IELTSリスニング対策: Matching問題のコツ
はじめに
IELTSリスニングの試験では、問題形式ごとに必要なスキルが異なります。その中でも「Matching問題(マッチング問題)」は、受験者が混乱しやすい形式のひとつです。理由は、人名や場所、意見、活動など複数の情報を関連付ける必要があり、リスニングの最中に同時に整理する力が求められるからです。
Matching問題では、話者が複数の人物や物事について次々と説明していきます。その中から、**「誰がどの意見を持っているのか」「どの場所で何が行われるのか」**といった関係性を正しく聞き取らなければなりません。単純にキーワードを聞き取るだけでなく、文脈や言い換えを理解することが求められるため、Listeningの中でも特に注意力が試されるパートです。
この記事では、Matching問題の特徴を整理しながら、効率よく解答するための具体的なコツと学習法を解説していきます。
Matching問題とは?
IELTSリスニングにおける**Matching問題(マッチング問題)**とは、ある項目を別のリストと正しく対応づける形式の問題です。典型的には、人名・場所・日付・活動・意見などを、適切な説明や特徴と結びつけるように出題されます。
出題例
Q11–14: 次の人名(A–C)とそれぞれが好む趣味をマッチさせなさい。
選択肢:音楽鑑賞 / サイクリング / 料理 / 映画鑑賞
この場合、リスニングの中で「誰が何を好きなのか」が言及されるので、それを聞き取って対応させる必要があります。
出題される場所
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Part 2(説明やガイドの場面で、施設やサービスを対応させる) 
- 
Part 3(複数の学生や人物の意見・態度を関連づける) 
特徴
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情報が一度しか流れない 
- 
設問の順番と音声の流れが一致しない場合がある 
- 
同じ趣味・意見に複数人が当てはまることもある 
Matching問題は、単純にリスニング力だけでなく、情報整理能力・同義表現の理解力も同時に問われる問題形式です。
よくある難しさ
Matching問題では、単に耳で聞くだけでなく、複数の情報を比較・整理する力が求められるため、多くの受験者が苦戦します。代表的な難しさは以下の通りです。
1. 情報が一度しか流れない
リスニングは基本的に一発勝負です。聞き逃してしまうと、後から戻って確認することができません。特に名前や活動内容などが一瞬で言及されるため、集中力が求められます。
2. 似た内容が複数登場する
例えば「cycling」と「mountain biking」、「watching films」と「going to the cinema」のように、非常に似た趣味や活動が出てくる場合があります。細かい違いを聞き分けられないと、誤答につながります。
3. 順番通りに出題されない
問題番号の順番と、音声で話される順番が一致しないケースがあります。そのため、**「11 → 12 → 13」**と順に聞こうとすると混乱することがあります。
4. 同義表現(パラフレーズ)が多い
試験では、設問に書かれている言葉と同じ表現はあまり使われません。
- 
例:「like」=「enjoy」「be keen on」「be interested in」 
- 
例:「expensive」=「costly」「not cheap」 
言い換えを理解できないと、正しく対応させるのが難しくなります。
解答のコツ
Matching問題で正答率を高めるためには、事前の準備とリスニング中の工夫が重要です。以下のポイントを意識すると効果的です。
1. 設問をよく読む
- 
音声が流れる前に、**マッチングする対象(人名や場所など)と選択肢(意見や活動など)**を確認しておきましょう。 
- 
「これは人の名前」「これは趣味」など、頭の中でカテゴリを整理しておくと聞き取りやすくなります。 
2. キーワードを押さえる
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人名・場所・固有名詞は特に重要です。音声中で出てきたときに「ここが答えのポイントだ」と気づきやすくなります。 
- 
活動や形容詞など、具体的な特徴を示す単語もヒントになります。 
3. 同義表現(パラフレーズ)を意識する
- 
「like → enjoy」「cheap → affordable」「difficult → challenging」など、よく出る言い換えを把握しておきましょう。 
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リスニング教材のスクリプトを使って、言い換え表現をメモする練習がおすすめです。 
4. 消去法を活用する
- 
すぐに答えが分からない場合でも、明らかに違う選択肢を消しておくことで、残りの選択肢から推測しやすくなります。 
5. 順番にこだわらない
- 
問題番号がリスニングの流れと一致しないことがあるため、「必ずQ11の後にQ12が来る」とは限りません。 
- 
柔軟に聞き取り、答えがわかったところから埋めるようにしましょう。 
練習方法
Matching問題は、単に「解いて答え合わせ」するだけでは上達が難しい形式です。以下のように、意識的にステップを踏んで練習すると効果的です。
1. Matching問題を集中的に練習する
公式問題集や過去問からMatching問題だけをピックアップし、繰り返し解いて慣れていきましょう。形式に慣れることで、余計な不安が減ります。
2. スクリプトを分析する
解き終えた後に必ずスクリプトを確認し、
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設問に使われていた単語と音声で実際に使われた言い換え表現 
- 
答えのヒントとなる部分の前後の文脈 
 をチェックします。これにより、パラフレーズの感覚を養えます。
3. 名前やキーワードをメモする練習
リスニング中に人名や固有名詞が出てきたら、頭文字や略語で素早くメモを取る練習をしましょう。後から「誰が何を言ったか」を整理しやすくなります。
4. 実戦形式で時間管理
実際の試験では考える時間が限られているので、過去問を解く際は「設問を先に30秒で確認→音声を1回だけ聞く→即答する」という流れを守って練習しましょう。
5. 弱点をパターン別に克服
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「パラフレーズに弱い」→ 同義表現リストを作成 
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「順番がずれると混乱する」→ 音声の流れを図解して整理 
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「人名の区別が難しい」→ 先に人名リストに印をつける 
まとめ
IELTSリスニングのMatching問題は、情報の関連付け・同義表現の理解・集中力が同時に試されるため、受験者が特に苦戦しやすい形式です。しかし、解き方のコツを意識すれば、正答率を大きく上げることができます。
ポイントを振り返ると:
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設問を先に読んで、対象と選択肢を整理しておく 
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名前や固有名詞などのキーワードに注目する 
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パラフレーズ表現を意識する 
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消去法を積極的に活用する 
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問題番号の順番にこだわらず柔軟に答える 
さらに、日々の練習では「スクリプト分析」や「メモ取り練習」を繰り返すことで、試験本番でも落ち着いて対応できるようになります。
Matching問題は最初は難しく感じますが、形式に慣れ、同義表現に敏感になることで確実に得点源にできるパートです。継続的な練習を通じて、自信を持って臨めるようにしましょう。
FAQ(よくある質問)
Q1. Matching問題はどのパートで出題されますか?
A. 主に Part 2(説明やガイド場面) と Part 3(学生や複数人の会話) に出題されることが多いです。
Q2. 順番通りに答えが出てこないのは普通ですか?
A. はい。Matching問題では、設問番号と音声の順番が一致しないことがあります。そのため「順番に埋める」のではなく、わかったところから答えるのがコツです。
Q3. 人名を聞き逃した場合はどうすればいいですか?
A. 人名は一度しか出てこない場合が多いので、完全に聞き逃すと厳しいですが、文脈や選択肢をもとに消去法で推測できるケースもあります。
Q4. パラフレーズが難しくて混乱します。どう対策すれば?
A. 解き終えた後にスクリプトを確認し、設問の単語と音声で使われた表現を対比させてリスト化するのがおすすめです。自分専用の「言い換えノート」を作ると効果的です。
Q5. 選択肢が似すぎて判断できません。
A. 細かい違いに注目してください。例えば「cycling」と「mountain biking」は「自転車」という共通点はありますが、片方は山道限定という違いがあります。形容詞や条件の違いが答えの決め手になります。
Q6. Matching問題は難易度が高いですか?
A. 個人差がありますが、多くの受験者にとって難易度が高めの形式です。ただし、形式を理解し慣れることで得点源にできるパートです。
Q7. メモは取った方がいいですか?
A. はい。特に人名や数字などは簡単にメモしておくと、後で選択肢と照らし合わせやすくなります。
Q8. 音声を聞く前に設問を全部チェックする時間はありますか?
A. 各セクションの冒頭で約30秒の確認時間が与えられます。その間に設問を素早く把握し、キーワードに下線を引くなど準備しておくと効果的です。
Q9. 答えが複数人に当てはまることはありますか?
A. はい。1つの選択肢が複数の人物に割り当てられることもあるので注意が必要です。
Q10. 本番直前のおすすめ勉強法は?
A. 直前は新しい問題に取り組むより、過去に解いたMatching問題を復習し、パラフレーズ表現を再確認する方が効果的です。

 
		 
		 
			 
			 
			 
			 
			