TOEICリーディング Part 6 攻略法(長文穴埋め)

はじめに

TOEICリーディング Part 6(長文穴埋め)は、文章の流れや文脈を正しく理解しながら、適切な語句や文を選ぶ力が試されるパートです。出題されるのはビジネスメール、案内文、広告、記事など実際のビジネスシーンを想定した文書であり、単なる文法や単語力だけでなく「自然な英文の流れを見抜く力」が求められます。

Part 5のように短文ベースで解く問題よりも、文章全体の構成を意識する必要があるため、苦手意識を持つ受験者も少なくありません。しかし、文書の型やよく使われる表現を理解しておけば、安定して得点源にできるパートでもあります。

本記事では、Part 6の出題傾向や攻略のコツ、学習方法をわかりやすく解説し、短時間で効率的に正答を導く力を身につける方法を紹介します。


出題形式

TOEICリーディング Part 6は、**長文穴埋め問題(Text Completion)**と呼ばれる形式で出題されます。文書を読みながら、空欄に最も適切な選択肢を入れる問題です。

  • 設問数:全16問(4題×4問)

  • 文章の種類:ビジネスメール、社内・社外通知、広告、記事、案内文など

  • 構成:1つの長文に4つの空欄があり、それぞれ4択から解答する形式

出題パターンの内訳

  1. 文法問題

    • 動詞の時制、能動態・受動態、主語と動詞の一致など。

    • Part 5と同じ基礎力で対応可能。

  2. 語彙問題

    • 適切なコロケーション(語の組み合わせ)や慣用表現を問う。

    • 例:make a decision, take responsibility, highly recommended など。

  3. 接続詞・副詞問題

    • however, therefore, meanwhile, in addition など、文と文の論理的なつながりを理解する必要がある。

  4. 文挿入問題

    • 選択肢に「1文」そのものが提示され、段落内でどこに入るのが自然かを判断。

    • 文脈や指示語(this, those, such, it など)がヒントになる。

このようにPart 6は「文法力+語彙力+文脈理解力」がバランスよく問われるパートです。


攻略のポイント

1. 文書全体の流れを意識する

Part 6では、単語や文法の正確さだけでなく、文全体の意味のつながりが重視されます。最初に空欄を埋めるのではなく、まずは文書をざっと読み、

  • 文章の目的(依頼・案内・通知・広告など)

  • 段落ごとの役割(導入・説明・結論)
    を把握しましょう。

2. 文法問題は瞬時に処理

時制や態、主語と動詞の一致などは、Part 5と同じ考え方で解ける問題です。短時間で解けるようにしておけば、難易度が高い文挿入問題に時間を回せます。

3. 語彙問題はコロケーションを重視

「意味が通じるか」だけでなく「自然な組み合わせか」を意識します。
例:

  • make progress(進展する)

  • take action(行動を取る)

  • strongly encourage(強く奨励する)
    こうした定番表現を覚えておくと、迷わず選択できます。

4. 文挿入問題は前後関係をチェック

選択肢に含まれる「接続詞・指示語・キーワード」が、前後の文と自然につながるかどうかを確認しましょう。

  • 指示語(this, these, such, it など)が何を指すか

  • 論理の流れ(原因 → 結果、対比、追加情報 など)
    を見抜くことがカギです。

5. 時間配分を徹底

Part 6は全16問しかないものの、長文形式なので時間をかけすぎる受験者が多いパートです。

  • 1問あたり 30〜40秒以内

  • 難問は一旦飛ばして最後に戻る
    といった戦略を徹底することで、リーディング全体の時間不足を防げます。


学習法のステップ

1. 公式問題集や模試で実戦練習

Part 6は、文章の形式や流れに慣れることが最重要です。公式問題集や模試を使い、実際のメール・広告・記事形式の英文を繰り返し解きましょう。慣れてくると、選択肢を見る前に「ここは時制が入るな」「ここはつなぎ文が必要だな」と予測できるようになります。

2. 文法・語彙を徹底強化

Part 6の半分近くはPart 5と同じ知識で解けます。

  • 時制、態、主語と動詞の一致

  • コロケーション(自然な組み合わせ)
    を重点的に復習すれば、確実に得点を積み重ねられます。

3. ディスコースマーカーを意識

接続詞や副詞など「文章をつなぐサイン」を意識的に学習すると、文挿入問題で強みを発揮します。

  • 逆接:however, nevertheless

  • 追加:in addition, moreover

  • 因果:therefore, as a result

  • 時系列:meanwhile, subsequently

4. 実際の英語文書に触れる

TOEIC頻出の「メール・広告・記事」の型に慣れるため、実際の英語記事やビジネス文書を読むのも有効です。特にビジネス英語のメールサンプルを読むと、文書構造が自然と身につきます。

5. 音読で流れを体得

空欄を埋めた後は、その文書を音読してみましょう。不自然な部分があれば、答え選びを見直すきっかけになります。リズムで「自然な英文」を体に覚えさせるのも効果的です。


よくあるミスと対策

1. 単語の意味だけで選んでしまう

ミス:選択肢の単語の意味が文脈に合っていそうだからといって安易に選ぶ。
対策:意味だけでなく、自然なコロケーションや文脈での使われ方を確認する。


2. 直前の文だけを見て判断

ミス:空欄の直前の一文だけを読んで判断し、全体の流れに合わない選択をしてしまう。
対策前後の段落全体を確認し、文書全体でつながりが自然かどうかをチェックする。


3. 接続詞・副詞を感覚で選ぶ

ミス:「however」や「therefore」などをニュアンスだけで選び、論理が崩れてしまう。
対策因果関係・対比・追加情報などの論理展開を明確に意識しながら解答する。


4. 文挿入問題で悩みすぎる

ミス:文挿入の問題で長時間悩み、リーディング全体の時間が足りなくなる。
対策:1問につき40秒以内を目安に。迷ったら仮の答えを入れて、後で戻る。


5. 時制や態の確認漏れ

ミス:主語・時制の一致を見落とし、文法的に誤った選択肢を選ぶ。
対策:空欄前後の動詞の時制・主語との一致を必ず確認する習慣をつける。


このような典型的なミスは、文書全体を読む意識+基礎文法と語彙の定着で防ぐことができます。


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