目次
IELTSリスニング対策: Form/Note/Flow-chart Completion攻略法
はじめに
IELTSリスニングでは、さまざまな問題形式が出題されますが、その中でも Form Completion(フォーム記入)、Note Completion(ノート記入)、Flow-chart Completion(フローチャート完成) は特に受験者が苦戦しやすいパートです。
これらの問題は一見シンプルに見えますが、実際には 正確な聞き取り、文脈の理解、スペルの正確さ のすべてが求められるため、細かな失点につながりやすいのが特徴です。
例えば、ホテル予約フォームに住所や電話番号を記入する場面、講義メモを取りながらキーワードを補完する場面、実験や手順をフローチャートに沿って埋める場面などが出題されます。いずれも 日常的・学術的な状況を再現している ため、正しく対策すれば「確実に点数を稼げる得点源」となります。
本記事では、それぞれの問題形式の特徴を整理し、よくある失敗例と実践的な攻略法を解説します。これを読めば、次回のIELTSリスニングで自信を持ってForm/Note/Flow-chart問題に取り組めるようになるでしょう。
Form Completion(フォーム記入)攻略法
特徴
Form Completionは、申込書や予約フォームなどの 実生活で使われる書式 をベースにした問題形式です。
例えば、ホテル予約、大学コース申込、イベント参加登録、レンタカー申込などが典型的な題材です。
-
出題場所:主に Section 1(会話形式・日常場面)
-
問われる内容:名前・住所・電話番号・メールアドレス・日付・料金・人数など
-
使用される語彙:基本的な日常英語が中心
攻略ポイント
-
設問の指示をしっかり確認する
-
「NO MORE THAN TWO WORDS」や「ONE WORD AND/OR A NUMBER」などの条件を見逃さない。
-
例:
-
“$50” でよい場合と “50 dollars” と書く必要がある場合がある。
-
“July 15” と “15 July” の両方が正解になりうるが、指定がある場合は従うこと。
-
-
-
数字とスペルに強くなる
-
電話番号:数字を一つずつ読み上げることが多い。
-
“oh” = 0
-
“double five” = 55
-
-
住所:難しい地名や人名が綴られる場合がある。
-
例:「Catherine」を「Katherine」と間違えないよう注意。
-
-
-
文脈から予測する
-
空欄の直前・直後の単語を手がかりに、答えの種類を予測する。
-
例: “Fee: _____ per month” → 数字+通貨単位が入る。
-
例: “Contact person: _____” → 人名が入る。
-
-
-
情報を聞き逃さない工夫
-
Section 1は比較的ゆっくり話されるが、同じ情報を繰り返さないことも多い。
-
書きながら聞き続ける意識を持つ。
-
-
固有名詞は大文字で始める
-
例: “London” や “Smith” は必ず大文字で書く。
-
小文字から始めると減点対象。
-
よくある失敗例
-
“NO MORE THAN ONE WORD” にも関わらず “two weeks” と書いて失点
-
“fifteen” と “fifty” の聞き間違い
-
答案転写の際に “accommodation” などのスペルをミス
対策トレーニング
-
電話番号・住所・日付を聞き取るディクテーション練習
-
実際の申込フォームを使い、穴埋め練習を行う
-
ケンブリッジIELTS問題集のSection 1を繰り返し解く
Note Completion(ノート記入)攻略法
特徴
Note Completionは、講義・説明・ガイドツアーなどを聞き取り、要点をノート形式で補完する問題です。
-
出題場所:Section 2(モノローグ) や Section 3(会話) に多い
-
内容:観光地の説明、大学の授業、研究プロジェクトのディスカッションなど
-
必要スキル:要点把握力、同義表現への対応、集中力
攻略ポイント
-
設問の流れを把握する
-
ノート形式の問題は、話の順番に沿って出題される。
-
事前に見出し・キーワードを確認し、どのテーマについて話が進むのか予測する。
-
-
シグナルワードを聞き逃さない
-
講義や説明では、構成を示す言葉がカギになる。
-
“firstly”, “in addition”, “however”, “finally”
-
-
これらが出たら、次の答えが近い可能性が高い。
-
-
同義表現に対応する
-
問題冊子の単語がそのまま出てくるとは限らない。
-
例:
-
“advantage” ⇔ “benefit”
-
“cheap” ⇔ “inexpensive”
-
“environmentally friendly” ⇔ “eco-friendly”
-
-
-
内容のまとまりを意識
-
ノート形式は「ポイントごとに短くまとめる」形で答えることが多い。
-
長文で答える必要はない。
-
-
語数制限を守る
-
“NO MORE THAN TWO WORDS” → 単語を詰めすぎない
-
“ONE WORD AND/OR A NUMBER” → 数字だけで答える場合もある
-
よくある失敗例
-
設問が “ONE WORD ONLY” なのに “low price” と書いて失点
-
同義語を聞き逃し、正解にたどりつけない
-
重要部分を聞き漏らして、後半の問題にも影響
対策トレーニング
-
講義系ポッドキャストを聞きながら要点をメモする練習
-
短時間で「1文を1ワードに要約する」トレーニング
-
ケンブリッジIELTS公式問題集のSection 2・3を反復
Flow-chart Completion(フローチャート完成)攻略法
特徴
Flow-chart Completionは、プロセスや手順を図で表したものを完成させる形式です。
-
出題場所:主に Section 3(会話) や Section 4(講義)
-
内容:研究手順、工場の作業工程、観光ルート、実験プロセスなど
-
必要スキル:順序理解、動詞の聞き取り、情報の流れの把握
攻略ポイント
-
事前に全体の流れを把握
-
フローチャートは 矢印や番号の順番 に従って進む。
-
問題を解く前にざっと目を通し、話の進行方向をイメージする。
-
-
動作を示す動詞に注目
-
手順や流れを説明する問題では、動詞がカギになる。
-
例:
-
“first prepare…”
-
“then mix…”
-
“finally store…”
-
-
-
順序を示す表現をキャッチする
-
例:
-
“next”
-
“after that”
-
“once completed”
-
“at the end”
-
-
これらが出ると、次のステップに移った合図。
-
-
聞き逃しても慌てない
-
フローチャートは ストーリーの流れが明確 なので、1つ聞き逃しても次のステップで立て直せる。
-
後戻りはせず、次のキーワードに切り替えるのが鉄則。
-
-
答えの形を予測する
-
“Add _____ to the solution” → 名詞(substance, powderなど)が入るはず。
-
“Wait for _____ minutes” → 数字が入ると予測できる。
-
よくある失敗例
-
図の流れを事前に確認せず、話の展開に置いていかれる
-
“mix” と “fix” など、似た音の単語を聞き間違える
-
1つ空欄を飛ばしたことで、その後すべての答えがずれてしまう
対策トレーニング
-
TED Talksや科学解説動画を使って「手順の流れ」を聞き取る練習
-
自分でプロセスを書き出し、フローチャート形式にまとめる
-
実験やツアー説明などの音源で「next」「then」「finally」などの信号語を意識して聞く
共通の解答テクニック
Form / Note / Flow-chart Completion は形式こそ異なりますが、解答の際に共通して意識すべきテクニックがあります。これらを徹底することで、ケアレスミスによる失点を最小限に抑えられる ようになります。
1. 解答はすぐに書き込む
-
聞き取った答えは頭の中に留めず、その場で書き込む。
-
後でまとめて書こうとすると忘れてしまい、空欄が連続して崩れる原因になる。
2. 大文字・小文字のルールを守る
-
固有名詞(例:London, Mr. Smith)は必ず大文字で始める。
-
指示がない限り、全て大文字で書く必要はない。
3. スペルに注意する
-
IELTSでは スペル間違いは即不正解。
-
特に頻出の単語(accommodation, environment, library など)は暗記しておく。
4. 単位を落とさない
-
“50” と “50 km” は別扱い。
-
指示文や文脈を確認し、単位(minutes, dollars, kilogramsなど)が必要かどうかを判断。
5. 同義語に対応する
-
問題冊子にある単語がそのまま読まれるとは限らない。
-
シノニムに慣れておくことで、聞き逃しを防げる。
6. 聞き逃しても次に切り替える
-
一度聞き逃したら潔く諦め、すぐ次の問題に集中。
-
後から戻って考えても、次の答えまで失うリスクが高い。
7. 解答転写時のチェック
-
答案用紙に書き写すときに スペル・単位・大文字 を最終確認。
-
聞き取れていたのに書き写しで失点するケースが非常に多い。
よくある失敗例
Completion問題では、内容理解よりも ケアレスミスや基本的な注意不足 による失点が多く見られます。ここでは受験者が陥りやすい典型的な失敗例を整理します。
1. 語数制限を守らない
-
指示が “ONE WORD ONLY” にも関わらず “two weeks” と書いてしまう。
-
制限をオーバーした瞬間に不正解になるため、解答前に必ず指示文を確認。
2. 数字の聞き間違い
-
“fifteen (15)” と “fifty (50)” を混同する。
-
電話番号で “oh” を “zero” と認識できない。
-
対策:数字のディクテーション練習を集中的に行う。
3. 単位の書き漏れ
-
“50” と書いてしまい、本来の答えは “50 km”。
-
“10” とだけ書いて “10 minutes” を落とす。
4. スペルミス
-
“accommodation” を “acomodation” と書いて失点。
-
“environment” を “enviroment” と書いてしまう。
-
特に 頻出単語は暗記+書き取り練習 が必須。
5. 解答のずれ
-
1つ聞き逃したことでパニックになり、その後の答えがすべて1問ずつズレる。
-
対策:聞き逃してもすぐ切り替え、次の設問に集中。
6. 転写ミス(Answer Sheetへの書き写し)
-
メモでは正しく書けていたのに、解答用紙に移すときに誤記。
-
試験時間の最後に5分間チェックする余裕を持つ。
効果的な練習方法
Completion問題は、形式に慣れてしまえば確実に得点源にできます。ここでは、効率よく実力を伸ばすための練習方法を紹介します。
1. 公式問題集で実戦演習
-
ケンブリッジIELTSシリーズの過去問題を繰り返し解く。
-
特に Section 1〜4の出題傾向 を把握するのに最適。
-
実際の試験と同じ条件(40分通し+答案転写)で練習すると効果的。
2. 数字・スペルの集中トレーニング
-
電話番号、日付、金額などは聞き間違えやすい。
-
Dictation(書き取り)で数字や住所を繰り返し練習する。
-
特に double, oh, nought, fifteen/fifty などIELTS特有の言い回しに慣れること。
3. ディクテーション練習
-
リスニング音源を止めながら聞き取った単語を書き出す。
-
特に 空欄周辺の文脈ごと 書くことで、答えの位置をつかみやすくなる。
4. 要約メモの練習
-
Lecture系の音源(TED TalksやBBC Learning Englishなど)を使って、
1文を1〜2ワードで要約 する練習を行う。 -
Note Completion対策に直結する。
5. 自作フォーム・フローチャートで練習
-
実際の申込書(ホテル予約フォームなど)を用意して練習。
-
自分でフローチャートを描き、プロセスを英語で聞き取る練習をする。
6. 弱点分析とリピート
-
間違えた問題は 「聞き取れなかったのか」「書き間違えたのか」 を分析。
-
原因を特定してから再トライすることで、同じミスを防げる。
まとめ
Form Completion、Note Completion、Flow-chart Completion は、IELTSリスニングで頻出する穴埋め問題タイプです。どれも難しい語彙が出るわけではなく、聞き取りの正確さ・文脈理解・スペル精度 がスコアを左右します。
-
Form Completion:住所・電話番号・日付など、正確さと数字・スペル力がカギ。
-
Note Completion:講義や説明の要点をまとめる力、同義語への対応力が重要。
-
Flow-chart Completion:手順やプロセスの流れを理解し、順序を見失わないことが必須。
これらの問題は、トレーニング次第で 確実に得点源にできる分野 です。
特に注意すべきは、
-
語数制限を守る
-
スペルを正確に書く
-
聞き逃したらすぐ切り替える
の3点。
本記事で紹介した攻略法と練習方法を日々の学習に取り入れれば、IELTSリスニングでの失点を最小限に抑え、安定して高スコアを目指すことができます。
FAQ(よくある質問)
Q1. Form/Note/Flow-chart Completion問題で一番多い失点原因は何ですか?
A. スペルミスと語数制限違反 が最も多いです。正しく聞き取れていても、これで失点する受験者は非常に多いため、答案転写時に必ず確認しましょう。
Q2. 回答は大文字で書いた方がいいですか?
A. どちらでも採点上は問題ありませんが、固有名詞は必ず大文字で始める必要があります。すべて大文字(BLOCK LETTERS)で統一する受験者もいます。
Q3. 答えが複数ありそうな場合はどうすればいいですか?
A. 指示文(NO MORE THAN ONE WORD など)を優先し、文法的に正しい形で書くのが安全です。IELTSは複数の正解を認める場合もあります。
Q4. 聞き逃したときはどうすればいいですか?
A. 無理に戻ろうとせず、すぐ次の設問に切り替えることが大切です。流れを取り戻すことで後半の得点を守れます。
Q5. 数字を聞き間違えやすいのですが、対策はありますか?
A. 電話番号・価格・時間などを繰り返しディクテーションするのが効果的です。特に “fifteen/fifty” “oh/zero” “double five” などIELTS特有の表現に慣れておきましょう。
Q6. 聞き取りができても、答えの形をどう書けばいいか迷います。
A. 空欄前後の文脈を必ず確認しましょう。例えば “Fee: ____ per month” なら、数字+単位(e.g. 50 dollars)が来るはずと予測できます。
Q7. ノート記入問題で内容が長く感じます。どう克服すればいいですか?
A. “1文を1ワードで要約する”練習を繰り返しましょう。BBCやTEDの要約メモを作ることで、重要語を抽出する力が鍛えられます。
Q8. フローチャート問題で置いていかれがちです。
A. 解答前に図の流れを確認することが大切です。矢印や段階を見て「順番に沿って進む」意識を持てば、展開を見失いにくくなります。
Q9. 答案転写での注意点は?
A. リスニング終了後に10分間の転写時間があります。このときに スペル・単位・大文字の確認 を徹底することで、無駄な失点を防げます。
Q10. 効率よく練習するには?
A. ケンブリッジIELTS公式問題集を軸に、数字・住所・日付の聞き取り練習と、ディクテーションを組み合わせるのが最短ルートです。
