目次
OETとIELTSの違い|看護師はどちらを選ぶべきか?
はじめに
海外で看護師として働くことを考えたとき、
多くの人が最初に直面するのが 英語試験の選択 です。
特に最近よく聞かれるのが、
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OETとIELTS、どちらを受けるべきか
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看護師にとって本当に有利なのはどちらか
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「OET B」と「IELTS 7.0」は、体感的にどちらが取りやすいのか
といった疑問です。
実際、IELTSで高スコアを持っている看護師でも
OETに切り替えるべきか悩むケースは少なくありません。
一方で、最初からOETを選び、短期間でBを取得する人もいます。
この2つの試験は、
同じ「英語力試験」でも、目的も評価軸もまったく異なる試験です。
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IELTSは、学術・一般英語を幅広く測る試験
-
OETは、医療従事者として「現場で通用する英語」を測る試験
つまり、「英語ができるか」ではなく、
「どんな英語を、どこで使うのか」 によって、
選ぶべき試験は変わってきます。
この記事では、看護師の視点に絞って、
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OETとIELTSの根本的な違い
-
試験内容・難易度・スコアの考え方
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看護師はどちらを選ぶのが現実的か
を、できるだけ実務に近い目線で解説していきます。
「何となくIELTSを受け続けている」
「OETが気になるけど、難しそうで不安」
そんな状態の方が、
自分にとって最適な選択を判断できることを目的にした内容です。
OETとIELTSの基本的な違い
OETとIELTSは、どちらも英語力を測る国際試験ですが、
試験の目的そのものがまったく違います。
この違いを理解しないまま試験を選ぶと、
「勉強しているのにスコアが伸びない」
「看護師なのに、なぜこの内容をやらないといけないのか分からない」
という状態に陥りやすくなります。
まずは、それぞれの試験が何のために作られたのかを見ていきましょう。
OETとは?(Occupational English Test)
OETは、医療従事者のためだけに設計された英語試験です。
最大の特徴は、
「医療現場で安全に、正確にコミュニケーションが取れるか」
を評価することに特化している点です。
看護師向けOET(OET Nurse)では、試験のすべてが
実際の看護業務を前提に作られています。
例えば、
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患者への症状説明
-
治療やケア内容の説明
-
医師への報告
-
退院時の指導
-
紹介状・看護サマリーの作成
といった、現場で日常的に行うコミュニケーションがそのまま試験内容になります。
つまりOETは、
「英語が得意かどうか」ではなく、
**「看護師として英語で仕事ができるか」**を測る試験です。
IELTSとは?(International English Language Testing System)
一方、IELTSは
留学・移住・就労など、幅広い目的に対応した一般英語試験です。
特徴としては、
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医療・看護に特化していない
-
アカデミック、社会的、抽象的なトピックが多い
-
世界中での認知度が非常に高い
という点が挙げられます。
IELTSでは、
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環境問題
-
教育制度
-
テクノロジー
-
社会問題
など、看護師の実務とは直接関係のないテーマが頻繁に出題されます。
これは決して悪いことではありませんが、
看護師にとっては
「仕事とは関係ない英語力も求められる試験」
であることは理解しておく必要があります。
試験の目的の違いを一言で言うと
-
OET
医療現場で「安全に働ける英語力」があるかを確認する試験 -
IELTS
学術・社会・日常を含めた「総合的な英語力」を測る試験
この目的の違いが、
Listening・Reading・Writing・Speakingすべての内容に影響しています。
次のセクションでは、
**看護師の視点で見た試験内容の違い(4技能別)**を詳しく解説していきます。
試験内容の違い|看護師の視点で比較
OETとIELTSの違いが最もはっきり表れるのが、
Listening・Reading・Writing・Speaking の4技能です。
ここでは、「英語試験として」ではなく、
看護師が受ける試験として、どこがどう違うのかに焦点を当てて解説します。
Listening(リスニング)の違い
OET Listening
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医療現場が舞台
-
ナースステーションでの会話
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患者と医療スタッフのやり取り
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医師の指示、引き継ぎ内容など
会話の内容はすべて医療・看護関連です。
専門用語や症状名も普通に出てきますが、
実務経験のある看護師にとってはイメージしやすい内容です。
IELTS Listening
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日常生活・学術寄りの内容
-
大学、図書館、講義、社会的テーマなど
-
医療に特化した内容はほぼ出ない
英語そのものは理解できても、
内容が「自分の仕事と無関係」に感じやすいのが特徴です。
Reading(リーディング)の違い
OET Reading
-
医療文書・ガイドライン・患者情報
-
看護業務に近い文章構成
-
必要な情報を素早く拾う力が重要
長文をじっくり読むというより、
現場で必要な情報を正確に読み取れるかが評価されます。
IELTS Reading
-
学術・一般テーマの長文
-
抽象的な内容や専門外トピックが多い
-
読解力+設問処理力が必要
医療知識は不要ですが、
「内容に興味を持ちにくい」という声は多いです。
Writing(最も差が出やすい)
OET Writing(看護師)
OET Writingは、看護師にとって
最も対策が必要で、同時に最も“意味のある”パートです。
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紹介状
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退院サマリー
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看護報告書 など
医療情報を整理し、
「誰に・何を・どこまで伝えるか」を正確に書く力が求められます。
文法の美しさよりも、
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情報の取捨選択
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誤解のない表現
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実務としての適切さ
が重視されます。
IELTS Writing
-
エッセイ形式
-
意見・比較・原因分析など
-
抽象的テーマが多い
看護師にとっては、
「仕事では使わない英語力」を求められるため、
苦手意識を持つ人が多いパートです。
Speaking(決定的な違い)
OET Speaking
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ロールプレイ形式
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試験官が患者役
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症状説明・安心させる表現・指示出しが中心
実際の看護業務をそのまま再現した試験です。
英語力だけでなく、看護師としてのコミュニケーション力が評価されます。
IELTS Speaking
-
面接形式
-
自分の意見や経験を語る
-
抽象的な質問も多い
英語力は測れますが、
看護師としての会話力とは直結しません。
看護師にとっての本質的な違い
OETは、
「この人は英語で看護師として働いて大丈夫か」
IELTSは、
「この人は英語を総合的に使いこなせるか」
を見ています。
どちらが良い・悪いではなく、
目的に合っているかどうかがすべてです。
スコアと難易度の違い|OET BとIELTS 7.0はどちらが取りやすい?
OETとIELTSを比較するとき、
多くの看護師が最終的に知りたいのは次の点です。
-
OETのBは、IELTSの何点くらいに相当するのか
-
実際の体感として、どちらが取りやすいのか
ここでは「公式換算」ではなく、
受験者視点・対策視点での現実的な話をします。
OETのスコア構成
OETの評価は、以下の6段階です。
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A(最上位)
-
B(合格ライン)
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C+
-
C
-
D
-
E
看護師の場合、
海外の看護師登録機関や雇用条件では
B以上が求められるケースがほとんどです。
つまり、OET対策のゴールは明確で、
「Aを目指す」のではなく
「4技能すべてでBを取る」ことになります。
IELTSとのスコア目安
一般的には、
-
OET B ≒ IELTS 7.0 前後
と言われることが多いです。
ただし、ここで注意すべきなのは、
スコアが同じでも、試験の性質はまったく違う
という点です。
難易度は「人によって逆転する」
IELTSが難しく感じる人
-
Writing(エッセイ)が苦手
-
Speakingの抽象質問が苦痛
-
医療現場では英語を使えるのに点数が伸びない
このタイプの看護師は、
OETの方が圧倒的に取り組みやすい傾向があります。
OETが難しく感じる人
-
医療英語にまったく慣れていない
-
紹介状・看護記録を書く経験が少ない
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情報整理が苦手
この場合、最初はOET Writingに苦戦します。
ただしこれは、英語力というより「形式慣れ」の問題です。
IELTS 7.0経験者がOETに感じやすいギャップ
IELTSで7.0前後を取っている人でも、
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OET WritingでC+止まり
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Speakingで「患者対応」がぎこちない
ということはよくあります。
これは英語力が足りないのではなく、
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OET特有の評価基準
-
医療文書の書き方
-
看護師としての話し方
を知らないだけ、というケースがほとんどです。
「どちらが楽か」ではなく「無駄が少ないか」
OETは決して簡単な試験ではありません。
ただし看護師にとっては、
-
勉強内容がそのまま仕事に直結する
-
無関係なトピックを覚えなくていい
-
ゴール(B)が明確
という点で、
努力がスコアに直結しやすい試験です。
結論|看護師はOETとIELTSどちらを選ぶべきか
ここまでOETとIELTSの違いを見てきましたが、
結論はとてもシンプルです。
「どちらが良い試験か」ではなく、
「看護師として何を証明したいか」で選ぶべきです。
OETを選ぶべき看護師
次のような方には、OETが非常に合理的な選択になります。
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海外で看護師として働く・登録することが目的
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看護師向けの英語力を評価してほしい
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IELTS Writing(エッセイ)が苦手
-
医療現場の英語にはある程度イメージがある
-
できるだけ最短ルートで合格ライン(B)を取りたい
OETは、
「英語ができるか」より「英語で安全に看護ができるか」
を評価する試験です。
看護師という職業に直結している分、
勉強の無駄が少なく、目的がはっきりしています。
IELTSを選ぶべき看護師
一方で、以下に当てはまる場合は
IELTSを選ぶのも十分アリです。
-
すでにIELTS 7.0前後を安定して取れている
-
看護師以外の目的(留学・移住)にも使いたい
-
一般英語・アカデミック英語の方が得意
-
医療英語の対策に時間をかけられない
この場合、
無理にOETへ切り替える必要はありません。
IELTS経験者がOETを検討すべきケース
特に多いのが、次のタイプです。
-
IELTS 6.5〜7.0で頭打ちになっている
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Writingだけが足を引っ張っている
-
何度受けても同じスコア帯から抜けられない
この場合、
OETに切り替えることで一気に突破できるケースは珍しくありません。
理由は明確で、
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抽象的エッセイ → 実務文書
-
自由な意見表現 → 役割が決まった患者対応
へと、評価軸が変わるからです。
看護師にとって現実的な判断軸
迷ったら、次の質問を自分にしてみてください。
-
英語は「仕事で使える形」で評価されたいか?
-
それとも「汎用的な英語力」として評価されたいか?
前者なら OET、
後者なら IELTS。
これが、看護師にとって一番分かりやすい判断基準です。
よくある質問(FAQ)
OETとIELTS、どちらの方が簡単ですか?
一概に「こちらが簡単」とは言えません。
ただし看護師にとってはOETの方が取り組みやすいケースが多いのは事実です。
理由は、
-
出題内容がすべて医療・看護現場
-
実務経験がそのまま活かせる
-
無関係なトピックを勉強する必要がない
からです。
一方、一般英語やエッセイが得意な人にとっては、
IELTSの方がストレスなく受けられる場合もあります。
OETのBはIELTS何点くらいに相当しますか?
一般的な目安では、
-
OET B ≒ IELTS 7.0 前後
と言われています。
ただし、これはあくまで参考値です。
試験内容や評価基準がまったく違うため、
「同じ難易度」と単純に比較することはできません。
IELTSで7.0を取ったことがあります。OETは簡単にBを取れますか?
英語力の土台はすでに十分ありますが、
対策なしで簡単にBが取れるわけではありません。
OETでは、
-
医療文脈でのWriting(紹介状・看護サマリー)
-
患者対応を前提としたSpeaking
といったOET特有の形式と評価基準があります。
ただし、形式に慣れれば
IELTSより短期間でBに到達する人が多いのも事実です。
医療英語に自信がありません。それでもOETは受けられますか?
受けられますが、
OET対策では医療英語の基礎を避けて通れません。
とはいえ、
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難解な医学論文レベルの英語
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専門医向けの高度な表現
が求められるわけではありません。
看護師として日常的に使う、
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症状説明
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ケア内容の説明
-
注意点の伝え方
を英語で言えるようにする、というイメージです。
OETは独学でも合格できますか?
不可能ではありませんが、
特にWritingとSpeakingは独学だと非効率になりやすいです。
理由は、
-
評価基準が分かりにくい
-
自分の答案がBレベルか判断しづらい
-
医療文書の「型」を知らないまま進んでしまう
からです。
短期間で確実にBを狙う場合は、
OET特化の教材やフィードバックを活用した方が現実的です。
OETとIELTS、途中で切り替えるのはアリですか?
十分アリです。
特に、
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IELTSが6.5〜7.0で伸び悩んでいる
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Writingだけが足を引っ張っている
この場合、OETに切り替えることで
一気に合格ラインを超えるケースは少なくありません。
看護師登録や就職では、OETとIELTSどちらが有利ですか?
国や機関によりますが、
看護師登録目的であればOETを推奨しているケースが増えています。
理由は、
-
医療現場での英語力を直接評価できる
-
患者安全の観点から適している
ためです。
ただし、移住や留学など他の目的もある場合は、
IELTSの方が汎用性が高いこともあります。
どちらを選ぶか、最終的にどう判断すればいいですか?
迷った場合は、次の1点で判断してください。
「英語力を、看護師として評価されたいかどうか」
-
Yes → OET
-
No(汎用英語が必要) → IELTS
これが最もシンプルで、後悔しにくい判断軸です。
