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緊急時に使う英語フレーズ:医療英語ガイド【2026年版】
医療現場では「時間との勝負」が常に求められます。特に緊急時(Emergency Situation)では、わずかなコミュニケーションの遅れが患者の予後に大きく影響することもあります。そのため、医師・看護師・医療スタッフにとって、即座に使える英語フレーズの習得は非常に重要です。
本記事では、救急現場・急変対応・トリアージ・院内緊急コールなど、さまざまな状況で使える英語フレーズを体系的に解説します。単なる単語ではなく、実際にそのまま使える実践的なフレーズを中心に構成しています。
緊急時英語の基本原則
まず、緊急時の英語にはいくつかの重要な特徴があります。
1. シンプルであること
長い文章は不要です。短く、明確に伝えることが最優先です。
- NG: Could you please consider checking the patient’s airway?
- OK: Check the airway now.
2. 命令形を使う
遠慮した表現ではなく、明確な指示を出します。
- Start CPR.
- Call a doctor.
- Get oxygen.
3. 繰り返し確認する
聞き間違いを防ぐため、リピートが重要です。
- Repeat, BP is 80/50.
- Confirm, no pulse.
救急外来・初期対応で使う英語フレーズ
患者到着時
- What happened?
(何が起きましたか?) - When did the symptoms start?
(症状はいつからですか?) - Is the patient conscious?
(患者は意識がありますか?) - Can you hear me?
(聞こえますか?) - Open your eyes.
(目を開けてください)
バイタル確認
- Check the vital signs.
(バイタルを確認して) - Blood pressure is dropping.
(血圧が低下しています) - Heart rate is very high.
(心拍数が非常に高いです) - Oxygen saturation is low.
(酸素飽和度が低いです)
急変時(コードブルー)で使う英語
状況認識
- The patient is unresponsive.
(患者が反応しません) - There is no pulse.
(脈がありません) - The patient is not breathing.
(呼吸していません)
CPR関連
- Start CPR.
(心肺蘇生を開始して) - Begin chest compressions.
(胸骨圧迫を開始) - Continue compressions.
(圧迫を続けて) - Switch compressors.
(交代してください)
AED・除細動
- Get the defibrillator.
(除細動器を持ってきて) - Charging.
(充電中) - Clear!
(離れて!) - Shock delivered.
(ショック実施)
医師・看護師間の指示・連携フレーズ
指示を出す
- Give 1 mg of epinephrine.
(エピネフリン1mg投与) - Start IV access.
(静脈ルート確保) - Prepare intubation.
(挿管準備) - Administer oxygen.
(酸素投与)
状況報告
- BP is 90 over 60.
(血圧90/60) - Pulse is weak.
(脈が弱い) - The patient is deteriorating.
(状態が悪化しています)
確認・復唱
- Repeat the order.
(指示を繰り返して) - Confirm the dosage.
(投与量を確認) - Did you give the medication?
(薬は投与しましたか?)
トリアージで使う英語フレーズ
緊急度判断
- This is a critical case.
(重症です) - This patient needs immediate attention.
(すぐに対応が必要です) - Stable for now.
(現時点では安定)
症状確認
- Are you in pain?
(痛みはありますか?) - Where does it hurt?
(どこが痛いですか?) - Rate your pain from 1 to 10.
(痛みを1〜10で評価してください)
外傷・事故対応で使う英語
状況確認
- Was there any trauma?
(外傷はありましたか?) - Did the patient lose consciousness?
(意識を失いましたか?) - Any bleeding?
(出血はありますか?)
応急処置
- Apply pressure to the wound.
(傷を圧迫してください) - Stop the bleeding.
(止血して) - Immobilize the limb.
(四肢を固定)
呼吸・気道管理で使う英語
呼吸状態
- The patient is struggling to breathe.
(呼吸困難です) - Shallow breathing.
(浅い呼吸) - Respiratory rate is high.
(呼吸数が多い)
気道確保
- Open the airway.
(気道確保) - Use a bag-valve mask.
(バッグバルブマスク使用) - Prepare for intubation.
(挿管準備)
心血管系の緊急対応
症状
- Chest pain.
(胸痛) - Irregular heartbeat.
(不整脈) - Suspected heart attack.
(心筋梗塞疑い)
対応
- Start ECG monitoring.
(心電図モニタ開始) - Give aspirin.
(アスピリン投与) - Prepare for catheterization.
(カテーテル準備)
薬剤投与で使う英語
基本指示
- Give the medication now.
(今すぐ投与) - Check allergies first.
(アレルギー確認) - Monitor for side effects.
(副作用観察)
投与経路
- IV injection.
(静脈注射) - Intramuscular injection.
(筋肉注射) - Oral medication.
(経口薬)
家族対応で使う英語
緊急時でも家族への説明は必要です。
状況説明
- The patient is in critical condition.
(危篤状態です) - We are doing everything we can.
(全力で対応しています)
安心させる
- Please stay calm.
(落ち着いてください) - We will update you soon.
(すぐに状況をお伝えします)
院内緊急コール
コール例
- Code Blue, Room 305.
(コードブルー、305号室) - Emergency in ER.
(救急外来で緊急事態)
呼びかけ
- We need help here!
(応援お願いします!) - Call the rapid response team.
(RRTを呼んで)
よくあるミスと注意点
1. 丁寧すぎる表現
緊急時に「Could you」などは不要です。
2. 専門用語の誤用
正確な用語を使うことが重要です。
3. 聞き取りミス
復唱を徹底しましょう。
実践トレーニング方法
シャドーイング
音声に合わせて発話練習
ロールプレイ
実際のシナリオで練習
フレーズ暗記
短文単位で覚える
まとめ
緊急時に使う英語は、「完璧な文法」よりも「即時性と明確さ」が重要です。
覚えるべきポイントは以下の通りです。
- 短く、命令形で話す
- 状況を即座に共有する
- 復唱・確認を徹底する
これらを習得することで、国際的な医療現場でもスムーズに対応できるようになります。
FAQ(よくある質問)
Q1. 緊急時の英語はどのレベルまで必要ですか?
緊急時の英語では、高度な文法や難しい表現は必要ありません。重要なのは「短く・正確に・即座に伝える力」です。中学レベルの英語でも、適切なフレーズを覚えていれば十分に対応できます。
Q2. 丁寧な表現(Could you〜など)は使わない方がいいですか?
基本的に緊急時は使いません。時間が限られているため、「Start CPR」「Call a doctor」などの命令形が適切です。ただし、患者や家族への説明では丁寧な表現も必要になります。
Q3. 医療英語が苦手でも現場で対応できますか?
はい、対応可能です。まずは「よく使うフレーズ」を丸ごと覚えることが重要です。実際の現場では、複雑な会話よりも決まったパターンのやり取りが多いため、フレーズ暗記が非常に効果的です。
Q4. 聞き取れなかった場合はどうすればいいですか?
必ず確認しましょう。例えば以下のように言えます。
- “Repeat, please.”(もう一度お願いします)
- “Can you say that again?”(もう一度言ってください)
- “Confirm, 1 mg?”(1mgで合っていますか?)
聞き間違いは医療ミスにつながるため、遠慮せず確認することが重要です。
Q5. 緊急時に最も重要な英語スキルは何ですか?
最も重要なのは「リスニング」と「瞬発的な発話」です。特に以下の3点が重要です。
- 指示を正確に聞き取る
- 短く的確に指示を出す
- 内容を復唱して確認する
Q6. 英語での指示出しに自信がありません。どう練習すればいいですか?
以下の方法がおすすめです。
- フレーズを音読・シャドーイングする
- 実際のシナリオでロールプレイを行う
- 音声教材でスピードに慣れる
「考えてから話す」のではなく、「反射的に出る状態」を目指すのがポイントです。
Q7. 医療用語をすべて覚える必要がありますか?
すべて覚える必要はありません。まずは以下を優先しましょう。
- バイタルサイン関連
- 緊急対応(CPR・気道・薬剤)
- 症状や痛みの表現
使用頻度の高い単語から覚える方が効率的です。
Q8. 海外の医療現場では英語はどの程度重要ですか?
非常に重要です。特に多国籍のスタッフがいる環境では、英語が共通言語になります。緊急時の対応力は評価にも直結するため、基本フレーズの習得は必須と言えます。
Q9. 患者への声かけとスタッフ間の英語は違いますか?
はい、大きく異なります。
- スタッフ間:短く命令形(例:Start CPR)
- 患者対応:やや丁寧(例:Can you open your eyes?)
状況に応じて使い分けることが大切です。
Q10. OET対策としても役立ちますか?
はい、非常に役立ちます。特にSpeakingでは、実際の医療シナリオでのやり取りが評価対象になるため、緊急時フレーズを理解していると対応力が大きく向上します。
