目次
セブ島不動産市場動向 2025年版
1. はじめに
セブ島は、フィリピン中部ビサヤ地方の経済・観光・文化の中心地として、長年にわたり国内外の投資家や移住希望者の注目を集めてきました。美しいビーチやダイビングスポットで知られる一方、ビジネスや教育の拠点としても急成長しており、「住みたい観光地」としての二面性を持っています。近年はインフラ整備が急ピッチで進み、国際的な交通アクセスの改善や都市開発が相次ぐことで、不動産市場も大きな変革期を迎えています。
2020年からのパンデミックは観光業を中心に深刻な影響を及ぼしましたが、2023年以降は急速に回復し、2024年には外国人渡航者数がコロナ前水準を超える勢いを見せました。この流れは不動産市場にも波及し、コンドミニアムやリゾート物件、長期滞在者向けの住宅需要が一気に戻ってきています。
2025年のセブ島不動産市場は、単なる「回復期」を超え、「持続的な成長と再評価」の段階に入ったといえます。BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)産業の拡大や観光インフラの充実に伴い、賃貸需要は短期・中期・長期いずれも活発化。さらに、海外投資家の関心も再燃し、都市部では高級コンドミニアム、郊外では土地付き住宅やタウンハウスへの需要が顕著になっています。
本レポートでは、2025年におけるセブ島の不動産市場動向を、価格推移・エリア別の特性・賃貸需要の変化・投資機会・今後の展望といった切り口から詳しく解説します。これからセブ島で不動産の購入や賃貸、投資を検討している方にとって、最新の市場理解と意思決定の参考となる情報をお届けします。
2. 2024年から2025年への市場変化
2.1 2024年の主要トレンド総括
2024年のセブ島不動産市場は、パンデミック後の需要回復期として大きく前進しました。観光客数は2019年比で約105%まで回復し、これが短期賃貸需要の急増につながりました。一方で、2020〜2022年に着工されていた複数のコンドミニアムが竣工を迎え、一時的な供給過多が懸念されましたが、Airbnbや中期滞在者向け賃貸への転用が進み、想定ほどの空室リスクは発生しませんでした。
また、海外からの投資家が再び市場に戻ってきたことも特徴的です。特に韓国、日本、中国、中東からの資金流入が活発化し、高級物件やリゾート型開発プロジェクトへの投資が目立ちました。
2.2 2025年に見られる新しい動き
2025年は、単なる回復ではなく「成長・再評価」の年として位置づけられます。具体的には以下の変化が顕著です。
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外資系ホテル・高級ブランドレジデンスの進出 - 
セブ市中心部やマクタン島沿岸部で、国際的ホテルブランドがレジデンス機能を併設した複合開発を開始。 
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高級志向の外国人駐在員や富裕層観光客をターゲットにした物件が増加。 
 
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Airbnb適合型の新築コンドミニアム - 
建築段階から短期賃貸運営を想定した間取り・施設設計が増加。 
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管理規約でも短期賃貸を許可するケースが多く、投資利回りを狙うオーナーから注目を集めている。 
 
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郊外・沿岸部の住宅需要拡大 - 
コンソラシオン、タリサイ、コルドバなど、都市部から車で30〜40分圏内のエリアでタウンハウスや戸建ての分譲が好調。 
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CCLEX(セブ-コルドバ連絡橋)や幹線道路の整備により、通勤可能な郊外居住が現実的に。 
 
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価格の緩やかな上昇 - 
中心部の高級物件は前年比5〜8%の上昇。 
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郊外の土地付き物件は、交通インフラの影響で二桁の値上がりが見られる場所もある。 
 
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2.3 マクロ要因と市場心理
フィリピン政府のインフラ投資拡大や外国人観光客の増加予測は、投資家心理を押し上げています。また、ペソ為替の比較的安定と海外送金の増加が、住宅購入資金の供給源となっています。一方で、供給過多の懸念や建築遅延の問題も根強く、慎重な選別が求められる局面です。
3. エリア別動向
セブ島の不動産市場は、地域ごとに需要構造や価格推移が大きく異なります。ここでは、主要エリアであるセブ市中心部、マクタン島(ラプ=ラプ市)、そして郊外・新興エリアに分けて解説します。
3.1 セブ市(Cebu City)
ITパーク・ラフグ(Lahug)
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特徴:BPO企業(コールセンターやIT企業)が集中するビジネス地区で、外国人駐在員や中期滞在者の拠点として人気。 
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物件タイプ:スタジオ〜1BRのコンドミニアムが中心。家具付き物件が多く、すぐに入居可能。 
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賃貸市場:短期・中期賃貸の稼働率は80〜90%と高水準。Airbnb運営も盛ん。 
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価格傾向:1㎡あたり約180,000〜220,000ペソで、中心部の中でも高め。 
マボロ(Mabolo)・アヤラ周辺
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特徴:アヤラセンター・ビジネスパークに近く、商業・オフィス・高級住宅が集まるエリア。 
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需要層:ビジネスマン、長期滞在外国人、富裕層フィリピン人。 
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価格傾向:高級コンドは1㎡あたり200,000ペソ前後。中古市場も活発。 
フエンテ・オスメニア周辺
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特徴:病院や大学が集まる利便性の高いエリア。学生や医療従事者の賃貸需要が安定。 
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価格傾向:中心部よりやや低く、1㎡あたり150,000〜180,000ペソ。 
3.2 マクタン島(Lapu-Lapu City)
リゾート沿岸部
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特徴:国際空港に近く、白砂ビーチや高級リゾートホテルが並ぶ。 
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物件タイプ:海沿いのコンドミニアム、別荘型ヴィラ、ホテル一体型レジデンス。 
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賃貸市場:観光客向け短期賃貸が主流。繁忙期は1泊1万円以上の高単価も可能。 
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価格傾向:1㎡あたり120,000〜180,000ペソで、海景ビュー物件はさらに高額。 
空港周辺開発
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特徴:Mactan-Cebu International Airportの拡張により物流・商業施設が増加中。 
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投資妙味:ビジネスホテルやAirbnb向け小型ユニットに需要。 
3.3 郊外・新興エリア
コンソラシオン(Consolacion)
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特徴:セブ市北側、商業施設や新道路整備が進むベッドタウン。 
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物件タイプ:タウンハウスや戸建てが中心。 
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価格傾向:土地付き住宅は4M〜8Mペソで購入可能。 
タリサイ(Talisay)
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特徴:セブ市南側、海沿いでリゾート開発も計画中。 
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需要層:ファミリー層、リタイアメント層。 
コルドバ(Cordova)
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特徴:CCLEX(セブ-コルドバ連絡橋)開通で注目度急上昇。 
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将来性:リゾート型開発や海沿い住宅の地価上昇が見込まれる。 
4. 価格動向(2025年初頭時点)
2025年初頭のセブ島不動産市場は、エリア・物件タイプ・築年数によって価格差が明確化しています。コロナ禍直後に比べて全体的に5〜10%の上昇が見られ、特にインフラ整備の進む地域や観光需要の強いエリアでは二桁の伸びも確認されています。
4.1 コンドミニアム売買価格
以下は、2025年1月時点での代表的なエリア別平均価格帯です。(単位:フィリピンペソ/㎡)
| エリア | 平均価格(㎡) | 特徴 | 
|---|---|---|
| ITパーク・ラフグ | 180,000〜220,000 | 高稼働率・BPO需要の中心地 | 
| マボロ・アヤラ周辺 | 170,000〜210,000 | 高級・中級物件が混在、商業利便性高い | 
| フエンテ・オスメニア周辺 | 150,000〜180,000 | 医療・教育機関近接で安定需要 | 
| マクタン島リゾート沿岸部 | 120,000〜180,000 | 海景ビュー物件は200,000超も | 
| 郊外(コンソラシオン・タリサイ等) | 90,000〜130,000 | 戸建てやタウンハウス用地需要あり | 
4.2 賃貸相場
賃貸価格は家具付き・家具なし、築年数、立地条件で変動しますが、2025年初頭の目安は以下の通りです。(単位:フィリピンペソ/月)
| 間取り | セブ市中心部 | マクタン島 | 郊外 | 
|---|---|---|---|
| スタジオ | 15,000〜25,000 | 12,000〜20,000 | 10,000〜15,000 | 
| 1ベッドルーム | 25,000〜40,000 | 20,000〜35,000 | 15,000〜25,000 | 
| 2ベッドルーム以上 | 40,000〜70,000 | 35,000〜60,000 | 25,000〜45,000 | 
| 高級ペントハウス | 70,000〜120,000 | 60,000〜100,000 | ― | 
4.3 価格上昇の背景
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観光需要の完全回復 - 
特に短期賃貸市場(Airbnb等)の稼働率が高まり、投資物件の販売価格を押し上げ。 
 
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インフラ開発の進展 - 
CCLEXや空港拡張計画により、沿岸部・郊外の物件価値が上昇。 
 
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外国人投資家の復帰 - 
円安やウォン安を背景に、日本・韓国の投資家がフィリピン市場へ積極参入。 
 
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4.4 市場の注意点
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高級コンドミニアムは価格上昇が続く一方、中古市場では築10年以上の物件の値上がり幅は限定的。 
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郊外の土地付き住宅は値上がりが早いが、インフラ整備の進捗に依存するため、投資タイミングを見極める必要がある。 
5. 賃貸需要のセグメント分析
2025年のセブ島賃貸市場は、観光業の完全回復とBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)産業の拡大によって、多様な滞在スタイルに対応する物件需要が顕著です。特に短期・中期・長期滞在の3つのセグメントで明確な特徴が見られます。
5.1 短期滞在(Airbnb・観光客向け)
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需要の背景 
 国際観光客数は2019年比で110%に達し、欧米・韓国・日本からの訪問者が増加。マクタン島やセブ市中心部のホテル不足が短期賃貸の稼働率を押し上げています。
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人気エリア - 
マクタン島リゾート沿岸部(ビーチ直結型コンド) 
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ITパーク周辺(ビジネス+観光のハイブリッド需要) 
 
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稼働率・料金 - 
繁忙期(12〜4月):稼働率90%以上、1泊5,000〜12,000ペソ 
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閑散期(6〜9月):稼働率70%前後 
 
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傾向 
 管理規約で短期賃貸を許可する新築物件が増え、投資家参入が容易になっている。
5.2 中期滞在(外国人駐在員・留学生)
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需要の背景 
 BPO業界の採用拡大により、外国人マネージャーや専門職の赴任が増加。また、英語留学の再開で学生滞在が回復。
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人気エリア - 
ITパーク・ラフグ(職場近接) 
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アヤラセンター周辺(生活利便性・交通アクセス) 
 
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賃料相場(家具付き・月額) - 
スタジオ:18,000〜25,000ペソ 
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1BR:28,000〜40,000ペソ 
 
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傾向 
 6〜12か月契約が主流だが、柔軟な更新条件を提示することで高稼働を維持している。
5.3 長期滞在(移住者・リタイア層・ローカルファミリー)
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需要の背景 
 海外在住フィリピン人(OFW)の帰国定住、リタイアメント移住、日本人・韓国人ファミリー層の増加。
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人気エリア - 
コンソラシオン、タリサイ、コルドバ(郊外の戸建て・タウンハウス) 
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フエンテ周辺(医療・教育施設近く) 
 
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賃料相場(土地付き戸建て・月額) - 
3BR:25,000〜45,000ペソ 
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高級戸建て:50,000ペソ以上 
 
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傾向 
 長期契約(2〜3年)で賃料を抑えるケースが多く、安定的なキャッシュフローが得られる。
5.4 総括
短期賃貸は観光ピーク期に収益率が高く、中期賃貸は安定稼働、長期賃貸は空室リスクが低いという特徴があります。投資家にとっては、物件の立地・規模・管理方針に応じて、これら3つの需要層をどう組み合わせるかがROI向上の鍵となります。
6. 投資家の注目ポイント
2025年のセブ島不動産市場は、回復から成長段階へと移行しつつあり、投資家にとって多様な戦略が取れる環境が整っています。ここでは、投資判断の参考となる注目ポイントを整理します。
6.1 ROI(投資収益率)の現状
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短期賃貸(Airbnb運営型) - 
繁忙期は日額高単価、年間稼働率70〜85%で8〜12%のROIが現実的。 
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新築で短期賃貸許可物件を選べば、家具・設備を整えるだけで即稼働可能。 
 
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中期〜長期賃貸(駐在員・学生・ファミリー向け) - 
安定収入型で5〜8%のROI。 
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契約期間が長く空室リスクが低いため、保有コストが安定。 
 
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6.2 インフラ開発と将来価値
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**CCLEX(セブ-コルドバ連絡橋)**開通で、コルドバ・マクタン南部の地価上昇が続く見込み。 
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空港拡張計画により、マクタン島全体の観光収容力が向上。 
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幹線道路・港湾整備が進むことで、郊外の住宅地にも通勤需要が拡大。 
6.3 新築 vs 中古物件
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新築物件 - 
デベロッパーのブランド力、最新設備、短期賃貸許可などが魅力。 
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竣工前購入で値上がり益(キャピタルゲイン)を狙える。 
 
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中古物件 - 
価格交渉余地があり、家具付き即稼働が可能なケースも多い。 
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築年数が古い場合は改装費をROI計算に含める必要あり。 
 
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6.4 エリア別戦略
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セブ市中心部:高稼働率+高単価の短期・中期賃貸が狙える。 
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マクタン島リゾート沿岸部:観光需要特化で短期賃貸収益を最大化。 
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郊外(コンソラシオン・タリサイ):土地付き住宅で長期安定収入+将来の地価上昇を狙う。 
6.5 為替と海外資金
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円安局面では日本人投資家にとって割高感がある一方、フィリピンペソの安定性が中長期保有の安心材料となる。 
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韓国・中東からの資金流入が続くことで、物件価格の下支え要因に。 
まとめると、2025年は「インフラ開発を追い風にしたエリア選定」と「短期〜長期賃貸の収益バランス戦略」が投資成功のカギとなります。投資目的(キャッシュフロー重視か、キャピタルゲイン重視か)に応じて物件タイプを明確に選択することが重要です。
7. リスクと課題
セブ島の不動産市場は2025年も成長基調にありますが、投資家や購入希望者が注意すべき課題や潜在的リスクも存在します。これらを事前に理解し、適切なリスクマネジメントを行うことが成功の鍵となります。
7.1 供給過多リスク
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背景 
 パンデミック前後に着工された多数のコンドミニアムが竣工期を迎え、一部エリアでは在庫過多の懸念がある。
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影響 
 賃貸価格の値下げ競争や販売価格の伸び悩みを引き起こす可能性。
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対策 
 賃貸需要が安定している立地(ITパーク、アヤラ周辺、マクタン島リゾート)を優先し、竣工時期やデベロッパーの販売状況を確認。
7.2 建設遅延と品質のばらつき
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背景 
 一部デベロッパーでは資材調達遅延や労働力不足により、引き渡しが予定より6〜12か月遅れる事例も。
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影響 
 投資計画の収益化時期が後ろ倒しになり、資金計画に影響。
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対策 
 実績のある大手デベロッパーを選び、契約時に引き渡し遅延の補償条項を確認。
7.3 観光依存経済の変動リスク
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背景 
 セブ島経済は観光業の比重が高く、国際情勢や気候要因による観光客数の変動を受けやすい。
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影響 
 短期賃貸稼働率の急低下や収益減少。
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対策 
 短期賃貸に依存しすぎず、中期・長期賃貸需要も見込める物件構成にする。
7.4 規制・法制度の変更
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背景 
 Airbnbなど短期賃貸の運営規制や外国人による土地利用スキームの見直しが行われる可能性。
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影響 
 運営方針や投資戦略の変更を余儀なくされる。
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対策 
 現地の不動産弁護士や管理会社と連携し、最新の規制動向を把握。
7.5 為替リスク
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背景 
 フィリピンペソは比較的安定しているが、投資資金の送金や売却益の本国送還時に為替変動の影響を受ける。
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影響 
 実質的な投資回収額が目減りする可能性。
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対策 
 為替が有利なタイミングで資金移動を行う、複数通貨での資産分散を検討。
まとめると、セブ島不動産は成長ポテンシャルが高い一方で、需給バランスや外部要因に影響を受けやすい市場です。投資判断の際には、物件選びだけでなく契約条件・資金計画・出口戦略まで含めた総合的なリスク管理が不可欠です。
8. 今後の見通し(2025〜2026年)
セブ島の不動産市場は、2025年を境に**「成長基盤が固まり、次の上昇局面に入る」**可能性が高いと予想されます。インフラ整備、観光業の拡大、都市化の進展という3つの柱が相乗効果を生み、短期的なキャッシュフロー型投資から長期的な資産価値向上型投資まで、幅広い戦略が有効となるでしょう。
8.1 インフラ開発による地価上昇圧力
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CCLEX効果の持続 
 2022年に開通したセブ-コルドバ連絡橋は、マクタン島南部やコルドバ地区の地価を押し上げ続けています。2026年にかけて沿道開発が加速する見込み。
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空港拡張計画 
 Mactan-Cebu International Airportの第3ターミナル建設が本格化すれば、国際便の増加と観光需要の底上げが期待されます。
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道路・港湾の整備 
 南北幹線道路の拡幅、港湾の物流拠点化が進めば、郊外エリアの住宅地化が加速。
8.2 投資トレンドの変化
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短期賃貸市場の成熟 
 Airbnb市場は今後、価格競争よりもサービス・付加価値勝負のフェーズに移行。プロ管理会社の活用が収益安定化の鍵に。
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郊外住宅の再評価 
 戸建て・タウンハウスは、ファミリー層や長期移住者向け需要で安定的な利回りを確保可能。
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複合開発プロジェクトの台頭 
 ショッピングモール、オフィス、ホテル、レジデンスが一体化した開発が増加し、生活利便性と資産価値の両面で優位性を発揮。
8.3 外部要因と市場シナリオ
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楽観シナリオ(成長加速) - 
観光客数がさらに増加し、2026年までに年間1,200万人規模に。 
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外国人投資規制が緩和され、土地利用スキームが拡大。 
 
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慎重シナリオ(横ばい〜調整) - 
世界経済の停滞や為替変動により、外国人投資が鈍化。 
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コンドミニアム供給過多が顕在化し、一部エリアで賃料下落。 
 
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8.4 投資家への提言
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インフラ沿線の先行投資 
 開発計画が公式発表される前に土地・物件を確保すれば、キャピタルゲインの可能性が高まる。
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複数収益源モデルの構築 
 短期・中期・長期賃貸を組み合わせて収益変動を平準化する。
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管理とマーケティングの強化 
 賃貸運営におけるレビュー管理や外国人向け広告出稿を積極的に行う。
総括
2025〜2026年は、セブ島不動産が再び国際的な投資先として脚光を浴びる可能性が高い期間です。インフラと観光の成長が続く限り、中長期的な価格上昇基調は揺らぎにくく、適切なエリア選定と運営戦略が投資成果を大きく左右するでしょう。
9. まとめ
2025年のセブ島不動産市場は、パンデミックからの回復期を完全に脱し、**「持続的成長と再評価のフェーズ」**に入りました。観光業の好調、BPO産業の拡大、そしてインフラ整備の進展が、売買・賃貸の両市場を力強く押し上げています。
本レポートで見てきた通り、
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**中心部(ITパーク・アヤラ周辺)**は短期・中期賃貸の稼働率が高く、高単価での運用が可能。 
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マクタン島沿岸部は観光需要を背景にAirbnb投資の好機。 
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**郊外エリア(コンソラシオン、タリサイ、コルドバ)**は土地付き住宅の長期価値上昇が期待できる。 
価格は全体的に上昇傾向であり、特にインフラ整備が進むエリアでは二桁の値上がりも視野に入ります。一方で、供給過多、建設遅延、観光依存リスクなど、市場特有の課題も存在します。投資家は物件選定・契約条件・収益モデルの多角化を徹底し、外部要因の変動にも耐えられるポートフォリオ構築が重要です。
2025〜2026年は、セブ島が国際的な投資先として再び注目を集める期間となる可能性が高いです。短期的な利回りを狙う戦略も、中長期的な資産価値の成長を狙う戦略も、適切なエリアと物件タイプを選べば実現可能です。
最後に強調したいのは、**「セブ島不動産投資は、立地選定と運営力が全てを左右する」**ということです。成長の波を的確に捉え、適切なタイミングで行動できる投資家こそが、このダイナミックな市場で最大の成果を得られるでしょう。

 
		 
		 
			 
			 
			 
			 
			