目次
看護師留学に必要な英語力:試験と目安スコア
はじめに
看護師として海外で学んだり働いたりするためには、専門知識だけでなく「英語力」が大きな鍵となります。特に資格取得や現地就労を目指す場合、日常会話レベルの英語だけでは不十分で、IELTS・TOEFL・OET など国際的に認められた試験で一定のスコアを証明する必要があります。
一方で、語学留学や短期研修の段階では、必ずしも高いスコアを求められるわけではありません。まずは基礎を固めるためにフィリピン(セブ島)などでの語学留学を経てから、本格的な資格コースに進む人も多いのが現実です。
この記事では、看護師留学に必要な代表的な英語試験とスコアの目安、そして現実的な準備のステップについてわかりやすく解説します。
1. IELTS(Academic)
看護師留学で最も広く求められる試験が IELTS Academic です。イギリスやオーストラリア、カナダ、ニュージーランドなど、多くの英語圏で看護師登録や大学進学の条件として指定されています。
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特徴 - 
4技能(リスニング・リーディング・ライティング・スピーキング)をバランスよく測定 
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実際の学術環境や生活で必要な英語力を重視 
 
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スコアの目安 - 
フィリピン(語学留学):不要〜4.0程度 
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オーストラリア/カナダ/ニュージーランド:6.5〜7.0以上 
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イギリス(NMC登録):7.0以上(各スキル6.5以上) 
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アメリカ(大学進学):7.0以上 
 
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ポイント 
 IELTSは世界的に認知度が高く、スコアを持っていれば複数の国で活用できるため、最初に目指すべき基準試験としておすすめです。
2. TOEFL iBT
アメリカを中心に利用される代表的な英語試験が TOEFL iBT です。特に大学進学や編入、大学院での学習を考える看護師留学では必須となる場合が多いです。
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特徴 - 
アカデミック環境での英語運用能力を重視 
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リスニング・リーディング・ライティング・スピーキングの4技能を測定 
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試験はすべてパソコン上で行われる 
 
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スコアの目安 - 
アメリカの大学編入・NCLEX受験準備:90点以上 
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大学院レベル:100点以上 
 
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ポイント 
 TOEFLは北米の大学・大学院で最も信頼される試験の一つです。アメリカでの学士号や修士号取得を目指す場合は、IELTSよりもTOEFLが求められるケースが多いため、志望先の要件を事前に確認することが重要です。
3. OET(Occupational English Test)
OET は、医療従事者のために特化して開発された英語試験です。一般的なアカデミック試験(IELTSやTOEFL)と異なり、看護や医療の現場で実際に使われる英語力を測定します。
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特徴 - 
看護師・医師・薬剤師など医療職専用 
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試験内容は「患者とのやり取り」「カルテ記録」「症例説明」など実践的 
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評価は A〜E の5段階 
 
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スコア基準 - 
看護師の場合:B以上が合格基準 
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一部の国では「すべてのサブスキルでB以上」が必須 
 
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採用国 - 
オーストラリア 
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ニュージーランド 
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イギリス 
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その他、医療従事者の英語力証明として導入国が拡大中 
 
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ポイント 
 OETは「現場で即戦力になる英語力」を証明するため、近年、IELTSに代わる試験として注目度が高まっています。医療英語に自信を持ちたい看護師に特におすすめです。
4. 現実的な準備ステップ
看護師留学に必要な英語力は、いきなり高得点を目指すのではなく、段階的に伸ばしていくのが現実的です。自分の現在のレベルを把握し、ゴールから逆算して計画を立てましょう。
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英語ゼロ〜初級者 - 
まずはフィリピン(セブ島)などでの語学留学がおすすめ 
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日常会話・基礎文法・リスニング力を鍛える 
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IELTS 4.0〜5.0を目安に基礎固め 
 
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中級者(IELTS 5.0前後) - 
半年〜1年をかけて IELTS 6.5 を目指す 
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ブリッジングプログラムや海外研修への進学準備 
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模擬試験や過去問を活用して試験対策に集中 
 
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上級者(IELTS 6.5以上) - 
NCLEX/NMC/CAP など各国の看護師資格プログラムに直結可能 
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OETやTOEFLに切り替えて、志望国に合わせたスコア証明を準備 
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実務で必要な医療英語(患者対応・ドキュメンテーション)も同時に学習 
 
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学習期間の目安 - 
IELTS 5.0 → 6.5 には 6〜12か月の集中的学習が必要 
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TOEFL 90点以上を狙う場合も、1〜2年単位での準備が現実的 
 
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まとめ
看護師留学において必要とされる英語力は、留学の目的や進路によって大きく異なります。
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語学留学や短期研修:スコア不要〜中級程度で十分 
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資格取得や現地就労:IELTS 6.5〜7.0 / TOEFL iBT 90点以上 / OET B以上 が必須基準 
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英語準備は長期戦:渡航直前に慌てるのではなく、1〜2年かけて計画的に取り組むことが成功のカギ 
まずは自分の現在の英語力を客観的に把握し、目標とする国・プログラムに合わせて試験対策を進めましょう。段階を踏んで準備すれば、看護師として海外で学び、キャリアを広げる大きな一歩につながります。
よくある質問(FAQ)
Q1. 看護師留学に必ず英語試験のスコアは必要ですか?
A1. 語学留学や短期研修では不要な場合もありますが、資格取得や現地就労を目指す場合は IELTS・TOEFL・OET などの公式スコアが必要です。
Q2. IELTSとTOEFLのどちらを受けるべきですか?
A2. 留学先によって異なります。アメリカではTOEFLが主流、イギリスやオーストラリア、カナダ、ニュージーランドではIELTSが一般的です。
Q3. OETはどんな人に向いていますか?
A3. 医療現場での英語を重視する人に向いています。患者対応や症例説明など実践的な内容のため、即戦力としての評価につながります。
Q4. IELTSのスコアはどのくらい必要ですか?
A4. 語学留学では不要〜4.0程度で十分ですが、資格取得や就労を目指す場合は6.5〜7.0以上が必要です。
Q5. TOEFL iBTの目安スコアは?
A5. アメリカの大学進学やNCLEX準備では90点以上、大学院レベルでは100点以上が一般的な基準です。
Q6. OETの合格ラインは?
A6. 看護師の場合、B以上が合格基準となります。国によっては全スキルでB以上が求められます。
Q7. 英語力ゼロからでも看護師留学は可能ですか?
A7. はい。まずはフィリピン(セブ島)などで基礎を学ぶ語学留学から始め、徐々にスコアを目指す方法がおすすめです。
Q8. IELTS 5.0から6.5に上げるにはどれくらいかかりますか?
A8. 集中的に学習すれば半年〜1年程度が目安です。独学よりも語学学校や専門コースの利用が効果的です。
Q9. 試験勉強は渡航前にするべきですか?
A9. はい。渡航直前では時間が足りません。1〜2年かけて計画的に準備するのが現実的です。
Q10. 医療英語と日常英語はどちらを優先すべきですか?
A10. 最初は日常英語で基礎を固め、その後に医療英語を追加学習するとバランス良く力を伸ばせます。
Q11. 独学だけでスコアは伸ばせますか?
A11. 独学でも伸ばせますが、限界があります。特にスピーキングとライティングは第三者からのフィードバックが必須です。
Q12. 看護師向けの英語教材にはどんなものがありますか?
A12. 「Cambridge English for Nursing」「Oxford English for Careers: Nursing」など医療英語専用教材や、OET公式問題集がおすすめです。
Q13. スピーキングを伸ばす効果的な方法は?
A13. 語学学校での会話練習、オンライン英会話、OETのロールプレイ練習が効果的です。特に患者説明や同僚との会話を想定した練習が役立ちます。
Q14. リスニングが苦手です。どう改善できますか?
A14. 医療系ポッドキャストや海外看護ドキュメンタリーを毎日聞く習慣をつけましょう。聞き取れない部分を繰り返しシャドーイングするのも有効です。
Q15. 語学留学と試験対策はどちらを優先すべきですか?
A15. 英語力ゼロ〜初級なら語学留学で基礎固めを優先。中級以上なら試験対策にシフトするのが効率的です。
Q16. 英語学習を続けるモチベーション維持のコツは?
A16. 「半年でIELTS 0.5アップ」など小さな目標を立て、定期的に模試を受けて成長を確認するのが効果的です。
Q17. 留学前におすすめの勉強法は?
A17. 基礎文法と単語は日本で固め、スピーキングとリスニングは現地やオンラインで強化すると効率的です。
Q18. 語学学校はどの国が効率的ですか?
A18. 費用と学習環境のバランスを考えると、まずはフィリピン(セブ島)で集中的に学び、その後欧米で資格取得を目指す流れが一般的です。

 
		 
		 
			 
			 
			 
			 
			