セブ島移住ガイド: 常備薬と購入できる薬局ガイド

はじめに

セブ島への移住や長期滞在を考えるとき、多くの人が住まい・仕事・ビザといった大きなテーマに意識を向けがちですが、実際の生活を左右するのは「日々の健康管理」です。慣れない気候や食生活の違い、また水質や衛生環境の変化によって、日本ではあまり体験しない体調不良に見舞われることも少なくありません。

特に薬の問題は、移住者にとって意外な落とし穴になりがちです。日本でいつも服用している薬がセブ島では手に入らなかったり、同じ商品名でも成分が異なっていたりするケースもあります。一方で、フィリピンの薬局は充実しており、市販薬やサプリメントは簡単に購入できるため、上手に使い分ければ安心して生活を送ることができます。

このガイドでは、日本から持参しておくと安心な常備薬のリストと、セブ島で利用できる薬局の特徴や活用方法をまとめました。移住後の体調トラブルに備えるための実用的な情報をお届けします。


1. 日本から持参すべき常備薬リスト

セブ島では多くの市販薬が手に入りますが、必ずしも日本で慣れた薬と同じものが見つかるとは限りません。特に持病のある方や「この薬でないと合わない」というものがある場合は、移住前に十分な量を準備しておくことが重要です。

基本的に持っていきたい薬

  • 解熱鎮痛薬
    頭痛、発熱、生理痛など幅広く使用できます。例:イブプロフェン、アセトアミノフェン。

  • 整腸剤・下痢止め
    水が合わなかったり食あたりを起こしたりすることが多いため必須。乳酸菌系の整腸剤やロペラミドなど。

  • 胃薬・制酸剤
    フィリピン料理は油やスパイスが多いため、胃の不快感に備えて。

  • アレルギー薬
    花粉症、食べ物アレルギー、虫刺されなどに対応。抗ヒスタミン薬を常備すると安心。

  • 外傷用薬
    消毒液、絆創膏、虫刺され用クリームは旅行や外出時に便利。

持病がある人の必須アイテム

  • 処方薬(1〜3か月分)
    現地で必ずしも同じ薬が手に入るとは限らないため、多めに持参しましょう。

  • 英文診断書(Doctor’s Certificate)
    入国時や現地病院で必要になることがあります。処方薬と一緒に準備しておくと安心です。

ワンポイントアドバイス

  • フィリピンでは錠剤をバラ売りしているため便利ですが、慣れないうちは品質管理に注意が必要です。

  • 飛行機に持ち込む際は、手荷物に分けて入れておくと紛失防止になります。


. セブ島で手に入る薬

フィリピンは医薬品の入手が比較的容易で、セブ島でも街中やモールに薬局が多くあります。多くの薬は処方箋なしで購入可能で、日本でドラッグストアに行く感覚に近いと言えるでしょう。ただし、抗生物質や一部の強い薬は医師の処方箋(Prescription、略して「Rx」)が必要です。

主に市販で買える薬の例

  • 解熱鎮痛薬
    フィリピンでは「パラセタモール(Paracetamol)」が一般的。発熱や頭痛、体の痛みに広く使われています。

  • 風邪薬・咳止め
    シロップタイプやトローチが豊富。小児用も簡単に購入可能。

  • 整腸剤・下痢止め
    プロバイオティクス系サプリや「Loperamide」がよく売られています。

  • 外用薬
    傷の消毒液(Betadineなど)、虫刺されやかゆみ止めクリーム、湿布薬も手に入ります。

  • ビタミン・サプリメント
    マルチビタミンやビタミンCなどの栄養補助剤も人気です。

注意すべきポイント

  • 同じ商品名でも成分が異なる場合あり
    日本で使っている薬と見た目や名前が似ていても、成分や濃度が違うケースがあるため必ず成分表示を確認しましょう。

  • 1錠単位で購入可能
    フィリピンの薬局では、箱単位だけでなく1錠ずつバラ売りされるのが一般的。必要分だけ買えるのは便利ですが、保管方法には注意。

  • ジェネリック薬が多い
    フィリピンではジェネリック(後発薬)が多く出回っており、価格は安い反面、日本人には馴染みのないブランドが多いため最初は戸惑うかもしれません。


3. セブ島で利用できる主要薬局チェーン

セブ島には全国展開している大手薬局チェーンが多数あり、都市部やショッピングモールでは必ずといってよいほど見つかります。店舗数が多く、価格も安定しているため、移住者にとって心強い存在です。

主な薬局チェーン一覧

  • Mercury Drug(マーキュリードラッグ)
    フィリピン最大手の薬局チェーン。セブ市内にも多数の店舗があり、薬の種類が豊富で信頼性も高い。24時間営業の店舗もあるため、緊急時に便利。

  • Rose Pharmacy(ローズファーマシー)
    セブ発祥の薬局チェーンで、地元に根付いたブランド。街中やモール内に多く展開しており、使いやすい。日用品や健康食品も取り扱っている。

  • Watsons(ワトソンズ)
    アジア全域に展開するドラッグストアチェーン。化粧品やスキンケア用品、生活雑貨も充実しており、女性に人気。モール内で見つけやすい。

  • South Star Drug(サウススタードラッグ)
    価格が比較的安めで、地域密着型の薬局。郊外エリアや地方都市でも見つけやすい。

薬局利用の特徴

  • 都市部ではほとんどの薬局で英語が通じるため安心

  • 会員カードを発行してもらうと割引が受けられる場合あり

  • 薬以外にもサプリメント・日用品・スキンケア用品が揃う

  • 大型モールの中には複数の薬局が入っていることもある


4. 薬局の利用方法とコツ

セブ島の薬局は、日本のドラッグストアと似たような感覚で利用できますが、いくつかの違いやコツを知っておくとスムーズに買い物ができます。

購入の流れ

  1. 薬の名前を伝える
    事前に薬の名前(一般名やブランド名)をメモして店員に伝えるのが基本。症状を英語で説明しても、店員が適切な薬を提案してくれることがあります。

  2. 処方箋の必要有無
    抗生物質や一部の強力な薬には「Rx」マークがついており、医師の処方箋がないと購入できません。市販薬やビタミン類は基本的に自由に購入可能です。

  3. バラ売り購入が可能
    フィリピンでは薬を1錠単位で買えるのが特徴。数日分だけ欲しいときには便利ですが、湿気対策として保存に注意しましょう。

  4. 支払い方法
    現金のほか、主要な薬局チェーンではクレジットカードやGCashなど電子決済も利用可能です。

利用のコツ

  • 会員カードを作ると割引
    Mercury Drug や Watsons ではメンバーズカードがあり、割引やポイントが貯まるので長期滞在者におすすめ。

  • 英語で症状を伝えるフレーズ

    • 「I have a headache.」(頭痛があります)

    • 「I need medicine for stomach pain.」(胃痛の薬が欲しいです)

    • 「Do I need a prescription for this?」(これは処方箋が必要ですか?)

  • 成分表の確認を忘れない
    同じブランドでも日本と成分が違うことがあるため、必ず確認しましょう。

  • 営業時間に注意
    モール内の薬局は22時頃に閉まりますが、Mercury Drug には24時間営業の店舗もあるので緊急時に安心です。


5. 緊急時の医療と薬の確保

移住後に体調を崩したり、急なけがをした場合に備えて、セブ島での医療体制や薬の入手先を把握しておくことはとても重要です。

大病院と院内薬局

セブ市内には総合病院があり、院内に薬局が併設されています。処方箋に基づいた薬の受け取りがスムーズにできるため、安心感があります。

  • Chong Hua Hospital(チョンフア病院) – 設備が整った大病院。外国人利用者も多い。

  • Cebu Doctors’ University Hospital(セブドクターズ病院) – 医療水準が高く、英語対応の医師が多数在籍。

  • Perpetual Succour Hospital(パーペチュアル病院) – セブ市北側に位置する老舗病院。

24時間営業の薬局

  • Mercury Drug は一部店舗が24時間営業しており、夜間や休日の体調不良時に利用可能。

  • モール内の薬局は夜まで営業しているが、閉店後は独立店舗を利用するとよい。

緊急時に備えて

  • 救急番号:フィリピン全国共通で「911」

  • 健康保険:渡航前に海外旅行保険または現地の医療保険に加入しておくと安心。

  • 言葉の壁対策:英語に不安がある場合は、症状を紙に書いたり翻訳アプリを利用するとスムーズ。

  • 常備薬のバックアップ:普段使う薬は自宅・携帯用バッグ・車など複数箇所に分けて保管しておくと安心。


まとめ

セブ島では市販薬の入手は比較的簡単ですが、日本で慣れた薬や持病の薬は必ず持参しておくことをおすすめします。現地の薬局は便利で、24時間対応の店舗や大病院の院内薬局もあるため、日常的な体調管理から緊急時の対応まで不便を感じることは少ないでしょう。

ポイントは「持参する薬」と「現地で買える薬」を上手に組み合わせて、健康的で安心できる移住生活を送ることです。

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よくある質問(FAQ)|セブ島移住ガイド:常備薬と薬局

Q1. 日本の市販薬はセブ島へ持ち込めますか?

基本的に個人使用の範囲であれば持ち込み可能です。処方薬は英文診断書(Doctor’s Certificate)と処方箋の写しを同梱し、開封せずに外箱ごと機内持ち込みにしてください。

Q2. どれくらいの量を持参すべきですか?

市販薬は1〜2か月分、処方薬は最低1〜3か月分が目安です。現地で同等薬が見つかるまでの“橋渡し”期間を見込むと安心です。

Q3. セブ島では処方箋なしでどんな薬が買えますか?

解熱鎮痛薬(パラセタモール系)、整腸剤、かゆみ止め、ビタミン・サプリなどは店頭購入が一般的です。抗生物質や一部の強い薬は「Rx」扱いで医師の処方が必要です。

Q4. フィリピンの薬は1錠ずつ買えると聞きました。本当ですか?

はい、多くの薬が1錠単位で購入できます。必要分だけ買える反面、保管時は湿気対策(密閉袋+乾燥剤)を行い、用法用量のメモを必ず同封しましょう。

Q5. 日本と同じ商品名でも成分が違うことはありますか?

あります。見た目や名前が似ていても有効成分や含有量が異なる場合があります。購入時はパッケージの成分(Active Ingredient)と含有量(mg)を確認してください。

Q6. おすすめの大手薬局チェーンは?

Mercury Drug、Rose Pharmacy、Watsons、South Star Drugなどが使いやすいです。都市部・モール内で見つけやすく、在庫も安定しています。

Q7. 24時間営業の薬局はありますか?

一部のMercury Drugが24時間営業です。夜間・休日は独立店舗を探すか、病院併設の院内薬局を利用してください。

Q8. 英語に自信がありません。どう説明すれば良いですか?

症状を短文で用意しましょう(例:I have a headache. / I have stomach pain. / I have allergies.)。処方薬名や有効成分を紙に書いて見せるのも有効です。

Q9. 子ども向け・シニア向けの薬は簡単に手に入りますか?

一般的な解熱剤や咳止めのシロップ、小児用整腸剤などは入手しやすいです。年齢・体重に応じた用量を必ず確認してください。

Q10. サプリやビタミンは充実していますか?

はい。マルチビタミン、ビタミンC、プロバイオティクスなどは広く流通しています。メーカーや配合量は日本と異なることがあります。

Q11. 決済方法は?会員割引はありますか?

現金のほか主要チェーンではクレジットカードや電子決済(例:GCash)に対応。会員カードで割引・ポイントが受けられる場合があります。

Q12. 緊急時はどこへ連絡すれば良いですか?

フィリピンの緊急番号は911です。急病・ケガは大病院(例:Chong Hua Hospital、Cebu Doctors’ University Hospital、Perpetual Succour Hospital)や最寄りの院内薬局を利用してください。

Q13. 現地で処方薬を続けたい場合は?

日本の処方内容・用量・有効成分を英語でまとめ、英文診断書を携帯しましょう。現地医師の診察を受け、同等薬へ切り替えるケースが一般的です。

Q14. 旅行者用保険・現地保険は必要ですか?

強く推奨します。外来や救急対応、薬代の補償があると費用負担を抑えられます。補償範囲(外来・入院・薬代)とキャッシュレス可否を確認しましょう。

Q15. 常備薬はどのように分散保管すべきですか?

自宅、携帯用ポーチ、予備(職場や車)に分け、湿気対策と服用メモを同梱。万一の紛失・盗難・停電(冷蔵保管薬)に備えましょう。

Q16. 薬の安全性を見極めるポイントは?

有効成分名、含有量、用量、賞味(使用)期限、封緘の有無を確認。体質に合わない場合は使用を中止し、医師・薬剤師に相談してください。

Q17. 日本の花粉症薬やアレルギー薬はありますか?

同等成分(抗ヒスタミン薬など)は流通していますが、銘柄や用量が異なることがあります。日本で合う薬がある場合は持参が安心です。

Q18. モールの薬局と路面店の違いは?

モール内はアクセスと在庫安定性が高く、閉店はやや早め。路面店は営業時間が長い店舗もあり、価格プロモも見つかることがあります。

Q19. 薬の保管で気をつけることは?

高温多湿対策が最重要です。直射日光を避け、密閉容器+乾燥剤を使用。冷蔵指定の薬は停電対策として冷却バッグや保冷剤を用意しましょう。

Q20. 最終的な注意点・免責は?

本FAQは一般的な情報提供であり、医療アドバイスではありません。服用前には用法用量を確認し、持病や妊娠中の方、症状が重い場合は医師に相談してください。

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