IELTSリスニング対策: 職場・ビジネス関連トピック対策

はじめに

IELTSリスニングでは、大学生活や日常的な会話だけでなく、職場やビジネスに関連した場面も頻繁に登場します。例えば、求人情報の説明、職場でのオリエンテーション、会議や研修の案内、顧客対応などが典型的な題材です。これらは実際の社会生活に直結する内容であるため、試験作成者も高頻度で出題しています。

この分野は社会人受験者にとってはなじみやすい一方、学生にとっては聞き慣れない単語や表現が多く、苦手意識を持ちやすい分野でもあります。しかし、ビジネス関連の英語はフォーマルでパターン化されているため、頻出表現を覚えておくことで効率的に点数を伸ばせる分野です。

この記事では、IELTSリスニングにおける職場・ビジネス関連トピックの特徴や、よく出るテーマ、攻略法についてわかりやすく解説していきます。


よく出る職場・ビジネス関連のテーマ

IELTSリスニングでは、以下のようなビジネスシーンがよく取り上げられます。事前に場面ごとの単語や表現を押さえておくと、聞き取りやすくなります。

1. 求人・採用関連

  • 仕事内容や勤務条件の説明

  • 勤務時間や給与に関する会話

  • 面接や応募手続きに関するやり取り

例: “The position requires flexible working hours and previous experience in customer service.”

2. 職場オリエンテーション・研修

  • 新入社員への会社紹介や規則説明

  • 研修スケジュールや内容の案内

  • 安全規則や社内制度の説明

例: “Please make sure to complete the safety training before starting your shifts.”

3. 会議・打ち合わせ

  • 会議の日程調整やアジェンダ説明

  • プロジェクト進行状況の報告

  • 意見交換や役割分担の確認

例: “Let’s schedule the meeting for next Monday at 10 a.m. to finalize the report.”

4. 顧客対応・サービス業務

  • 顧客からの問い合わせ対応

  • 予約や注文の確認

  • 苦情や要望に対する対応

例: “We apologize for the inconvenience and will replace the product immediately.”

5. 福利厚生・社内イベント

  • 社員旅行や社内イベントのお知らせ

  • 福利厚生制度(保険、休暇など)の説明

  • 社内サポート体制に関する案内

例: “Employees are entitled to 20 days of annual leave, in addition to public holidays.”


出題形式の特徴

職場・ビジネス関連のリスニング問題は、IELTSの中でも情報量が多く、数字や日程が絡むケースが多いのが特徴です。形式ごとに押さえておきましょう。

1. 会話形式(Part 1・Part 3)

  • Part 1: 主に応募者と人事担当者、顧客とスタッフなどのやり取り。

    • 求人条件や予約確認など、実務的な情報を聞き取る。

    • **数字(給与、電話番号、日付、住所)**がよく出る。

  • Part 3: 職場の同僚同士や学生プロジェクトのメンバー間でのディスカッション。

    • 提案・同意・反対といった意見のやり取りを理解する必要がある。

    • “I think we should…” “That’s a good idea, but…” などの表現に注目。

2. モノローグ形式(Part 2・Part 4)

  • Part 2: 上司や研修担当者が、新しい制度や職場環境について説明。

    • 安全規則やイベント案内などが題材になりやすい。

  • Part 4: より学術的または専門的な内容。

    • 会社のビジネス戦略、経営方針、業界調査のプレゼンテーションなど。

    • 話の構成が長く、メモ取りのスキルが重要。

特徴まとめ

  • 数字・日程・固有名詞が出やすい

  • フォーマルで定型的な表現が多い

  • 聞き手が情報を整理して理解することを前提に話される


攻略のポイント

1. ビジネス関連の頻出単語を覚える

職場・ビジネス英語は決まった表現や用語が繰り返し出るため、事前に押さえておくと有利です。

  • 勤務条件: salary(給与), shift(勤務シフト), overtime(残業), probation(試用期間), permanent contract(正社員契約)

  • 職場環境: supervisor(上司), colleague(同僚), department(部署), branch office(支社), promotion(昇進)

  • 研修・会議: orientation(オリエンテーション), agenda(議題), minutes(議事録), feedback(フィードバック), deadline(締め切り)

2. 数字・日付を確実に聞き取る

給与額、勤務時間、会議日程、連絡先などは必ず問題に絡む情報です。

  • 数字(15 と 50、13 と 30 など)を正確に聞き分ける練習をする。

  • 曜日や月の略語(Mon, Thu, Sept など)に慣れておく。

3. 意見のやり取りを聞き分ける

特にPart 3では、同僚やグループメンバーのディスカッションが題材になります。

  • I agree with you(賛成)

  • I’m not sure about that(反対・保留)

  • Another option could be…(提案)
    といった表現に注目して、話の方向性をつかむ。

4. 職場の場面をイメージして聞く

「シフト調整」「上司からの指示」「研修での説明」など、実際のビジネスシーンを想像しながら聞くと理解度が上がります。


学習方法の具体例

1. 職場英語に特化した教材を活用

  • BBC Learning English “English at Work”Business English Pod など、実際のビジネス場面を想定した無料教材を利用する。

  • 聞き慣れない単語をその場でメモし、辞書で確認して繰り返し聞くことで定着。

2. 模擬リスニングでシャドーイング

  • IELTS公式問題集や過去問の音声を使い、スクリプトを見ながらシャドーイングを行う。

  • ビジネス英語特有のフォーマルな言い回しや抑揚に慣れることが重要。

3. メモ取り練習

  • 会議のアジェンダ、給与額、シフト時間など、数字・日付・固有名詞をすばやく書き取る練習を行う。

  • 略語や自分なりの記号を使って効率化する。

4. 実践的なロールプレイ

  • 友人やオンライン英会話で「面接官と応募者」「上司と部下」などの役割を決め、実際に英語でやり取りしてみる。

  • ただ聞くだけでなく、自分が発話することで記憶が定着しやすくなる。

5. 本物の英語資料を聞く

  • TED Talksのビジネス関連プレゼン、企業の公式動画、ニュースの経済コーナーなどを活用。

  • IELTSのリスニングよりも速い英語に慣れておくと、本番が楽に感じられる。


まとめ

IELTSリスニングにおける職場・ビジネス関連トピックは、数字・日程・条件など具体的な情報を正確に聞き取る力と、フォーマルな表現への慣れが求められる分野です。

  • 求人・研修・会議・顧客対応といった典型的なテーマを押さえる

  • 頻出単語やフレーズを事前に覚えておく

  • 数字や固有名詞の聞き取りを強化する

  • シャドーイングやロールプレイで実践的に練習する

これらを積み重ねることで、ビジネス英語特有の表現にスムーズに対応でき、本番のリスニングでも安定した得点を狙えるようになります。


FAQ:職場・ビジネス関連トピック対策

IELTSリスニングの「職場・ビジネス」トピックはどのパートで出やすい?

主にPart 1・2(実務連絡/案内)とPart 3(ディスカッション)で頻出、Part 4では研修・業界説明などのモノローグが出題されます。

数字や日付を聞き漏らさないコツは?

  • 聞こえやすい紛らわし語を事前練習(15 vs 50, 13 vs 30)。
  • 時刻・日付は「単位」を必ず書く(3pm, Wed, Sept 21)。
  • 給料・内線・住所などは反復確認表現(Let me confirm…)が合図。

職場英語の頻出語を最短で覚えるには?

  • 勤務条件:salary, shift, overtime, probation, permanent
  • 組織/役職:supervisor, colleague, department, branch, promotion
  • 会議/研修:agenda, minutes, orientation, deadline, feedback

Part 3のディスカッションで意見の流れを掴むポイントは?

  • 提案:We could / Another option is…
  • 同意/部分同意:That makes sense, but…
  • 反対:I’m not convinced…
  • 結論サイン:So we’ve decided to…

よくあるトラップは?

  • 訂正:Actually / Sorry, not Friday but Thursday.
  • 条件つき:…if approved / depending on availability
  • 例外:except public holidays

アクセント対策は必要?

必要です。英/米/豪など多様なアクセントが出ます。短時間で慣れるには、同一スクリプトをアクセント別素材で反復視聴→ディクテーション→シャドーイングの順で。

メモ取りのおすすめ略語は?

  • dept(部署), sup(上司), mtg(会議), HR(人事), w/(with), btw(between)
  • 数値は記号化:hrs(時間), $(費用), →(変更/結果), ~(およそ)

会議・研修アナウンスで狙われる情報は?

  • 日時/場所/持ち物:at the main hall, bring your ID
  • 目的/対象:for new staff, safety training
  • 締切/手順:register by Friday, complete form online

顧客対応の会話で鍵になる表現は?

  • 謝意/謝罪:Thanks for your patience / We apologize for the inconvenience
  • 代替案:We can offer a replacement / refund / reschedule
  • 確認:Let me just double-check your order number

聞き取れなかった時のリカバリーは?

空欄を飛ばし、次の設問のキーワードに即切替。設問の並び=音声の進行が原則なので、埋め戻しはセクション末で。

スペリング問題に強くなるには?

  • 社名/人名/地名は綴り読み上げが出やすい:“That’s F-A-R-R-E-L-L.”
  • よく出る部屋/会場:hall, theatre, cafeteria, reception, warehouse

「同音異義・似音」に注意すべき語は?

  • week/weak, sale/salary, hour/our, forth/fourth, board/bored
  • 数詞聞き分け:teen系(13–19)とty系(30–90)

効率の良い1週間学習メニューは?

  • Day1:頻出語100語+数字/日付ドリル
  • Day2:Part 1実務会話×精聴→音読
  • Day3:Part 2アナウンス×要点メモ練習
  • Day4:Part 3ディスカッション×機能表現抽出
  • Day5:Part 4講義×構造(導入→展開→結論)マーキング
  • Day6:模試通し×見直しノート作成
  • Day7:弱点のみ再ドリル+音源1.1〜1.2倍速

シャドーイングはどの段階で入れる?

精聴→ディクテーション→スクリプトありシャドー→スクリプトなしシャドーの順。ビジネス表現はチャンクで区切って反復。

解答用紙でミスを減らす実務テクは?

  • 単位・複数形・綴りを最後に一括チェック。
  • 語数制限(例:NO MORE THAN TWO WORDS)を最優先。
  • 数字はアラビア数字で統一(指定がない限り)。

おすすめの無料練習素材は?

公共教材(英語学習サイトの職場英語セクション、企業説明動画、ニュースのビジネスコーナー)を使い、設問化して自作演習するのがコスパ最強です。

本番直前の30分で何をする?

  • 数字/日付/スペリングの最終ドリル(5分)。
  • 頻出機能表現の口慣らし(提案・同意・反対)(10分)。
  • 設問の語数制限・品詞(名詞/形容詞など)チェックの習慣化(5分)。
  • 深呼吸+メモ略語の再確認(10分)。

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