英文ビジネスEメール・英文ライティングを学ぶ方法

はじめに

グローバル化が進むビジネスの現場では、英語でのやり取りが当たり前になりつつあります。特にEメールは最も頻繁に使われるコミュニケーション手段のひとつであり、書き方ひとつで相手に与える印象や信頼感が大きく変わります。

「正しい文法で書けるかどうか」以上に大切なのは、相手に伝わるシンプルで明確な英文を書く力です。とはいえ、日本語でのメールと同じ感覚で書いてしまうと、冗長になったり、失礼にあたる表現になったりすることもあります。

そこで本記事では、英文ビジネスEメールと英文ライティングを学ぶための具体的な方法を紹介します。基礎の学び方から、実務で活かす練習法、便利なリソースまで体系的に整理していますので、「これから英語でのやり取りを始めたい方」「すでに仕事で英語を使っているが、もっと洗練された文章を書きたい方」に役立つ内容となっています。


基礎を固める

英文ビジネスEメールやライティングを学ぶうえで、まず大切なのは基本的な型と表現を身につけることです。いきなり難しい文章を書こうとすると挫折しやすいため、最初は「決まったパターン」を理解し、使えるようにしていきましょう。

1. 英文Eメールの基本構成を理解する

ビジネスメールは、シンプルなフレームに沿って書くことで相手に伝わりやすくなります。基本構成は以下の通りです。

  • Subject(件名):要点を短く。

  • Greeting(挨拶):Dear Mr./Ms. 〜, など。

  • Opening(書き出し):目的を簡潔に示す。

  • Body(本文):詳細、依頼、説明。

  • Closing(結び):Thanks, Best regards など。

  • Signature(署名):名前、役職、連絡先。

2. ビジネスでよく使う定型表現を覚える

ビジネス英語には「決まり文句」が多く存在します。これを覚えるだけで、文章作成がぐっと楽になります。

  • 情報提供:I’m writing to inform you…

  • 依頼:Could you kindly…

  • 感謝:Thank you for your prompt response.

  • 確認:Please let me know if this is correct.

3. 文法と語彙の基礎を見直す

  • 時制(現在・過去・未来)を正確に使う

  • 前置詞(in, on, at, by など)の使い分け

  • 短い文を意識する(1文=20語以内が目安)


モデル文を活用する

基礎を理解したら、次のステップは実際に使える英文の型をストックすることです。英語ライティングはゼロから考えるより、良いお手本をベースにアレンジした方が効率的に上達します。

1. 用途別のモデル文を集める

ビジネスメールにはよくあるパターンがあります。代表的な場面ごとにモデル文を準備しておくと安心です。

  • 依頼Could you please send me the updated report by Friday?

  • 確認I would like to confirm our meeting on September 10 at 2 PM.

  • 感謝Thank you very much for your cooperation.

  • 謝罪We sincerely apologize for the delay in delivery.

2. 実務に合わせてアレンジする

モデル文はそのまま使うのではなく、自分の業務内容に合わせてカスタマイズしていきましょう。例えば「報告書」を「契約書」に変えるだけで、すぐに使える文章になります。

3. 定型表現の「引き出し」を増やす

よく使う表現を繰り返し使っていくうちに、自分だけの「英文ストック」ができます。特に以下のような場面別フレーズを10〜20個程度覚えておくと便利です。

  • 依頼系(お願いしたいとき)

  • 説明系(情報を伝えるとき)

  • 調整系(スケジュールや条件を確認するとき)

  • 感謝・謝罪系(相手との関係を良好に保つとき)


ライティング練習を積む

基礎とモデル文を押さえたら、次は実際に「書く練習」を繰り返すことが上達のカギです。インプットだけでは使えるようにならないため、必ずアウトプットの時間を設けましょう。

1. 毎日1通の練習メールを書く

  • 出社前や休憩時間に「想定シーン」を設定し、短いメールを書く

  • 例:「会議のリマインド」「資料送付の依頼」「お礼のメッセージ」

  • 書いたら声に出して読み、自然に聞こえるか確認

2. 添削を受けて改善する

  • AI添削ツール(Grammarly, Quillbot など)を使う

  • 英語講師や同僚に見てもらう

  • 同じミスを繰り返さないよう、自分用の「改善メモ」を作る

3. 弱点を重点的に練習する

  • 冠詞 (a, the) の使い分け

  • 前置詞 (in, on, at, by) の誤用

  • 長文にしすぎる癖 → 短く区切る練習

4. 実際に使う前提で書く

  • 実務メールを想定して、ドラフトを先に英語で書く

  • 日本語のメールを英訳してみる

  • 送る前に「この文章で誤解が生じないか」を必ずチェック


実務に近い環境で学ぶ

ライティング練習を重ねても、実際のビジネス環境で使わなければスキルは定着しません。できるだけ「リアルなやり取り」の中で英文を書く機会を作ることが重要です。

1. 実際の仕事で英語メールを使う

  • クライアントや海外支社へのメールを、まずは下書きだけでも英語で作成してみる

  • 社内連絡(短いメモやSlack・Teams投稿など)を英語で書いてみる

2. 長文ライティングにも挑戦する

  • 提案書・契約書・レポートなど、フォーマルな英文ドキュメントを書く

  • 「短いEメール → 中程度の文章 → 長文資料」と段階的にステップアップ

3. 学習機会を活用する

  • オンライン英会話で「ビジネスEメール添削レッスン」を受ける

  • 社内で英語を使うプロジェクトや会議に積極的に参加する

  • 英文メールを送るときに、上司や同僚にレビューを依頼し、改善点を吸収する

4. 本番で使った文章を資産化する

  • 実際に送ったメールや資料をフォルダに保存し、自分専用の「英文テンプレ集」を作る

  • 同じ状況のメールを書くときに再利用でき、学習と業務効率化の両方につながる


学習リソース

英文ビジネスEメールやライティングを効率よく学ぶためには、良質な教材やツールを活用することが近道です。ここでは、独学から実務活用まで役立つリソースを紹介します。

1. 書籍

  • 『英文ビジネスEメール実例集』:場面ごとのサンプルが豊富で、すぐ使える表現が身につく

  • 『英語ライティングの基本』:シンプルで伝わりやすい英文を書くための基礎固めに最適

  • ビジネス英語表現辞典:特定の業界用語やフォーマル表現を調べたいときに便利

2. オンライン教材

  • Coursera / Udemy の Business Writing コース:体系的に学べる

  • BBC Learning English / Business English Pod:無料で聞ける実用的なフレーズ集

  • Grammarly, Quillbot:AIを活用した添削ツール。文法チェックだけでなく、より自然な表現の提案もしてくれる

3. 日常での実践活用

  • LinkedIn 投稿を英語で書いてみる:短文練習として最適

  • ニュース記事を要約して英文メール風に書く:実務に近い練習になる

  • 自分の送った英文メールを後で見直す:改善ポイントを発見できる


実践のコツ

学んだ知識や表現を活かすには、日々のメール作成の中で「ちょっとした工夫」を意識することが大切です。以下のポイントを押さえるだけで、英文がぐっと読みやすく、プロフェッショナルに見えるようになります。

1. シンプルで短い文を書く

  • 1文は20語以内を目安に

  • 接続詞を多用して長文化しない

  • 読み手がすぐに理解できる文にする

2. 目的を冒頭で明確に

  • I’m writing to confirm…

  • This is to inform you that…
    冒頭で要件を示すと、相手が安心して読み進められる

3. 読み手を意識する

  • 上司、顧客、同僚、それぞれで文体を調整

  • クライアントにはフォーマルに、チームメンバーにはややカジュアルでも可

4. 定型表現を「自分のもの」にする

  • よく使う表現をリスト化

  • コピー&ペーストではなく、自分の業務に合わせてアレンジ

5. 誤解を避ける工夫

  • 曖昧な表現(soon, later, maybe)よりも具体的に(by Friday, at 3 PM)

  • 数字・日付・金額は必ず確認


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まとめ

英文ビジネスEメールやライティングは、一度学んだからといってすぐに身につくものではありません。基礎を理解し → モデル文を活用し → 練習を重ね → 実務で使う、このサイクルを繰り返すことで確実に上達していきます。

特に大切なのは以下の3点です:

  1. シンプルで明確な文を書くこと

  2. 目的を冒頭で示し、誤解を避けること

  3. 定型表現を蓄積し、自分の業務に合わせて使うこと

最初は時間がかかっても、練習と実践を重ねることで、自然と手が動くようになります。英語でのメールやライティングが「負担」から「武器」に変われば、ビジネスの幅も大きく広がっていくでしょう。


よくある質問(FAQ)

英文ビジネスEメールの基本構成は?

Subject(件名) / Greeting(挨拶) / Opening(目的) / Body(詳細) / Closing(結び) / Signature(署名)の順で書きます。

件名はどう書けばよい?
  • 要点+期限:Request: Q3 Sales Data by Sep 10
  • 目的+対象:Meeting Confirmation: Sep 10, 2 PM
  • 変更・重要:Update: Contract Terms (Action Required)
最初の一文は何が無難?
  • I’m writing to...(連絡の目的)
  • This is to inform you that...(通知)
  • I would like to confirm...(確認)
丁寧で自然な依頼表現は?
  • Could you please...
  • Would it be possible to...
  • I’d appreciate it if you could...
よくあるミスと対策は?
  • 長文になりすぎる → 1文20語前後で区切る
  • 曖昧な表現 → 日時・金額・数量を具体化
  • 前置詞・冠詞の誤用 → 見直しチェックリストを使う
送信前のチェックリストは?
  • 目的が冒頭で明確か
  • アクション・期限が書かれているか
  • 人名・社名・数字・添付の誤りなし
  • 件名が内容と一致しているか
  • 機密情報の扱いに問題ないか
テンプレートはどう使う?

固定の型を下敷きにし、固有名詞・期限・箇条書きを差し替えて運用します。

Subject: Request: Updated Report by Sep 10

Dear Ms. Tanaka,

I’m writing to request the updated Q3 report.
Could you please share the latest version by Sep 10 (Tue) EOD (JST)?

Best regards,
Name / Title / Company
返信期限をやんわり伝えるには?
  • by Sep 10 (JST) would be ideal.
  • If possible, could you send it by Sep 10?
  • No later than Sep 10 would be much appreciated.
フォーマルとカジュアルの使い分けは?
  • 顧客・役員:Dear Mr./Ms. ... / Best regards
  • 同僚・内向き:Hi ... / Thanks, も可(社風次第)
CC・BCCの基本は?
  • CC:関係者の情報共有。行動依頼は原則Toの相手に。
  • BCC:大量配信や機密配慮で宛先を伏せる際に限定使用。
添付ファイルのマナーは?
  • 本文でファイル名・形式・目的を明記
  • サイズが大きい場合は共有リンクを利用
  • 再送時は「最新版」「修正箇所」を明記
タイムゾーン表記は?

日時はISO風+タイムゾーンで明記:Sep 10, 2:00 PM (JST, UTC+9)

英米表記の違いに注意すべき?

日付順(米:MM/DD、英:DD/MM)や綴り(organize/organise)に留意。国・企業のローカル標準に合わせます。

謝罪やクレーム対応のコツは?
  • 事実→謝意/謝罪→原因→対処→再発防止の順
  • We sincerely apologize for the delay. We have identified the cause and...
自己紹介や初回連絡はどう始める?
  • My name is ... from ... I’m reaching out regarding...
  • 出所と目的を最初に明確化します。
リマインドの文面例は?
Subject: Gentle Reminder: Approval Needed by Sep 12

Hi John,

Just a friendly reminder about the approval for the Q3 plan.
Could you please confirm by Sep 12?

Thanks,
Name
AIを使った添削のベストプラクティスは?
  • 入力は日本語可・出力英語の指示やトーンを指定
  • 機密情報は匿名化。社名・個人名は置換
  • AI提案は最終的に人が事実確認・表現調整
  • プロンプト例:「以下の要件の丁寧な依頼メールを100語以内で」
英語で断る・保留にする安全な言い回しは?
  • At this time, we’re unable to...
  • Could we revisit this next month?
  • Given current priorities, we may need to defer...
即レスできない時の自動返信(不在)の例は?
Subject: Out of Office

Thank you for your message. I’m out of office until Sep 16 (JST).
For urgent matters, please contact xxx@company.com.

Best regards,
Name
結びの表現を使い分けたい
  • 丁寧:Best regards / Kind regards / Sincerely
  • ややカジュアル:Best / Thanks
  • 依頼時:Thank you in advance.
練習を習慣化するコツは?
  • 毎日1通のドラフト+翌日見直し
  • よく使う表現を個人用辞書に蓄積
  • 実案件のメールをテンプレ化して再利用

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