2019/07/31
皆さん、カオハガン島をご存じですか?
3Dアカデミーでは毎月スクールトリップでカオハガン島を訪れ、スタディーツアーを行っております。島の美しい自然と人々に触れ、島の生活を体験させていただくことを目的としています。
目次
カオハガン島は、フィリピンセブ島沖、ラプ=ラプ市のオランゴ環礁に属する島のひとつ。人口は650人前後で、自然が美しい豊かな島。
1991年に、元出版社社長の日本人 崎山克彦がさんがこの島を購入しました。以来、島の教育・医療・産業などを整備し、小規模ながら島内にロッジや公共トイレなどの宿泊施設を設けることで島民の収入源を整え、島の自然を維持しながら生活しています。
崎山さんが自らの著書でカオハガン島の事を「何もなくて豊かな島」と紹介したことで、日本での知名度が上がり、観光客が増えてきました。
崎山さんは他にも、奥様が日本で従事されていたアイランドキルト(カオハガンキルト)と呼ばれるキルト作りの指導など、様々な方法で島民たちの経済的自立を支援しています。
現在ではカオハガン島に嫁いだ日本人女性の杉浦佑子さんとエラミル嘉恵さんが崎山さんに代わって運営を引き継いでいます。
今回はその嘉恵さんと佑子さんに、カオハガン島に移り住むことになった経緯とカオハガン島の魅力についてお伺いしてきました!
日本で暮らしていたお二人がなぜフィリピンの小さな島カオハガン島に移り住むことになったのでしょうか?お二人にインタビューさせていただきました。
並んでいるお二人の手前がゆうこさん、奥に座っているのがよしえさんです!
○移住のきっかけは何だったのでしょう?
ゆうこさん:私が大学に入学した頃、叔父と叔母がカオハガン島を訪れていて、おもしろい島があるよ。と聞いたことがあったんです。しばらく忘れていたんですが、就活の時期に「なんかこのまま流れに乗ったままでいいのだろうか」と思っていたところたまたまカオハガン島のパンフレットをみる機会があって。タイミングかもと思い訪れたのが初めてでした。
1週間のスタディーツアーをした後、魅力を感じ10回くらい訪問を繰り返しました。ここのコミュニティや人の心のあり方はやっぱり住んでみないと分からないんだろうなと思っていた頃、1人のスタッフがカオハガン島を去ることになって。オーナーである崎山さんに「住んでみたいんです」と伝えてみたところぜひ来てくださいと。移住した後に旦那と出会い、家庭を築き、今に至ります。
よしえさん:私は日本の雑貨店で販売のお仕事をしていたんですが、そこで「カオハガン・キルト」を扱っていたんです。それを見てどんな島なんだろうと思い、訪れたのが始まりでした。それから何度も通う内に島の魅力に圧倒されて、住んでみたい!と思うように。崎山さんが日本に一時帰国された際にお会いして、お話してみたらぜひ、と。ヨガのインストラクターの仕事もしていたので、それも活かせると思い、移住を決意。移住後に夫と出会い、2人の子宝にも恵まれました。
○お二人ともご結婚前に移住していたんですね!私自身カオハガン島を訪れたのは3回ほどですが、移住したくなるその“魅力”よく分かります。続いてそのカオハガン島に来てどんな心境の変化があったのかお伺いしました。
○日本からこのカオハガン島に移住して、よしえさんは4年、ゆうこさんは5年になるとのことですが、どのような心境の変化がありましたか?またこの島で得たものはありますか?
ゆうこさん:5年前の自分と比べたらそれは大きく変わっています!結婚して子供ができて家庭を持つということがまず大きな変化で。ですが今日本は核家族化が進んで、お母さん達がすごく忙しいですよね。お母さんが一番癒されてないんじゃないかって思います。それがこの島での子育てはとても楽なんです。兄弟や親戚がみんな手伝ってくれて、お母さんがめっちゃハッピーなんです。なんなら関係ない人も手伝ってくれる。(笑)お母さんが無理しなくていいから子供の精神衛生上もすごく良い環境だと思う。
ここの人々の基本として、まず本人が”幸せ”であること。それは絶対揺るがないんです。例えば朝忙しくて朝食を抜いたりしたら、夫からすごく怒られます。(笑)「なぜ体を大事にしないんだ!」って。睡眠、食事は基本。人間が本来幸せに感じることを当然に行う。日本はそれすら犠牲にして無理をしなくちゃいけないんだという概念があるように思う。社会の中にたくさんルールがあって、周りからの評価を受けて自分のあり方を決めるから、自分が表現したいことに制限がある。この島の人々は、自分が幸せである状態、自分のあり方を当然のように知っている。仕事を理由にはしないし、優先することもない。このコミュニティの力を借りながら、人一人が周りの環境に左右されず、“自分のあり方として幸せである”ということがいかに必要か学びました。
よしえさん:この島に限らず、フィリピンの人は物をシェアする気持ちが大きいように思う。ここには冷蔵庫がないこともあり、料理したものをもらったりシェアすることがよくあるんです。たまに「あっ」と思ってしまうのが、日本で育ってきた私にとって「これは自分のもの」という感覚がまだあるんですよね。
ここの人はシェアすることの境界線が非常に少ない。だから本当にびっくりするのが、食べ物だったり自分の持ち物を自分の家の子でなくても惜しみ無くあげちゃう。自分が自分のものに境界線を張ることが恥ずかしくなりました。見習わないとなって。
1つ発見したのは、人との境界線ってなければないほど”幸せ”って感じるものなんだということ。いつまでも人と壁を作っていたら幸福感は訪れない。皆で共有することで皆一緒に幸せになれるんじゃないかな。だからお金こそたくさん持っていなくとも、幸せを感じることが出来ると気づかされました。
日本だったら、財産があって、それを使っていろんなものを得て、ストレスがたまったら買い物して、それが「幸せ!」の定義かもしれません。ですが必ずしもそうではなくて、心の底から感じる幸せとは、みんなで共有して分かち合って境界線をなくすことなんじゃないかと思います。
○この島が「何もなくて豊かな島」と言われるように、ハイテクノロジーな機能はないものの、豊かな自然の恵みや人の心がたくさんありますよね。お二人にとって”豊かな人生”とはなんだと思いますか?
ゆうこさん:やっぱり死ぬときに「あ~楽しかった」って思うような人生がいいですね。試練はあったほうが楽しいし、辛いことも含めていろんな感情を経験すること。ふと喜びを感じたとき、自然にありがとうって感謝できることがあって。本当はすごくいろんなものに生かされているんだ気づくと、豊かさを感じることもできる。繋がりを通してささいなことにも感謝できることって、豊かさを発見する一つの道しるべかもしれません。
よしえさん:「豊か」という言葉が広くて大きい言葉ですね~。私にとっての豊かさは、太陽のもとで光を浴びて体が喜んでいる、というように、人間という生き物として体がが喜ぶことを選択して生きていくことかな。なんでもない時に「あ~幸せ」って思うことがあって、その時はまさに私の人生豊かだわって思える瞬間です。だから幸せや豊かさは自分の中にあって、それに気づけるかどうかなんじゃないでしょうか。
○なるほど。“気づく”ことって大事ですよね。こうだから幸せと考えるのか、こうだけど幸せと考えるのか。平凡な1日の中にも幸せや豊かさはたくさんあって、ただ気づけていないのかもしれません。いかに感謝して生きるか。気づけていないこと、忘れてしまっていることがあるのでは?と少し立ち止まって、自分自身を見つめ直すことも必要ですね。
○今後も続けていきたいことや目標としていることはありますか?
ゆうこさん:ここのカオハガンハウスのマネージャーとしては、自分でツアーを作ったり、本を書いたりしてみたいと思っています。日本から来てくださる方々が、豊かな人生を送るためのヒントを得てくれたらいいなと思っているので、ここで私が日々体験していることを、日本の方々に還元できるようなことをしていけたらと思っています。
よしえさん:これからの人生はここで生活するというのは1つの大きなテーマ。そしていつも笑顔でいることと、自分の学びを人に還元していくこと。ここの島民達は、ここでの生活がどれだけ素晴らしいか実感がない。けど世界の人からしたら、なんて幸福感溢れる生活なんだろうって。そういうことを分かってほしい気持ちもあるので、それを家族を通して生活しながら世に発進したい気持ちです。
○自身の学びを誰かに還元するということ。それって簡単そうで難しいように思います。自分が時間をかけて得た学びを惜しみ無く教えてくれるということに還元されるほうも感謝しなければいけないなと感じました。
最後にお二人に好きな言葉を書いていただきました!
調和、敬意、感謝、、、やっぱり愛だね!と☺️
お二人のお話を聞いてたくさんの大切な感覚や言葉を学ばせていただきました。貴重なお時間をありがとうございます!!
カオハガン島の子供達は元気で優しくて、気づかされることがたくさんあります。そんな子供達にも少しずつお話を聞いてみました。
左から、Rovy、Gerlyn、sunday!
奨学金制度を利用してマクタン島の学校に通っている中学生です!
やっぱり家族と過ごす時間が一番で、毎週末船に乗って帰ってくるそう。第一優先は“FAMILY”だよ!と胸を張って言います。
将来の夢は?と聞くと、Sundayは小学校の先生、GerlynとRovyはお医者さんになりたいんだとか。まずSundayに話を聞くと、「フィリピンにはまだ文字すら読めない子供がたくさんいるから。その子達の未来のために教えてあげたい。」のだそう。なんて素晴らしい、、
続いてお医者さんになりたいという二人に「ナース?」と聞くと、いや、「ドクター!!」と断言。理由を聞くと「家族を守れるようになりたいから。」と当たり前のように言います。驚いたのは、3人ともすごく問題に向き合って現実的に考えていること。13歳の子達がこれだけ家族や人を大切に考えて、具体的に誰かを助ける方法を考えていることに良い意味でショック。
私が中学生の時そんなに家族を大事に思えてたかな?😂これだけ家族を大事にできる子供達を育てたカオハガン島もすごい。彼女達の将来が楽しみです!!
さていかがでしたでしょうか。魅力と愛がたくさんつまったカオハガン島。もしなにかに悩んでいてこの島を訪れたら、その悩みもすっきりすると思います。
セブ島留学の際には絶対に訪れてほしい島です。今から留学を考えている方にもぜひ、覚えておいてほしい。「何もなくて豊かな島」カオハガン島。その魅力はぜひその目で確かめてください!
カオハガン島のオフィシャルサイトはこちら!
英語はまだまだ拙いですが海外旅行が大好きです!留学経験はセブ島だけですが、セブ島の良さをたくさんお伝えできればと思います!