭金の目安:物件価格の20〜30% 
- 
ローン金利(2025年時点):年5〜7%前後(フィリピン国内銀行) 
- 
返済期間:5〜15年 
- 
戦略ポイント: - 
高金利局面ではローン比率を抑えてキャッシュフローを確保 
- 
外貨(USD/JPY)からの送金で頭金を賄う場合、為替タイミングを慎重に選ぶ 
- 
フィリピン人配偶者や法人経由での購入により、銀行選択肢や金利条件が変わることもある 
 
- 
2. 物件選びのチェックポイント
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立地 - 
ITパーク内 or 徒歩圏(5〜10分以内)が理想 
- 
大通り沿いは騒音リスクがあるため高層階が望ましい 
 
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- 
階数と眺望 - 
高層階・角部屋はプレミア家賃設定可能 
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低層階は利回りは下がるが賃貸スピードが速い場合もある 
 
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- 
間取りと広さ - 
単身者狙いなら25〜30㎡のスタジオが回転率高め 
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家族・駐在員狙いなら1BR〜2BRで法人契約を狙う 
 
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家具・家電の質 - 
初期投資で家具グレードを上げると、賃料UPと入居期間延長につながる 
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耐久性のある家具選びはランニングコスト削減に有効 
 
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3. ターゲット層の明確化
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長期安定型 - 
駐在員やBPO社員、留学生 
- 
固定賃料でキャッシュフローの安定を最優先 
 
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- 
短期高収益型 - 
観光客、短期留学生、イベント参加者 
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シーズン収益最大化を狙う(高稼働期は短期、閑散期は長期契約) 
 
- 
- 
ハイブリッド型 - 
シーズンに応じて契約形態を切り替え、稼働率と単価を両立 
 
- 
4. 稼働率と家賃単価の最適化
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長期契約の場合、相場より5〜10%安く設定することで空室期間を短縮 
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短期契約の場合、イベントや祝祭日(例:Sinulog Festival)に料金を1.5〜2倍に設定 
- 
法人契約を優先すると、退去時の修繕費負担や家賃遅延リスクが低減 
5. 税制・規制の確認
- 
コンドミニアム規約でAirbnb禁止のケースあり 
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所得税(Rental Income Tax)の申告義務と税率を事前に把握 
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外国人名義購入の場合の制限(敷地全体の外国人持分40%上限) 
将来の資産価値見通し
ITパークは、セブ島の中でも再開発と需要拡大が継続している稀有なエリアです。今後の価格推移や賃貸需要に影響を与える要素は以下の通りです。
1. 再開発計画と新規プロジェクト
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商業施設の拡張 - 
「Ayala Malls Central Bloc」周辺での追加商業スペース整備 
- 
飲食・娯楽施設の増設により、生活利便性の向上が期待 
 
- 
- 
新規コンドミニアム開発 - 
Avida Towers、Asia Premier、Calixなど既存プロジェクトに加え、2026〜2028年竣工予定の高級物件が複数進行中 
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供給増加は一時的に空室率を押し上げる可能性があるが、立地特性から吸収速度は比較的早いと予想 
 
- 
2. インフラ整備の進展
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BRT(Bus Rapid Transit)導入計画 - 
ITパーク周辺を経由するルートが予定され、空港や市中心部へのアクセスが改善 
 
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道路拡張工事 - 
Salinas DriveやGov. M. Cuenco Ave.の拡幅による交通渋滞の緩和 
 
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- 
空港拡張 - 
マクタン・セブ国際空港の第2ターミナル運用強化で国際線増加、外国人滞在者増に直結 
 
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3. 賃貸需要の持続要因
- 
BPO・IT産業の成長継続(フィリピンは世界第2位のBPO拠点) 
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外資系企業のオフィス需要増加 
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留学生・外国人駐在員・短期観光客の継続的流入 
4. 価格上昇の余地
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過去5年のITパーク物件価格は年平均3〜5%上昇 
- 
ASEAN市場からの投資マネー流入により、国際水準の利回りが意識される傾向 
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為替(PHP高)が進行すると海外投資家の買いは鈍る可能性もあるが、国内需要で下支えされやすい 
5. リスク要因
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供給過多による家賃相場の一時的下落 
- 
金利上昇によるローン負担増 
- 
Airbnb規制強化や外国人所有制限の変更可能性 
まとめ
ITパークは、セブ島の中でも安定した賃貸需要と将来の資産価値向上が期待できる投資先です。
BPO企業や外資系企業、留学生、観光客など、多様な入居層が存在し、空室リスクが低いのが最大の強みです。
本記事で紹介したように、
- 
表面利回りはおおむね5〜6% 
- 
実質利回りは2〜3%台が目安(長期賃貸) 
- 
短期賃貸やハイブリッド運用なら7%以上も狙える可能性あり 
ただし、固定費・空室率・規制リスクを正しく見積もり、物件選び・ターゲット設定・運営体制を明確にすることが成功の鍵です。
ITパークの将来性は、再開発やインフラ整備によってさらに高まる見込みです。短期的な市場変動に左右されず、長期的な視点で運用を続けることで、安定収益と資産価値の両立が実現できます。
次のステップとしては、最新の販売価格・家賃相場を確認し、実際にキャッシュフローシミュレーションを行うことをおすすめします。
よくある質問(FAQ)
ITパークのコンドミニアムの表面利回りと実質利回りの目安は?
長期賃貸では表面利回りが概ね5〜6%、固定費や空室を差し引いた実質利回りは2〜3%台が目安です。短期賃貸(Airbnb等)をうまく運用できれば7%前後も狙えますが、運営負荷とブレが大きくなります。
空室率はどのくらい見込むべき?
ITパークは需要が強い一方で、テナント入れ替え時の空白は発生します。保守的に年間1〜2ヶ月(稼働率83〜92%)を見込むと現実的です。
主要な固定費は何がありますか?
- 管理費(HOA):おおむね 80〜120 PHP/㎡・月
- 固定資産税(RPT):評価額の約1.2%/年
- 保険・小修繕・点検費
- 家具・家電更新費(スタジオで年1〜1.5万PHP目安)
- (任意)賃貸管理委託料:長期で家賃の8〜10%
Airbnb(短期賃貸)は可能?収益性は?
建物の管理規約次第です。許可物件では、日額単価が高く繁忙期は有利ですが、清掃・チェックイン対応、OTA手数料、光熱費負担等でコスト増になります。稼働率に左右されやすい点も留意してください。
外国人はコンドミニアムを購入できますか?
フィリピンでは、建物の外国人持分が全体の40%を超えない範囲でコンドミニアムの所有が可能です。土地の直接所有は不可です。
購入時の初期費用はどのくらい?
価格以外に、税金・登記関連費用、仲介手数料、内装・家具家電費がかかります。目安として購入価格の5〜10%程度を別途見込むと安全です。
ローン条件とキャッシュフローへの影響は?
一般に頭金20〜30%、金利5〜7%、期間5〜15年が目安です。高金利局面では借入比率を抑えるほど月次キャッシュフローは安定します。
長期賃貸と短期賃貸、どちらが向いていますか?
- 長期賃貸:運営が安定、空室リスク低、利回りは中〜低水準。
- 短期賃貸:利回り高めを狙えるが、運営負荷・コスト・稼働ブレが大きい。
ハイブリッド(繁忙期は短期、閑散期は長期)も有効です。
家賃の相場感は?(スタジオ/1BR/2BR)
- スタジオ:18,000〜25,000 PHP/月
- 1BR:28,000〜40,000 PHP/月
- 2BR:45,000〜70,000 PHP/月
階数・眺望・内装品質・家具グレードで上下します。
法人契約(駐在員向け)のメリットは?
賃料の安定、支払い遅延リスクの低減、退去時の原状回復ルールが明確などの利点があります。1BR〜2BRで特に有効です。
利回りを押し上げる実務的な方法は?
- 内装・家具のグレードを上げて賃料単価を引き上げる
- 空室期間を短縮(早期募集・柔軟な条件提示)
- 自主管理や費用最適化で固定費を削減
- 繁忙期に短期運用を組み合わせる(規約順守)
為替リスクはありますか?(円・ドル建て投資)
賃料は主にPHP建てのため、円高局面では円換算利回りが下がる可能性があります。資金投入・回収のタイミング管理が重要です。
標準的な契約期間と更新条件は?
長期賃貸は6〜12ヶ月契約が一般的で、更新時に賃料改定(±5〜10%)が行われることがあります。デポジットは1〜2ヶ月分が目安です。
電気・水道・インターネットは誰の負担?
長期賃貸はテナント負担が一般的。短期賃貸ではオーナー負担(賃料込み)にするケースが多いです。
ペット可や喫煙可などの規約は?
建物や管理組合の規約に依存します。募集前に必ずコンドミニアム規約を確認し、募集条件に明記してください。
売却流動性(出口戦略)は?
ITパークは実需・投資の両方の買い手がいるため相対的に流動性は高めです。稼働中(賃貸中)の物件は、法人投資家に好まれる傾向があります。
必要な書類・手続きは?
- 売買契約書(Deed of Absolute Sale)
- 登記関連書類(Title/Condominium Certificate of Title)
- 税金領収・納付書、管理組合のクリアランス
- (賃貸)身分証明、在籍証明または収入証明、デポジット
物件・売主により異なるため、現地の専門家に確認してください。
どのタイプ(スタジオ/1BR/2BR)が投資に有利?
回転率と初期投資の小ささでスタジオは有利、法人契約・長期安定狙いなら1BR〜2BR。ターゲット層と運営体制で最適解が変わります。
家具付きは必須?どの程度用意すべき?
ITパークの賃貸市場では家具・家電付きが実質標準です。ベッド、ソファ、ダイニング、冷蔵庫、電子レンジ、洗濯機、エアコン、Wi‑Fiの用意で募集力が高まります。
リスクは何がありますか?
- 規約変更(短期賃貸禁止など)
- 金利上昇・為替変動
- 新規供給の増加による一時的な賃料下押し
- 設備故障・想定外修繕
保守的な試算と予備費の計上でカバーできます。
最初に何から始めればいい?
- 最新の売買価格・家賃相場をリサーチ
- 固定費・空室を含むキャッシュフロー試算
- ターゲット層(長期/短期/ハイブリッド)と運営体制の決定
- 規約・税務の確認と購入・賃貸手続きへ
※本FAQは一般的な参考情報です。最新の規約・税制・相場は物件や時期により異なるため、最終判断の前に現地の専門家へご確認ください。

 
		 
		 
			 
			 
			 
			 
			