目次
OET Writingとは|看護師が知っておくべき試験内容と評価基準
はじめに
OET Writingは、看護師にとって最も対策の方向性を間違えやすいパートです。
「英語はある程度できるのに、Writingだけスコアが伸びない」
「何を書けばいいのか分からず、毎回時間が足りなくなる」
こうした悩みを持つ看護師は少なくありません。
その大きな理由は、OET Writingが一般的な英語試験とは全く違う評価基準で採点されているからです。
IELTSやTOEFLのように、語彙力や文法力をアピールする試験ではなく、
医療現場で実際に使える文書を書けるかどうかが問われます。
特に看護師のWritingでは、
「すべての情報を書く」ことよりも、
「相手にとって本当に必要な情報を、分かりやすく伝える」ことが重要です。
この考え方を理解していないまま学習を続けると、どれだけ英語を勉強してもB評価に届かないケースが起こります。
この記事では、
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OET Writingとはどんな試験なのか
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看護師はどのような基準で評価されるのか
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なぜWritingが難しく感じられるのか
を、日本語で分かりやすく整理して解説します。
これからOETを初めて受験する看護師の方はもちろん、
「一度受けたけれどWritingだけうまくいかなかった」という方にも、
正しい対策の軸が見える内容になっています。
OET Writingの概要(看護師向け)
OET Writingは、看護師が医療現場で実際に行う文書作成能力を評価する試験です。
単なる英作文ではなく、「看護師として安全かつ適切に情報共有ができるか」が問われます。
試験時間は45分で、以下の流れで進行します。
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ケースノート(患者情報)を読む
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文書の目的と宛先を確認する
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指定された形式で手紙を書く
看護師の場合、課題の多くは紹介状(Referral letter)や退院・継続ケアに関する文書です。
実際の業務と非常に近い内容になっているのが、OET Writingの大きな特徴です。
看護師のOET Writingで求められる文書とは
看護師のWritingでは、次のような文書を書くケースが多く見られます。
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かかりつけ医や専門医への紹介状
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退院後の在宅ケア・施設ケアへの引き継ぎ文書
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他病院・他部署への情報共有レター
いずれも共通しているのは、
**「相手がその患者を安全にケアするために必要な情報を、正確に伝える」**ことです。
医学的な詳細をすべて書く必要はありません。
むしろ、情報を詰め込みすぎると、
「重要なポイントが埋もれている」と評価され、減点につながります。
OET Writingは「英語力」より「判断力」を見る試験
OET Writingで多くの看護師が誤解しているのが、
「英語が上手であれば高得点が取れる」という考え方です。
実際には、
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どの情報を書くべきか
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どの情報を省くべきか
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どの順番で伝えると分かりやすいか
といった、医療者としての判断力が強く評価されます。
そのため、IELTSで高得点を持っている人でも、
OET WritingではBに届かないケースが珍しくありません。
逆に、英語に苦手意識がある看護師でも、
評価基準を理解して対策すれば、十分にBを狙える試験でもあります。
看護師が特に意識すべきポイント
OET Writingでは、次の視点が非常に重要です。
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誰に向けた文書か(医師・施設・ケアチーム)
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その相手は、何を知る必要があるか
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看護師として観察・経過をどう伝えるべきか
「正しい英語を書く」よりも、
「安全な引き継ぎができる文章を書く」
この視点に切り替えられるかどうかが、スコアを大きく左右します。
OET Writing 看護師の評価基準(全6項目)
OET Writingでは、看護師が書いた文章を6つの評価基準で総合的に採点します。
この基準を理解していないまま対策すると、
「英語は合っているのにBに届かない」という状態に陥りやすくなります。
逆に言えば、
評価基準を正しく理解することが、Writing対策の出発点です。
① Purpose(目的の達成)
Purposeは、手紙の目的が明確に伝わっているかを評価する項目です。
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なぜこの手紙を書いているのか
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読み手に何をしてほしいのか
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冒頭で目的がはっきり示されているか
看護師のWritingでは、
最初の段落で目的が一読して分かることが非常に重要です。
目的が曖昧だったり、
背景説明から長く書き始めてしまうと、
それだけで大きな減点につながります。
② Content(内容の適切さ)
Contentでは、情報の選び方が評価されます。
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必要な情報がきちんと含まれているか
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不要な情報を書きすぎていないか
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看護師として重要な観察・経過が反映されているか
ケースノートにある情報を
「全部書けば安心」と考えるのは、OETでは間違いです。
相手にとって必要な情報だけを選ぶ力が、
看護師のWritingでは強く求められます。
③ Conciseness & Clarity(簡潔さ・明確さ)
この項目では、文章が読みやすく、分かりやすいかが評価されます。
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一文が長くなりすぎていないか
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不要に複雑な表現を使っていないか
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読み手が迷わず理解できるか
文法的に正しくても、
一文が長すぎると評価は下がります。
「現場で素早く読める文章かどうか」
これが判断基準です。
④ Genre & Style(文書形式・文体)
Genre & Styleでは、
医療文書としてふさわしい形式・トーンかが見られます。
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医療現場で使われる自然な表現か
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丁寧だが、堅すぎないか
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看護師として違和感のない文体か
カジュアルすぎる表現や、
逆に学術論文のような硬い文章は、どちらも減点対象になります。
⑤ Organisation & Layout(構成・段落)
Organisation & Layoutは、
文章全体の構成と読みやすさを評価する項目です。
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情報の流れが論理的か
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段落分けが適切か
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重要な情報が見つけやすいか
内容が良くても、
構成が整理されていないだけで、
Bに届かないケースは非常に多いです。
⑥ Language(文法・語彙)
Languageでは、英語の正確さが評価されます。
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文法ミスが意味理解を妨げていないか
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医療現場で自然な語彙が使えているか
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スペルや基本的なミスが多すぎないか
完璧な英語は求められていません。
ただし、誤解や医療事故につながりかねないミスは致命的です。
評価基準を知ることが最大の対策
OET Writingでは、
この6項目がバランスよく満たされているかが重要です。
どれか1つが極端に弱いと、
他が良くてもB評価には届きません。
看護師がOET Writingでつまずきやすい理由
OET Writingは、看護師にとって**「英語力とは別の難しさ」**があります。
実際、英語試験の経験が豊富な人ほど、最初につまずくケースも少なくありません。
ここでは、看護師がOET Writingでスコアを落としやすい代表的な理由を整理します。
① ケースノートの情報を「全部」書いてしまう
多くの看護師がやってしまうのが、
ケースノートに書かれている情報を可能な限り盛り込もうとすることです。
しかしOETでは、
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情報が多すぎる
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重要なポイントが埋もれている
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読み手に負担をかけている
と判断され、ContentやClarityの項目で減点されます。
OET Writingは、
**「情報量」ではなく「情報選択」**の試験です。
② 冒頭で目的を明確に書けていない
Purposeの評価でつまずく看護師も非常に多いです。
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背景説明から書き始めてしまう
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依頼内容が最後まで出てこない
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読み手が「結局何の手紙?」と感じてしまう
この状態になると、
文章全体が良くても最初の段階で評価が下がります。
目的は最初の段落で完結させる
これがOET Writingの基本です。
③ 一文が長くなりすぎる
「正しく書こう」と意識するあまり、
一文が長く、複雑になるのも典型的な失敗です。
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接続詞を使いすぎる
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情報を詰め込みすぎる
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主語と動詞の関係が分かりにくい
結果として、Conciseness & Clarityで減点されます。
OETでは、
短く・明確な文の積み重ねが高く評価されます。
④ IELTS Writingの感覚を引きずってしまう
IELTS経験者ほど注意が必要なのが、このポイントです。
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上級語彙を使おうとする
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複雑な構文を書こうとする
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論理展開を「説明的」にしすぎる
OET Writingでは、
これらはほとんど評価されません。
むしろ、
実務からズレた文章としてマイナスになることもあります。
⑤ 評価基準を知らずに練習している
一番大きな原因は、
「何を見られているか分からないまま練習している」ことです。
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どこで点を落としているのか分からない
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何を直せばいいのか見えない
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書いても書いても成長実感がない
この状態では、
努力がスコアに結びつきにくくなります。
つまずきの正体は「英語力不足」ではない
ここまで見てきた通り、
多くのつまずきは英語力そのものが原因ではありません。
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考え方のズレ
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試験理解の不足
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対策の方向性ミス
これらを修正するだけで、
Writingは一気に安定し始めます。
OET WritingでB評価を取るための目安(看護師向け)
OET WritingでB評価を取るために、
「ネイティブのような英語力」は必要ありません。
求められているのは、看護師として安全で実用的な文書が書けるかです。
ここでは、看護師がB評価に到達するための具体的な目安を整理します。
B評価に求められる全体像
B評価のWritingには、次のような特徴があります。
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手紙の目的が冒頭ですぐに分かる
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必要な情報が過不足なく整理されている
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一文が比較的短く、読みやすい
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医療文書として自然なトーンと構成になっている
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小さな文法ミスはあっても、意味理解に支障がない
「完璧」ではなく、
**「現場でそのまま使えるレベル」**がB評価の基準です。
内容面の目安(Content / Purpose)
B評価では、以下が最低ラインになります。
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目的が最初の段落で明確に示されている
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読み手が取るべき行動が分かる
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看護師として重要な情報(経過・観察・現在の状態)が含まれている
逆に、
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情報を詰め込みすぎている
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重要でない背景説明が長い
こうした文章は、Bに届きにくくなります。
文章の分かりやすさ(Clarity / Organisation)
B評価レベルでは、
「読み返さなくても理解できる」文章が書けています。
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段落ごとに役割がはっきりしている
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時系列や重要度に沿って情報が並んでいる
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見た目にも読みやすい構成になっている
構成が整理されているかどうかは、
Languageよりも評価への影響が大きい場合があります。
英語力の目安(Language)
多くの看護師が気にするのが、文法ミスの許容範囲です。
B評価では、
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小さな文法ミス
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冠詞・前置詞のミス
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軽微なスペルミス
これらが多少あっても問題ありません。
ただし、
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意味が分からなくなるミス
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医療内容を誤解させる表現
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主語や時制が頻繁に崩れる
こうしたミスが多いと、Bは難しくなります。
IELTS換算で考えない方がいい理由
OET WritingのB評価は、
よく「IELTS 7相当」と言われますが、
Writingに関しては単純比較はできません。
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IELTS 7を持っていてもOET Writingで落ちる
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IELTSが苦手でもOET WritingでBを取れる
というケースは、実際によくあります。
重要なのは、
OET独自の評価基準に最適化できているかです。
B評価に最短で近づくために必要なこと
B評価を安定して取るために必要なのは、
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評価基準を理解する
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毎回「目的・情報選択・構成」を意識する
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添削で減点ポイントを把握する
闇雲に書くより、
正しい型を身につけることが近道です。
まとめ|OET Writingは「評価基準」を知れば怖くない
OET Writingは、看護師にとって難しく感じやすい試験ですが、
その理由の多くは英語力不足ではありません。
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一般的な英語試験と同じ感覚で対策してしまう
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何を評価されているのか分からないまま書いている
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情報をたくさん書くほど良いと思ってしまう
こうしたズレが、Writingのスコアを伸びにくくしています。
しかし、OET Writingは
評価基準が明確な試験でもあります。
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目的を最初に明確にする
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必要な情報だけを選んで書く
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短く、分かりやすい文章を心がける
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医療文書として自然な構成・トーンを意識する
これらを押さえるだけで、
Writingは大きく安定し始めます。
B評価に必要なのは、
ネイティブレベルの英語や難しい表現ではありません。
看護師として、安全に情報共有ができる文章が書けていれば十分です。
これからOETを受験する方も、
すでにWritingでつまずいた経験がある方も、
まずは「評価基準」を軸に学習を組み立ててみてください。
FAQ|OET Writing(看護師)でよくある質問
Q1. OET Writingは文法ミスがあると不合格になりますか?
いいえ、多少の文法ミスがあっても不合格にはなりません。
B評価では、冠詞や前置詞などの軽微なミスは許容されます。
ただし、
意味が分からなくなるミスや、
医療内容を誤解させる表現が多い場合は、評価が下がります。
重要なのは、
安全に情報が伝わるかどうかです。
Q2. ケースノートの情報はすべて書くべきですか?
いいえ、すべて書く必要はありません。
むしろ、情報を詰め込みすぎると減点対象になります。
OET Writingでは、
読み手にとって必要な情報だけを選び、
整理して伝える力が評価されます。
Q3. 冒頭の段落はどのくらい重要ですか?
非常に重要です。
OET Writingでは、冒頭でPurposeが明確かどうかが
全体の評価に大きく影響します。
最初の段落を読んだだけで、
「なぜこの手紙が書かれているのか」が分かることが理想です。
Q4. IELTS Writingと同じ対策ではダメですか?
基本的にはおすすめできません。
IELTS Writingは、意見や論理展開を評価しますが、
OET Writingは実務文書としての適切さを評価します。
IELTSで高得点を持っていても、
OET Writingでは別の対策が必要です。
Q5. 医療英語に自信がなくてもBは取れますか?
はい、取れます。
OET Writingで必要なのは、
難しい医療英語よりも正確で分かりやすい表現です。
医療英語初心者の看護師でも、
評価基準を理解し、型を身につければ、
B評価に十分届きます。
Q6. 独学でもOET Writing対策は可能ですか?
可能ですが、難易度は高めです。
自分では減点ポイントに気づきにくいため、
評価基準に基づいた添削があると、上達は早くなります。
特に、
「なぜBに届かないのか分からない」という場合は、
第三者の視点が非常に重要です。
