TOEICスコア別おすすめ教材まとめ

はじめに

TOEICの勉強を始めるときに、多くの人が悩むのが「どの教材を選べばいいのか」という点です。参考書や問題集は数多く出版されていますが、すべてを手に取って試すわけにはいきません。そのため、今の自分のスコアや目標に合った教材を効率的に選ぶことが、スコアアップの最短ルートになります。

例えば、英語の基礎力がまだ十分でない段階で難易度の高い教材に取り組んでも理解が追いつかず、挫折してしまうことがあります。逆に、ある程度実力がついているのに初級教材ばかりを使っていると、伸び悩みや停滞感を感じてしまいます。

そこで本記事では、TOEICのスコア帯ごとにおすすめの教材を整理しました。基礎固めに適した初心者向けから、900点以上を狙う上級者向けまで幅広く紹介していきます。自分のレベルに合わせた最適な教材を見つけることで、学習効率が格段にアップします。ぜひ参考にして、自分に合った学習計画を立ててください。


TOEIC 500点未満:基礎固め教材

このレベルの特徴

TOEICスコアが500点未満の段階では、まずは英語の基礎力を固めることが最優先です。中学〜高校初級レベルの文法・語彙を理解し、簡単な英文をスムーズに読んだり聞いたりできるようになることが目標となります。リスニングもリーディングも「知らない単語が多すぎてつまずく」という人が多いため、基礎単語と頻出表現の習得が効果的です。

学習のポイント

  • 基礎文法の復習:be動詞、一般動詞、時制、助動詞、比較などの基礎を正しく理解する

  • 頻出語彙の習得:まずは日常生活や職場でよく使う2,000語程度を目標に暗記

  • リスニング慣れ:短い会話やアナウンスを繰り返し聞き、英語の音に耳を慣らす

おすすめ教材

  • 『中学英語からはじめるTOEICテスト入門』
     → 英語の基礎を総復習しながらTOEIC形式に触れられる入門書。

  • 『TOEIC L&Rテスト 出る単特急 金のフレーズ(基礎編)』
     → 初心者でも取り組みやすいレベルから単語を積み上げ可能。

  • NHKラジオ英会話・スタディサプリ英単語アプリ
     → 毎日の学習習慣を作りやすく、スキマ時間にリスニング練習にも活用できる。

この段階のゴール

まずは「英文の基礎を理解して、TOEIC公式問題集のPart1・Part2(写真描写や短い会話)に対応できる」レベルを目指しましょう。500点を超えると学習の幅が広がり、さらにスコアアップが加速しやすくなります。


TOEIC 500〜600点:基礎完成+頻出対策

このレベルの特徴

TOEICスコアが500〜600点の学習者は、基礎英語はある程度理解しているが、TOEIC独特のスピードや形式に十分慣れていない段階です。短文のリスニングや簡単なリーディングには対応できますが、会話が長くなると内容を追いきれなかったり、読解問題で時間切れになることが多いのが特徴です。

学習のポイント

  • 頻出文法の強化:時制、関係代名詞、仮定法、分詞構文などを正しく使えるようにする

  • TOEIC頻出語彙の習得:契約、会議、出張などビジネスでよく使われる単語を中心に学習

  • 問題形式に慣れる:公式問題集を使い、Partごとの解答スピードを身につける

おすすめ教材

  • 『TOEIC L&Rテスト 初心者特急 パート1・2』
     → 写真描写と短文リスニングに特化した練習書。基礎固めに最適。

  • 『公式TOEIC Listening & Reading 問題集 Vol.○』
     → 実際の試験と同じ問題形式で練習可能。試験慣れに必須。

  • 『TOEIC L&Rテスト 文法問題でる1000問』
     → Part5(文法問題)の徹底対策に最適。基礎文法を固めつつスコアを上げやすい。

この段階のゴール

リスニングでは短めの会話を確実に理解し、設問に素早く答えられるようにすること、リーディングではPart5・Part6の文法・語彙問題を短時間で正確に解けることを目標にしましょう。この基礎を固めることで、600点の壁を越えて中級レベルに進めます。


TOEIC 600〜700点:中級レベル到達

このレベルの特徴

TOEICスコアが600〜700点の学習者は、英語の基礎は固まっており、日常的なビジネス場面である程度対応できる力を持っています。ただし、リーディングの長文で時間切れになったり、リスニングで速い会話に置いていかれることが課題になりやすい段階です。

学習のポイント

  • 語彙力の拡充:金のフレーズなどでTOEIC頻出語彙を徹底的に覚える

  • 速読力の強化:長文を短時間で正確に読み取るトレーニングを積む

  • 弱点補強:模試を通して苦手パートを明確にし、重点的に学習

おすすめ教材

  • 『TOEIC L&Rテスト 出る単特急 金のフレーズ』
     → TOEIC学習者の定番単語帳。スコア700点前後を目指す人は必携。

  • 『TOEICテスト 新形式精選模試 リーディング』
     → Part7(長文読解)を集中的にトレーニングでき、速読力強化に最適。

  • 『公式TOEIC Listening & Reading 問題集』
     → 本番に最も近い形式で練習でき、試験慣れに欠かせない。

この段階のゴール

リスニングでは会話の全体像を把握し、細かい情報まで聞き取れること、リーディングではPart7を最後まで時間内に解き切れる読解力をつけることが目標です。この力を身につけることで、700点以上へのステップアップが可能になります。


TOEIC 700〜800点:上級へのステップ

このレベルの特徴

TOEICスコアが700〜800点の学習者は、ビジネスシーンで実用的に英語を使える力を持ち、会議やメールの内容もおおむね理解できる段階です。ただし、スコアをさらに伸ばすには「速さ」と「正確さ」の両立が求められます。特にPart7(長文読解)で時間が足りなくなる人や、リスニングで細かいニュアンスを取りこぼす人が多いレベルです。

学習のポイント

  • リスニング精度の強化:細かい情報(数字・日付・条件)を正確に聞き取る

  • 速読力+集中力:長文読解を時間内に解き切るトレーニングを重ねる

  • 弱点パート克服:模試を解き、正答率が低いPartを重点的に強化する

おすすめ教材

  • 『TOEIC L&Rテスト 出る単特急 銀のフレーズ』(補強用)
     → 金のフレーズより簡単な単語を復習し、語彙の抜けをなくす。

  • 『TOEICテスト 新形式精選模試 リスニング』
     → 難易度の高い会話問題に慣れ、聞き取り力を鍛える。

  • 『TOEIC L&Rテスト パート7実践トレーニング』
     → 長文読解を集中強化し、解答スピードと正確さを高める。

この段階のゴール

リスニングでは速い会話や長めのアナウンスを確実に理解できること、リーディングでは長文を最後まで解き切り、精度も落とさないことが目標です。この力をつけると、800点台に安定して乗せられるようになります。


TOEIC 800〜900点:高得点突破教材

このレベルの特徴

TOEICスコアが800〜900点に達すると、英語での実務対応力はほぼ問題なく、海外の同僚やクライアントとのやりとりもスムーズに行えるレベルです。ただし900点の壁を越えるには、単なる「理解できる」から「素早く正確に解ける」へのシフトが必要になります。1問のミスがスコア全体に大きく影響するため、戦略的な学習が求められます。

学習のポイント

  • 難語・抽象語彙の習得:ビジネスや経済、法律関連などの高度な単語を強化

  • 設問への瞬発力:考え込まず、パターン認識で素早く答える練習を積む

  • 模試演習で実戦感覚を磨く:時間配分を徹底し、本番同様の緊張感で取り組む

おすすめ教材

  • 『TOEIC L&Rテスト 出る単特急 金のフレーズ』(完全暗記必須)
     → 単語力の底上げに不可欠。全フレーズを瞬時に思い出せる状態にする。

  • 『公式TOEIC Listening & Reading 問題集(最新Vol.)』
     → 本番同様の形式で演習を繰り返し、スコア安定を図る。

  • 『TOEIC L&Rテスト 990点攻略』
     → 高難度問題への対応力を高め、900点突破を狙う受験者に最適。

この段階のゴール

リスニングでは速い会話や専門的なトピックでも聞き漏らさない精度を身につけ、リーディングでは複雑な長文を短時間で正確に処理する力を完成させることが目標です。これができれば、安定して900点前後を狙える実力になります。


TOEIC 900点以上:満点・エリートレベル

このレベルの特徴

TOEICスコアが900点を超えると、国際的なビジネスシーンでも即戦力として通用する英語力を持っていると評価されます。高度な議論や専門分野の資料も理解でき、会議や交渉でも問題なく対応可能な段階です。ただし、満点や950点以上を目指す場合は、1〜2問の失点が大きく響くため、**「ケアレスミスをなくす徹底力」**が鍵となります。

学習のポイント

  • 高度な語彙・表現力:学術的、金融・法律的な単語や抽象的な表現を強化

  • 細部までの正確性:リスニングでは数字・固有名詞・条件表現を取りこぼさない

  • 読解スピードと柔軟性:複数文書を関連づけて理解する問題にも即応する

おすすめ教材

  • 『TOEIC L&Rテスト 出る単特急 金のセンテンス』
     → 上級者向けの高難度例文で語彙と読解力を一気に強化。

  • 『TOEICテスト 新形式精選模試(難易度高めセット)』
     → 本番よりやや難しい模試で実戦力を仕上げる。

  • 英字新聞・ビジネス誌(The Economist, Financial Times など)
     → 実際の国際ビジネスで使われる文脈や語彙をインプットできる。

この段階のゴール

満点を狙うなら、**「全問を解ける力」+「ケアレスミスをしない精度」**が必須です。問題をただ解けるだけでなく、常に安定したパフォーマンスを発揮できる状態を目指しましょう。そのためには、本番形式での模試を繰り返しながら、リズムや集中力を養うことが効果的です。


まとめ

TOEICの学習で成果を出すためには、自分の現在のスコア帯に合った教材を選ぶことが何よりも重要です。レベルに合わない教材を使うと、難しすぎて挫折したり、簡単すぎて成長が止まったりしてしまいます。

  • 500点未満:基礎文法・基礎単語を固める

  • 500〜600点:頻出文法・語彙を強化し、問題形式に慣れる

  • 600〜700点:速読力と頻出語彙を徹底し、中級レベルへステップアップ

  • 700〜800点:スピードと正確性を磨き、安定して高得点を狙う

  • 800〜900点:高度な語彙と戦略力で一気に上位層へ

  • 900点以上:満点レベルを目指し、ケアレスミスを徹底的になくす

どの段階でも、「公式問題集+単語帳」の組み合わせは必須です。そこに自分の弱点を補う教材をプラスすることで、効率よくスコアを伸ばせます。

TOEICは単なる試験対策ではなく、実際のビジネス英語力を底上げしてくれる学習ツールです。自分に合った教材を使い、段階的に実力を伸ばしていけば、目標スコア到達は十分に可能です。


このFAQの想定読者

現在のTOEICスコア帯に合った教材を選びたい初級〜上級の学習者を対象にしています。

Q. 自分のスコア帯がはっきり分からない場合、教材はどう選べばいい?

直近受験のスコアがない場合は、無料の実力診断(短時間模試)を1回実施し、結果の正答率と手応えで帯を仮決めします。迷ったら一段階やさしめの帯から始め、2週間で解答時間・正答率が頭打ちになれば次の帯へ上げましょう。

Q. どのスコア帯でも共通して必須の教材は?

公式問題集(最新Vol.)+高頻度単語帳の2点は全帯共通で必須です。公式は出題傾向・語彙・難易度の基準になります。

Q. 単語帳は何を基準に選ぶべき?

見出し語の例文がTOEIC文脈で作られているか、音声があるか、学習モード(周回・確認テスト)が使いやすいかで選びます。600点未満は基礎語彙中心、700点以上はビジネス・抽象語彙の比率が高い一冊を。

Q. 文法対策書は1冊で足りる?

原則1冊で周回が効率的です。Part5の正答率が85%以上・1問平均20秒以下で安定したら、2冊目よりも模試周回に移行します。

Q. 模試はいつから取り入れる?頻度は?

600点未満は基礎固め優先、600点前後から週1回の通し模試を開始。700点以上は週2回のタイムトライアル+徹底復習(誤答と正解根拠の言語化)を推奨します。

Q. リスニング強化のコア練習は?

ディクテーション→シャドーイング→オーバーラッピングの順序で。同一素材を3〜5周、1回10〜15分を毎日。数字・固有名詞・条件表現はメモ記号を事前に決めておくと精度が上がります。

Q. パート別に教材を追加する目安は?

正答率が帯の目安を下回るパートに特化本を追加します。
Part5/6:文法特化本(600点帯)/時間短縮ドリル(700点帯)
Part7:長文特化(700点帯〜)
リスニング:会話・説明文の精選模試(700点帯〜)

Q. 1日の学習配分の基本形は?

30〜60分しか取れない場合:
単語(10分)/文法or精読(15分)/リスニング音読系(15分)/復習(10分)。
90分以上:上記にパート別演習 or 模試の一部を追加。

Q. 教材を買いすぎて消化不良になりがち。最適冊数は?

帯ごとに最大3系統=単語1・文法/読解1・公式/模試1が目安。終わりが見える冊数に絞り、周回で定着させます。

Q. 電子書籍・アプリと紙の本、どちらが有利?

暗記と音声活用はアプリが効率的、設問解法と見開き復習は紙が有利です。両方を併用し、単語はモバイル、演習と復習記録は紙orノートに分担すると継続しやすいです。

Q. 目標スコア帯までの学習期間の目安は?

  • 〜500→600:2〜3か月(90〜120時間)
  • 600→700:2〜3か月(120〜150時間)
  • 700→800:2〜3か月(150〜180時間)
  • 800→900:3〜4か月(180〜240時間)

いずれも週5日×1〜1.5時間を想定。個人差あり。

Q. 公式問題集は最新だけでいい?古いVol.は使う価値ある?

最新Vol.を優先し、時間が許せば過去Vol.も活用価値あり。同一設問形式での類題周回はスコア安定に有効です。

Q. どのタイミングで次のスコア帯用教材に乗り換える?

(1)現帯教材の演習で正答率80%超が2週間継続、(2)模試で目標帯の換算スコアに2回以上到達、の2条件を満たしたらアップグレードします。

Q. 語彙が定着しません。効率的な暗記法は?

間隔反復(Spaced Repetition)+音読+例文活用が最短です。1語につき「意味→例文→音読→翌日再テスト」の4ステップで。

Q. 英字新聞やビジネス誌はいつから取り入れる?

700点台後半〜。Part7の背景知識と語彙帯を押し上げます。最初は見出しとリード段落だけ精読し、固有名詞・数字・因果をメモします。

Q. 初受験〜再受験の間隔は?

学習ペースが維持できるなら4〜8週間ごとが目安。毎回、試験→エラーログ→弱点特化→再挑戦のサイクルで教材を微調整します。

Q. 独学とスクール/コーチング、教材の選び方は変わる?

独学は自己管理しやすい汎用教材を、スクール併用は課題連動の演習本を優先。いずれも公式問題集は共通で使います。

Q. 直前1週間の教材運用は?

新規教材の着手は避け、誤答ノート・公式の未復習設問・頻出単語の周回に集中。リスニングは毎日15分の音読系で耳と口を温めます。

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