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医師が使う英語フレーズ集:医療英語ガイド【2026年版】
海外で働く医師、または外国人患者に対応する医師にとって、医療英語は避けて通れないスキルです。単なる英会話ではなく、「正確性」「簡潔さ」「専門性」が求められる点が大きな特徴です。
本記事では、診察・問診・説明・緊急対応など、実際の臨床現場でそのまま使える英語フレーズを体系的にまとめました。現場で即使えるレベルまで落とし込んでいるため、丸ごと覚えることでそのまま実践に活かせます。
医療英語の基本:医師に求められる3つのポイント
まず前提として、医師の英語には以下の特徴があります。
1. シンプルであること
専門用語を使いつつも、患者には分かりやすく説明する必要があります。
2. 正確であること
誤解は医療事故につながるため、曖昧な表現は避けます。
3. 共感が含まれること
医療英語は単なる情報伝達ではなく、患者との信頼構築も重要です。
診察開始時の基本フレーズ
自己紹介・導入
- Hello, I’m Dr. Tanaka. I’ll be taking care of you today.
(こんにちは、田中医師です。本日担当します。) - What brings you in today?
(今日はどうされましたか?) - How can I help you today?
(今日はどのようなご相談ですか?) - I understand you’re not feeling well.
(体調が優れないとのことですね。)
問診(History Taking)の英語フレーズ
症状の確認
- Can you describe your symptoms?
(症状を説明していただけますか?) - When did the symptoms start?
(症状はいつから始まりましたか?) - How long have you had this problem?
(どのくらい続いていますか?) - Is the pain constant or intermittent?
(痛みはずっと続いていますか、それとも断続的ですか?)
痛みの評価
- On a scale of 1 to 10, how severe is the pain?
(痛みを1〜10で表すとどのくらいですか?) - Where exactly does it hurt?
(どこが痛みますか?) - Does the pain radiate anywhere?
(痛みは他の場所に広がりますか?) - What makes the pain better or worse?
(何をすると楽になりますか?悪化しますか?)
既往歴・服薬歴
- Do you have any past medical history?
(既往歴はありますか?) - Are you currently taking any medications?
(現在服用中の薬はありますか?) - Do you have any allergies?
(アレルギーはありますか?) - Have you had any surgeries before?
(これまでに手術を受けたことはありますか?)
生活習慣
- Do you smoke or drink alcohol?
(喫煙や飲酒はされますか?) - How often do you exercise?
(どのくらい運動していますか?) - What is your typical diet like?
(普段の食生活はどのようなものですか?)
身体診察時のフレーズ
- I’m going to examine you now.
(これから診察します。) - Please lie down on the bed.
(ベッドに横になってください。) - Take a deep breath.
(深呼吸してください。) - Please relax your muscles.
(力を抜いてください。) - Let me check your blood pressure.
(血圧を測ります。) - Does this hurt?
(ここは痛いですか?)
診断説明のフレーズ
診断結果の伝え方
- Based on your symptoms, it seems like you have…
(症状から判断すると、〜の可能性があります。) - You have been diagnosed with…
(あなたは〜と診断されました。) - It appears to be a mild condition.
(軽度の状態のようです。) - We need further tests to confirm the diagnosis.
(診断確定のために追加検査が必要です。)
検査説明
- We will need to run some tests.
(いくつか検査を行います。) - I’d like to order a blood test.
(血液検査を行います。) - You will need an X-ray / CT scan / MRI.
(レントゲン/CT/MRIが必要です。) - The results will be ready in a few days.
(結果は数日で出ます。)
治療説明のフレーズ
薬の説明
- I’m going to prescribe you some medication.
(薬を処方します。) - Take this medicine twice a day.
(1日2回服用してください。) - Please take it after meals.
(食後に服用してください。) - Are you familiar with this medication?
(この薬はご存じですか?)
治療方針
- We will start with conservative treatment.
(まずは保存療法から始めます。) - Surgery may be necessary.
(手術が必要になる可能性があります。) - We will monitor your condition closely.
(状態を注意深く観察します。)
副作用の説明
- This medication may cause side effects such as…
(この薬には〜の副作用があります。) - If you experience any unusual symptoms, please contact us.
(異常があればご連絡ください。)
患者への安心・共感フレーズ
- I understand your concerns.
(ご心配はよく分かります。) - You’re in good hands.
(安心してください。) - We will do our best to help you.
(最善を尽くします。) - Please don’t hesitate to ask any questions.
(遠慮なく質問してください。)
緊急時の英語フレーズ
- We need to act quickly.
(迅速に対応する必要があります。) - You are in critical condition.
(危険な状態です。) - Call for assistance immediately.
(すぐに応援を呼んでください。) - Prepare for emergency surgery.
(緊急手術の準備をしてください。)
入院・退院に関するフレーズ
入院時
- You need to be admitted to the hospital.
(入院が必要です。) - We will monitor you overnight.
(一晩様子を見ます。)
退院時
- You can go home today.
(本日退院できます。) - Please follow up in one week.
(1週間後に再診してください。) - Continue your medication as prescribed.
(処方通り薬を続けてください。)
インフォームドコンセントの英語
- I will explain the procedure to you.
(手技について説明します。) - Do you understand the risks and benefits?
(リスクと利益をご理解いただけますか?) - Do you consent to this treatment?
(この治療に同意されますか?)
電話・リモート診療でのフレーズ
- Can you hear me clearly?
(はっきり聞こえますか?) - Please describe your symptoms in detail.
(詳しく症状を教えてください。) - If your condition worsens, please come to the hospital immediately.
(悪化した場合はすぐ来院してください。)
医療チーム内コミュニケーション
看護師とのやり取り
- Please monitor the patient’s vital signs.
(バイタルをモニターしてください。) - Administer the medication as ordered.
(指示通り投薬してください。)
医師間の連携
- I’d like your opinion on this case.
(この症例について意見をいただきたいです。) - Let’s consult a specialist.
(専門医に相談しましょう。)
英語診療でよくあるミスと対策
1. 難しい単語を使いすぎる
→ 患者にはシンプルな言葉を使う
2. Yes/Noだけで終わる質問
→ オープンクエスチョンを使う
3. 共感表現が少ない
→ 「I understand」「That must be difficult」を意識
医療英語を効率的に身につける方法
1. フレーズ単位で覚える
単語ではなく文章で覚えることで、実践力が上がります。
2. ロールプレイを行う
実際の診察を想定して練習するのが最も効果的です。
3. OET対策を活用する
医療英語に特化した試験であり、実践力向上に直結します。
まとめ
医師が使う英語は、単なる英会話ではなく「医療コミュニケーション」です。
本記事で紹介したフレーズは、実際の診療現場でそのまま使えるものばかりです。まずは以下を意識してください。
- シンプルに話す
- 正確に伝える
- 共感を忘れない
これらを押さえることで、英語診療の質は大きく向上します。
継続的にフレーズをインプットし、アウトプットを繰り返すことで、自然に使えるレベルまで引き上げていきましょう。
FAQ(よくある質問)
Q1. 医師が使う医療英語はどのレベルが必要ですか?
医師に求められる英語レベルは、一般的な日常英会話よりも高く、「専門英語+実践コミュニケーション力」が必要です。
具体的には、以下の3つが重要です。
- 症状や診断を正確に説明できる英語力
- 患者に分かりやすく伝えるシンプルな表現力
- 緊急時にも対応できる瞬発的な会話力
目安としては、IELTS 6.5〜7.5、またはOETでB以上が求められるケースが多いです。
Q2. 医療英語と一般英語の違いは何ですか?
最大の違いは「正確性」と「専門性」です。
一般英語は多少曖昧でも通じますが、医療英語では誤解が重大なリスクになります。
また、以下の点も特徴です。
- 専門用語(diagnosis, prognosisなど)を使う
- 簡潔で無駄のない表現が求められる
- 患者向けには専門用語を噛み砕いて説明する必要がある
つまり、医療英語は「専門知識+伝える力」の両方が必要です。
Q3. 英語が苦手でも医療英語は習得できますか?
はい、十分可能です。
医療英語は「パターン化されたフレーズ」が多いため、丸暗記と反復練習で習得しやすい分野です。
特に効果的な方法は以下です。
- 診察フレーズをそのまま覚える
- ロールプレイで実践練習を行う
- OET対策教材を活用する
最初から完璧を目指す必要はなく、「使えるフレーズを増やす」ことが重要です。
Q4. 医療英語を効率的に学ぶ方法は何ですか?
最も効率的なのは「実践ベースの学習」です。
おすすめの方法は以下の通りです。
- フレーズ単位で覚える(単語ではなく文章)
- 実際の診察シナリオで練習する
- 医療英語特化試験(OET)を活用する
- 海外の医療ドラマや講義動画を見る
インプットとアウトプットをセットで行うことが重要です。
Q5. 医療英語でよくあるミスは何ですか?
よくあるミスには以下があります。
- 難しい単語を使いすぎる
- 患者に専門用語をそのまま使ってしまう
- Yes/Noだけの質問で終わる
- 共感の表現が不足している
特に重要なのは、「患者に理解されること」です。
専門用語を使うだけでなく、分かりやすく言い換える力が求められます。
Q6. 海外で働く医師にOETは必須ですか?
多くの国でOETは非常に重要な英語試験の一つです。
特に以下の国では広く認められています。
- イギリス(GMC)
- オーストラリア(AHPRA)
- ニュージーランド
- アイルランド
IELTSでも代替可能な場合はありますが、医療英語に特化している点でOETの方が実務に直結します。
Q7. 患者に専門用語を使っても問題ありませんか?
基本的には避けるべきです。
患者に対しては、専門用語を分かりやすく言い換えることが重要です。
例:
- Hypertension → High blood pressure
- Myocardial infarction → Heart attack
医師同士の会話では専門用語を使い、患者にはシンプルに説明するのが基本です。
Q8. 医療英語はどのくらいの期間で習得できますか?
個人差はありますが、目安は以下の通りです。
- 基本フレーズ習得:1〜3ヶ月
- 実践会話レベル:3〜6ヶ月
- 臨床レベル:6ヶ月〜1年
継続的にアウトプット(会話練習)を行うことで、習得スピードは大きく向上します。
Q9. 英語診療で一番大事なことは何ですか?
最も重要なのは「患者に正しく伝わること」です。
そのために必要なのは以下の3点です。
- シンプルな表現を使う
- ゆっくり、はっきり話す
- 相手が理解しているか確認する
完璧な英語よりも、「伝わる英語」が重要です。
Q10. 日本にいながら医療英語を実践的に学ぶ方法はありますか?
はい、あります。
以下の方法が効果的です。
- オンライン英会話(医療特化コース)
- OET対策コース
- 英語でのロールプレイ練習
- 海外の医療コンテンツ視聴
最近では、オンラインでも実践的なトレーニングが可能な環境が整っています。
