看護師留学ガイド:看護師留学の種類

はじめに

海外で活躍する看護師を目指したい、国際的な医療の現場を体験してみたい――そんな思いから「看護師留学」に関心を持つ人が増えています。
看護師留学といっても、そのスタイルは一つではありません。英語力を磨くための語学留学から、実際に海外の看護師資格を取得する長期留学、さらには大学院で専門性を高める研究留学まで、目的や将来のキャリアによって選べる道はさまざまです。

この記事では、日本人看護師が選ぶことのできる主な留学の種類を整理し、それぞれの特徴やメリットをわかりやすく紹介します。自分に合った留学スタイルを考える第一歩として、ぜひ参考にしてください。


看護師留学にはどんな種類があるのか?

看護師留学と一口にいっても、目的や期間、得られる成果によって大きく種類が分かれます。
たとえば、

  • 短期型:語学研修やインターンシップを通じて海外経験を積む

  • 中期型:資格試験や専門プログラムを受講してスキルアップする

  • 長期型:現地の大学や大学院に進学し、看護師資格や学位を取得する

といったように、キャリアのステージや将来の目標によって選択肢は異なります。

これから、それぞれの種類を詳しく見ていきましょう。


1. 語学留学+医療英語研修

特徴

海外で看護師として働くためには、まず 英語で患者や医療スタッフと円滑にコミュニケーションできる力 が欠かせません。そのため多くの看護師が、最初のステップとして語学留学を選びます。

一般英語に加えて、医療現場で必要な表現や専門用語を学ぶ 医療英語コース を設けている学校もあり、留学生に人気があります。

学べる内容

  • 日常会話に加えた実用的な英会話

  • 医療英単語(解剖学、症状、処置など)

  • 患者とのやり取りでよく使う表現

  • 病院でのロールプレイやケーススタディ

期間

  • 短期:1か月〜3か月

  • 中期:3か月〜6か月

メリット

  • 海外看護師資格の取得や就労に向けた 基礎力の準備 になる

  • IELTSやTOEFLなどの英語試験対策にもつながる

  • 医療英語を学ぶことで、日本に帰国後も国際医療や外国人患者対応に活かせる


2. 短期医療インターンシップ

特徴

日本で看護師資格を持ちながら、海外の医療現場を短期間で体験できるプログラム。病院やクリニックでの見学、ボランティア、簡単な患者ケアの補助などを行います。

内容

  • 病棟や外来での見学

  • 看護師の業務補助(ベッドメイキング、バイタル測定の見学など)

  • 医療従事者との交流、異文化理解

期間

数週間〜3か月程度

メリット

  • 実際の医療現場を間近で体験できる

  • 海外医療システムの違いを学べる

  • 将来の長期留学や就労の前に「試す」ことができる


3. 海外看護大学・専門学校進学

特徴

海外で看護師資格を取得したい人向けの本格的な進路。現地の看護学プログラムに入学し、座学と臨床実習を通じて現地基準の看護教育を受けます。

内容

  • 看護学の基礎・専門科目(解剖学、病理学、薬理学など)

  • 臨床実習(病院、地域医療、専門科)

  • 国家試験受験資格の取得

期間

2〜4年(国や学校によって異なる)

メリット

  • 海外の正看護師資格を取得できる

  • 就労ビザを得てそのまま現地で働ける可能性がある

  • 国際的なキャリア形成に直結する


4. 資格取得型留学(NCLEX対策など)

特徴

すでに日本で看護師資格を持つ人が、海外での看護師資格を取得するために留学するスタイル。英語力アップ+国家試験対策が中心となります。

内容

  • 英語試験準備(IELTS、TOEFL、OETなど)

  • 米国NCLEX-RNなどの看護師国家試験対策

  • 模擬試験や臨床現場のオリエンテーション

期間

半年〜2年程度

メリット

  • アメリカ、カナダ、オーストラリアなどで看護師就労が可能になる

  • 就労ビザや移住の道が開ける

  • 高い給与・キャリアアップを実現できる


5. 大学院・研究留学

特徴

看護研究、教育、マネジメントなどを専門的に学びたい人向け。海外大学院で修士・博士課程に進学し、学術的な研究や看護教育を深めます。

内容

  • 公衆衛生学、国際看護、看護教育学などの専門分野

  • リサーチプロジェクトや論文執筆

  • 学会発表や国際的ネットワーク構築

期間

1〜3年

メリット

  • 大学や教育機関でのアカデミックキャリアを目指せる

  • 国際NGOや国際機関でのキャリアにつながる

  • 日本に帰国後も教育者・研究者として活躍できる


まとめ

看護師留学には、語学力アップを目的とする短期プログラムから、海外での資格取得や研究を目指す長期留学まで幅広い選択肢があります。
大切なのは 「留学の目的」 を明確にすること。

  • 英語力をつけたい

  • 海外で資格を取りたい

  • 研究や教育でキャリアを積みたい

それぞれのゴールによって最適な留学の種類は異なります。自分のキャリア設計に合わせて、最も合った留学スタイルを選びましょう。


よくある質問(FAQ)

Q1. 看護師留学にはどんな種類がありますか?
A. 主に「語学留学+医療英語」「短期医療インターン」「海外の看護大学・専門学校進学」
「資格取得型(NCLEX等)」「大学院・研究留学」の5タイプに分かれます。目的(英語、資格、研究)と期間(短期・中期・長期)で選びます。
Q2. どのタイプを選ぶべきか迷っています。決め方は?
A. まず目的を絞り込みます。英語力UP→語学+医療英語、現場体験→短期インターン、
海外で看護師として働く→進学または資格取得型、研究・教育→大学院。期間と費用、英語力、将来の働き方も合わせて検討します。
Q3. 英語力はどれくらい必要ですか?
A. 語学留学は初中級から可。資格取得型や進学・大学院はIELTS/TOEFL/OETなどの基準が設けられます。
まずは一般英語+医療英語で基礎を固め、必要に応じて試験対策コースを追加するのが一般的です。
Q4. 期間の目安を教えてください。
A. 語学留学は1~6か月、短期インターンは数週間~3か月、専門学校・大学進学は2~4年、
資格取得型は半年~2年、大学院は1~3年が目安です(国や学校により差があります)。
Q5. 費用はどのくらいかかりますか?
A. 学費・生活費・保険・ビザ・試験費用などを合算します。短期(数週間~数か月)は比較的抑えやすく、
進学・大学院は高額になりがちです。都市部ほど生活費が上がるため、国・都市の選定が重要です。
Q6. 日本の看護師経験は必要ですか?
A. 語学留学や短期インターンは未経験でも可能な場合があります。資格取得型や一部の進学・大学院では、
臨床経験が出願条件で求められることがあります。各プログラムの要件を確認しましょう。
Q7. 海外でそのまま看護師として働けますか?
A. 多くの国では現地の看護師免許や登録手続きが必要です。米国等はNCLEX-RNなどの試験合格と英語要件、
州ボードの審査、就労ビザなど複数の条件を満たす必要があります。
Q8. NCLEX対策とIELTS/OETはどちらを先にやるべき?
A. 多くのケースで英語力証明(IELTS/OET等)が基礎になるため、先に英語スコアを確保し、
その後NCLEX対策へ進む流れがスムーズです。同時並行する場合も基礎英語は先行強化が有利です。
Q9. 短期医療インターンで直接の医療行為はできますか?
A. 多くのプログラムは見学や補助が中心で、免許や法規制により医療行為は制限されます。
実施可能な範囲は国・施設・ビザ種別によって異なるため、事前確認が必要です。
Q10. 年齢制限はありますか?
A. 明確な上限がないプログラムもありますが、ビザ要件や学校の方針で条件が設けられる場合があります。
臨床経験の年数や直近の就業歴が評価されることもあります。
Q11. 日本の単位や学位は海外進学で認定されますか?
A. 一部は単位認定や編入の対象になる可能性がありますが、学校ごとの審査次第です。
成績証明やシラバスの提出、資格評価機関の利用が求められる場合があります。
Q12. 留学中に現地でアルバイトはできますか?
A. 国やビザの種類により、就労時間や職種に制限があります。医療機関での仕事は特に規制が厳しいことが多いです。
必ず最新のビザ規定を確認してください。
Q13. 奨学金や教育ローンは利用できますか?
A. 自国・現地政府、大学、民間団体の奨学金が存在します。条件(成績、研究テーマ、専攻分野)や
返済義務の有無を確認し、出願スケジュールに余裕を持って準備しましょう。
Q14. 出願までのスケジュール感は?
A. 目安として、準備開始から出発まで6~18か月。英語学習・試験、書類作成、出願、合格後のビザ申請、
渡航準備までを逆算し、余裕を持って計画します。
Q15. オンラインで完結できる留学や学位はありますか?
A. 座学はオンライン対応のプログラムも増えていますが、看護は臨床実習が必須のため、
多くの場合は現地での実習または指定施設での対面研修が求められます。
Q16. 帰国後のキャリアに活かせますか?
A. 医療英語、異文化対応、エビデンスベースドプラクティスの理解、研究実績などは国内でも評価されます。
国際医療、教育・研修、訪日外国人医療対応などで強みになります。
Q17. 家族帯同は可能ですか?
A. 国・学校・ビザの規定次第です。配偶者や子どもの帯同が認められるケースもありますが、
生活費や保険、学区など追加の手配が必要です。
Q18. 国の選び方のポイントは?
A. 目的(就労・研究・英語)、言語要件、学費・生活費、ビザ規定、資格の互換性、臨床実習の環境、
卒後の就労可能性などを総合比較します。都市選びも予算と生活のしやすさに影響します。
Q19. 代理店は使うべきですか?
A. 情報収集や手続きのサポートが受けられるメリットがあります。
ただし公式要件(学校・州ボード・ビザ)の一次情報は必ず自分でも確認し、費用・契約条件を比較検討してください。
Q20. 失敗しないためのチェックリストは?
A. ①目的の明確化 ②必要英語力の把握 ③入学・受験要件の確認 ④費用総額の試算
⑤ビザ条件の確認 ⑥実習・免許要件の整合 ⑦スケジュール逆算 ⑧卒後の就労パス確認
⑨奨学金調査 ⑩リスクと代替案の用意、の順で検討しましょう。

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