オーストラリア親子留学ガイド|自然と教育水準

はじめに

オーストラリアは、親子留学先として世界中の家族から高い人気を集めています。理由は大きく2つあります。ひとつは 世界的に評価の高い教育制度、もうひとつは 雄大な自然環境と安心できる生活環境 です。

子どもは現地校やインターナショナルスクールで学びながら、英語力だけでなく多文化社会でのコミュニケーション力や自主性を育むことができます。親も同時に語学学校や大学付属プログラムに通い、自身のスキルアップを図ることができるのは、親子留学ならではの大きな魅力です。

また、オーストラリアは治安が比較的良く、医療や生活インフラも整っているため、安心して子育てをしながら海外生活を送ることができます。さらに、都市から少し足を延ばせば美しいビーチや国立公園に触れられる環境が整っており、学びと生活の両面でバランスの良い経験ができるでしょう。

本記事では、オーストラリアでの親子留学を検討するご家族のために、人気エリアの特徴、費用の目安、滞在スタイル、ビザの流れなどをわかりやすく解説していきます。


オーストラリア親子留学の魅力

1. 世界基準の教育水準

オーストラリアは教育制度の質が高く、子どもにとっても安心して学べる環境が整っています。小中高では思考力や表現力を重視した教育が行われ、批判的思考やプレゼンテーション力が育まれます。英語を母語としない留学生に対してもサポート体制が整っており、子どもがスムーズに学校生活に馴染めるよう工夫されています。

2. 雄大な自然と安全な生活環境

都市部に住みながら、週末にはビーチや山、国立公園など大自然に気軽にアクセスできるのはオーストラリアならではの魅力です。野外学習や課外活動の機会も豊富で、子どもの感性を伸ばす環境が整っています。治安が比較的良く、子育て世代に人気の国である点も安心材料です。

3. 親も学び直し・キャリアチェンジが可能

親が語学学校に通うだけでなく、専門学校や大学で学び直すことも可能です。英語スキルを磨くだけでなく、新しい資格取得やキャリアの幅を広げるきっかけにもなります。子どもが学校に通う間、親自身も学ぶことで「家族全員で成長する留学」が実現できるのがオーストラリア親子留学の大きな魅力です。

4. 多文化社会での経験

オーストラリアは移民国家として知られ、学校や地域には多様な文化背景を持つ人々が共に暮らしています。子どもは国際的な価値観や異文化理解を自然と身につけることができ、将来的な国際感覚の育成にもつながります。


人気エリアと特徴

シドニー

オーストラリア最大の都市であり、教育機関や語学学校が豊富に集まっています。日本人向けサポートやエージェントも多いため、初めての親子留学に選ばれることが多い都市です。都市の利便性と自然(ビーチや国立公園)が両立しており、生活全般に困ることはありません。ただし、家賃や生活費は国内でも高めです。

メルボルン

「世界で最も住みやすい都市」に何度も選ばれている都市で、教育・文化・生活環境のバランスが非常に良いのが特徴です。芸術や音楽、カフェ文化が盛んで、親子で楽しめるアクティビティも多彩。教育水準はオーストラリア国内でもトップクラスで、長期留学を考える家庭に人気があります。

ブリスベン・ゴールドコースト

気候が温暖で、リゾート感覚の生活を楽しめるエリアです。ゴールドコーストには観光地やビーチが多く、週末の過ごし方も豊富。ブリスベンは教育機関が整備されており、語学学校や大学付属プログラムも充実しています。シドニーやメルボルンに比べて生活費がやや安いのも魅力です。

パース

西オーストラリア州にある都市で、豊かな自然と落ち着いた雰囲気が魅力です。シドニーやメルボルンに比べて日本人留学生が少なく、より英語環境に浸りやすいのがポイント。海や自然が身近にあり、ゆったりとした暮らしをしながら留学をしたい家庭におすすめです。

アデレード

比較的こじんまりとした都市ですが、教育レベルが高く、生活費が抑えられる点で人気があります。落ち着いた環境で子育てをしたい、費用をなるべく抑えて長期滞在したい家庭に向いています。


費用の目安(1か月・親子2名)

オーストラリア親子留学は教育水準や生活環境が整っている反面、費用は比較的高めです。以下は親子2名(親+子ども1人)が1か月滞在する場合のおおよその目安です。

学費

  • 子ども(現地校・インターナショナルスクール):5〜15万円

    • 公立校は比較的安く、私立やインターナショナルは高額

  • 親(語学学校・専門学校):10〜20万円

    • 語学学校は週20時間程度のコースで計算

住居費

  • ホームステイ:15〜20万円(食事込み)

  • アパート・Airbnb・コンドミニアム:20〜30万円(場所や広さによる)

生活費

  • 食費・交通費・通信費など:10〜15万円

  • 外食は高めなので、自炊中心にすると節約可能

航空券

  • 親子2名往復:20〜30万円(季節・航空会社により変動)

その他費用

  • 留学保険:1〜3万円/月

  • 現地手続き費用(ビザ申請費など):数万円

合計目安

約60〜100万円/月
(都市や学校の選択、滞在スタイルにより大きく変動)


滞在方法の選択肢

オーストラリアでの親子留学では、滞在スタイルによって生活の快適さや費用が大きく変わります。親子の目的や生活スタイルに合わせて選ぶことが大切です。

1. ホームステイ

  • メリット:現地の生活習慣や文化に触れられる。食事付きで生活の手間が省ける。子どもにとっても現地の人との交流が増える。

  • デメリット:生活ルールが家庭ごとに異なるため自由度が低い。長期滞在には不向きな場合が多い。

2. 賃貸物件(アパート・マンション・一軒家)

  • メリット:自由度が高く、自炊もできる。長期滞在に向いており、生活の拠点として安定する。

  • デメリット:契約や家具の準備が必要。初期費用が高くなるケースもある。

3. Airbnbや短期レンタル

  • メリット:家具・家電付きですぐに生活が始められる。短期から長期まで柔軟に対応可能。

  • デメリット:長期利用では賃貸より割高になることが多い。人気エリアは予約が取りにくい場合も。

4. 学校寮(親が語学学校や大学付属機関に通う場合)

  • メリット:通学に便利で安心。留学生同士の交流がしやすい。

  • デメリット:親子同室ができない場合が多く、選択肢が限られる。


ビザと手続き

オーストラリアで親子留学をする際には、親と子どもそれぞれに合ったビザを取得する必要があります。滞在目的や期間によって適切な種類が変わるため、事前の確認が重要です。

1. 親のビザ

  • 学生ビザ(Student Visa Subclass 500)

    • 親が語学学校や専門学校、大学で学ぶ場合に必要。

    • 学校からの入学許可証(COE: Confirmation of Enrolment)が必要。

    • 子どもも付随して同伴可能。

  • ガーディアンビザ(Student Guardian Visa Subclass 590)

    • 子どもが学生ビザで就学する際に親が同行する場合に利用。

    • 親は就学できる時間が制限されるため、しっかり学びたい場合は学生ビザを選ぶ方が適切。

2. 子どものビザ

  • 学生ビザ(Student Visa Subclass 500)

    • 現地の小学校・中学校・高校、またはインターナショナルスクールに通う場合。

    • 一定期間以上の就学には必須。

  • 観光ビザ(Visitor Visa Subclass 600)

    • 短期(3か月未満)の就学や体験プログラムに利用可能。

3. 手続きの流れ

  1. 学校選び・入学申し込み

  2. 入学許可証(COE)の取得

  3. ビザ申請(オンライン申請が主流)

  4. 健康診断や保険加入(OSHC: Overseas Student Health Cover)

  5. ビザ承認後、航空券や滞在先の手配

4. 注意点

  • ビザ申請には数週間〜数か月かかることがあるため、早めの準備が必須

  • 学生ビザ保持者の子どもは公立校に通う場合でも授業料が必要になるケースがある。

  • 留学保険(OSHC)は学生ビザでの滞在中、加入が義務付けられている。


まとめ

オーストラリアは、教育水準の高さ自然環境の豊かさ を兼ね備えた、親子留学に理想的な国です。子どもは現地校やインターナショナルスクールで英語力と国際感覚を磨き、親も語学や専門分野を学ぶことで新たなキャリアやスキルアップを目指せます。

また、都市部の利便性と郊外・地方都市の落ち着いた生活環境の両方が選べるため、家族のライフスタイルに合った滞在先を柔軟に選べるのも魅力です。費用は決して安くはありませんが、「家族全員で成長できる投資」と考えると大きな価値があると言えるでしょう。

親子で一緒に学び、生活し、自然に触れながら国際的な経験を積めるオーストラリア留学は、人生の貴重な時間となるはずです。計画的な準備を行い、自分たちに合った都市や学校を選んで、理想的な留学生活を実現しましょう。


親子留学とは?家族でどんな学びができますか?

親(主に語学学校・専門学校・大学付属など)と子ども(現地校・インターナショナル校・短期プログラム)が同時期に就学する留学形態です。英語力の向上に加えて、多文化理解・自立性・家族間の共通体験が得られます。

おすすめの都市は?初めてでも安心なエリアはありますか?

  • シドニー:教育機関・日本語サポートが豊富(費用は高め)
  • メルボルン:住みやすさ・文化・教育水準のバランスが良い
  • ブリスベン/ゴールドコースト:温暖・費用を抑えやすい
  • パース:落ち着いた環境・英語浸漬に向く
  • アデレード:生活コストを抑えた長期向け

1か月あたりの費用目安(親子2名)は?

合計およそ60〜100万円/月が目安です(都市・学校・滞在形態で変動)。内訳の例:子ども学費5〜15万円、親の学費10〜20万円、住居20〜30万円、生活費10〜15万円、航空券(往復)20〜30万円、保険1〜3万円。

どのビザを取ればいいですか?

  • 親:Student(Subclass 500)/学ぶ場合、Student Guardian(Subclass 590)/子の引率中心の場合
  • 子:Student(Subclass 500)/就学、Visitor(Subclass 600)/短期体験

学校の入学許可(COE)や保険(OSHC)などが必要になります。申請は余裕を持って進めましょう。

ビザ申請はいつから始めるべき?どれくらい時間がかかる?

目安として出発の3〜6か月前に学校出願→COE発行→ビザ申請を開始すると安全です。繁忙期は審査に時間がかかることがあります。

OSHC(留学生医療保険)は必須?家族も加入しますか?

Studentビザの期間中はOSHC加入が原則必須です。家族帯同の場合は帯同者もカバー対象のプランを選びます。補償範囲や自己負担額はプランにより異なります。

子どもの学校選び:公立・私立・インターナショナルの違いは?

  • 公立:費用を抑えやすい/地域コミュニティに馴染みやすい
  • 私立:校風・宗教観・施設が多様/学費は高め
  • インターナショナル:国際カリキュラム(IB等)/転校・帰国後の編入に配慮

学期(スクールターム)や入学タイミングは?

一般に学年は1〜12月で、4ターム制が主流です。ターム途中からの編入可否は学校により異なるため、希望時期に合わせて確認します。

英語力が心配。ESLサポートはありますか?

多くの学校に英語学習支援(EAL/ESL)があり、段階的に通常授業へ移行できます。親は語学学校の一般英語・アカデミック英語・資格対策などレベル別コースを選択できます。

滞在先はホームステイ・賃貸・Airbnbどれが良い?

  • ホームステイ:生活立ち上げが楽/自由度は低め/短期向き
  • 賃貸:自由度とコスト効率(長期)/契約・初期費用が必要
  • Airbnb:家具付き・即入居可/長期は割高になりやすい

生活費を抑えるコツは?

自炊中心・学区外れの物件検討・公共交通の定期利用・中古家具活用・無料コミュニティアクティビティの活用が有効です。

親は就労できますか?

就労可否・就労時間はビザの条件と就学形態に依存します。Student 500の<親本人>に就労権が付く場合もありますが、コース種別・就学レベルで条件が変わるため、最新条件を必ず確認してください。Guardian 590は原則就労不可です。

安全面や医療体制は?子ども連れでも大丈夫?

主要都市は比較的安全で、小児科・総合病院・緊急時の救急体制も整っています。OSHCの適用範囲、かかりつけのクリニック、緊急連絡先を事前に把握しておきましょう。

持ち物・準備で気をつける点は?

  • 成績証明・予防接種記録(英文)・戸籍/親権関連書類
  • 保険証書・COE・ビザ承認書・学校連絡先
  • 現地で入手しにくい常備薬・学用品(必要最小限)

現地での学校・生活サポートは受けられますか?

学校の国際担当・ガイダンスカウンセラー、自治体・州教育局のサポート、留学エージェントや日本人コミュニティなど、多層的な支援が利用できます。

計画の進め方(簡易ロードマップ)は?

  1. 家族の目的・期間・予算の整理
  2. 都市・学区・学校の候補選定/出願
  3. COE取得→ビザ申請→OSHC加入
  4. 住居確保・航空券・入学手続き完了
  5. 到着後オリエンテーション・生活基盤整備

短期(1〜3か月)でも意味はありますか?

英語と多文化体験、家族の海外生活トライアルとして十分意義があります。学校やビザの要件を満たせるプログラムを選び、学期区切り・休暇期間を考慮して計画しましょう。

親子留学ガイド|親子で英語留学【2025-2026年版】

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