2017/01/30

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「グローバル・トレーナー・プロジェクト」アメリカ女子プロゴルフツアー帯同トレーナー 斎藤大介さんインタビュー

2017/01/30
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【3D x Global Athlete Project】

若者が自らのキャリアを思い通りに築くことは決して簡単なことではない。ましてや海外で活躍するキャリアを夢見るのであればなおさらだろう。

今回インタビューしたのは斎藤大介さん。若干31歳でありながら、日本プロゴルフツアーで五回賞金王になった片山晋呉選手をはじめ多くの著名スポーツ選手を担当し、その後オーストラリアに移り名門ANKゴルフアカデミーと契約、世界で活躍する多くのゴルフ選手やスポーツ選手をケアしてきた、既に世界の第一線で活躍しているトレーナー・治療家だ。今年からは元全米女子オープンチャンピオンのジ・ウンヒ選手をはじめ4名のアメリカ女子ゴルフツアー選手の帯同トレーナーとなり一年間のツアーを共にする予定だ。

斎藤さんの話を聞いていると、努力やチャレンジを怠らず、海外に飛躍していく姿がとても眩しく映る。斎藤さんがどのように現在のスキルやポジションを手に入れて来たかを聞くことは、これから英語を使って海外でのキャリアを切り開きたいと考えている若者には、非常に得るところの多いのではないだろうか。

トレーナーの道へ

元々高校までは野球一筋だったという斎藤さん、ピッチャーとして甲子園に出場し、セレクションなどを通して大学に進学することを考えていたそうだ。残念ながら一年生の時に肩を壊してしまい軌道修正を余儀なくされる。

「元々体の勉強をするのが好きだったんです。それでキャリアを考える時に、将来プロ野球選手のトレーナーになること目標に、イメージしてみたんです。そう考えると、接骨とハリ・マッサージの両方をやる必要があると思えたので、それぞれ3年ずつ合計6年間学校にいくことに決めました」

それでもただ学校で学ぶだけではなかった。最初の3年は学校に行くかたわら接骨院で実務経験を積み、次の3年はサッカー日本代表のチーフトレーナーを務める高明なトレーナーの元で働くことになる。

「きっかけは雑誌の特集でした。もともと非常に尊敬しているトレーナーで、記事を見てすぐに直接電話をして求人していないかお聞きしました。結果お会いしに行くことになり、お話をして数日後に『いいよ』とご連絡をいただいて働くことができました。この時期はいろんな現場で経験を積み、技術が最も向上した時期かもしれません」

卒業後はスポーツ関連製品で有名なファイテン(株)のトレーナー部に入社。ファイテンの契約選手を中心にケアを行う部署で、日本プロゴルフの元賞金王である片山晋呉選手を担当していたのもこの頃だ。プロゴルフ選手を中心に、ビーチバレーの選手やプロ野球選手など多数のスポーツ選手をケアし、その中には非常に有名なメジャーリーガーなどもいたとのことだ。しかしこの頃から既に斎藤さんは何かに焦り始めていたという。

「確かに、私がケアさせていただいた選手の中にはすごい選手もたくさんいて、責任もあるし治療家として勉強にもなるのですが、どうしても会社の名前で来てくれているのではないかという気持ちを拭えなかったんです。三年間ずっと『このままではまずい』と感じていました」

そして斎藤さんは「一人でやっていけるように」なるために、海外への進出を考えることになる。

海外への飛躍から帯同トレーナーに

実は斎藤さん、この時点の英語力はほとんどゼロだったというのだから驚きだ。

「学生時代から合宿や旅行で海外に行く機会はあったし、英語にも興味はあったんですが、実際は勉強できていなかったんです。日本時代に担当した選手にアメリカ人はいたんですが、日本語がしゃべれる人でしたし(苦笑)」

それでも斎藤さんは共通の知り合いを通じて、オーストラリアのNo.1ゴルフアカデミーであるANKゴルフアカデミーへアプローチを試みる。

「ANKには何人ものTOPプロを育てたたことで高明なコーチがいるんです。もちろん私とは違ってゴルフのコーチなわけですが、私としてはチームを組んでトレーニング・サポートするといった、これまでと違う新しい角度で選手をケアすることで、自分のキャリアを広げてみたくなったんです」

実際にアカデミーの経営者とコンタクトが取れたあとは、これまでの実績やタイミングから1日で採用が決まったとのことだ。そうしてアカデミーに勤務するかたわら、地元ゴールドコーストで開業もし、口コミや紹介で集まった多くの選手をケアしてきた。

そうして、最高のコーチ陣とアカデミーの選手達と2年を過ごす頃、斎藤さんに次のチャンスが訪れる。

「もともと、最終的にはメジャーリーガーのトレーナーを目指しているので、プロ選手の専属トレーナー・帯同トレーナーというのはビジョンの中にありました。そんな中、コーチの教え子でANKにトレーニングを受けに来ていたジ・ウンヒ選手にツアー帯同トレーナーとして誘われたんです」

その誘いを二つ返事で答えたあと、紹介などから続けて3人の選手と契約、2017年からはアメリカを中心に世界中をサーキットする女子世界最高峰のLPGAツアーを、選手と共に回ることとなった。

トレーナーとして求められる英語力

それにしても英語力ほぼゼロの状態でオーストラリアに渡り、2年後にはツアー帯同トレーナーにまでなったとは恐れ入る。英語力もそれにあわせて向上していったのだろうか。

「もちろんはじめは自分の英語力がゼロでもなんでも、ジェスチャーや単語を並べて必死でやりましたよ(笑)。だから仕事で使う英語の対応力や対処力はどんどんあがりました。とにかくよく聞く表現を覚えるか、調べるかするんです。例えば『little bit』なんかは「リルビ」と覚えて、正直スペルもわからないのに使っていました(笑)。その意味では英語に対する度胸がついて、苦手意識というか先入観はなくなりましたね」

仕事で英語を使うだけでなく、並行して現地オーストラリアの英語学校にも通った。

「英語の勉強もこれが初めてだったんです。周りの学生もアジア人でビギナーが多くてその点は助かりました(笑)。生活でも英語が必要になるので、ビザ関連の英語などは独学で、あとはホームステイを2年間していたのが大きかったと思います」

それでも自分の英語力は「伝わる」程度、流暢というレベルには程遠いと感じている。

「今でも英語に関してはフラストレーションがたまるばかりです。トレーナー・治療家としてのアプローチの中では、体をさわることでわかること、いわば技術が6割だとしたら、話をして聞いたり伝えたりすることが残り4割ぐらいあります。その意味ではまだまだ実力の100%が出せていないと感じてしまいます」

「契約したプロゴルファーは韓国人2人と中国人1人とアメリカ人1人。韓国と中国の選手は英語に関して同じ非ネィティブなのでコミュニケーションの問題はないんですが、問題はアメリカ人選手です。ネィティブすぎて速く喋られるとほとんどわからない(苦笑)。それで尻に火がついて、この3D ACADEMYにも来る事になったわけです(笑)」

3D ACADEMYで語学留学

こうしてフィリピン・セブ島の英語学校、3Dアカデミーに4週間の語学留学に来られた斎藤さん、筆者も初日からお話をする機会があったが、留学前から達成したい目標の設定やそのための準備をしっかりしてから来られていたのが印象的だった。実際に留学を終えた感想はいかがだっただろうか。

「やはりマンツーマン授業は英語をやり込むには最高ですね。先生が授業時間を全て自分のために使ってくれるし、英語をただ喋っているなかでもミスを最大限直してくれるのでとても助かります。勉強は計画的にやっていたので、4コマのマンツーマン授業のうち、半分の2コマを事前に予定していた英文契約書などついての授業と契約選手のインタビューのディクテーションの授業に使い、残りの2コマをこちらでのリスニングとグラマーの授業に使いました」

「いろんな先生を自由に選べるし、グループクラスも充実していました。生活も非常に便利で、例えば洗濯も部屋で出せばその日のうちに自動的に綺麗になって返ってくるし、勉強に集中できる環境が揃っていますね。ご飯も美味しかったです。カレーとイカの天ぷらが好きでした(笑)」

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日本のトレーナー・治療家を世界へ

海外でも研鑽をつみ、自らのスキルとキャリアを確実に育ててきた斎藤さん。ゆくゆくは「英語で海外でセミナーをできるぐらいになりたい」そうだ。そんな斎藤さんには自分だけでなく、日本のトレーナー・治療家の技術を世界に広げたいという強い思いがある。

「世界的に見ても、日本にいるトレーナー・治療家の技術力は高く、独自ものを持っています。そんな彼らが世界に進出するのを、チームのようにサポートしていきたいと思っています。それには世界への情報の発信と受信が重要です。そのために、今回自分をセブに送ってくれたグローバル・アスリート・プロジェクトの姉妹プロジェクトとして、グローバル・トレーナー・プロジェクトを開始することになりました」

「まずはプロジェクトのブログとFacebookで、世界に通じる日本の技術、勉強法などの英語、そしてビザや治安についてなど情報を共有していきますので、是非チェックしてください!」

 

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