目次
IELTSリスニング対策: Sentence Completionの効果的な練習法
はじめに
IELTSリスニング試験において「Sentence Completion(文完成問題)」は、多くの受験者が苦戦する設問形式のひとつです。一見すると「空欄に単語を入れるだけ」と単純に見えますが、実際にはリスニング力だけでなく、文脈理解力・語彙力・正確な書き取りスキルが総合的に試されます。
たとえば、音声の中で話者が「the lecture starts at 9 a.m.」と言った場合、問題文は「The lecture begins at ______.」のように出題されることがあります。このように**同じ意味を持つ異なる表現(パラフレーズ)**を正しく聞き取れないと正解にたどり着けません。また、IELTSでは「NO MORE THAN TWO WORDS」などの語数制限があるため、余計な単語を書き加えると不正解になる点も注意が必要です。
さらに、Sentence Completionは数字・日付・固有名詞など、スペルや細かい聞き取りの正確さが要求されるケースも多く、少しの油断が得点を大きく左右します。したがって、単なるリスニング練習ではなく、この形式に特化した効果的な学習法を身につけることが重要です。
この記事では、Sentence Completion問題の特徴を整理しながら、具体的な練習ステップ・注意点・おすすめの学習法を紹介します。これを読むことで、苦手意識を克服し、安定して高得点を狙えるスキルを身につけられるはずです。
Sentence Completion問題の特徴
Sentence Completion(文完成問題)は、IELTSリスニングで頻出する設問形式のひとつです。空欄を適切な語句で埋めるだけのシンプルな形式に見えますが、実際には細かなスキルが要求される奥深い問題です。以下では、その特徴を整理します。
1. 出題形式
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問題文: 1つの文の一部が空欄になっており、そこに答えを補う。 
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解答形式: 指示に従い、1〜3語以内や数字のみなど、厳格な条件が設定されている。 
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例: - 
The library is open until ______. 
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Students must submit the report by ______. 
 
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2. 語数制限のルール
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問題文には「NO MORE THAN TWO WORDS」などの条件が必ず付いている。 
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制限を超えた語数を書いてしまうと、不正解になる。 
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例えば「two weeks」ならOKだが、「about two weeks」と書くとNGになるケースがある。 
3. パラフレーズの多用
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リスニング音声と設問文は同じ表現が使われるとは限らない。 
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例: - 
音声: “The lecture starts at 9 o’clock.” 
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設問: “The lecture begins at ______.” 
 
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このように**言い換え(paraphrase)**を聞き取る力が必須となる。 
4. 出題される内容の傾向
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日常会話(バスの時刻、イベントの開始時間など) 
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アカデミックな場面(講義内容、調査結果など) 
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数字・日付・地名・人名などの固有名詞 
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特定の専門用語(biology, architecture など) 
5. 難しさのポイント
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音声は一度しか流れないため、聞き逃しが許されない。 
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スペルミスや単数・複数の間違いはすべて不正解。 
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音声のスピードが速く、途中で言い換えが入ると混乱しやすい。 
効果的な練習ステップ
Sentence Completion問題は、リスニングの中でも「正確さ」と「瞬時の判断力」が求められる形式です。以下のステップで練習を重ねることで、効率的にスコアアップを狙えます。
1. 問題文を先読みする
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音声が流れる前に、必ず設問全体を目で追い、空欄前後の文を確認する。 
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文法的に入る品詞(名詞・動詞・形容詞など)を予測すると、答えの候補を絞りやすい。 
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キーワードに下線を引き、「同義語や関連語」を頭に入れておくと、パラフレーズに対応しやすい。 
2. 音声を聞く際の集中ポイント
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空欄の直前と直後に強く意識を集中させる。 
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数字・日付・固有名詞は出題されやすいので、出たら即メモを取る。 
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「同じ言葉」を探すのではなく、意味が同じ表現をキャッチする姿勢が大切。 
3. 書き取りの正確性を意識する
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語数制限を必ず守る(例: 「NO MORE THAN TWO WORDS」の場合、“in the early morning”ではNG、“early morning”が正解)。 
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スペル間違いは即不正解になるため、頻出単語は暗記しておく。 
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文法的な一致(単数・複数、冠詞の有無など)も確認する。 
4. 練習後の振り返り
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問題を解いた後は、必ずスクリプトを確認し、聞き取れなかった部分を分析する。 
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設問文と音声の表現を照らし合わせ、どのようにパラフレーズされていたかを意識的にチェックする。 
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聞き逃しやすい発音(弱音化・リエゾンなど)をメモして、自分の弱点を明確化する。 
5. ディクテーションを取り入れる
- 
本番形式の問題だけでなく、ディクテーション(全文書き取り)を日常練習に取り入れると効果的。 
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特に数字や日付の聞き取り、専門用語のスペルに強くなる。 
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TED Talksやニュース音声を活用すると、教材の幅も広がる。 
よくあるミスと回避法
Sentence Completion問題はシンプルに見えて、細かい部分で失点しやすい形式です。ここでは受験者がよく犯すミスと、その回避法を整理します。
1. スペルミス
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問題点: 正しい答えを聞き取っていても、スペルを間違えると不正解。 
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回避法: - 
頻出単語(environment, accommodation, technology など)をリスト化して覚える。 
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書き取り練習の際は、必ず正しい綴りを確認。 
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「複数形の -s」や「-tion / -sion」などの細かい部分にも注意。 
 
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2. 語数制限を守らない
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問題点: 「NO MORE THAN TWO WORDS」と指示されているのに3語以上を書いてしまい、不正解。 
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回避法: - 
解答する前に指示を再確認する。 
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長いフレーズではなく、必要最小限の単語で答える。 
 
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3. 単数・複数や冠詞の間違い
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問題点: 文法的に不自然になってしまう(例: “a information” や “cars” を “car” と書く)。 
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回避法: - 
空欄前後を読んで、文全体として自然な文になるか確認。 
- 
「数えられる名詞/数えられない名詞」の区別を意識する。 
 
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4. 聞き逃し・混乱
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問題点: 音声が速く、途中で置いていかれる。 
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回避法: - 
空欄の直前・直後に特に集中する。 
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先読みで「答えになりそうなもの」を予測しておく。 
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聞き取れなかった場合でも、文脈から推測して埋める訓練をしておく。 
 
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5. 書き間違い(数字・日付など)
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問題点: 例)”15th March” を “15 March” と書き、指示に合わず不正解になる。 
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回避法: - 
数字や日付の書き方(15, fifteen, 15th など)は問題ごとのルールを確認。 
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本番前にIELTSでよく出る「数字・時間・日付表現」の書き方を整理しておく。 
 
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おすすめ練習教材
Sentence Completionのスコアアップには、公式問題集から日常的な英語音声まで、幅広い教材を組み合わせることが効果的です。ここでは特に役立つ教材と活用法を紹介します。
1. Cambridge IELTSシリーズ
- 
定番中の定番。実際の試験と同じ形式・難易度で練習できる。 
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過去問に近い問題が収録されており、出題傾向の把握に最適。 
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スクリプト付きなので、答え合わせ後に「どこで聞き逃したか」を確認できる。 
2. IELTS公式Practice Materials
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British CouncilやIDPが提供する公式教材。 
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模擬テスト形式で、本番さながらの練習が可能。 
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解答のサンプルや解説もあり、独学でも学びやすい。 
3. オンラインリスニングサイト
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BBC Learning English: ニュースや会話形式の教材が豊富。 
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VOA Learning English: ゆっくりしたスピードの英語で聞き取りやすい。 
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実際のIELTSより平易なものもあるが、リスニングの基礎力アップに役立つ。 
4. TED Talks / Podcast
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さまざまな分野の講演や会話を聞けるため、アカデミックな語彙や表現に慣れるのに最適。 
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スクリプトが用意されているため、ディクテーションや精聴にも活用できる。 
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実際のIELTS講義形式の音声に近いリズムやスピードを体感できる。 
5. 自作ディクテーション教材
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短い英語ニュースや動画の音声を書き起こし、Sentence Completion形式に自分で問題を作る。 
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「自分で設問を作る」ことで、出題者の視点を理解でき、実戦での勘が養われる。 
まとめ
Sentence Completion問題は、シンプルに見えて実際には リスニング力・文脈理解力・書き取りの正確さ が問われる難易度の高い形式です。特に、IELTSならではの「語数制限」「パラフレーズ」「スペルの正確さ」といったルールに慣れることが、高得点へのカギとなります。
効果的な練習のポイントを振り返ると次の通りです。
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先読みで予測してから音声に集中する 
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空欄前後を意識して必要な情報を聞き取る 
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スペル・文法・語数制限を厳守する 
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解いた後は必ずスクリプトで振り返り、パラフレーズを確認する 
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日常的にディクテーションや多様な教材で耳を鍛える 
毎日の練習でこのサイクルを回すことで、苦手意識を克服し、Sentence Completionを得点源に変えることができます。リスニング全体のスコアアップを狙う上でも、欠かせない対策分野です。
よくある質問(FAQ)
Q1. Sentence Completionで一番多い失点原因は何ですか?
A. 最も多いのは スペルミスと語数制限違反 です。正しい答えを聞き取っていても「スペルが間違っている」「3語以上書いてしまった」場合は不正解になるため注意が必要です。
Q2. 音声が速すぎて聞き逃してしまいます。どうしたら良いですか?
A. 先読みで予測する習慣をつけると、空欄部分に集中しやすくなります。また、ディクテーション練習で「聞き取れるスピードの幅」を広げるのも有効です。
Q3. 書き取る時に略語(例: “info” や “approx”)を使ってもいいですか?
A. いいえ。正式な綴りが求められるため、不正解となります。必ず正しい単語をフルスペルで書きましょう。
Q4. 数字や日付の表記はどうすればいいですか?
A. 問題ごとの指示に従ってください。一般的には「15 March」「March 15th」などどちらも正解ですが、Cambridge IELTSシリーズで出てくる表記に慣れておくのが安心です。
Q5. 文法的に正しくなくても答えとして認められますか?
A. 空欄部分に入る答えが正しく、文全体が自然に読めれば正解となります。ただし、冠詞や単数・複数が間違っていると不正解になる場合が多いです。
Q6. 効果的な勉強時間の目安は?
A. 毎日30分〜1時間を継続するのがおすすめです。問題演習とディクテーションを組み合わせると効率的です。
Q7. TOEICの穴埋め問題と比べて難しいですか?
A. IELTSのSentence Completionは パラフレーズが多用される点 が大きな違いです。同じ意味を別の表現で聞き取る力が必要なので、TOEICより一段階難しいと感じる人が多いです。
Q8. 本番で答えをメモしてから清書してもいいですか?
A. はい。IELTSではリスニング後に 10分間の解答転記時間 があるため、まずは聞き取った内容をメモし、最後にAnswer Sheetに清書するのがおすすめです。

 
		 
		 
			 
			 
			 
			 
			