セブ島移住ガイド:移住準備チェックリスト

はじめに

セブ島への移住は、観光旅行とは違い、長期的に生活基盤を整えるための準備が必要です。ビザや住居、保険、銀行口座、教育、仕事環境など、考えるべきことは多岐にわたります。事前に必要な手続きを済ませ、持ち物をチェックしておくことで、現地でのトラブルを防ぎ、安心して新生活を始めることができます。

この記事では、セブ島移住に向けて準備すべき項目を「移住準備チェックリスト」として整理しました。移住を検討している方や、すでに計画を進めている方は、ぜひ参考にしてください。


ビザ・書類関係(修正版抜粋)

主なビザの種類

  • 観光ビザ(Tourist Visa)
    最初の30日間はビザなしで滞在可能。その後は延長を繰り返すことで最長36か月まで滞在可能。語学学校に通う場合は、観光ビザを延長しながら SSP(Special Study Permit) を取得するのが一般的。

  • リタイアメントビザ(SRRV)
    一定の預金をフィリピン国内の銀行に預けることで取得可能。長期移住者やリタイア世代に人気。

  • 学生ビザ(Student Visa)
    フィリピンの 高校や大学に正規入学する場合に必要。申請には入学許可書、出生証明書、無犯罪証明書などが必要で、手続きには数か月かかることもある。
    語学学校に通う場合は学生ビザではなく、観光ビザ+SSPで対応するため、混同しないよう注意。

  • 就労ビザ(9Gなど)
    現地企業に雇用される場合や、事業を行う場合に取得が必要。


金融・資金準備

セブ島移住では、生活費の確保と安全な資金管理が欠かせません。日本とフィリピンは銀行システムが異なるため、事前準備をしておくと安心です。

渡航前に準備すべきこと

  • クレジットカード
    海外利用可能かどうかを確認。VisaやMasterCardが一般的に利用しやすい。海外キャッシング枠も有効にしておくと便利。

  • 国際キャッシュカード・デビットカード
    日本の口座から直接引き出せるカードを準備。為替手数料を比較しておくと節約になる。

  • 現金(米ドル・フィリピンペソ)
    到着後すぐに使えるように、米ドルとフィリピンペソを少額ずつ持参。両替は空港でも可能だが、市内の両替所の方がレートが良い。

  • オンラインバンキング設定
    日本の銀行口座をオンライン管理できるようにしておく。海外からのアクセス制限がある銀行もあるため、事前確認が必要。

現地での資金管理

  • フィリピンの銀行口座開設
    長期滞在者は口座を開設しておくと便利。必要書類はパスポート、ACR I-Card(外国人登録証)、住所証明など。

  • 送金サービスの活用
    WiseやWestern Unionなどを利用すると、日本から現地への送金がスムーズ。手数料やレートも確認しておくことが大切。

現金は常に最小限に、カードや送金サービスを併用して資金管理するのが安心です。


健康・保険

セブ島で安心して暮らすためには、健康管理と医療への備えが欠かせません。フィリピンの医療水準はエリアや病院によって差があるため、渡航前にしっかり準備しておきましょう。

渡航前にしておくこと

  • 健康診断の受診
    移住前に一度日本で健康診断を受けておくと安心。持病がある場合は診断書や処方内容を英文で用意しておくと役立つ。

  • 常備薬の準備
    かかりつけ医からの処方薬は、必要量を持参。薬品名を英語で書いたリストを用意しておくと、現地薬局で代替品を探す際に便利。

  • 予防接種
    A型肝炎、B型肝炎、破傷風、狂犬病、腸チフスなど、東南アジアで推奨される予防接種を検討。

保険の選び方

  • 海外旅行保険
    最初の数か月間は日本で加入する海外旅行保険を利用するのが一般的。病気・ケガ・盗難まで幅広くカバー。

  • 現地医療保険
    長期滞在者は現地の医療保険や国際保険(例:Pacific Cross, Maxicare など)への加入を検討。費用は日本より安めだが、カバー範囲をよく確認する必要がある。

  • 緊急医療対応
    セブ島の主要エリアには大病院(Chong Hua Hospital、Cebu Doctors’ University Hospitalなど)があるが、高度医療はマニラや日本での治療になることも想定しておく。

医療費は自己負担すると高額になるケースもあるため、保険加入は必須です。


住居関連

セブ島での生活を快適に始めるためには、住居探しが重要なステップです。ただし、到着直後に長期契約を結ぶのはリスクが高いため、慎重に進めることをおすすめします。

まずは短期滞在からスタート

  • 英語学校への短期留学(1〜3ヶ月)
    現地に慣れるまでは、英語学校に通いながら寮に滞在するのがおすすめ。

    • 食事付きで生活が安定する

    • 英語力を伸ばしながら現地の文化に慣れられる

    • 他の留学生や現地在住者から住居や生活情報を得やすい

    • 学校スタッフが生活面でサポートしてくれるため安心

その後に住居を探す

学校での滞在を経て生活感覚がついたら、以下の住居探しに移行するとスムーズです。

  • コンドミニアム(家具付きが多く、プール・ジム完備)

  • アパートメント(広さの割に家賃は安めだが家具なしが多い)

  • 一軒家・タウンハウス(家族向け、セキュリティや立地要確認)

住居探しのチェックポイント

  • 家賃・管理費・デポジットの有無

  • 家具・家電付きかどうか

  • インターネット環境

  • 立地(学校、職場、スーパー、病院へのアクセス)

  • 安全性(ゲート付きか、周囲の治安)

住居はオンラインで探すこともできますが、実際に現地で見学してから契約するのが鉄則です。


生活インフラ

セブ島での生活をスムーズに始めるためには、通信環境や電化製品など、生活インフラの準備が大切です。日本と違う部分も多いので、事前に把握しておくと安心です。

通信・インターネット

  • SIMカード購入
    Globe、Smart が主要キャリア。空港やショッピングモールで簡単に購入可能。

  • ポケットWi-Fi・ホームWi-Fi
    長期滞在者はホームWi-Fi契約がおすすめ。ただし、エリアによって速度差があるので要確認。

  • VPN契約
    海外から日本のサービスを利用する場合に便利。

電化製品・電源

  • 電圧:220V/プラグ:A/B/Cタイプ混在
    日本の100V家電は変圧器が必要な場合あり。ノートPCやスマホは基本的に対応していることが多い。

  • 持参すると便利なもの
    延長コード(日本の形状で複数口)、変換プラグ、モバイルバッテリー。

生活用品

  • 現地で買えるもの
    家具・家電(SM、Ayala、IKEA Cebuなど)、日用品(Watsons、SM Hypermarket)。

  • 日本から持参すると良いもの
    日本の調味料、薬、日本語の本や教材など。特に日本食材は高価なので、基本調味料を少し持参すると便利。

最初は最低限の持ち物で渡航し、現地で必要に応じて揃えていく方が効率的です。


教育・仕事関係

移住を計画する際、子どもの教育や自分自身の働き方をどうするかは大きなポイントになります。セブ島には多様な教育機関と働き方の選択肢があり、事前の情報収集が重要です。

子どもの教育

  • インターナショナルスクール
    英語で授業が行われ、国際的なカリキュラム(IB、ケンブリッジなど)を採用。学費は高めだが、教育水準が安定している。

  • 現地私立校・公立校
    学費は比較的安いが、授業は主に英語とビサヤ語。現地文化に溶け込みやすい一方で、言語面のハードルが高い。

  • 大学・専門学校
    医学・看護・IT分野に強い大学が多い。日本より学費が安いため、進学目的の移住を選ぶ人もいる。

自分の学び

  • 英語学校(語学学校)
    移住直後に数か月通うことで、英語力を高め、生活に慣れる良いステップになる。マンツーマン授業が多く効率的。

  • 資格・専門スキル
    ITやダイビング、ビジネス系資格の取得も可能。

仕事・キャリア

  • リモートワーク
    セブ市内には多数のコワーキングスペースがあり、ネット環境が整えば日本や海外の仕事を継続できる。

  • 現地就職
    BPO(コールセンター)、IT企業、観光業などが主要産業。就労ビザが必要になる。

  • 起業
    レストランや留学エージェントなど、日本人が経営するビジネスも多い。外国人は会社設立や資本比率に制限があるため、専門家のアドバイスが必須。

教育と仕事は移住生活の柱。事前に複数の選択肢を調べておくと、現地での生活がスムーズになります。


渡航直前チェック

出発前の最終準備を怠ると、現地で思わぬトラブルに直面することがあります。渡航直前に改めて以下のポイントを確認しましょう。

旅行関連

  • 航空券(Eチケット)を印刷またはスマホ保存

  • 宿泊先(ホテル・Airbnb・学校寮など)の予約確認書

  • 空港からの送迎サービス手配(英語学校や不動産業者がサポートしてくれる場合も多い)

  • 緊急連絡先リスト(日本大使館・保険会社・現地知人)

日本での手続き

  • 住民票の転出届(長期滞在の場合)

  • 税金関係(住民税・年金・健康保険の手続き)

  • 郵便物の転送手配

  • クレジットカード会社・銀行に「海外利用の予定」を事前連絡

荷物の最終確認

  • 手荷物:貴重品、必要最低限の現金、薬、SIMフリー携帯、パスポートコピー

  • 航空便:衣類、生活必需品

  • 船便(必要なら):家具や大量の書籍など大きな荷物

渡航直前は慌ただしくなりがちなので、チェックリストを作り一つずつ確認していくのがおすすめです。


到着後にやること

セブ島に到着したら、生活基盤を整えるために最初の数週間で済ませておきたい手続きや行動があります。

1. 通信・ネット環境

  • 空港またはショッピングモールでSIMカードを購入(Globe・Smartなど)

  • 長期滞在予定ならホームWi-Fiの契約も検討

2. 住居関連

  • 一時滞在先(ホテル・学校寮・Airbnb)から拠点を広げて物件を内見

  • コンドミニアムやアパートの契約手続き(契約書は必ず確認)

  • 家具・家電の購入(SM、Ayala、IKEA Cebu などで揃えやすい)

3. 行政・銀行手続き

  • ACR I-Card(外国人登録証):長期滞在ビザ保持者は申請が必要

  • 銀行口座開設:パスポート、住所証明、ビザ書類が必要

  • 送金サービスの設定(Wiseなど)で日本からの送金を確認

4. 健康・生活環境

  • 近くの病院・クリニックを確認(Chong Hua Hospital、Cebu Doctors’ University Hospital など)

  • スーパーやモールの場所を把握(Ayala、SM、Robinsonsなど)

  • Grabアプリの登録(タクシー代わりに必須)

5. コミュニティ・生活の立ち上げ

  • 語学学校やコワーキングスペースで人脈を広げる

  • 日本人会や現地のコミュニティに参加して情報収集

  • 子どもの学校のオリエンテーションや入学手続き

到着後の数週間は「生活基盤を整える期間」と考え、焦らず順番に進めるのがポイントです。


まとめ

セブ島移住を成功させるためには、事前準備 → 渡航直前の最終確認 → 到着後の生活基盤づくり という流れを意識することが大切です。

  • ビザや書類 を早めに準備し、観光ビザ+SSPや学生ビザなど自分の滞在目的に合ったものを確認する。

  • 金融面 では、クレジットカードやオンラインバンキングを整備し、現地口座開設や送金方法も把握しておく。

  • 健康と保険 は最優先。常備薬・予防接種・保険加入を事前に済ませて安心を確保する。

  • 住居探し は渡航後すぐに契約せず、まずは英語学校の寮や短期滞在で現地に慣れてから本格的に探すのがおすすめ。

  • 生活インフラや教育・仕事 の選択肢を調べておくことで、到着後の行動がスムーズになる。

  • 渡航直前には、日本での税金・保険・住民票などの手続きを忘れずに。

  • 到着後は SIM・銀行口座・住居契約を優先し、生活の基盤を整えてからコミュニティづくりに動くと良い。

チェックリストとして一つずつ確認しながら進めることで、セブ島移住の不安を減らし、スムーズに新生活を始められます。

セブ島移住ガイド 2025年版|ビザ・生活費・住まい・治安まで徹底解説

FAQ(よくある質問)

Q1. セブ島移住にはどのビザが必要ですか?

移住の目的によって異なります。語学学校に通う場合は観光ビザの延長+SSP(特別就学許可証)で対応します。高校や大学に正規入学する場合は学生ビザが必要です。長期滞在を希望する場合はリタイアメントビザ(SRRV)、現地で働く場合は就労ビザ(9Gなど)を取得する必要があります。

Q2. セブ島の住居はどのタイミングで契約するべきですか?

渡航直後に長期契約を結ぶのはおすすめできません。まずは1〜3ヶ月ほど英語学校の寮やホテル・Airbnbに滞在し、生活に慣れてからコンドミニアムやアパートを探すのが安全です。現地で実際に内見してから契約するのが基本です。

Q3. 医療や健康面の準備はどうすれば良いですか?

渡航前に健康診断を受け、持病がある場合は診断書や処方薬を英文で用意しましょう。常備薬は必要量を持参し、薬品名を英語でリスト化しておくと現地で代替薬を探す際に便利です。また、A型肝炎、B型肝炎、破傷風、狂犬病などの予防接種を検討すると安心です。医療費は高額になることもあるため、海外旅行保険や現地保険への加入は必須です。

Q4. 現地での銀行口座開設は簡単ですか?

外国人でも開設可能ですが、必要書類が揃っていることが条件です。一般的にはパスポート、住所証明、ビザ関連書類(長期滞在の場合はACR I-Card)が必要です。短期滞在の場合は口座開設が難しいケースもあるため、WiseやWestern Unionなどの送金サービスを併用すると便利です。

Q5. 移住に必要な生活費の目安はどのくらいですか?

単身の場合、月5万〜10万円程度で生活可能です。コンドミニアムの家賃は1〜2万円台からありますが、立地や設備によって大きく変わります。家族で住む場合やインターナショナルスクールに通わせる場合は、月20万円以上を見積もっておくのが安心です。

Q6. 子どもの教育環境はどうですか?

セブ島には複数のインターナショナルスクールがあり、英語教育を中心とした国際カリキュラムを提供しています。学費は高めですが、教育水準が安定しています。現地の私立校や公立校は学費が安く、現地文化に馴染みやすい一方で、言語の壁が大きい点に注意が必要です。

Q7. セブ島の治安は大丈夫ですか?

観光客や外国人が多く住むエリアは比較的安全ですが、スリやひったくりは起こり得ます。コンドミニアムやゲート付きコミュニティなど、セキュリティがしっかりしている住居を選ぶことをおすすめします。夜間の外出や人通りの少ない場所は避けるのが無難です。

Q8. 英語力がなくても移住できますか?

最低限の日常英会話ができると生活がスムーズですが、英語に自信がない場合は最初に語学学校に通うのがおすすめです。マンツーマン授業が多く、短期間でも実生活で使える英語を身につけやすい環境が整っています。

Q9. インターネット環境はどの程度整っていますか?

セブ市内の主要エリアでは比較的安定していますが、日本に比べると速度や安定性は劣ります。GlobeやSmartのSIMカードでモバイル通信を利用するか、コンドミニアムや一軒家にホームWi-Fiを設置するのが一般的です。リモートワーク予定の方は、事前にエリアの通信状況を確認することをおすすめします。

Q10. 日本から持参した方が良いものはありますか?

日本食材や調味料、常備薬、日本語の書籍や学習教材は現地では高価または入手困難です。特に健康や食生活に関わるものは事前に準備しておくと安心です。一方、家具や家電は現地のショッピングモール(IKEA Cebu、SM、Ayala など)で十分に揃えられます。

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