電話・オンライン会議に強くなる英語練習法

はじめに

グローバル化が進む今、電話やオンライン会議で英語を使う機会はますます増えています。ところが、多くの人が「相手の声が聞き取れない」「とっさに言葉が出てこない」「沈黙が怖い」といった悩みを抱えがちです。メールやチャットと違い、リアルタイムで反応する必要があるため、プレッシャーも大きいですよね。

しかし、電話やオンライン会議の英語は 難解な表現力よりも「準備」と「型の習得」 がカギとなります。実際に、必要なのは高度な文法や複雑な語彙ではなく、相手の話を理解して、自分の意見をシンプルに伝える力です。

このガイドでは、初心者でもすぐに実践できる「フレーズの型」「聞き取り強化法」「シミュレーション練習」など、電話・オンライン会議に強くなるための実践的な練習法を紹介します。


1. 基礎の「型」を覚える

電話やオンライン会議で最も大切なのは、迷わず口から出せる「型」 を持っていることです。
英語が苦手な人ほど「完璧な文を作ろう」と考えてしまい、言葉が出てこなくなります。そこで、あらかじめ定型フレーズを覚えておくことで、不安を大幅に減らせます。

1-1. 電話でよく使うフレーズ

  • 名乗るとき
    “Hello, this is [Name] speaking.”
    (こんにちは、[名前]です)

  • 相手を呼び出すとき
    “May I speak to [Name], please?”
    ([名前]さんをお願いできますか?)

  • 相手が不在のとき
    “Could you take a message?”
    (伝言をお願いできますか?)

1-2. 会議の冒頭で使うフレーズ

  • “Shall we get started?”
    (始めましょうか)

  • “Let’s go over today’s agenda.”
    (本日の議題を確認しましょう)

  • “Thank you all for joining.”
    (ご参加ありがとうございます)

1-3. 聞き返し・確認のフレーズ

  • “Sorry, could you repeat that?”
    (すみません、もう一度お願いします)

  • “Do you mean … ?”
    (…という意味ですか?)

  • “Just to confirm, …”
    (確認ですが、…ということですね)

1-4. 練習のポイント

  • フレーズは「書いて覚える」より「声に出して覚える」方が効果的。

  • 録音して自分の声を聞くと、スムーズに言えているか確認できる。

  • 最初は 10〜20個 に絞り、即答できるレベルまで反復。

フレーズが自動的に出てくるようになれば、会話のテンポが格段に上がり、余裕を持って聞き取りに集中できるようになります。


2. リスニングの耳慣らし

電話やオンライン会議で最も多い悩みは「相手の話が聞き取れない」というものです。特に画面越しや電話では雑音が入りやすく、相手の口元も見えないため、普段より難易度が上がります。そこで必要なのが、耳を鍛えるトレーニング です。

2-1. シャドーイングで耳と口を同時に鍛える

シャドーイングとは、音声を聞きながら0.5〜1秒遅れでそっくり真似して発音する練習法です。

  • 教材:ビジネス英語のポッドキャスト、会議シーンのYouTube動画など

  • 効果

    • 相手の発音に慣れる

    • 自分も自然なイントネーションで話せるようになる

  • コツ:最初は短いフレーズ単位で区切って練習する

2-2. 倍速リスニングで「本番がゆっくり」に

教材を 1.2〜1.5倍速 で聞く練習をすると、本番の会話が驚くほど聞きやすく感じます。

  • 通勤時間などに倍速で聞き流す

  • 慣れたら通常速度に戻して「余裕」を体感する

2-3. 多様なアクセントに慣れる

国際会議では、必ずしも「アメリカ英語」だけが聞こえるわけではありません。

  • インド英語:独特の抑揚がある

  • フィリピン英語:クリアだがスピードが速い場合もある

  • ヨーロッパ英語:母語の影響が残りやすい

YouTubeやポッドキャストで、国ごとの英語に触れておくと安心です。

2-4. 聞き取れなかった時の準備

完璧に聞き取れる必要はありません。大事なのは 聞き返す勇気

  • “Sorry, the line is not clear. Could you say that again?”

  • “Did you say [word]?”
    こうしたフレーズをあらかじめ用意しておけば、沈黙せずに対応できます。


3. シミュレーション練習

電話やオンライン会議で強くなるには、実際の場面を想定した「シミュレーション練習」が不可欠です。スポーツと同じで、知識を頭に入れるだけでは実戦で動けません。声に出し、場面を再現して初めて「使える英語」になります。

3-1. 一人練習

自分の仕事内容やよく使うフレーズを、あらかじめ英語で言えるようにしておきましょう。

  • 例1:自分の部署や業務を説明する
    “I’m in charge of sales for the Asian market.”

  • 例2:進捗報告を簡潔にまとめる
    “The project is on schedule, and we expect to finish by next month.”

鏡の前で練習したり、スマホで録音して確認するのが効果的です。

3-2. ペア・ロールプレイ練習

同僚や学習仲間と役割を決めて練習すると、本番に近い緊張感を持てます。

  • 役割例

    • 上司役と部下役

    • 顧客役と営業担当

    • 議事進行役と参加者

  • シーン例

    • 電話でのアポイント調整

    • 会議での自己紹介と意見表明

    • 質疑応答

オンライン英会話サービスを使うのも効果的です。

3-3. 録音・振り返り

練習を録音して自分で聞き返すと、改善点が一目瞭然です。

  • 「声が小さすぎないか?」

  • 「スピードが速すぎて聞き取りにくくないか?」

  • 「日本語の発音癖が残っていないか?」

恥ずかしくても録音して客観視することで、短期間で大きく伸びます。

3-4. 本番に近づける工夫

  • 時間を制限して発言する(例:自己紹介30秒以内)

  • 雑音を入れた状態で練習(カフェ音やBGMを流す)

  • 画面オフで練習(表情が見えない電話環境を再現)


4. 本番での工夫

どれだけ準備をしても、本番では予想外のことが起こるものです。大切なのは「全部を完璧にこなそう」とするのではなく、要点を押さえて落ち着いて対応すること。ここではすぐ実践できる工夫を紹介します。

4-1. 会議冒頭で主導権を握る

会議や電話の冒頭で流れをつかむと、心理的に落ち着けます。

  • “Shall we start with the agenda?”

  • “Let me quickly outline today’s points.”

先にアジェンダを確認すれば、話の見通しが立ちやすくなります。

4-2. 要点をメモする

会話をすべて書き取る必要はありません。

  • キーワードや数字だけをメモ

  • 相手の名前や担当部分をメモ

  • 決定事項は必ず残す

メモがあると「聞き逃したらどうしよう」という不安が減ります。

4-3. 聞き返しは遠慮しない

沈黙するより、確認するほうがプロフェッショナルです。

  • “Sorry, I didn’t catch that. Could you repeat?”

  • “Just to clarify, you mean … ?”

  • “Could you please speak a bit slower?”

相手も「きちんと確認してくれる人」という信頼感を持ちます。

4-4. 発言はシンプルに

長く複雑な文章を組み立てようとすると詰まりやすくなります。

  • 短く区切る“We finished the first phase. The second phase will start next week.”

  • 結論から話す“The main issue is …”

英語では「シンプルに、わかりやすく」が最も伝わります。

4-5. 技術的トラブルに備える

オンライン会議では音声や接続の問題も想定されます。

  • 聞こえないとき → “Could you please check your mic? The sound is breaking up.”

  • 自分が不安定なとき → “If I get disconnected, I’ll rejoin immediately.”


5. 継続的なトレーニング

電話やオンライン会議で安定して英語を話せるようになるには、短期集中だけでなく 日々の小さな積み重ね が大切です。習慣化することで、緊張が減り、自然に英語が口から出てくるようになります。

5-1. 毎日5分の声出し習慣

  • 会議でよく使うフレーズを声に出す

  • ニュース記事やビジネス教材を音読する

  • 朝の通勤中に「今日の自己紹介」を英語で言う

1日5分でも「継続」が最大の効果を生みます。

5-2. 会議後の振り返りメモ

会議のあと、簡単に自己評価を残すと改善が早くなります。

  • 「聞き取れなかった表現」

  • 「スムーズに言えなかったフレーズ」

  • 「自分がうまくできた点」

毎回の小さな気づきが、自分専用の学習ノートになります。

5-3. オンライン英会話の活用

実際に「生きた英語」に触れる場を定期的に持つと、本番への不安が減ります。

  • メリット:世界中の先生と練習でき、多様なアクセントに慣れられる

  • おすすめ練習法

    • 毎回「今日の目標フレーズ」を1つ決めて使う

    • レッスンを録画・録音して復習する

5-4. モチベーション維持の工夫

  • 進歩を可視化する(「先月より聞き返しが減った」など)

  • 小さな成功体験を積む(短い自己紹介で成功 → 自信アップ)

  • 同僚や友人と「英語練習仲間」を作る


まとめ

電話やオンライン会議での英語は、特別な才能ではなく 準備と習慣の積み重ね で克服できます。

  1. 基礎フレーズを型で覚える

  2. リスニングで耳を慣らす

  3. シミュレーションで実戦感覚をつかむ

  4. 本番では要点を押さえて落ち着く

  5. 継続的にトレーニングする

この流れを繰り返すことで、必ず自信を持って英語で会話できるようになります。


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よくある質問(FAQ)—電話・オンライン会議に強くなる英語練習法

Q1. 初心者でも効果がありますか?どこから始めればいい?

効果はあります。まずは「型」を10~20個だけ暗記し、声に出して即答できるレベルまで反復します。例:

  • Hello, this is [Name] speaking.
  • Could you repeat that, please?
  • Just to confirm, you mean …, right?
Q2. 1日どのくらい練習すればいい?

最低5分でもOK。おすすめは「5分の声出し」+「通勤中のリスニング」。短時間でも毎日続けることが最大の近道です。

Q3. どれくらいで効果を実感できますか?

個人差はありますが、型フレーズを毎日5~10分×2週間続けると、聞き返しが減り、発話の最初の一言がスムーズになります。

Q4. 聞き取れないときに失礼にならない聞き返し方は?

丁寧表現を使えば問題ありません。

  • Sorry, the line isn’t clear. Could you say that again?
  • Just to clarify, did you say …?
  • Could you speak a little slower, please?
Q5. シャドーイングはどうやるのが効果的?

短いフレーズ→区切り再生→0.5~1秒遅れで忠実に模倣→録音して自己チェック。週3~5回、各10分が目安です。

Q6. 倍速リスニングは何倍がちょうどいい?

1.2~1.5倍が標準。慣れてきたら1.25倍と通常速度を往復し、「通常がゆっくりに感じる」状態をつくります。

Q7. さまざまなアクセント(インド英語・フィリピン英語など)への対策は?

複数国のスピーカー音源をローテーションで聴くのが近道。語彙よりも、リズム・連結音・イントネーションの違いに注目します。

Q8. ロールプレイは何を想定すればいい?

実務に直結する3シーンから始めます。

  • アポイント調整(日時・目的・次アクション)
  • 定例会の冒頭(自己紹介・アジェンダ確認)
  • 進捗報告(現状・課題・依頼事項)
Q9. メモは英語と日本語どちらが良い?

取りやすい方でOK。ただし決定事項・数字・担当名だけは英語で書くと、そのまま議事録やフォローアップに流用できます。

Q10. オンライン会議の技術トラブルに備える英語は?
  • Your audio is breaking up. Could you check your mic?
  • I might get disconnected. I’ll rejoin immediately.
  • Let’s switch to audio-only for better stability.
Q11. 会議前の最小限チェックリストは?
  • アジェンダ要点を英語で30秒に要約
  • 使うフレーズを3つだけ決めて口慣らし
  • マイク・回線テスト、バックアップ回線(テザリング等)確認
Q12. 録音して振り返るときのポイントは?

聞き返し箇所・詰まった箇所・速すぎた箇所をタイムスタンプで記録。次回はその部分だけを集中的にやり直します。

Q13. フレーズは何個ぐらい覚えるべき?

まずは10~20個で十分。会議の出入り口(冒頭・確認・締め)をカバーできる型を優先し、運用しながら30~50個に拡張します。

Q14. 本番で緊張して言葉が出ないときの対処は?

「つなぎの型」を先に出します。

  • Let me think for a second.
  • There are two points here.
  • To summarize, …

短く区切り、結論→理由の順に話すと整います。

Q15. 英語が完璧でなくても失礼にならない話し方のコツは?

シンプル・短文・結論先出し。相手の理解確認をこまめに入れると誠実さが伝わります(例:Does that make sense?)。

Q16. AIツールはどう活用すればいい?
  • 議題の要約や想定Q&Aの下書き作成
  • 自分の英作文の言い換え(自然さ・簡潔さ重視)
  • 会議後の要点整理・フォローアップメールの草案

機密情報は伏せ、固有名詞は自分で最終チェックしてください。

Q17. 時間がない日でも最低限やるべき練習は?

「今日使うフレーズ3つ」を声出し30~60秒+アジェンダ要約30秒。合計2分でも効果があります。

Q18. 英語での会議後、フォローアップはどう書く?

結論→決定事項→次のアクション→期限の順が基本。

  • Thanks for the meeting. To summarize, we decided to … Next steps: A (by DD/MM), B (by DD/MM).
Q19. 学習のモチベーションを保つコツは?

「可視化」と「仲間」。聞き返し回数や発話時間を記録し、月単位での改善を実感。練習仲間と週1でロールプレイすると継続しやすいです。

Q20. ビジネス寄りの表現に切り替えるには?

曖昧語を避け、意図を明確化します。例:

  • NG: I think it’s kind of difficult.
  • OK: Given the timeline, it’s not feasible this quarter.

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