IELTSリスニング対策: スコア5を取る方法(基礎固め編)

はじめに

IELTSリスニングでスコア5を目指す学習者にとって、最も大切なのは「英語を耳で理解する基礎力」を安定させることです。試験に出題される音声はすべてネイティブスピードで流れるため、単語を知っていても聞き取れなかったり、設問に集中できずに答えを逃してしまったりするケースがよくあります。

しかし、スコア5は「基礎固めの段階」であり、難しい内容を理解する必要はありません。日常的な会話やアナウンスの中から、数字・日時・場所といった重要な情報を確実に聞き取れるようになれば到達できるレベルです。この記事では、スコア5を安定して取るための勉強法や練習のステップを、実践的に解説していきます。


IELTSリスニングでスコア5のレベルとは?

IELTSリスニングのスコア5は、基礎的な英語をある程度聞き取れるが、理解が部分的にとどまる段階を指します。具体的には以下のような特徴があります。

  • 短い会話や簡単なアナウンスであれば、主な内容を理解できる

  • 数字や日付、場所といった具体的な情報は拾えることが多い

  • 長めの会話や講義では、細かい部分を聞き逃すことが多い

  • 聞き取れる単語はあっても、意味をつなげて理解するのが難しい

  • 集中力が途切れると一気に聞き漏らしてしまう

このレベルは「聞き取れるところと聞き取れないところが混在している状態」であり、安定して5.0を取れるようになると、次の目標であるスコア6に向けての土台ができます。


スコア5を取るための勉強戦略

1. 毎日の耳慣らしを習慣化する

スコア5を目指す段階では、とにかく 英語を聞く時間を確保すること が最優先です。

  • 毎日20〜30分は英語音声を聞く

  • ニュースやドラマよりも、ポッドキャストや教材など聞き取りやすい素材を選ぶ

  • 100%理解できなくても「聞き取れた単語を意識する」だけで効果あり

2. 数字・日付・スペルの聞き取りを強化

IELTSリスニングでは 数字・住所・電話番号・日付 が頻繁に出題されます。

  • 数字の聞き取りをディクテーションで練習

  • 曜日や月の発音を聞き分けられるようにする

  • 名前やメールアドレスのスペルを聞いて書き取る練習をする

3. 出題形式に慣れる

IELTSリスニングは、会話・講義・地図問題など形式が多様です。

  • 過去問や模擬試験で問題形式に慣れる

  • 答えの位置を予測する習慣をつける

  • 試験独特のスピード感に触れておく

4. 生活英語の語彙を増やす

難しい学術用語ではなく、日常でよく使う単語 を強化しましょう。

  • レストラン・銀行・大学・交通・宿泊などの場面別英単語

  • 意味を覚えるだけでなく、発音も確認して「耳で理解」できるようにする


効果的な練習方法

1. ディクテーション(書き取り)

  • 短い音声を聞きながら、一言一句を書き取る練習。

  • 聞き取れなかった部分を確認すると、自分の弱点(発音・単語・スピード)が明確になる。

  • 最初は10〜20秒程度の短い音声から始めるのが効果的。

2. シャドーイング(音声のまね)

  • 音声を流しながら、同時に自分の声で繰り返す練習。

  • 意味を理解するよりも リズム・イントネーション・音のつながり を体で覚えることがポイント。

  • 毎日5分でも続けると、耳が英語に慣れて聞き取りがスムーズになる。

3. 過去問の反復演習

  • 1回目:通常通り解く

  • 2回目:スクリプトを見ながら答え合わせ

  • 3回目:スクリプトを閉じて再挑戦
    → このサイクルを繰り返すことで、弱点を克服しつつ実戦感覚を養える。

4. 短時間集中学習

  • リスニングは長時間続けると集中力が落ちやすい。

  • 1回15〜20分の「短い集中練習」を1日2〜3回行うのが理想。

  • 質の高い集中時間を積み重ねることで、リスニング力は安定して向上する。


試験当日のコツ

1. 設問を先読みして「聞くポイント」を決める

  • 音声が始まる前に設問を素早くチェックする。

  • 「数字が答えになりそう」「場所を答える問題だな」など予測しておくと聞き漏れが減る。

2. 聞き逃しても引きずらない

  • 1つの答えを逃しても気にせず、すぐに次に集中する。

  • 立ち止まると連鎖的に2〜3問落とす原因になる。

3. スペル・大文字小文字に注意

  • IELTSはスペルミスも不正解になる。

  • 特に 曜日・月・固有名詞 は事前に正しい綴りを暗記しておく。

4. 回答用紙への転記を丁寧に

  • リスニング後に10分間の「転記時間」がある。

  • 焦らず字をきれいに書くことで、ケアレスミスを防げる。

  • 消しゴムや鉛筆を準備しておくことも重要。

5. 集中力を維持する工夫

  • 試験中は緊張で聞き取りが難しくなることがある。

  • 「深呼吸をする」「ペンを軽く持つ」など、自分なりのリラックス法を取り入れると良い。


まとめ

IELTSリスニングでスコア5を取るためには、難しい英語を理解する必要はありません。大切なのは、日常的な英語の基礎を正確に聞き取れる力を養うことです。

この記事で紹介したポイントを振り返ると:

  • 毎日の耳慣らしで英語音声に慣れる

  • 数字・日付・住所・スペルなどの基本情報を聞き取れるようにする

  • 過去問で出題形式に慣れておく

  • ディクテーションやシャドーイングで弱点を克服する

  • 当日は設問の先読みと集中力維持を意識する

これらを継続して実践すれば、スコア5は安定して到達できます。基礎を固めることが、次のステップである スコア6以上 を目指すための土台になります。焦らず一歩ずつ積み上げていきましょう。


スコア5はどんな実力?到達目安を教えて

短い会話や簡単なアナウンスの要点は拾える一方、長めの説明や細部の把握が不安定な段階です。数字・日付・場所・名前などの具体情報を確実に聞き取る練習で到達・安定が可能です。

最短で伸ばすなら、毎日どのくらい聞けばいい?

20〜30分を毎日。内容は完璧理解よりも「聞き取れた単語を意識」して増やすのが目的です。集中が切れやすい人は10〜15分×2回に分割。

どんな素材を使えばいい?

  • IELTS過去問・模試(出題形式への慣れ)
  • 簡単なニュースダイジェストや学習者向けポッドキャスト(耳慣らし)
  • 地図案内・予約・大学手続きなどの生活音声(場面別語彙)

ディクテーションとシャドーイングはどっちを先に?

基礎固め段階はディクテーション → シャドーイングの順が効率的。書き取りで「聞こえていない音」を可視化し、音の連結やリズムをシャドーイングで体に入れます。

数字・日付・スペルを強化する具体メニューは?

  • 0〜9の数字連呼 → 2桁 → 電話番号・郵便番号の書き取り
  • 曜日・月名の聞き分け(綴りも同時暗記)
  • 固有名詞のスペリング dictation(B/V, F/Th など要注意ペア)

どの設問形式で点を取りやすい?

穴埋め(form/table completion)と地図問題は、問われる情報が比較的具体で狙い撃ちしやすい傾向。先読みで品詞・語種(数字/名詞/形容詞)を予測すると命中率が上がります。

先読みは何を見ればいい?

  • 空欄の直前後の語(ヒント)
  • 数字・固有名詞・方角・地名などのトリガー語
  • 設問の流れ(上から順に音声が進む前提)

聞き逃したとき、どう立て直す?

引きずらず次の設問のキーワードに即スイッチ。音声は一度きりなので、1問に固執して2〜3問落とす連鎖を断ち切るのが最優先です。

スペルや大文字小文字の採点ルールは?

  • スペルミスは原則不正解。
  • 固有名詞、曜日・月は先頭大文字。
  • 複数形やハイフンの有無は音声・設問に合わせる。

British と American の綴りはどちらでもOK?

どちらでも採点上は認められます(例:color/colour)。ただし音声や設問に合う綴りで、正確に書くこと。無理に統一する必要はありません。

数字の書式(電話番号や価格)にルールはある?

余計な記号は避け、聞こえた単位や通貨記号をそのまま。電話番号はスペースの有無は大きな減点対象になりにくい一方、数字の取り違えは即失点です。

紙(PB)とコンピューター(CB)の違いは?

  • PB:解答転記のため約10分あり。
  • CB:転記時間はなく、最後に見直し用の短時間のみ。入力欄へ直書きのため、聞きながら正確に打つ練習を。

何割正解すればスコア5に届く?

テストや年度で揺れますが、目安は約半分前後の正答で5付近に届くことが多いです。正確な換算は試験回に依存するため、安定して半分超を目標に。

どのセクション(1〜4)で点を稼ぐべき?

会話中心で難度が比較的低いSection 1・2で取り切る戦略が有効。Section 3・4は部分点狙いで無理に完答を目指さない。

リスニング中にメモは必要?

スコア5狙いなら、長文要約のようなメモよりキーワードと数字のみに絞るのがおすすめ。メモ過多は聞き漏れの原因になります。

語彙はどう増やす?難単語帳は必要?

まずは生活場面語彙(銀行・病院・大学・交通・宿泊など)を優先。難単語より「聞いて分かる」頻出語を音とセットで覚えます。

過去問は何周する?復習のコツは?

  • 1周目:素解き → 採点
  • 2周目:スクリプト照合(聞き落とし分析)
  • 3周目:スクリプトなしで再挑戦(音の連結に注目)

家でもできる地図問題対策は?

設問の方角語(north, opposite, next to, across from など)を先に暗記。音声前に経路やランドマーク名へ印を付け、動詞(turn, go past, continue)に反応する練習を。

聞き取りが安定しません。発音トレは必要?

受信力の改善には発音の再現が近道。自分で正確に発音できる音は聞き取りやすくなります。シャドーイング音声を録音し、母音・子音、語末の弱化を自己チェック。

試験直前の最終チェックリストは?

  • 曜日・月・地名・人名の綴り
  • 数字(特に13/30, 15/50 など)
  • 方角語・位置関係の表現
  • 転記時の大文字小文字・単複・綴り

伸びが止まりました。学習の停滞を破る方法は?

素材を「やさしめ」と「やや難」を交互に。やさしめで成功体験を積み、やや難で課題抽出。週1回は完全初見素材で実戦感覚を維持します。

おすすめの学習サイクルを1日の例で教えて

  • 朝:耳慣らし10分(ポッドキャスト)
  • 昼:ディクテーション15分(数字・固有名詞中心)
  • 夜:過去問1セットの一部+シャドーイング10分

当日のメンタル対策は?

深呼吸→先読み→キーワード待機のルーティン化。1問逃しても「次!」と口の中で合図を出して切り替えます。終盤ほど丁寧に転記を。

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