目次
- IELTSリスニング対策: スピードの速い会話に慣れる練習法- はじめに
- 1. スピードに慣れることが重要な理由
- 2. シャドーイングで耳と口を鍛える
- 3. 倍速リスニングを活用する
- 4. 要点だけを拾う練習
- 5. ネイティブ素材を日常に取り入れる
- 6. 本番シミュレーションで慣れる
- まとめ
- 速い英語が聞き取れません。どこから始めればいい?
- 倍速は何倍から始めるべき?
- シャドーイングは毎日どれくらい?
- 全部聞き取れないと不安。どう割り切る?
- おすすめの学習ルーティンは?(平日30分)
- 字幕は使っていい?
- 語彙が足りない気がする。対処法は?
- 素材は何を使う?
- 進捗はどう測定する?
- どれくらいで効果が出る?
- 集中が切れます。改善策は?
- アクセント対策は必要?
- ディクテーションは毎日やるべき?
- 本番直前のおすすめ練習は?
- 聞き取れない原因の切り分け方は?
- おすすめの設問先読みのコツは?
- モチベが続きません。どう管理する?
- 一日に長時間できないときの最小セットは?
- イヤホンとスピーカー、どっちで練習すべき?
- 当日、音声が速く感じたら?
 
IELTSリスニング対策: スピードの速い会話に慣れる練習法
はじめに
IELTSリスニングの試験で多くの受験者が直面する最大の壁のひとつが「会話のスピードの速さ」です。特にパート3やパート4では、複数の話者が自然なテンポで話すため、「音がつながって聞こえる」「途中で置いていかれる」と感じることが少なくありません。
日本で学ぶ英語は比較的クリアでゆっくりとした音声が多いため、いきなりネイティブスピードに触れると、耳が追いつかないのは当然のことです。しかし、リスニング力はトレーニングで大きく向上させることができます。
本記事では、速い会話に慣れるための効果的な練習法を紹介します。シャドーイングや倍速リスニングといった学習法から、日常生活に英語を取り入れる習慣まで、具体的なステップを解説していきます。
1. スピードに慣れることが重要な理由
IELTSリスニングでは、録音を一度しか聞けないという制約があります。そのため、音声のスピードが速く感じると「聞き取れなかった部分を取り戻そう」と焦り、さらに理解が追いつかなくなるという悪循環に陥りがちです。
ネイティブスピーカー同士の会話には以下の特徴があります。
- 
省略やリンキング: going to → gonnaのように音が短縮される
- 
イントネーションの変化:感情や強調によって抑揚が大きく変わる 
- 
情報量の多さ:短時間に複数の情報を詰め込むことが多い 
これらは試験特有のものではなく、実際の海外生活やビジネスの現場でも日常的に起こります。つまり「スピードに慣れる」というトレーニングは、IELTSのスコアアップだけでなく実用的な英語力を養うためにも重要なのです。
2. シャドーイングで耳と口を鍛える
スピードの速い会話に慣れるための代表的なトレーニングがシャドーイングです。これは、ネイティブの音声を聞きながら、ほぼ同時に自分の声で真似して発音する練習法です。
シャドーイングの手順
- 
短い音声を選ぶ(1〜2分程度が理想) 
 → IELTS公式問題集やPodcast、TED Talksなどがおすすめ
- 
スクリプトを確認する 
 → 聞き取れなかった単語や表現を事前にチェック
- 
音声を流しながら声に出す 
 → 発音や抑揚までできる限り真似する
- 
繰り返し練習 
 → 何度も同じ音声でスピードに慣れる
シャドーイングの効果
- 
耳が速さに慣れる:音の連結や省略に対応できるようになる 
- 
理解が自動化される:意味を考えるより前に「音→理解」がスムーズになる 
- 
スピーキング力向上:発音やイントネーションの自然さも改善される 
最初から完璧に真似する必要はありません。大事なのは、音を追いかける感覚を身につけ、徐々にスピードに対応できるようになることです。
3. 倍速リスニングを活用する
速い会話に慣れるもう一つの効果的な方法が、倍速リスニングです。YouTube、Podcast、オーディオブックなどには再生速度を調整できる機能があり、これを使って1.25倍速や1.5倍速で練習すると、通常スピードがゆっくりに感じられるようになります。
倍速リスニングの手順
- 
慣れた教材を使う 
 → いきなり新しい音声を速くすると挫折しやすいので、既に理解している音声から始める。
- 
1.25倍速からスタート 
 → 最初はほんの少し速いスピードに挑戦し、慣れてきたら1.5倍速に進む。
- 
通常速度に戻す 
 → 倍速で練習した後に標準速度で聞くと、「意外と余裕で理解できる」と感じるようになる。
倍速リスニングの効果
- 
処理スピードが向上する 
 → 脳が英語を処理するスピードに慣れる
- 
本番が遅く聞こえる 
 → 倍速で慣れておくと、IELTSの実際の音声が「落ち着いて」聞こえる
- 
集中力アップ 
 → 速い音声を追いかけることで、注意力が研ぎ澄まされる
特にIELTSの過去問を倍速で聞いておくと、本番では「いつもより聞きやすい」と感じる受験者が多いです。
4. 要点だけを拾う練習
速い会話を「すべて完璧に聞き取る」のは、ネイティブでない限り非常に難しいものです。IELTSリスニングで求められているのは、必要な情報を効率的にキャッチする力です。そのため、すべての単語を追うのではなく、要点に集中する練習が欠かせません。
要点を拾うためのコツ
- 
キーワードを意識する 
 → Numbers(数字)、Names(人名)、Dates(日付)、Places(地名)は得点に直結する情報。
- 
意味の塊で理解する 
 → 単語単位ではなく「phrases(フレーズ)」や「chunks(意味の塊)」で処理する。
- 
聞き逃しても立ち止まらない 
 → ひとつの部分にこだわらず、次の情報を追い続けることが重要。
実践トレーニング
- 
過去問や模擬試験を解く際に、問題文を先読みし、どんな情報が出てきそうか予測する。 
- 
音声を聞きながら「全部理解しなくてもいい」と割り切って、答えになりそうな情報だけを拾う。 
- 
復習時にスクリプトを確認し、どの部分が不要で、どこが解答に必要だったかを分析する。 
メリット
- 
全部理解できなくても焦らない 
- 
必要な情報に集中できる 
- 
本番でのメンタル的な余裕が生まれる 
要点を拾う力を鍛えることで、速い会話に対しても「聞き取れる部分を確実に得点につなげる」姿勢が身につきます。
5. ネイティブ素材を日常に取り入れる
速い会話に慣れるためには、試験対策だけでなく日常的にネイティブ英語を耳にする習慣を作ることが効果的です。机に向かった勉強時間以外でも、自然に英語を聞く環境をつくることで、耳がスピードに順応していきます。
おすすめの素材
- 
Podcast:BBC Learning English, NPR, The Daily(NY Times)など 
- 
TED Talks:さまざまなトピックに触れられ、スクリプトも公開されている 
- 
NetflixやYouTube:英語字幕をオンにして楽しむのがおすすめ 
- 
オーディオブック(Audibleなど):ストーリーを追いながら聞くと理解が深まる 
活用のポイント
- 
毎日5〜10分から始める 
 → 通学や通勤時間、家事の合間に「耳慣らし」として活用。
- 
興味のあるジャンルを選ぶ 
 → 趣味に関連する内容なら継続しやすい。
- 
リラックスして聞く 
 → 最初から全部理解しようとせず、「雰囲気をつかむ」ことを意識。
メリット
- 
無理なく「速さ」に慣れる 
- 
生きた表現や自然なイントネーションが学べる 
- 
勉強というより「習慣」として続けやすい 
試験直前だけでなく、普段の生活に英語を取り入れることで、無理なく速い会話を聞き取る力が養われます。
6. 本番シミュレーションで慣れる
どれだけ練習を重ねても、実際の試験環境で慣れていなければ力を発揮できません。そのため、本番を想定したシミュレーション練習が非常に重要です。
シミュレーション練習の手順
- 
過去問や模擬試験を使用 
 → IELTS公式問題集を中心に、本番と同じ形式・音声で解く。
- 
時間制限を守る 
 → 音声は一度だけ流し、巻き戻しや一時停止は禁止。
- 
聞き逃しても止めない 
 → 実際の試験と同じように、次の問題に集中する習慣をつける。
復習のポイント
- 
スクリプトを見ながら「どこで聞き取れなかったのか」を分析する 
- 
聞き取れなかった原因を分類する - 
語彙不足 
- 
音の省略(リンキング、弱形など) 
- 
集中力の途切れ 
 
- 
- 
その原因に応じて、語彙強化やシャドーイングなど別の練習に繋げる 
メリット
- 
本番に近い緊張感で練習できる 
- 
聞き逃しへの耐性がつく 
- 
問題形式への慣れで「余計な焦り」が減る 
実際の試験に近い環境で何度も練習することで、速い会話に対しても冷静に対応できる力が身につきます。
まとめ
IELTSリスニングでは、速い会話を聞き取る力がスコアアップの大きな鍵になります。しかし、最初から全てを理解できる必要はありません。大切なのは、徐々に耳を慣らし、必要な情報を確実にキャッチする力を身につけることです。
本記事で紹介した方法を整理すると:
- 
シャドーイングで耳と口を同時に鍛える 
- 
倍速リスニングで脳の処理スピードを高める 
- 
要点だけを拾う練習で効率的に得点につなげる 
- 
ネイティブ素材を日常に取り入れることで自然に速さに慣れる 
- 
本番シミュレーションで焦らず対応できる実戦力を養う 
これらを組み合わせて継続すれば、速い英語に動じることなく、自信を持って試験に臨めるようになります。
リスニング力は「短期間で一気に伸びる」ものではなく、毎日の積み重ねで確実に強化されていきます。焦らず続けることが、最終的に大きな成果につながります。
速い英語が聞き取れません。どこから始めればいい?
まずは1〜2分の短い音声で、スクリプト確認 → 精聴 → シャドーイング → リピーティング → 通し聞きの順で練習します。いきなり長文や高倍率再生から始めないのがコツです。
倍速は何倍から始めるべき?
おすすめは1.25倍から。1週間ほど慣れたら1.5倍へ、最終的に1.75倍まで挑戦。通常速度に戻した際に「遅く聞こえる」感覚を作ります。
シャドーイングは毎日どれくらい?
1セッション10分×2回(合計20分)が目安。1本を数日かけて仕上げる方が効果的で、素材を頻繁に変えすぎないこと。
全部聞き取れないと不安。どう割り切る?
Numbers / Names / Dates / Placesなど得点に直結するキーワードを最優先。聞き逃しても立ち止まらず、次の情報に意識を移す練習を本番形式で行います。
おすすめの学習ルーティンは?(平日30分)
- ウォームアップ(5分):既習素材を通常速で通し聞き。
- メイン(20分):短音源でシャドーイング→1.25〜1.5倍で通し。
- クールダウン(5分):スクリプトで聞き落とし原因をメモ。
字幕は使っていい?
段階的に使用が最適。初回は字幕なし→分からなかった所だけ英語字幕→仕上げに字幕なしで再挑戦。和訳字幕は復習の最後に限定。
語彙が足りない気がする。対処法は?
頻出の弱形・リンキングされやすい機能語(a, the, of, to, for, and など)と、分野別キーワード(教育・研究・環境・ビジネス)を小分けの単語帳に。聞こえた音→綴りを書き起こすディクテーションを週2回。
素材は何を使う?
IELTS公式問題集(過去問)+短尺のPodcast/TED。内容は興味のあるテーマを選ぶと継続しやすい。同一素材を数日回すことが成長の近道。
進捗はどう測定する?
- 倍速での可読率(1.5倍で内容の主旨を8割把握できるか)。
- シャドーイングの追従率(詰まり回数、言い直し回数)。
- 模試のパート別正答(Part 3/4の数値を週単位で記録)。
どれくらいで効果が出る?
毎日30分の集中練習で2〜4週間で「速さ酔い」が軽減、6〜8週間でPart 3/4の安定化が目安です(個人差あり)。
集中が切れます。改善策は?
短時間×高頻度に分割(15分×2回)。スマホは機内モード、メトロノームアプリやタイマーでポモドーロ(25-5)を採用。聞く前に問題文の設問を先読みして「何を探すか」を明確化。
アクセント対策は必要?
必要です。週ごとに焦点を変えて、英/米/豪/NZの順でローテーション。固有名詞と数字のパターン認識を優先して慣らします。
ディクテーションは毎日やるべき?
やりすぎは非効率。週2回・各10分で十分。目的は「音と綴りの対応」を固め、シャドーイングの精度を高めることです。
本番直前のおすすめ練習は?
本番シミュレーション1回(巻き戻し不可)→弱点箇所のスクリプト精読→1.25倍で通し→最後に通常速で仕上げ。新規素材の導入は避けます。
聞き取れない原因の切り分け方は?
- 語彙不足:特定分野のキーワードが未知。
- 音声変化:弱形・リンキング・脱落で音が変形。
- 戦略不足:先読み不足、優先情報の把握不足。
原因ごとに処方箋(単語補強/音声変化の練習/設問先読み)を当てます。
おすすめの設問先読みのコツは?
空欄の直前・直後の品詞(名詞・数字・形容詞など)を推定し、話題の移り変わりを示すシグナル(however, on the other hand, first, finally など)にマークします。
モチベが続きません。どう管理する?
習慣化トリガー(朝食後/通勤開始時)を設定し、学習ログを可視化。完了チェックボックスを作り、「連続日数」を伸ばすゲーム化が有効です。
一日に長時間できないときの最小セットは?
ミニマム10分:同じ1分音源を「精聴→シャドーイング→倍速1.25で通し」。短くても質が高ければ効果は出ます。
イヤホンとスピーカー、どっちで練習すべき?
イヤホンで精聴、スピーカーで環境耐性の両方を。週1回は雑音あり環境での通し練習を入れて本番耐性を高めます。
当日、音声が速く感じたら?
深呼吸→設問のキーワードを再確認→最初の30秒は話題と関係者の把握に集中。聞き逃しは切り替え、次の設問へ。

 
		 
		 
			 
			 
			 
			 
			