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IELTSリスニング対策: Map/Diagram/Plan Labeling徹底解説
はじめに
IELTSリスニングでは、選択問題や穴埋め問題に加えて、**Map/Diagram/Plan Labeling(地図・図解・プランのラベリング問題)**という特殊な形式が出題されます。これは博物館の館内案内図や大学キャンパスの地図、建物のフロアプランなどを使い、音声を頼りに正しい場所を特定してラベルをつける問題です。
このタイプの問題は、単に聞き取るだけでなく、方向感覚・空間的理解・細かな語彙力が同時に求められるため、多くの受験者が苦手としています。しかし一度コツを掴めば、むしろ得点源にしやすいパートでもあります。
本記事では、Map/Diagram/Plan Labeling問題の特徴やよく出る表現、解答のステップ、注意すべき落とし穴、効率的な練習方法まで徹底解説します。これを読むことで、初めてこの形式に挑む人でも安心して取り組めるようになるでしょう。
出題形式の特徴
1. 視覚資料が提示される
この問題形式では、**地図(Map)・図(Diagram)・プラン(Plan)**が試験問題に印刷されています。
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地図(Map): キャンパス、公園、街のエリア案内
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図(Diagram): 機械の構造や展示物の配置
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プラン(Plan): 建物のフロア、部屋の間取り、会場レイアウト
受験者は音声を聞きながら、この視覚資料に基づいて正しい答えを探します。
2. 順番は音声の流れに沿う
問題番号は、基本的に音声の説明順に沿って配置されています。例えば、入口 → 廊下 → 部屋という順序で解説されるため、問題を飛ばさずに進めやすい構造になっています。
3. 方角・方向表現が頻出
「左に曲がる」「向かいにある」「北側」などの表現が解答の手がかりになります。特に、north / south / east / west や next to, opposite, in front of といった語彙が頻繁に出題されます。
4. 選択肢は番号やアルファベット
図や地図にはあらかじめ 1〜10 や A〜F といったラベルがつけられており、音声を頼りにその中から正しいものを選ぶ形式です。
5. 音声は一度しか流れない
リスニング試験全般と同じく、音声は一度だけ。したがって、事前に地図を素早く把握しておくことが極めて重要です。
よく出る語彙・表現
Map/Diagram/Plan Labeling問題では、位置・方向・施設名に関する語彙が頻繁に登場します。あらかじめ覚えておくことで、音声を聞き取った瞬間にすぐ図へ対応させられるようになります。
1. 方向・方角の表現
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north / south / east / west(北・南・東・西)
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to the north of ~(〜の北に)
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straight ahead(まっすぐ進む)
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turn left / right(左・右に曲がる)
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go past ~(〜を通り過ぎる)
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at the corner(角に)
2. 位置関係の表現
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next to ~(〜の隣)
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beside ~(〜の横に)
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opposite ~(〜の向かい)
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in front of ~(〜の前に)
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behind ~(〜の後ろに)
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near / close to ~(〜の近くに)
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at the back of ~(〜の奥に)
3. 建物や施設の表現
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entrance / exit(入口 / 出口)
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reception / lobby(受付 / ロビー)
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library / lecture hall(図書館 / 講義ホール)
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cafeteria / canteen(食堂)
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toilet / restroom(トイレ)
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junction / crossroads(交差点)
4. 説明時によく使われるフレーズ
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“You’ll see it on your left.”(左手に見えます)
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“It’s opposite the library.”(図書館の向かいです)
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“Continue along the road until you reach…”(道に沿って進むと〜に着きます)
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“It’s located at the far end of the corridor.”(廊下の突き当たりにあります)
これらの表現を頭に入れておけば、音声が流れた瞬間に迷わず図に対応させられるようになります。
解答の手順(ステップごと)
ステップ1: 図を事前に観察する
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音声が流れる前に、図や地図をざっと見て構造を把握します。
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方角(north の位置)、入口・出口、番号やアルファベットの配置を確認しておくと、音声の流れを追いやすくなります。
ステップ2: 設問番号の順序を確認する
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IELTSリスニングでは、ほとんどの場合 音声の流れと問題番号が一致 します。
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入口から始まり、廊下 → 部屋 → 階段といったように、順番に進んでいくので、番号順に追いかけることを意識しましょう。
ステップ3: キーワードを聞き取る
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施設名や特徴(例: “the building with a glass roof”)を意識する。
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方向指示の動詞(turn, continue, go past, cross など)を聞き逃さない。
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強調された語句(声が大きくなる、ゆっくり言う)は特に解答のヒントです。
ステップ4: 図に書き込みながら追跡する
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聞きながら鉛筆で線を引いたり丸をつけたりして、現在地を図上で追跡。
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音声を聞き終わってから記憶だけで解こうとすると混乱しやすいので、同時進行でメモをとる習慣を身につけましょう。
ステップ5: 解答を転記する
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問題冊子に番号を仮で記入したら、最後に解答用紙に正確に転記します。
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転記ミスは不正解扱いになるため、スペルや番号の一致を必ず確認しましょう。
このステップを習慣化すれば、音声を聞きながら迷子になるリスクを大幅に減らせます。
よくあるミスと対策
ミス1: 方角を逆に解釈する
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問題: 図の上が必ずしも north(北)とは限らないのに、思い込みで解答してしまう。
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対策: 音声が始まる前に “North” の位置を必ず確認。図の隅に小さく書かれていることが多いので注意。
ミス2: 「next to」と「near」の混同
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問題: “next to” は「すぐ隣」、 “near” は「近く」なのに区別せずに解答してしまう。
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対策: 位置関係の表現を正しく理解し、距離感のニュアンスを意識して聞く。
ミス3: 図に線を書かずに聞き流す
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問題: メモを取らずに音声を聞いていると、途中で現在地が分からなくなり迷子に。
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対策: 鉛筆でルートをなぞることを習慣化する。多少汚くても構わない。
ミス4: 聞き逃したときに焦って空白にする
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問題: ひとつ聞き逃すとパニックになり、その後の問題まで連鎖して落としてしまう。
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対策: 設問番号は音声の順序通りに進むため、現在地をキープすればリカバリー可能。無理に戻らず次に集中する。
ミス5: 転記ミスやスペルミス
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問題: 正しい場所を選んでいても、解答用紙に書き写すときに番号やスペルを間違える。
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対策: 残り時間で必ず見直す。特に施設名は正確なスペルで書くこと。
これらのミスを防げば、Map/Diagram/Plan Labelingは「落とす問題」から「得点源」に変えられます。
効果的な練習法
1. 公式問題集で集中トレーニング
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Cambridge IELTSシリーズなどの公式問題集には毎回この形式が含まれています。
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Map/Diagram/Plan Labelingだけを抜き出して連続練習すると、方向表現や空間把握の流れに慣れることができます。
2. ディクテーションと図への書き込み
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音声を止めながら一文ごとに書き取り、同時に地図へマークしていく練習。
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「聞いた内容を図に反映する」動作を習慣化でき、実戦での追跡がスムーズになります。
3. リアルな地図を使った練習
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英語のGoogle Mapsや観光ガイドを利用し、英語の道案内表現に触れる。
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例えば “Turn left at the junction, the museum is opposite the library.” といった文章をイメージしながら追体験する。
4. シャドーイングで方向表現を体に染み込ませる
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“Go straight ahead, then turn right.” などのフレーズを聞いて即座に口に出す。
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音声処理のスピードが上がり、試験本番でも迷わず反応できるようになります。
5. ミニテスト形式で時間管理を鍛える
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実際の試験と同じ 一度だけ音声を流す環境で練習する。
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聞き逃した時にどうリカバリーするかを体験しておくと、本番での焦りが減ります。
このように、単なるリスニング練習ではなく、図を使って位置情報を処理する訓練を積むことが成功の鍵です。
まとめ
Map/Diagram/Plan Labeling問題は、IELTSリスニングの中でも空間認識力と聞き取り力を同時に試す特殊な形式です。
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図を事前に観察して全体像を把握すること
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音声の流れ=設問の順序で進むことを意識すること
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方向・位置表現の語彙をしっかり習得すること
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聞きながら線を引いて追跡する習慣をつけること
これらを徹底すれば、難しいと感じる問題も得点源に変わります。
さらに、普段から英語で地図や道案内に触れる練習をすると、試験本番でも自然に対応できるようになります。焦らず冷静に、音声の流れに沿って図を追えば必ず解ける形式です。
よくある質問(FAQ)
Q1. Map/Diagram/Plan Labelingは毎回出題されますか?
A. 毎回ではありませんが、高頻度で出題される定番形式です。特にPart 2に登場することが多いので、必ず対策しておきましょう。
Q2. 音声は本当に一度しか流れませんか?
A. はい。IELTSリスニングはすべての問題形式で音声が一度だけ流れます。したがって、事前準備と集中力が非常に重要です。
Q3. 図の上が必ず北(North)ですか?
A. いいえ。図の上がNorthとは限りません。方角が記されているかを最初に確認するのが鉄則です。
Q4. 道案内の表現が聞き取れません。どうしたらいいですか?
A. **方向や位置を表す語彙(next to, opposite, at the corner など)**をまとめて覚えるのが効果的です。さらに、英語の地図アプリや観光案内を利用して、実際の表現に慣れておきましょう。
Q5. 聞き逃した場合はどう対応すればいいですか?
A. 設問番号は音声の流れに沿って進むため、無理に戻ろうとせず次の問題に集中しましょう。ルートを追い続ければ後半でリカバリー可能です。
Q6. 図に線を書いてもいいですか?
A. 問題冊子には自由に書き込み可能です。現在地を追跡するためのメモや線引きは必須です。
Q7. 答えは単語で書くのですか?それとも番号ですか?
A. 問題形式によって異なります。
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番号やアルファベットを選ぶ形式(例: 「3」「B」など)
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単語を書き込む形式(例: “library”)
どちらも出題されるため、両方に対応できる準備が必要です。
Q8. 練習方法で一番効果的なのは?
A. 公式問題集で Map問題だけを連続で解く集中練習 が効果的です。さらに、ディクテーションやシャドーイングを組み合わせると理解力と反応速度が向上します。
Q9. 難易度はどのくらいですか?
A. 単語自体は難しくないことが多いですが、方向指示の速さと図の複雑さが受験者を混乱させます。事前の慣れ次第で難易度は大きく下がります。
Q10. 最後に意識すべきポイントは?
A. 図の観察 → 語彙の習得 → 線を引いて追跡 → 冷静に転記。この流れを徹底すれば、安定して得点できる形式になります。
