IELTSリスニング対策: メモ取りと略語の使い方完全解説

はじめに

IELTSリスニングは限られた時間の中で大量の情報を処理する必要があるため、ただ「聞いて理解する」だけでは得点につながりません。実際の試験では、住所や電話番号といった細かい数字から、学術講義で使われる専門用語まで、幅広い内容が一度きりで流れていきます。そのため、聞いた情報を効率よく書き留めるスキルが重要になります。

特に有効なのが、メモ取り略語の活用です。必要な情報を短く素早くメモすることで、集中力を保ちながらリスニングを進めることができます。また、あらかじめ略語や記号のルールを自分の中で決めておけば、本番中に迷わずスムーズに記録でき、解答精度の向上につながります。

この記事では、IELTSリスニングにおけるメモ取りの基本から、実際に使える略語や記号の具体例、さらにはセクションごとの戦略までを体系的に解説します。これを習得することで、聞き取りの精度とスピードが同時にアップし、得点力を大きく伸ばすことができるでしょう。


なぜメモ取りが重要か

IELTSリスニングにおいて、メモ取りは単なる補助作業ではなく得点に直結するスキルです。理由は大きく3つあります。

1. 情報量が膨大で一度しか聞けない

リスニングは合計40問、放送は1回しか流れません。特に住所・日時・数字・専門用語といった細かい情報は一度逃すと取り戻せません。メモを残すことで、記憶の取りこぼしを最小限に抑えることができます。

2. 設問とのリンクを強化できる

IELTSリスニングは設問の順番に沿って音声が進むため、メモの順序=解答の手がかりになります。先読みで設問を確認しておけば、必要な情報を意識して待ち構え、聞き取った瞬間に素早くメモできるようになります。

3. 短期記憶の限界を補う

人間の短期記憶は数秒から数十秒しか持ちません。会話や講義を聞き続けながら正確な答えを頭に残すのは困難です。メモを使えば、一度キャッチした情報を紙に固定できるため、安心して次の内容に集中できます。

まとめ

  • メモは「記録」ではなく「得点のための戦略」

  • 必要な情報を残せば、それだけ解答の精度が上がる

  • 本番で慌てないために、普段から自分のメモ取りスタイルを確立しておくことが重要


効果的なメモ取りの基本ルール

IELTSリスニングでは、すべてを書き写す必要はありません。むしろ「いかに少ない文字で、必要な情報を効率的に残すか」がポイントです。以下の基本ルールを意識することで、実用的なメモ取りができます。

1. すべて書こうとしない

全文を追いかけてメモしようとすると、次の内容を聞き逃してしまいます。大事なのは「キーワード」や「答えに直結する情報」だけを抜き出すことです。
例:

  • 「The meeting will be held on September 21st at the main library」
     → “21 Sep / main lib” とだけ書けば十分。

2. 順序を意識して書く

設問は基本的に音声の進行に沿っています。情報を聞いた順に書けば、後で設問と照合しやすくなります。無理にまとめたり整理しようとせず、聞いた順にシンプルに並べることがポイントです。

3. 後で読める字で書く

速さを優先しすぎて、あとから自分でも判読できない字を書いてしまうのは本末転倒です。試験本番では緊張感もあるため、最低限「自分だけが分かる字」を心がけましょう。

4. 視覚的に整理する

  • 箇条書きで一行ずつ情報を並べる

  • 矢印や記号で因果関係を表す

  • 人物ごとに区切りをつける

こうすることで、見直したときに素早く答えを特定できます。


IELTSリスニング用 略語・記号の活用術

リスニング試験では、いかに短く・早く・分かりやすく書くかが勝負です。そのために欠かせないのが「略語」と「記号」の活用です。自分だけが理解できるルールを持っておけば、メモの効率が格段に上がります。

1. よく使う略語の例

試験で頻出する単語をあらかじめ短縮しておくと便利です。

  • info = information(情報)

  • gov = government(政府)

  • edu = education(教育)

  • env = environment(環境)

  • uni = university(大学)

  • dep = department(学科・部署)

  • num = number(番号・数)

  • lib = library(図書館)

  • accomm = accommodation(宿泊施設)

2. 自分専用の略語を作る

公式な略語でなくても構いません。自分が理解できれば十分です。

  • 日本語+英語のハイブリッド例

    • 経 = economy

    • 資 = resources

    • 発 = development

  • 頭文字だけでメモする

    • P = price, PR = problem, SOL = solution

3. 記号の活用

文字に頼らず、記号で素早く意味を残すとスピードが格段に上がります。

  • → :結果、方向、次のステップ

  • ↑ / ↓ :増加・減少、上昇・下降

  • = :同じ、等しい

  • ≠ :違う、反対

  • ? :不明点、確認が必要な情報

  • ○ / ✗ :肯定・否定

  • ★ :重要ポイント

4. 略語と記号を組み合わせる

例:

  • “↑ num visitor” → 観光客数の増加

  • “gov → new pol” → 政府が新しい政策を導入

  • “? dep” → 部署の名前を聞き取れなかったので要確認

5. 普段から略語を慣らす

試験本番で初めて使うのではなく、普段の練習時から同じ略語・記号を繰り返し使って慣れておくことが重要です。


セクションごとのメモ取り戦略

IELTSリスニングは全4パートに分かれており、それぞれ求められる情報や出題傾向が異なります。したがって、場面ごとにメモの取り方を変えることが得点力アップにつながります。

Part 1(日常会話:予約・問い合わせなど)

  • 特徴:住所、電話番号、日時、名前などの細かい情報が中心。

  • メモのコツ:

    • 数字は聞いたまま素早く書く(例:“21/9”=9月21日)。

    • 名前は頭文字+発音の特徴で残す(例:“Smt / Smith?”)。

    • 略語で場所を記録(例:“lib”=図書館、“stn”=station)。

Part 2(説明・案内:ツアー、施設紹介など)

  • 特徴:地図問題や建物内の説明が多い。

  • メモのコツ:

    • 地図には「Bldg(建物)」「Rd(道路)」「P(駐車場)」など短縮形を使用。

    • 矢印を使い「左→」「右→」など移動経路を素早く書く。

    • ポイントごとに番号をつけて順序を整理。

Part 3(ディスカッション:学生同士や教授との会話)

  • 特徴:複数人の意見が出て、混乱しやすい。

  • メモのコツ:

    • 人物ごとにイニシャルをつけて意見を分ける(例:“A:”と“B:”)。

    • 矢印や対比記号で意見の方向性を整理(例:“A ↑ cost / B ↓ cost”)。

    • “+”=賛成、“–”=反対、など簡単な記号で態度を記録。

Part 4(講義形式:学術的トピックの説明)

  • 特徴:専門用語や構成のある説明(原因→結果、問題→解決策)が多い。

  • メモのコツ:

    • 専門用語は頭文字や略語で残す(例:“bio div”=biodiversity)。

    • 図解や箇条書きを使い「原因→結果」「問題→解決策」を整理。

    • 強調された部分には★マークをつけ、重要性を区別。


練習方法

効果的なメモ取りと略語の活用は、一朝一夕では身につきません。普段から意識的に練習し、自分に合ったスタイルを確立することが大切です。以下の手順で練習を進めましょう。

1. 略語リストを作る

まずは自分専用の略語集を用意します。IELTS頻出の単語(university, government, environment など)を短縮してリスト化し、普段から繰り返し使って慣れておきましょう。

2. ポッドキャストや過去問で実践

BBCポッドキャストやIELTS過去問を使って、聞きながら実際にメモを取る練習をします。初めは情報を残すことに集中し、徐々にスピードと精度を上げていくのがポイントです。

3. メモから全文を復元してみる

一度聞き終わったら、メモだけを見て内容を文章として再現してみます。これにより、自分の略語が本当に理解できるか、情報の抜けや混乱がないかを確認できます。

4. 本番形式で練習する

模擬試験の流れ(先読み→リスニング→メモ→答え合わせ)を繰り返し行いましょう。本番と同じ緊張感で練習することで、試験当日に慌てず対応できます。

5. 自分の弱点を分析

  • 数字が弱い人 → 数字の聞き取り練習+数字専用略語を強化

  • 専門用語が弱い人 → 頭文字メモ+分野別の用語リストを準備

  • 速さに追いつけない人 → まず短い音声で「要点だけメモ」を徹底


まとめ

IELTSリスニングで高得点を取るためには、単に耳で理解するだけでなく、効率的にメモを取り、必要な情報を正確に残すスキルが欠かせません。

  • 全文を書かない:キーワードと答えに直結する情報だけを抜き出す

  • 略語・記号を活用する:スピードと理解力を両立できる

  • セクションごとに戦略を変える:数字重視・地図重視・意見整理・講義構造把握など

  • 練習を積み重ねる:自分専用の略語ルールを作り、模試形式で繰り返す

これらを習得すれば、本番中に情報を聞き逃して焦ることが減り、落ち着いて解答できるようになります。

メモ取りは単なる補助ではなく、得点を安定させるための最強の武器です。自分に合ったスタイルを磨き上げ、IELTS本番で確実に成果を出せるよう準備を進めましょう。


FAQ:メモ取りと略語の使い方完全解説

IELTSリスニングでメモ取りは必須ですか?

必須ではありませんが、スコアを安定させる有効な戦略です。短期記憶の限界を補い、数字・固有名詞・専門用語の取りこぼしを防ぎます。

全文を書き取るべきですか?

いいえ。答えに直結するキーワードのみを抜き出します。例:「21 September at main library」→「21 Sep / main lib」。

どんな略語を用意すればよいですか?

頻出語を短縮します。例:info(information), gov(government), uni(university), dep(department), env(environment), lib(library), accomm(accommodation)。

自作の略語は使っても大丈夫?

問題ありません。自分が一貫して読めればOKです。日本語×英語のハイブリッドも可(例:経=economy、資=resources)。

記号は何を使うと便利?

→(因果・流れ)、↑/↓(増減)、=(同じ)、≠(違い)、?(不明・再確認)、+/-(賛成・反対)、★(重要)。

数字・日付を素早くメモするコツは?

数字はそのまま、日付は省略形(21 Sep)。時刻は24h表記が速い(14:30)。電話番号はブロック分け(020 / 7946 / 0958)。

名前・スペル確認はどう書く?

頭文字+特徴で即記録(Smi?)。スペルアウトが来たらハイフンで区切り(S-M-I-T-H)や「=」で確定印を付けます。

地図問題のメモ取りは?

ラベルは短縮形(Rd=road, Ave=avenue, Bldg=building, Car P=car park)。矢印で動線(L→ / R→ / N↑)。

Partごとの違いは?

Part1:数字・固有名詞中心/Part2:地図・案内/Part3:複数意見の対比/Part4:講義の構造(原因→結果、問題→解決)。

先読みとメモ取りはどう連携させる?

先読みで空所の「品詞・情報タイプ(数字・名詞・形容詞)」を予測し、対応する略語・記号を準備します。

聞き逃したらどうする?

空白にせず、推測の印「?」や代替案を書いて次へ進む。引きずらないことが全体正答を上げます。

メモはどのくらい丁寧に書くべき?

後で自分が判読できる最低限でOK。速さ>綺麗さ。ただし判読不能はNGなので一貫した書き癖を作ります。

本番で略語を使っても採点に影響しませんか?

メモは自分用なので影響しません。解答転記では問題文の指示(スペル・大文字小文字・語数)を厳守します。

転記時間にやるべきことは?

数字・綴り・単複・語尾の確認。略語→正式語への置き換え。設問形式(単語数制限)を満たしているか再確認。

練習で効果を最大化する方法は?

同じ略語セットを固定し、メモのみから内容復元→答え合わせのループ。短い音源から開始し、徐々に長くします。

よくあるミスと対策は?

  • 書きすぎる → キーワード抽出に徹する
  • 略語がバラバラ → 事前にマイ規則を固定
  • 順番を崩す → 音声の流れ通りに並記
  • 転記漏れ → ★印で要転記箇所を可視化

イギリス英語とスペリングは気にするべき?

転記時は設問・リスニングの綴りに合わせます(例:colour, programme)。メモ段階は短縮でOKです。

推奨の筆記具やレイアウトは?

消しやすい鉛筆+消しゴム。見開き左:メモ、右:番号付き空所メモ。行間を広く取り追記に備えます。

時短テンプレはありますか?

日時:DD Mon / 24h、金額:$ / £ + 数字、場所:bldg / rd / stn、人物:A/Bで話者分離、構造:原因→結果、問題→対策。

IELTSリスニング対策: IELTS Listening総合ガイド【2025-2026年版】

IELTS対策・受験総合ガイド – 完全攻略【2025−2026年版】

類似投稿