目次
- IELTSリスニング対策: スコア6を取る方法(中級者向け戦略)- はじめに
- スコア6の目安と必要な正答数
- 戦略①:設問形式ごとの対策
- 戦略②:リスニング力の強化法
- 戦略③:集中力と時間管理
- 戦略④:実戦演習の積み重ね
- よくある失敗と対策
- まとめ
- IELTSリスニングでスコア6の目安は?
- 5.5から6.0に上げるには何問多く正解すればいい?
- 一番コスパの良い勉強法は?
- 先読みは具体的に何をする?
- 数字・スペルミスを減らすコツは?
- 言い換え(パラフレーズ)に弱い時の対処法は?
- 地図問題(Map/Diagram)で迷子になります
- 集中が続かず連続で落とします
- どの教材を何冊やればいい?
- 毎日の最短メニュー例は?
- アクセント対策は必要?
- メモはどの程度取るべき?
- 単語力とリスニング、どちらを先に伸ばす?
- 本番でパニックになったら?
- 6.0に届かない原因をどう特定する?
- どれくらいの期間で6.0は狙える?
- 転記時間で必ずやるチェックは?
- 6.0を安定させた後の次の目標は?
 
IELTSリスニング対策: スコア6を取る方法(中級者向け戦略)
はじめに
IELTSリスニングでスコア6を目指す学習者は、すでに基本的なリスニング力を持ち、日常会話や簡単なニュース・アナウンス程度であればおおむね理解できる段階にいます。しかし、試験本番ではスピードの速い英語、複雑な言い換え表現、数字や固有名詞の聞き取り、そして一度しか流れない音声という条件が重なり、思った以上に得点が伸び悩むケースが少なくありません。
スコア6は「英語で生活や学習を行ううえで大きな支障はないが、細部で誤解や聞き逃しが起こりやすい」レベルとされます。言い換えれば、基礎をしっかり固めつつ「弱点を減らし、安定して正答数を積み上げること」が求められるステージです。
この記事では、スコア5から6へステップアップするための中級者向け戦略を具体的に紹介します。設問形式ごとの攻略法、効果的なトレーニング方法、集中力の維持法までを整理し、「確実に取れる問題を落とさない」ための学習の方向性を明確にします。
スコア6の目安と必要な正答数
IELTSリスニングは 全40問 で構成されており、正答数によってバンドスコアが決まります。スコア6を取るための目安は以下のとおりです。
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スコア6.0の目安:おおよそ 23〜26問正解 
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スコア5.5との差:スコア5.5は約 18〜22問正解 
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スコア6.5との差:スコア6.5は約 27〜29問正解 
つまり、スコア5.5から6.0に上げるには、 プラス3〜5問の正答数アップ が必要です。
スコア6を狙う学習者にとってのポイント
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全問を完璧に取る必要はなく、 落としてもいい問題を見極める ことが重要。 
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簡単な設問でのケアレスミスを減らすことが、最も効率的に得点を伸ばす方法。 
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「聞き逃した=全滅」ではなく、文脈から 推測できる問題を拾えるか が勝敗を分ける。 
意識すべき学習姿勢
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正答数を1〜2問増やすだけでも、バンドスコアが0.5上がる可能性がある。 
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「満点を目指す」よりも「失点を最小限に抑える」ことを優先する。 
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苦手分野(数字・固有名詞・地図問題など)を潰すことで、安定してスコア6に到達できる。 
戦略①:設問形式ごとの対策
IELTSリスニングは、出題形式ごとに求められるスキルが異なります。スコア6を狙う段階では「それぞれの形式に慣れておき、典型的な落とし穴を回避できること」が大切です。
1. Multiple Choice(選択問題)
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特徴:選択肢が3〜4つあり、本文では直接的に同じ単語が出ない。言い換えが多用される。 
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対策 - 
選択肢のキーワードを事前に確認し、同義語やパラフレーズを予想。 
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本文の中で 同じ意味の別表現 が出たときに反応できるようにする。 
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迷った場合は「明らかに違うものを消去法で除外」し、消去法を使ってでも得点につなげる。 
 
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2. Form/Note/Table Completion(フォーム・ノート・表の穴埋め)
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特徴:住所、電話番号、日付、固有名詞などがよく出題。1単語または数字で答えるケースが多い。 
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対策 - 
数字・アルファベット の聞き取りに慣れる(特にイギリス英語の発音)。 
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綴りを間違えると即不正解になるため、スペル練習を徹底する。 
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書き込む前に文法を確認し、「単数か複数か」「名詞か形容詞か」を判断する。 
 
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3. Map/Diagram Labelling(地図や図表へのラベル付け)
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特徴:方向(north, south, left, right)や位置関係(next to, opposite, across from)が多用される。 
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対策 - 
問題を先に見て、地図の「始点」と「移動方向」を確認しておく。 
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説明が進む順番に沿って地図を追いかける習慣をつける。 
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聞き逃した場合でも、地図全体の流れから推測できるようにする。 
 
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4. Matching(マッチング問題)
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特徴:話の内容を分類・対応させる形式。話者が複数の場合もある。 
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対策 - 
音声の中で「意見」「好み」「理由」などが出てきたら即メモ。 
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キーワードだけをメモすることで、後から答えを選びやすくする。 
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聞いた情報を整理しながら聞く訓練を積む。 
 
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5. Sentence Completion(文完成問題)
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特徴:1〜2単語で答えを補う形式。文法的に正しくなければ不正解。 
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対策 - 
空欄の前後を読み、答えが「名詞・動詞・形容詞」どれかを予測。 
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文法的に不自然にならないよう注意。 
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よく使われるパターンをストックしておく(例:”The purpose of the meeting is ___.”)。 
 
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戦略②:リスニング力の強化法
スコア6を目指す中級者にとっては、「基礎的な聞き取り」から「細部まで正確に聞き取る力」へレベルアップすることが重要です。ここでは効果的なトレーニング法を紹介します。
1. シャドーイング(Shadowing)
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方法:音声を聞きながら、0.5〜1秒遅れて声に出して追いかける。 
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効果 - 
英語のリズムやイントネーションに慣れる。 
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聞き取りスピードが向上する。 
 
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コツ - 
最初はスクリプトを見ながら練習 → 慣れたらスクリプトなしで挑戦。 
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毎日5分程度でも継続すると効果が出やすい。 
 
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2. ディクテーション(Dictation)
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方法:短い音声を数秒ずつ止めて、聞こえた内容をすべて書き取る。 
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効果 - 
弱音・リエゾン(音のつながり)に気付ける。 
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聞き取れていない単語を可視化できる。 
 
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コツ - 
完璧に書き取れなくても良い。聞き取れなかった部分をスクリプトで確認し、繰り返し練習することが大切。 
 
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3. スクリプト精読(Script Analysis)
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方法:リスニング教材のスクリプトを読み込み、どのような言い換えが使われているか確認する。 
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効果 - 
問題文と音声の「言い換えパターン」を理解できる。 
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よく出る表現や言い回しを暗記できる。 
 
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コツ - 
単語単位ではなく「フレーズ単位」でチェックする。 
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同義語やパラフレーズをノートにまとめておくと便利。 
 
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4. 本番を想定した音声慣れ
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IELTSでは イギリス英語・オーストラリア英語・ニュージーランド英語 が多く登場。 
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可能な限り多様なアクセントの教材を活用し、耳を慣らしておく。 
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BBCやABCニュースの短いクリップを日常的に聞くのも効果的。 
戦略③:集中力と時間管理
IELTSリスニングは 約30分の音声+10分の解答転記時間 で構成されます。音声は一度しか流れず、集中が途切れるとすぐに得点を落としてしまうため、スコア6を狙う段階では「集中力の持続」と「効率的な時間管理」が欠かせません。
1. 設問の先読み習慣をつける
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各セクションの冒頭に30秒ほどの「確認時間」がある。 
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この時間で 設問に出てくるキーワードをチェックし、どの場面で出そうか予測 する。 
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例:電話番号や住所が空欄にある → 音声の冒頭部分で出てくる可能性が高い。 
2. 聞き逃しても立ち止まらない
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一度聞き逃すと焦って次の問題も落としやすい。 
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「次の問題に切り替える」意識を持つことが大事。 
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後から推測できる場合もあるため、空欄はとりあえず埋めておく。 
3. 集中力を維持する方法
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模試を解くときは 40分間、休憩なしで解く練習 をする。 
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実際の試験と同じ緊張感を再現することで、本番の集中力を鍛えられる。 
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自宅練習では「雑音を入れた環境」でリスニングするのも効果的(カフェや駅の音を再現)。 
4. メモの取り方
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長文をノートに取る必要はなく、キーワードだけメモ すれば十分。 
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例: - 
“meeting → Monday 3pm” 
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“room → second floor” 
 
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最低限の情報を残しておくことで、後から問題を見直したときの助けになる。 
5. 解答転記時間の活用
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試験最後に10分間の転記時間が与えられる。 
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この時間は単なる「書き写し」ではなく、スペル・文法の確認時間 として使うこと。 
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特に「単数・複数」「冠詞(a, the)」「綴りミス」は、転記の際に修正できれば大きな得点アップにつながる。 
戦略④:実戦演習の積み重ね
スコア6を安定して取るためには、知識やトレーニングだけでなく、本番形式での演習を繰り返すこと が不可欠です。試験独特の緊張感や制限時間の中で実力を発揮できるようにするには、日常学習に加えて定期的に模試を取り入れる必要があります。
1. 公式問題集の活用
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Cambridge IELTS Official Guide / Past Papers を中心に学習する。 
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少なくとも 3冊以上を繰り返し解く のがおすすめ。 
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「解きっぱなし」ではなく、間違えた理由を徹底的に分析 することが重要。 
2. 模試形式での練習
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週に1回は 本番同様の環境(静かな部屋・時間制限あり・一発勝負) で模試を行う。 
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解答後は必ずスクリプトを確認し、どの段階で聞き逃したかを分析する。 
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間違えた問題を「単語不足・言い換えへの対応不足・集中力の欠如」などに分類して対策を立てる。 
3. 弱点克服のループ
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単なる「数をこなす」練習では伸びにくい。 
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弱点を見つけて 短期集中で補強 → 再度模試で確認 のサイクルを回す。 
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例:数字をよく聞き逃す → 数字の音声教材を使って集中的に練習。 
4. スコア記録と分析
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模試や練習の正答数を毎回記録し、進歩を可視化する。 
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「毎回同じ箇所で失点していないか」を振り返り、改善のヒントにする。 
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徐々に正答数が安定して 23問以上 を取れるようになれば、スコア6に到達できる可能性が高い。 
よくある失敗と対策
スコア6を狙う学習者に多いのは、基礎力はあるものの「小さなミス」で点を落としてしまうケースです。ここでは代表的な失敗例と、その克服法を整理します。
失敗①:数字や固有名詞を聞き逃す
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例:電話番号、住所、名前のスペルなど。 
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原因:数字やアルファベットの聞き取り練習不足。 
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対策: - 
毎日少しずつ「数字・アルファベットのリスニング練習」を行う。 
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特にイギリス英語の発音(例えば “nought” = 0)に慣れておく。 
 
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失敗②:選択肢に惑わされる
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例:本文中で複数の選択肢に似た内容が出て混乱。 
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原因:言い換え表現への対応不足。 
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対策: - 
問題文と音声の言い換えパターンを整理して暗記。 
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「キーワードがそのまま出る」と思わず、意味を追う ことを意識する。 
 
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失敗③:集中が途切れて連続失点
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例:1問聞き逃すと焦って、その後も数問連続で落とす。 
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原因:切り替えができず、焦りがパフォーマンスを下げる。 
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対策: - 
「聞き逃しても次に切り替える」練習を普段から意識する。 
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模試中は、空欄を残さず とりあえず推測で埋める 習慣をつける。 
 
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失敗④:スペルや文法のミスで失点
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例:「libary」と書いてしまう(正しくは library)。 
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原因:転記時の確認不足。 
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対策: - 
10分間の解答転記時間を「スペル・文法確認」に使う。 
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特に単複の -s や a/the の抜けに注意。 
 
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失敗⑤:練習不足による形式への不慣れ
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例:地図問題やマッチング問題で手が止まる。 
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原因:形式ごとの特徴を把握していない。 
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対策: - 
各設問形式を意識して練習し、解き方の型を習得する。 
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本番で初めて見るような感覚にならないように準備する。 
 
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まとめ
IELTSリスニングでスコア6を取るには、単に「英語を聞き取る」だけでは不十分です。必要なのは、試験特有の形式に慣れ、弱点を減らし、安定して得点を積み重ねる力です。
本記事で紹介したポイントを整理すると次の通りです。
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必要な正答数:40問中23〜26問を目指す。 
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設問形式対策:選択問題は言い換えを意識、穴埋め問題は数字・スペルを徹底、地図問題は位置関係を予測。 
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リスニング強化法:シャドーイング・ディクテーション・スクリプト精読で耳と理解を同時に鍛える。 
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集中力と時間管理:設問先読み・切り替えの習慣・転記時間の有効活用。 
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実戦演習:公式問題集で模試を繰り返し、間違えの原因を分析して改善。 
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よくある失敗回避:数字・固有名詞の聞き逃し、スペルミス、焦りによる連続失点を防ぐ。 
スコア6は「確実に正答できる問題を落とさず、弱点を最小限に抑える」ことで到達できる目標です。難問を全て解けなくても、正答数を積み上げれば十分に実現可能です。
次のステップとしては、スコア6で安定した後に「6.5〜7」を目指す段階に入ります。そのときには、さらに細かい聞き取りやスピード対応力が求められます。まずは今回紹介した戦略を日々の学習に取り入れ、確実にスコア6を達成しましょう。
IELTSリスニングでスコア6の目安は?
全40問中およそ23〜26問正解が目安です。年やテストフォームで若干の変動があるため、あくまで参考値として扱ってください。
5.5から6.0に上げるには何問多く正解すればいい?
目安としてプラス3〜5問です。まずは毎回の演習で「あと3問」を取りに行く設計をします。
一番コスパの良い勉強法は?
頻出形式(穴埋め・選択・地図)に絞った反復演習+スクリプト精読です。解きっぱなしを避け、誤答原因(言い換え・語彙・数字・注意散漫)を特定→対策→再演習のループを回します。
先読みは具体的に何をする?
設問の名詞・数字・時刻・場所をマークし、「どの場面で出るか」を仮説化します(例:予約フォーム=冒頭、道案内=中盤)。聞きながら仮説を更新します。
数字・スペルミスを減らすコツは?
- 毎日2〜3分、数字(0〜9、10の位、価格、日時)の聞き取りを行う
- アルファベットのスペリング(特にB/V、M/N、A/E、Z/said)を耳で区別
- 転記10分で単複・冠詞・綴りを必ずチェック
言い換え(パラフレーズ)に弱い時の対処法は?
スクリプト精読で「設問語 ⇄ 音声語」を対にして集め、フレーズ単位で暗記します(reduce cost ⇄ cut expenses など)。自作の言い換え帳を更新し続けましょう。
地図問題(Map/Diagram)で迷子になります
- 開始地点・方角語(left/right/opposite/along)を先に確認
- 指示の順番に沿って目線を動かす練習を音源1本で3周
- 聞き逃しても流れ(入口→受付→通路)の論理で推測
集中が続かず連続で落とします
「聞き逃したら即切り替え」の行動ルールを決め、空欄は推測で埋める。模試は必ず40分ノンストップで実施し、雑音環境(カフェ音)に慣れる練習も有効です。
どの教材を何冊やればいい?
公式系(Cambridge)を中核に最低3冊。各テストを「本番通し → スクリプト精読 → 弱点別ドリル → 再テスト」の1サイクルで回します。
毎日の最短メニュー例は?
- シャドーイング5分(ニュース30秒×5本)
- ディクテーション5分(穴埋め形式を30〜60秒)
- 言い換え帳更新5分(5〜10フレーズ)
- 数字・アルファベット2分
アクセント対策は必要?
必要です。英・豪・NZアクセントに触れるため、BBC/ABCやIELTS系素材で声色・リズム・母音の違いを日々取り込みます。
メモはどの程度取るべき?
単語キーワードだけ(例:Mon 3pm / 2nd floor / refund)。長文は不要で、後で選択肢を絞るためのフックに徹します。
単語力とリスニング、どちらを先に伸ばす?
同時進行が効率的です。頻出トピック(教育・環境・職場・旅行)のコア語彙をフレーズで覚え、音声で使われる言い回しの形で取り込むと効果が高いです。
本番でパニックになったら?
「次へ」の合図を自分に出す→空欄を仮で埋める→転記で整える。呼吸を整え、次の設問のキーワードへ視線を移すことをルーティン化します。
6.0に届かない原因をどう特定する?
誤答を「言い換え」「数字/固有名詞」「地図/位置」「注意散漫」「文法/スペル」にタグ付け。最多タグから1週間の集中補強→週末に通し模試で確認します。
どれくらいの期間で6.0は狙える?
現在5.0〜5.5なら、上記メニューを毎日15〜20分+週1回の通し模試で4〜8週間が目安です(個人差あり)。
転記時間で必ずやるチェックは?
- 単数・複数(-s)
- 冠詞(a/the)
- 固有名詞の大文字
- 数字・日付の形式
- 綴り(特に二重子音・母音)
6.0を安定させた後の次の目標は?
6.5〜7.0を目指し、速読型の先読み、長い談話の要点保持、言い換えの即応(同義語ネットワーク拡張)に比重を移します。模試の正答数27〜29問をターゲットに設定します。

 
		 
		 
			 
			 
			 
			 
			