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効果的な復習のやり方:オンライン英会話ガイド
はじめに
オンライン英会話を始めた人の多くが感じる悩みのひとつに、「レッスンを受けっぱなしで終わってしまう」「復習のやり方がわからない」というものがあります。確かに、1回のレッスンで覚えたことをすべて定着させるのは難しく、時間が経つとすぐに忘れてしまうものです。
しかし、効果的な復習を行えば、1回のレッスンの価値を何倍にも高めることができます。ポイントは、単に「見返す」だけではなく、使える形で記憶に残すこと。英語学習は知識を積み重ねる勉強ではなく、繰り返し使うことで身につくスキルです。
この記事では、オンライン英会話レッスンの後に行うべき復習のステップを、具体的なタイミングと方法に分けて紹介します。今日からすぐに取り入れられる簡単な習慣も多いので、ぜひ実践してみてください。
なぜ復習が重要なのか
英会話の上達を左右する最大の要素は、「どれだけ復習を続けられるか」です。レッスンを受けるだけでは、理解したつもりでも実際には短期記憶にしか残っていません。人の記憶は時間とともに薄れていくため、学んだ内容を長期記憶に移すためには、意図的な復習が欠かせません。
心理学で有名な「エビングハウスの忘却曲線」によると、人は学習後1日で約70%の内容を忘れるといわれています。しかし、復習を繰り返すことで記憶の定着率は格段に上がります。たとえばレッスン後すぐ、翌日、3日後、1週間後というように、段階的に見直すだけでも効果は大きく変わります。
また、復習は「覚えるため」だけでなく、「使える英語」に変えるための大切なプロセスでもあります。英語を話せるようになるには、単語や文法を知識として持っているだけでは不十分です。実際に自分の言葉として使えるようになるには、復習を通じて何度もアウトプットし、脳と口に定着させることが必要です。
つまり、英会話の復習とは「もう一度勉強すること」ではなく、「もう一度使うこと」。この意識を持つだけで、英語の伸び方は劇的に変わっていきます。
レッスン直後の復習(24時間以内)
最も効果が高いのは、レッスンが終わってから24時間以内に行う復習です。記憶がまだ新しいうちに内容を整理し、使える形にすることで、学習効果を最大化できます。以下の3つのステップを意識しましょう。
1. ノート整理と要点メモ
レッスン後はまず、講師のフィードバックやチャットログを確認します。
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新しく学んだ単語・フレーズを3〜5個ピックアップする
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話せなかった表現や言い換えたい内容をメモする
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講師が自然に使っていた言い回しを抜き出す
ここでは「全部を覚えよう」とせず、次のレッスンですぐ使えそうな表現だけに絞るのがコツです。
2. レッスン録音・チャット履歴の確認
もし録音機能やチャット履歴が利用できる場合は、必ず見直しましょう。
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自分の発言を聞いて、「どこで詰まったか」「どんな表現が出てこなかったか」を確認
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講師の自然な返し方を真似してスクリプトにまとめる
自分の話し方を客観的に見ることで、弱点を早く発見できます。
3. 翌日使う準備をする
レッスンで学んだフレーズは、その日のうちに一度使ってみるのが理想です。
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英語日記に書いてみる
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SNSに英語で投稿してみる
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ChatGPTなどAIツールで同じテーマの会話を練習する
「習ったことをその日のうちに使う」ことで、単なる知識が“自分の英語”として定着します。
翌日〜3日後の復習
レッスン直後の復習で内容を整理したあとは、翌日から3日以内に“使う練習”を行いましょう。この期間にもう一度英語を口に出すことで、短期記憶が長期記憶へと移りやすくなります。意識すべきは「理解の再確認」ではなく「運用の練習」です。
1. シャドーイングで発音とリズムを強化
録音データや教材を使って、講師の発音やイントネーションを真似する練習です。
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スクリプトを見ながら声に出して読む
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だんだんスクリプトを見ずにできるようにする
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音のつながり(リエゾン)やリズムを意識する
発音やリズムが整うと、自然に話せるスピードが上がり、自信にもつながります。
2. 自作例文でアウトプット練習
新しく覚えた単語やフレーズは、自分の生活や仕事に置き換えて使ってみましょう。
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“If I were in that situation…” など、汎用性の高い表現を使って文を作る
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3〜5文を目安に短くまとめる
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音読して口に出しながら覚える
単語帳を見返すだけよりも、自分の文を作る方が記憶への定着がずっと早いです。
3. フィードバックを実践に変える
講師からもらったコメントは、次のレッスンで意識的に改善しましょう。
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“Speak slower” → ストップウォッチを使って1分スピーチ練習
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“Use complete sentences” → 短い答えを避けて文で話す練習
フィードバックを「次の行動」に落とし込むことで、レッスンが一つひとつ成長のステップになります。
1週間後の復習サイクル
レッスンから1週間ほど経つと、学んだ内容の多くは忘れかけている頃です。このタイミングで「思い出す練習」を行うと、記憶がより強く定着します。1週間後の復習は、単なる見直しではなく、過去の内容を再利用してアウトプットすることが目的です。
1. 同じテーマを再利用する
過去のレッスンで扱ったトピックを、もう一度使って話してみましょう。
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同じテーマを別の講師と話す(例:「Travel」や「Work」など)
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前回とは違う視点で話してみる(例:「前は旅行の話→今度は準備の話」)
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自分の成長を感じられるように録音しておく
同じ内容を別の角度から使うことで、自然と語彙や表現が広がっていきます。
2. 自分の弱点を記録して対策を立てる
1週間ごとに「今の自分がどこでつまずいているか」を確認します。
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発音・文法・語彙・スピーキング速度の中で、どれが一番苦手かを振り返る
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弱点ごとに学習ツールを活用
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文法 → Grammarlyや参考書で例文復習
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語彙 → QuizletやAnkiで繰り返し練習
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発音 → YouGlishやYouTubeで自然な音を確認
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弱点を意識的に修正していくことで、レッスンごとの成長が目に見えるようになります。
3. 自分の英語を客観的に見直す
録音やノートを使って、自分の1週間前の英語を聞き返すのもおすすめです。
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「この表現、今ならもっと自然に言える」など気づきを書き出す
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同じテーマで再度スピーキングを録音して比較する
この振り返りを習慣化することで、自分の成長を実感しやすくなり、学習モチベーションの維持にもつながります。
効率を上げる復習ツール・アプリ
復習を続けるうえで重要なのは、「仕組み化」することです。紙のノートだけで完結させようとすると、管理が大変で続かなくなります。デジタルツールを上手に活用すれば、手間を減らしつつ効率的に復習サイクルを作ることができます。ここでは、オンライン英会話学習者におすすめのツールを紹介します。
1. Google Docs / Notion
オンラインノートとして非常に便利です。
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レッスンごとにページを作り、講師のフィードバックや新出表現を記録
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「使えた表現」「まだ使えない表現」にタグをつけて整理
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検索機能で過去の内容をすぐに呼び出せる
特にNotionはテンプレートを作っておくと、毎回の記録が数分で終わります。
2. Anki / Quizlet
単語やフレーズを「間隔反復法(Spaced Repetition)」で覚えられるアプリです。
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復習のタイミングを自動で調整してくれる
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スマホでもPCでも学習可能
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音声をつけてリスニング練習にも活用できる
毎日少しずつカードをめくるだけで、語彙が確実に定着していきます。
3. YouGlish / DeepL Write
自然な使い方を確認したいときに便利です。
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YouGlish:ネイティブが実際に使う場面をYouTube動画で検索できる
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DeepL Write:自分の英作文を自然な表現に直してくれる
「この表現、本当に自然かな?」という不安をすぐに解消できます。
4. ChatGPTなどのAI活用
AIを活用すると、レッスンで習った表現をすぐに使って練習できます。
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「昨日のレッスンで習った表現を使って会話練習したい」と指示する
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自分の英文に対して自然な返し方を提案してもらう
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フィードバックをもらいながらロールプレイする
AIを相手に「いつでも復習できる環境」を作っておくことで、英語が日常の中に溶け込みます。
モチベーションを維持するコツ
英会話の上達には「継続」が欠かせません。どんなに効果的な復習方法を知っていても、続けられなければ意味がありません。復習を習慣化し、学習を楽しみながら続けるためには、モチベーションを保つ仕組みを作ることが大切です。
1. 「今日のベストフレーズ」を決める
レッスンや復習の中で、印象に残ったフレーズを1つ選びましょう。
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ノートやSNSに「Today’s Best Phrase」として記録
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翌日のレッスンでそのフレーズを必ず使う
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使えたら自分をしっかり褒める
1日1フレーズでも「使えた実感」があると、英語学習が前向きになります。
2. 成長記録ノートをつける
週に1度、自分の進歩を振り返る時間を設けましょう。
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「言えるようになった表現」「まだ苦手なテーマ」を簡単にメモ
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1週間前の自分の録音と聞き比べる
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小さな達成感を可視化する
学習の成果が見える形になると、続ける意欲が自然に高まります。
3. 無理をせずリズムを作る
毎日完璧に復習しようとすると、疲れて続かなくなることがあります。
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「月・水・金だけ復習」「週末にまとめて確認」など、自分に合うペースを設定
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10分でもいいから「復習の時間」を確保することを習慣にする
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完璧を目指すより「続けること」を優先
英語はマラソンのような学習です。小さな積み重ねを継続できれば、必ず力になります。
よくある復習の間違い
どんなに熱心に復習しても、やり方を間違えると効果が半減してしまいます。特に英会話では、「覚えること」よりも「使うこと」が大切です。ここでは、多くの学習者が陥りやすい復習の失敗例と、その改善策を紹介します。
| 間違い例 | 改善策 |
|---|---|
| ノートをまとめるだけで満足してしまう | 書いた内容を声に出して練習し、実際に使うシーンを想定する |
| 新しい単語を詰め込みすぎる | 1回のレッスンにつき3〜5語に絞り、何度も使って定着させる |
| 復習のタイミングが遅すぎる | できるだけ当日中に1回目の復習を行い、翌日・3日後・1週間後と繰り返す |
| フィードバックを読んだだけで終わる | 講師の指摘を次のレッスンで意識して実践してみる |
| 同じ教材ばかり繰り返して飽きる | 過去の内容を別テーマ・別講師で再利用して新鮮さを保つ |
復習の目的は「理解を深める」ことではなく、「実践力を高める」ことです。
ノートを整えるだけで終わらせず、声に出し、使ってみることで初めて“復習”になると意識しましょう。
まとめ
オンライン英会話で成果を出すために最も大切なのは、レッスンそのものよりも**「その後の復習」**です。学んだ内容を放置すれば数日で忘れてしまいますが、意識的に復習を繰り返すことで、知識は「使える英語」として定着します。
効果的な復習の流れをもう一度整理すると、次のようになります。
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レッスン直後(24時間以内):ノート整理・録音確認・学んだ表現をすぐ使う
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翌日〜3日後:シャドーイングや自作例文でアウトプット練習
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1週間後:過去の内容を別の角度で再利用し、弱点を分析
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継続:ツールやアプリで学習を仕組み化し、モチベーションを維持
このサイクルを続ければ、英語力は確実に伸びていきます。大切なのは、一度に完璧を目指すことではなく、小さな復習を積み重ねること。
1日15分でも「思い出して、使って、確認する」を習慣にすれば、オンライン英会話の効果は何倍にもなります。
学んだことを“使える自分の英語”に変えるために、今日からぜひ実践してみてください。
よくある質問(FAQ)
Q1. レッスン後、どのくらいの時間で復習するのがベストですか?
最も効果的なのはレッスン後24時間以内です。
記憶が新しいうちに整理することで、内容が長期記憶に残りやすくなります。可能であれば、レッスン直後に5〜10分だけでも振り返りを行うのがおすすめです。
Q2. 復習は毎日しなければいけませんか?
理想は毎日少しずつですが、無理のないリズムを作ることが大切です。
例えば、「レッスン翌日に短い復習」「週末にまとめて確認」など、自分の生活リズムに合わせて継続できるペースを決めましょう。
Q3. 復習ノートは英語と日本語どちらで書いたほうがいいですか?
どちらでも構いませんが、英語で要点をまとめる方がスピーキング力の定着につながります。
日本語で書く場合は、あとで英語に言い換える練習を加えると効果的です。
Q4. 録音やチャット履歴を見返すのが面倒です。どうすれば続けられますか?
全部を見返す必要はありません。
1回のレッスンにつき**「1つだけ反省点」「1つだけ使える表現」**をピックアップするようにすれば、負担を感じずに続けられます。
Q5. 復習してもなかなか覚えられません。どうすれば定着しますか?
「見る」より「使う」復習を意識しましょう。
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学んだ表現を使って自作例文を作る
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ChatGPTなどAIと会話して実際に使ってみる
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翌日のレッスンで同じフレーズを再利用する
このようにアウトプットを伴う復習を繰り返すと、自然に記憶が定着します。
Q6. レッスンが続かないとき、どうモチベーションを保てばいいですか?
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「今日のベストフレーズ」を決めて達成感を得る
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成長記録を週1で見返して自分の進歩を確認する
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無理せず短時間でも「継続」を優先する
モチベーションは「続けている実感」から生まれます。完璧を目指すより、小さな成功を積み重ねることを意識しましょう。
