2025/06/4
目次
フィリピンの“豚の丸焼き”文化を代表する国民食
レチョン(Lechon)とは、丸ごとの豚を香草とスパイスで味付けし、炭火でじっくりローストした料理です。
見た目のインパクト、ジューシーな肉質、パリッパリの皮の食感——どれを取っても**“フィリピンの祝祭料理の王様”**と呼ばれるにふさわしい一品です。
フィリピンでは、誕生日・結婚式・クリスマス・バランガイ(地域)イベントなど、大切な場には必ずと言っていいほどレチョンが登場します。
一頭まるごとを家族や友人とシェアしながら食べる光景は、“分かち合い”と“祝福”を象徴する文化そのものです。
内臓を取り除いた豚の腹に、レモングラス、タマネギ、ニンニク、ローリエなどの香草をたっぷり詰め込む
串を通して3〜5時間かけて炭火でじっくり回転焼き
焼き加減のコントロールには職人の勘と技術が不可欠
この伝統的な調理法によって、外はカリカリ、中はジューシーという、一度食べたら忘れられない味わいが完成します。
フィリピン全土でレチョンは食べられますが、なかでもセブ島のレチョンは別格の存在。
「セブ・レチョン(Cebu Lechon)」と呼ばれ、観光客・地元民・料理人までもが“国内No.1”と評価するほど。
特徴としては:
追加のソースなしでも美味しい
香草の風味が強く、味付けがしっかりしている
外皮のパリパリ感と、脂身のトロける食感が絶妙
世界的に有名なアメリカのシェフ、アンソニー・ボーディン氏も「世界一のレチョン」と絶賛したことで、世界中から注目を集めるようになりました。
レチョンは単なる料理ではなく、フィリピン人の“もてなし”と“絆”の象徴でもあります。
その香ばしい香りとともに広がるのは、家族や仲間との笑顔の時間。
観光で訪れる人も、留学で長期滞在する人も、一度は味わってほしい“現地の心”そのものです。
全国にある中でも“セブ・レチョン”が絶賛される理由
フィリピン全土で親しまれているレチョン(豚の丸焼き)。
しかしその中でも、**「セブのレチョンは別格」という声は圧倒的多数。
観光客だけでなく、フィリピン国内の食通や現地の人々からも“全国No.1レチョン”**として評価されています。
では、なぜセブのレチョンはそこまで特別視されているのでしょうか?
他の地域では、レチョンを食べるときに**「ソース(レチョンソース)」をかけるのが一般的**です。
しかしセブのレチョンは、豚の中に詰める香草や調味料の量が圧倒的に多く、肉自体にしっかりと味が染み込んでいるため、ソースなしでそのまま食べても十分に美味しい。
レモングラス(タガログ語で“タンラッド”)の香りが強い
塩・胡椒・ニンニク・玉ねぎのバランスが絶妙
脂の甘みと皮の塩気が完璧なコントラストを生む
この**“シンプルなのに深い味わい”**が、グルメ層からも高評価を受けるポイントです。
セブのレチョンは、炭火の距離・焼き時間・回転速度まで職人が徹底管理します。
そのため、外皮はまるでクリスピーなチップスのようにパリッパリ。
中の脂身と肉はトロトロで、皮と肉の温度・食感のギャップがたまりません。
他地域のレチョンでは、「皮が硬い」「パリパリ感が少ない」と感じることもありますが、
セブでは「皮だけ買いたい」と言われるほどの完成度です。
セブではレチョンが**「観光資源」でもあり「文化の誇り」**でもあります。
結婚式・選挙・祝賀イベントなど、地域コミュニティの大きな場では必ず登場する存在。
ローカルな専門店(レチョンハウス)も多く、各店が味の違いを競い合って進化しているのがセブならではの特徴です。
その結果として、
「セブのレチョンを食べたら、他では満足できない」
という“レチョンファン”も多数存在します。
セブ島のレチョンは、味付け・技術・文化すべてがレベル違い。
**ただの豚の丸焼きではなく、職人のプライドとセブの誇りが詰まった“芸術作品”**です。
フィリピンを訪れるなら、ぜひセブのレチョンで“本物”を体感してみてください。
観光客でも安心!セブ式レチョンの頼み方・食べ方ガイド
「食べてみたいけど、どう注文するのかわからない…」
そんな人も多いフィリピンのローカルグルメ「レチョン」。
ここでは、観光客や留学生でもスムーズにレチョンを楽しめる方法を、現地流の視点から解説します。
レチョンは基本的に「一頭丸ごと」ではなく、カットされた状態で量り売りされています。
お店によって異なりますが、注文の流れは以下の通り
「How much per 100g?(100グラムでいくら?)」と聞く
「I want 200 grams of crispy skin, please」など部位指定
量りに乗せて価格提示 → OKなら支払い → 紙皿やバナナの葉に乗せて提供
相場:100gあたり ₱150〜₱200(約400〜550円)
※皮・脂多めの部位はやや高めになることも
部位 | 特徴 | ローカルの人気度 |
---|---|---|
皮(Skin) | パリパリ&香ばしい、最も人気! | ★★★★★ |
腹部(Belly) | 肉と脂のバランスが良い | ★★★★☆ |
肩・首(Shoulder/Neck) | やや噛み応えあり、コク強め | ★★★☆☆ |
脚(Leg) | 脂少なめ、さっぱり | ★★★☆☆ |
初心者は**「皮+バランスの良い腹部」**を選べば間違いなし!
基本はご飯(白米)と一緒に食べる:炊き立てライスが最高の組み合わせ
スープ(スイグ)とセットが定番:内臓や骨で出汁を取ったスープも人気
酢+唐辛子 or 醤油+酢の“自家製ディップ”:甘いソースではなく、酸味と辛みで引き締めるのがセブ流
♂️ ナイフやフォークは基本なし:手でちぎって食べるのが自然。気になる人はウェットティッシュを持参!
✅ 注文時に「crispy skin please」と伝えると丁寧に対応されやすい
✅ 食べ歩きOKのテイクアウトも充実している(特に市場周辺)
✅ 早めの時間帯(昼前)が狙い目:人気店は午後になると売り切れやすい
✅ 大人数でシェアするとコスパが良い:300gで2〜3人分の軽食に
初めてでも心配無用。レチョン専門店のスタッフは観光客慣れしていてフレンドリーです。
最低限の英語(と笑顔)さえあれば、「皮付きで200g!」で十分通じます。
ぜひ現地で、“カリッ・ジュワッ”な一口を楽しんでください!
観光客・留学生・地元民に支持される“間違いない”名店まとめ
セブといえばレチョン、レチョンといえばセブ。
とはいえ、市内には専門店が数十店舗以上あるため「どこで食べればいいの?」と迷う人も多いはず。
ここでは、実績・味・アクセス・価格バランスを考慮した“失敗しない5店”を紹介します。
場所: ITパーク店・アヤラ店・マクタン空港店など複数あり
特徴:
✔︎ セブで最も有名なブランドのひとつ
✔︎ 「スパイシーレチョン」が看板メニュー
✔︎ 店内飲食・テイクアウト両方OK、英語対応◎
価格目安: 約₱180〜200/100g
初心者・観光客に最もおすすめ。「セブの顔」的存在
場所: エスカリオ通り(Ayala近く)・ラプラプ市など複数あり
特徴:
✔︎ モダンで清潔なレストランスタイル
✔︎ ライスやスープ付きのセットメニューが充実
✔︎ 観光客と地元民が半々で利用
価格目安: 約₱160〜₱180/100g(セットでお得)
店内でゆっくり座って味わいたい人向け
場所: SMシティセブ・カーサビラ店など複数店舗あり
特徴:
✔︎ ローカル人気No.1とも言われる老舗
✔︎ 観光客向けの雰囲気ではなく、“地元の台所”感覚
✔︎ 昼前には行列、午後は売り切れのことも
価格目安: 約₱150〜₱170/100g
“本物のローカル体験”をしたいならここ!
場所: SMシティ・アヤラ・空港・Jセンターなどアクセス抜群
特徴:
✔︎ ショッピングモール内に多く、観光・買い物ついでに立ち寄れる
✔︎ ハーフレチョン(約半頭)販売も対応可
✔︎ 脂少なめであっさり派に人気
価格目安: 約₱160〜₱180/100g
️ 買い物や移動の途中で手軽に本格レチョンを試したい人向け
場所: アヤラ、エスカリオ通り、空港ほか
特徴:
✔︎ 「No MSG(化学調味料不使用)」を掲げた健康志向系
✔︎ 米国のシェフ、アンソニー・ボーディンが絶賛し一躍有名に
✔︎ 店内もカフェ風でおしゃれ。Wi-Fiあり
価格目安: 約₱200〜₱220/100g(やや高め)
味と安全性を両立させたい人・観光客向けの安心ブランド
目的・タイプ | おすすめ店舗 |
---|---|
初心者・観光客 | Rico’s / House of Lechon |
ローカル体験 | CnT Lechon |
空港・モール利用者 | Ayer’s / Zubuchon |
座ってゆっくり食べたい | House of Lechon / Zubuchon |
ピリ辛 or スパイシー好み | Rico’s(スパイシー版) |
どの店でも「皮がパリパリかどうか?」を確認するのが満足度のカギ。
次はぜひ“食べ比べ”にもチャレンジしてみてください!
“主役を引き立てる名脇役”で、さらに美味しく!
セブの名物「レチョン」は、もちろんそのままでも絶品ですが、ローカル流にアレンジして食べるとさらに美味しさが広がります。
ここでは、現地の人がよく合わせる**定番サイドメニューや“ちょい足しアイデア”**を紹介します。
言うまでもなく、レチョンに最も合うのは白ごはん。
脂がのった肉とカリカリの皮の“重さ”を、シンプルなご飯がしっかり受け止めてくれます。
ローカルの食堂では、レチョン1人前に対してご飯2杯が定番。
レチョンと一緒に「スープ」を注文するのも、フィリピンスタイル。
とくにおすすめなのが:
Pochero(ポチェロ):牛骨スープ+野菜。こってり肉と対照的なあっさり系
Tinola(ティノーラ):鶏スープ+生姜+青パパイヤ。レチョンの脂をリセットできる
Lechon Paksiw(レチョンの煮込み):余ったレチョンを再利用した甘酸っぱい煮込み
温かいスープを交互に飲むことで、口の中がリセットされて無限にレチョンが食べられます(笑)
セブでは、レチョンにソースをかけずに食べるのが主流ですが、“自作ディップ”を少し添えるのがローカル流。
材料 | 味の特徴 | 合う部位 |
---|---|---|
酢+唐辛子+にんにく | ピリ辛&さっぱり | 脂多めの腹部や皮 |
醤油+酢(toyo-mansi) | しょっぱさと酸味 | 赤身系の部位 |
フィッシュソース(patis) | 強い塩気 | 骨まわりの肉 |
ソースは“かける”のではなく“ちょんちょん”と軽くつけるのが通っぽい
レチョンはビールや炭酸との相性も抜群。
地元民は「サンミゲルビール(San Miguel)」と一緒に楽しむのが定番スタイル。
San Mig Pale Pilsen:コク強め、脂っこい部位と好相性
Royal(ロイヤル)オレンジソーダ:甘めの炭酸で“ジャンキーさ”を倍増
Coke:王道の油落とし系ドリンク
食堂によってはアルコール持ち込み不可なので注意!
まずは何もつけずにそのまま一口(皮→肉)
次に酢やソースで味変しながら食べ進める
脂が強くなってきたらスープを挟む or ご飯で中和
最後にあえて皮をもう一度食べて締めるのが通!
レチョンをただ食べるだけじゃもったいない。
ちょっとした工夫や組み合わせを取り入れるだけで、味も記憶も一段階アップします。
セブにいる間に、ぜひ“あなただけのレチョンの楽しみ方”を見つけてください!
レチョン初挑戦でも安心!満足度を上げるポイント&失敗しないコツ
セブを訪れるなら一度は食べたい名物「レチョン」。
ただし、脂が多く、文化も独特な料理だけに、ちょっとした知識があるとより快適に、そして安全に楽しめます。
ここでは、観光客・留学生が気をつけるべきポイントやおすすめの楽しみ方を紹介します。
レチョンの皮は人気No.1の部位ですが、脂っこくて消化に時間がかかるため、胃腸が弱い人は要注意。
特に旅の序盤や留学直後は、「まずは少量+肉多めの部位から」が無難です。
「パリパリの皮 × 酢ソース」なら脂も中和されて少しマイルドに。
レチョンは丸焼きなので、店頭には耳・顔・内臓・足などの部位も並んでいます。
地元の人にとっては“ごちそう”でも、観光客にとっては刺激が強すぎる場合も。
写真を見せて部位を指差し注文するのが安心&スムーズ!
レチョンは時間が経つと脂が酸化して風味が落ちやすいです。
テイクアウトや持ち帰りをする場合は:
できるだけ2〜3時間以内に食べる
❄️ ホテルの冷蔵庫で保存→レンジで軽く温める(皮の食感は落ちる)
✈️ 日本へ持ち帰りは空港で没収の可能性が高いため非推奨
店内で出来立てを食べるのが一番!
ローカルの友人や先生、ホストファミリーと一緒にレチョンを食べると、会話のネタ・文化体験としても価値倍増。
自分では選ばないような部位にもチャレンジしやすくなり、食文化への理解も深まります。
️「どの部位が好き?」「どう食べるの?」と聞いてみるだけで盛り上がる!
レチョンは「お祝い料理」=ボリュームもカロリーも満点。
日常的に食べるというよりも、「今日はレチョンの日!」という気持ちで構える方が◎
筋トレ・ダイエット中の人は計画的に
午前中は軽めに → レチョンランチ → 夕方はデトックス系食事 or フルーツ
現地の食文化を体験するのは、留学・旅行の醍醐味。
ただし、無理せず、自分のペースで挑戦することが大切です。
「おいしかった!」も
「脂がすごかった…」も
すべてが**“記憶に残るセブ体験”**の一部になるはずです。
著者自身が体験したレチョン作りは、単なる“料理”ではなく一連のセレモニーのような工程でした。
まず朝6時すぎ、セブ市内の公設市場へ向かい、丸々太った42kgの豚を現地の業者から購入。価格交渉を経て支払いを済ませると、その場で豚に目隠しをし、麻紐で足を縛る処理が始まります。これは動物に過度なストレスを与えないためのローカルな慣習です。
その後、トラックに積み込まれ、調理場所となるバランガイの広場へと運ばれます。そこでは、熟練の「レチョンマスター」が待機しており、すべて手作業で屠殺、毛剃り、内臓処理が行われます。見た目はショッキングに映るかもしれませんが、命をいただくことへの敬意と手間を惜しまない姿勢に、どこか神聖なものを感じます。
内臓を取り出した後は、腹の空洞にたっぷりの香草(レモングラス、タマネギ、にんにく、ローリエ)を詰め込み、さらにここが驚きポイント──「スプライト(炭酸飲料)」をボウル1杯分注入します。これは肉を柔らかくし、独特の香ばしさと甘みを加えるための“隠し味”とのこと。
最後に大きな竹の串を通し、炭火の上で約1時間半かけて、絶えず手動で回転させながらじっくり焼き上げていきます。回転を止めると焦げてしまうため、職人が交代で火加減を見ながら丁寧に焼き続けるのです。
焼きあがる頃には、香ばしい香りが辺りに立ちこめ、集まった地元の子どもたちも思わず目を輝かせて寄ってくる——それは単なる調理ではなく、“地域のお祭り”にも似た光景でした。
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