目次
セブ島移住ガイド: 緊急時の病院・救急車の呼び方
はじめに
セブ島での生活は、温暖な気候、美しいビーチ、フレンドリーな人々に囲まれ、とても魅力的です。しかし、どんなに快適な暮らしでも「もし病気や事故が起きたらどうするか」という緊急時の備えは欠かせません。
日本とフィリピンでは医療制度や救急システムが大きく異なり、特に移住者や長期滞在者にとっては戸惑うことが多いのが現実です。救急車は日本のようにすぐに駆けつけるとは限らず、費用も有料である場合がほとんど。また、症状や住所を英語で伝えなければならない場面もあります。
この記事では、セブ島で暮らす上で知っておきたい「緊急時の病院の利用方法」と「救急車の呼び方」をわかりやすく解説します。事前に準備しておくことで、いざという時にも落ち着いて行動でき、安心してセブ島生活を楽しむことができるでしょう。
セブ島の医療事情の基本知識
セブ島の医療レベルは、エリアや病院によって大きく差があります。日本のようにどこでも一定水準の医療が受けられるわけではないため、移住前に全体像を理解しておくことが大切です。
公立病院
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特徴:フィリピン人ローカル向け。診察費は安価だが、設備が古く、待ち時間が非常に長い。 
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利用のしやすさ:外国人には言語や支払い面でハードルが高い。 
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メリット:費用が安い。 
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デメリット:混雑、清潔さや機材不足。 
私立病院
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特徴:外国人や富裕層が利用。英語での診察が基本で、医師の専門性も高い。 
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利用のしやすさ:クレジットカードやドル払いに対応する病院もあり、観光客や移住者でも安心。 
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メリット:清潔、設備が充実、救急対応あり。 
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デメリット:費用が高額(入院で数十万円〜)。 
支払いと保険
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キャッシュ先払いが原則 
 日本と違い、保険証を提示して「後払い」という仕組みはなく、まずは現金またはカードで支払いを求められるケースがほとんどです。
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海外旅行保険・駐在員保険は必須 
 長期滞在者は、日本の健康保険が使えないため、国際保険や現地医療保険に加入しておくと安心。
日本人移住者がよく利用する病院
セブ島には大小さまざまな病院がありますが、外国人や移住者が安心して利用できるのは主に私立病院です。ここでは、日本人にも利用者が多い代表的な病院を紹介します。
1. Chong Hua Hospital(チョンホア病院)
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概要:セブ市内の大型総合病院。医療設備が整っており、心臓病や外科手術に強み。 
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特徴:英語対応の医師が多く、国際的な医療基準を意識した運営。 
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場所:Fuente Osmeña周辺でアクセス良好。 
2. Cebu Doctors’ University Hospital(セブドクターズ)
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概要:外国人駐在員や留学生に人気の病院。幅広い診療科を持つ。 
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特徴:専門医が多く、外来から入院まで対応可能。 
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場所:キャピトル地区に位置し、タクシーでアクセスしやすい。 
3. Perpetual Succour Hospital(パーペチュアル)
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概要:救急対応に定評がある24時間体制の病院。 
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特徴:ER(救急科)の対応が比較的スムーズで、事故や急病の際に頼れる。 
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場所:セブ港やSMシティに近いエリア。 
4. UCMed(University of Cebu Medical Center)
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概要:比較的新しい大型病院で、最新の医療設備を備えている。 
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特徴:清潔で現代的な施設。専門外来も多い。 
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場所:マンダウエ市にあり、北部在住者に便利。 
救急車の呼び方
日本のように「119」に電話すればすぐに救急車が到着する…というシステムはセブ島にはありません。フィリピンでは、救急車は有料で、到着までに時間がかかる場合も多いため、事前の知識がとても重要です。
主な緊急連絡先
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フィリピン全国共通:911 
 警察・消防・救急のすべてに対応。英語でのやり取りが基本。
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セブ市内ローカル番号:166 
 地域の緊急通報窓口。
病院直通の救急車を呼ぶ方法
実際には、利用したい病院に直接電話して救急車を要請するのが一般的です。
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Chong Hua Hospital – 救急部に直通の番号あり 
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Cebu Doctors’ Hospital – 救急搬送対応可 
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Perpetual Succour Hospital – 24時間の救急体制 
電話で伝えるべき情報(英語)
救急車を依頼するときは、次の情報を英語で簡潔に伝えることが大切です。
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患者の症状(例:呼吸困難 / unconscious / bleeding) 
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現在地の住所(ランドマークを添えると伝わりやすい) 
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連絡先の電話番号 
費用の目安
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救急車利用料:数千〜数万ペソ(距離や病院によって異なる) 
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日本と違い無料ではないため、現金またはカードでの支払い準備が必要です。 
救急車以外の選択肢
セブ島では、救急車が必ずしも最速・最適な移動手段とは限りません。渋滞や到着遅れ、費用の高さを考えると、場合によっては他の方法を選んだほうが安心・安全なこともあります。
1. Grab(グラブ)やタクシーで直接病院へ
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軽症や意識がある場合は、タクシーやGrabで病院へ行く方が早いケースが多いです。 
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特にセブ市内は渋滞が頻発するため、救急車を待つより自力で病院へ向かった方が到着が早いこともあります。 
2. 民間救急サービスの利用
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**フィリピン赤十字(Philippine Red Cross Cebu)**など、一部の団体は有料で救急搬送サービスを提供しています。 
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事前に会員登録しておけば、比較的スムーズに対応してもらえる場合があります。 
3. 周囲の助けを借りる
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フィリピン人は助け合いの文化が強いため、近隣住民やガードマン、モールのスタッフに状況を説明すると、タクシー手配や病院への連絡を手伝ってくれることが多いです。 
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特に英語が苦手な場合は、このサポートが非常に役立ちます。 
日本人が気をつけたいポイント
セブ島で緊急時にスムーズに対応するためには、事前の準備が非常に大切です。特に日本人移住者・長期滞在者は、以下の点を意識しておくと安心です。
1. 保険関連
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海外旅行保険・駐在員保険の加入は必須 
 入院や手術となれば数十万円〜数百万円になることもあるため、必ず保険を用意しておきましょう。
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保険証券や契約番号のコピーを常に携帯 
 病院で提示を求められる場合があります。
2. 個人情報の準備
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パスポート番号・現住所をメモ 
 救急時の書類記入で必要。英語で書いたメモを財布に入れておくと便利。
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緊急連絡先(日本の家族や現地の知人)の連絡先を控えておく 
3. 健康情報の共有
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持病がある場合は英語の診断書を準備 
 糖尿病や心疾患などは必ず医師に伝える必要があります。
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アレルギーや服薬情報を英語でまとめたカードを常備 
 (例:Allergic to penicillin, Blood type: O)
4. 病院までのルート確認
- 
自宅から最寄りの病院までの所要時間を把握 
 渋滞を考慮し、タクシーやGrabでの移動時間を事前に調べておきましょう。
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病院の電話番号をスマホに登録 
 救急車要請や問い合わせにすぐ使えるようにしておくと安心です。
まとめ
セブ島での生活は魅力にあふれていますが、日本と比べて「医療体制」や「緊急対応」には大きな違いがあります。救急車は有料で到着に時間がかかることも多く、最寄りの病院に直接行く方が早いケースも少なくありません。
そのため、移住者・長期滞在者は以下を意識しておくことが大切です。
- 
よく利用される私立病院を事前に確認し、連絡先をスマホに登録 
- 
保険証券・パスポート番号・持病やアレルギー情報を英語で準備 
- 
状況に応じて、救急車・Grab・タクシーなど最適な手段を判断 
- 
住所やランドマークを英語で伝えられるように練習 
緊急時に慌てないためには、日ごろの備えが最も重要です。しっかり準備しておけば、安心してセブ島での生活を楽しむことができるでしょう。
セブ島移住ガイド:緊急時のFAQ
Q. セブ島の緊急番号は?
A. 最優先は 911(全国共通)。英語で通報できます。セブ市のローカル番号 166 もあります。
Q. 救急車は無料ですか?費用の目安は?
A. 無料ではありません。病院や距離で変動しますが、数千〜数万ペソが目安です。現金またはカード支払いを想定してください。
Q. 救急車の呼び方(最短手順)は?
- 911 に電話(英語)
- 症状・場所(ランドマーク)・電話番号を簡潔に伝える
- 並行して最寄りの私立病院(ER直通)にも連絡可
渋滞や到着遅れが見込まれる場合、症状が軽ければGrab/タクシーで直接ERへ。
Q. 英語が不安です。電話で使う定型文は?
- “I need an ambulance.”(救急車をお願いします)
- “The patient is [unconscious / having trouble breathing / bleeding].”
- “Location: [住所], near [ランドマーク].”
- “My phone number is [番号].”
Q. 外国人が利用しやすい病院は?
- Chong Hua Hospital(チョンホア)
- Cebu Doctors’ University Hospital(セブドクターズ)
- Perpetual Succour Hospital(パーペチュアル)
- UCMed(University of Cebu Medical Center)
普段から自宅・職場から最寄りのERを決めておき、電話番号を登録しておきましょう。
Q. 救急車が来ない・遅い時はどうすればいい?
A. 症状が軽く、意識がある場合はGrab/タクシーでERへ直行。安全確保が難しいときは周囲のガードマンや近隣に助けを求め、同乗者を確保してください。
Q. 支払い方法は?保険は使えますか?
A. 原則キャッシュもしくはカードで先払い。海外旅行保険・駐在員保険は後日請求/キャッシュレス対応の有無を事前確認しましょう。
Q. 必ず携帯しておくべきものは?
- 保険証券番号・連絡先(写し)
- パスポート番号・現住所(英語メモ)
- 持病・服薬・アレルギー情報(英語カード)
- 緊急連絡先(日本の家族/現地の知人)
Q. 子ども・妊婦の救急は?
A. 小児科・産科の24時間対応の有無を事前に確認。母子手帳や妊娠経過の英語メモを携帯してください。
Q. 薬はどこで買えますか?処方箋は必要?
A. モール内や街中のドラッグストアで購入可能。抗生物質などは処方箋が必要です。自己判断の服用は避け、医師に相談を。
Q. 住所をうまく説明できない時は?
A. 大きなランドマーク(モール名、交差点、ビル名)を併記。“near/next to/across from”を使うと伝わりやすいです。
Q. Grabと救急車、どちらを選ぶ?
A. 命に関わる症状・意識障害・重度の出血は救急車。軽症で自力移動可能ならGrab/タクシーが早い場合があります。
Q. ERに着いたら手続きは?
- トリアージ(症状確認)
- 身分確認と支払い手続き(デポジットの可能性)
- 診察・検査・処置
Q. 通訳はいますか?
A. 常駐とは限りません。英語が不安なら、簡単な症状リストを事前に英語で用意し、同行者がいれば心強いです。
Q. 連絡が苦手なので、テンプレを教えてください。
“I need an ambulance to [住所]. The patient is [症状]. Near [ランドマーク]. My number is [番号].”
Q. SIMカードや通信がない時は?
A. 近隣のガードマン、コンビニ、モールの受付で電話を借りる/手配を依頼。公共Wi‑Fiがあればアプリ通話も検討。
Q. 予防接種や常備薬は必要?
A. 渡航前にかかりつけ医に相談し、必要なワクチンや持病薬を準備。熱中症対策(経口補水液)も有用です。
Q. 事前にやっておく最重要チェックは?
- 最寄り私立病院のERと電話番号をスマホ登録
- 自宅→病院の移動時間(渋滞時含む)を把握
- 保険の連絡先・補償内容(キャッシュレス可否)を確認
- 英語の症状・住所テンプレを用意

 
		 
		 
			 
			 
			 
			 
			