TOEICリーディング対策 Readingセクション全体攻略

はじめに

TOEICのリーディングセクションは、試験全体の中でも特に時間配分が難しいパートとして知られています。合計100問を75分で解き切らなければならず、多くの受験者が「最後まで問題を解けなかった」「焦って読み飛ばした」という経験をしています。

リスニングと異なり、自分のペースで解答できる一方で、文章量の多さと設問数の多さが最大の課題となります。特にPart 7の長文読解はビジネスメール、広告、記事、報告書など幅広いジャンルが出題され、単なる英語力だけでなく、素早く情報を探し出す力(スキャニング力) や、時間を区切って処理する戦略性 が求められます。

さらに、Part 5・6では文法力や語彙力がダイレクトにスコアへ反映されるため、基礎知識が十分でないと序盤で時間を消費し、長文問題に影響を及ぼすこともあります。

したがって、TOEICリーディングで高得点を取るには、以下の3つがカギとなります。

  1. 基礎力の強化(語彙・文法)

  2. 時間を意識した解答スピードの習得

  3. 設問先読みと効率的な読解法の実践

本記事では、リーディングセクション全体の構成と特徴を押さえつつ、各Partの攻略法、学習の進め方、実際の試験での時間配分まで徹底的に解説します。


リーディングセクションの全体構成

TOEICリーディングは Part 5・6・7 の3つで構成され、合計100問を 75分 で解答します。出題形式ごとに求められるスキルが異なるため、それぞれの特徴を把握することが攻略の第一歩です。

Part 5:短文穴埋め問題(30問)

  • 内容:1文の中に空所があり、語彙・文法の知識で正しい選択肢を選ぶ形式。

  • 出題範囲:品詞(名詞・動詞・形容詞・副詞)、前置詞、接続詞、時制、仮定法など。

  • 特徴:シンプルな文法・語彙問題が中心。

  • ポイント:1問に時間をかけすぎない。目安は 20秒以内

Part 6:長文穴埋め問題(16問)

  • 内容:1つの長文(広告、メール、記事など)に4つの空所があり、文脈を考えて答える問題。

  • 出題範囲:語彙・文法に加え、文章全体の一貫性や流れを理解する力が必要。

  • 特徴:文法的に正しいだけでなく、自然な文章になる選択肢を選ぶ必要がある。

  • ポイント:1問あたり 40秒以内、1セット合計3分程度を目安に。

Part 7:長文読解問題(54問)

  • 内容:メール、記事、広告、案内、報告書などの文章を読み、設問に答える。

  • 構成

    • シングルパッセージ(1文書+設問2〜4問)

    • ダブルパッセージ(2文書+設問5問程度)

    • トリプルパッセージ(3文書+設問5問程度)

  • 特徴:設問数が多く、試験時間の大部分を占める。

  • ポイント:設問を先に確認し、該当箇所をスキャンする力が必須。


✅ 合計問題数:100問
✅ 試験時間:75分
✅ 各Partの時間配分目安:

  • Part 5 → 10分

  • Part 6 → 10分

  • Part 7 → 55分

こうした全体像を理解した上で学習すれば、「どこで得点を稼ぐか」「どこで時間を節約するか」が明確になります。


時間配分の目安

TOEICリーディングで多くの受験者が直面する最大の課題は 時間不足 です。文章量と問題数が膨大なため、戦略的に時間を割り振らなければ最後まで到達できません。ここでは理想的な時間配分の目安を示します。

全体の基本配分(75分/100問)

  • Part 5(30問):約10分

    • 1問につき 20秒以内

    • 基本文法・語彙問題なので、迷ったら即答・即次へ。

  • Part 6(16問):約10分

    • 1問につき 35〜40秒

    • 文脈理解が必要なためPart 5より時間をかけるが、長考は禁物。

  • Part 7(54問):約55分

    • シングルパッセージ → 20分

    • ダブルパッセージ → 15分

    • トリプルパッセージ → 20分

    • 文章の種類ごとに「残り時間」を意識して管理する。


時間配分のコツ

  1. 時計を3分割して管理

    • 試験開始から 25分経過時点でPart 6終了

    • 残り50分をPart 7に集中

    • 残り時間が見やすいよう腕時計でチェック。

  2. Part 5で時間を稼ぐ

    • 瞬発力で解ける問題は即答。

    • 悩む問題に1分以上使うと致命的。

  3. Part 7は設問先読みで効率化

    • 文章を最初から最後まで読まず、設問の該当箇所をスキャン。

    • 特にトリプルパッセージでは時間管理がカギ。


理想の解答ペース

  • 開始25分 → Part 5・6を終了

  • 残り50分 → Part 7を攻略

  • 終了5分前 → 見直し&マーク漏れチェック

この時間感覚を本番で自然に再現するためには、模試を使った実戦演習 が欠かせません。


攻略のポイント(Part別)

Part 5:短文穴埋め問題(語彙・文法)

特徴

  • 1文の空所に最も適切な単語を選ぶ問題。

  • 品詞・文法・語彙を瞬時に判断する力が必要。

攻略法

  1. 品詞の判断を最優先

    • 選択肢が名詞・動詞・形容詞・副詞なら文の構造から即決。

    • 「空所の前後」だけで解ける問題が多い。

  2. 頻出文法を徹底復習

    • 時制、態、主語と動詞の一致、接続詞・前置詞の使い分け。

    • TOEICに特化した文法書を使うのが効率的。

  3. 長考せずに即断即決

    • 20秒ルールを徹底。

    • 分からなければマークして進む。


Part 6:長文穴埋め問題(文脈理解)

特徴

  • 1つの長文に4つの空所が設定されている。

  • 単なる文法知識だけでなく、文章全体の流れを読む力が必要。

攻略法

  1. 前後の文脈を確認

    • 空所の直前・直後に答えのヒントがあることが多い。

    • 代名詞や接続詞でつながりを意識する。

  2. 「不自然な選択肢」を排除

    • 文法的に正しくても、文章全体の流れに合わなければ誤答。

    • ビジネス文書らしい一貫性を優先。

  3. 1セット3分以内で処理

    • 長文をじっくり精読する必要はない。

    • 目安は1問35〜40秒。


Part 7:長文読解問題(シングル・ダブル・トリプルパッセージ)

特徴

  • メール、広告、記事、報告書など多彩なジャンルが出題。

  • 情報量が膨大で、TOEICリーディングの中核を占める。

攻略法

  1. 設問先読みを徹底

    • 質問を確認してから本文を読む。

    • 「何を探すか」が明確になれば時間短縮できる。

  2. スキャニング力を鍛える

    • キーワードを拾って該当箇所を探す。

    • 例えば「数字・日付・名前・場所」などは手がかりになる。

  3. 情報を整理する意識を持つ

    • 特にダブル・トリプルでは複数文書の関連性を問われる。

    • 「誰が」「いつ」「どこで」「何をしたか」をメモすると正答率が上がる。

  4. 最後まで到達することを最優先

    • 分からない問題で立ち止まらない。

    • マークだけして進み、後で戻る方が得点効率が高い。


✅ まとめると:

  • Part 5 → 瞬発力で解く

  • Part 6 → 流れを意識する

  • Part 7 → 設問先読みとスキャニングで時間短縮

この3つの戦略を組み合わせることで、時間内に高得点を狙えるようになります。


学習法のステップ

TOEICリーディングで安定して高得点を狙うためには、ただ過去問を解くだけでは不十分です。語彙力・文法力・読解力を段階的に強化し、最終的に時間内で100問を解き切る実戦力をつける必要があります。以下のステップで学習を進めましょう。


1. 語彙力の強化

  • TOEIC頻出単語帳を活用(ビジネス・日常・契約・メール表現が中心)

  • 単語は「意味」だけでなく「品詞・使い方」まで覚える

  • 毎日少しずつ積み重ね、最低でも5000語レベルを目指す


2. 文法の基礎固め

  • Part 5対策を通して品詞問題・時制・仮定法・比較表現などを徹底復習

  • 「なぜその答えなのか」を説明できるレベルまで理解

  • 間違えた問題はノート化し、弱点を潰す


3. 精読トレーニング

  • Part 7の長文を「意味を完全に理解する」つもりで読む

  • 文構造を把握 → 主語・動詞・修飾関係を確認

  • 最初は時間を気にせず、理解度を優先


4. 多読・速読トレーニング

  • 新聞記事、ビジネス文書、TOEIC模試の長文を大量に読む

  • 「1分で何語読めるか」を計測して読解スピードを意識

  • 意味が分からなくても止まらずに読み進める訓練をする


5. 模試で実戦演習

  • 本番と同じ 75分で100問 を解く練習を繰り返す

  • 最初は時間切れでも構わない → 徐々に時間配分を改善

  • 模試後は「どの問題で時間を使いすぎたか」を必ず分析


6. 復習と弱点補強

  • 間違えた問題は 正答を覚えるのではなく根拠を理解する

  • 語彙不足なら単語帳、文法なら参考書に戻って復習

  • 反復学習で知識を定着させる


学習サイクルの例

1日目:語彙30語+文法問題30問
2日目:Part 7精読1セット+語彙復習
3日目:模試1回分(時間無制限)+復習
4日目:速読練習+弱点ノート見直し

このサイクルを繰り返すことで、知識・スピード・戦略 がバランスよく鍛えられます。


直前対策のチェックリスト

TOEIC本番直前の数日〜1週間は、新しい知識を詰め込むよりも「得点を最大化するための確認作業」が重要です。以下のチェックリストを活用して、万全の状態で試験に臨みましょう。


語彙・文法の最終確認

  • 苦手な単語リストを見直し、意味+使い方を最終チェック

  • 接続詞・前置詞・動詞の活用など、間違いやすい文法ポイントを復習

  • 短文穴埋め(Part 5形式)を10〜20問ほど解いて頭をウォームアップ


時間配分のリハーサル

  • 模試1回分を 本番と同じ75分で解く練習 を行う

  • 「25分でPart 5・6終了、残り50分でPart 7」という流れを体に染み込ませる

  • 時間オーバーした場合は「どこで詰まったか」を分析


解答戦略の徹底

  • 分からない問題は長考せず即マークして先へ進む

  • Part 7では「設問先読み→本文で該当箇所を探す」を徹底

  • マークシートを飛ばさないよう、最後に2分残してチェック


試験前日の準備

  • 英語に触れる(軽く音読やリーディング練習)程度に留める

  • 睡眠をしっかり取り、試験当日に頭が冴える状態を作る

  • 受験票、身分証明書、時計、筆記用具を確認


当日の注意点

  • 試験直前に単語帳をざっと眺め、脳を英語モードに切り替える

  • Part 5の序盤で詰まらず、スムーズにリズムを作る

  • 最後まで解き切ることを最優先にする


✅ このチェックリストを実行すれば、知識面・戦略面・精神面のすべてを整えて本番に臨めます。


まとめ

TOEICリーディングセクションは、語彙力・文法力・読解力・時間管理力 のすべてが試されるパートです。特に75分で100問を解き切るには、知識だけでなく「戦略」と「スピード」が不可欠です。

  • Part 5 では基礎文法・語彙を瞬時に判断する力

  • Part 6 では文脈を読み取り、自然な流れを意識する力

  • Part 7 では設問先読みとスキャニングで効率的に情報を探す力

これらをバランスよく鍛えることで、最後まで解き切り、安定してスコアを伸ばすことができます。

学習の流れとしては、

  1. 語彙と文法の基礎固め

  2. 精読で理解力を高める

  3. 多読・速読でスピード強化

  4. 模試で実戦練習&時間配分調整

というステップを繰り返すのが効果的です。

また、直前期は「新しいことに手を出さず、これまでの復習と時間配分の確認」に集中することが成功のカギです。

リーディングは「最後まで解けなかった…」という失敗が最も多いパートですが、本記事で紹介した戦略を実践すれば、着実に得点アップにつなげられます。

知識 × 戦略 × 時間管理 を意識して学習を積み重ね、TOEIC本番での高得点を目指しましょう。


FAQ:TOEICリーディング対策 Readingセクション全体攻略

TOEICリーディングは何分で何問ですか?

合計75分で100問(Part 5: 30問、Part 6: 16問、Part 7: 54問)です。基本配分はPart 5=10分、Part 6=10分、Part 7=55分が目安です。

時間が足りません。最優先で見直すポイントは?

Part 5での長考をやめる(1問20秒の即断即決)、Part 7は設問先読み→該当箇所スキャン→根拠確認の手順を固定化、25分でPart 5・6終着のペース管理を徹底します。

Part 5の頻出分野は?

品詞(名/動/形/副)、前置詞・接続詞、時制、態、主語動詞一致、比較、関係詞。まず品詞判定で落とさないことが最重要です。

Part 6で正解に近づくコツは?

文脈の一貫性を最優先します。代名詞の指示先、接続副詞の論理、時制の整合性、不自然な選択肢の排除で3分/セット以内で処理します。

Part 7は全文精読すべき?

いいえ。設問と選択肢を先に確認し、本文はキーワード(数字・固有名詞・日付・場所)で該当箇所をスキャンします。必要箇所のみ精読します。

長文(ダブル/トリプル)で混乱します。整理の型は?

「誰が・いつ・どこで・何をした」を簡単にメモ化し、文書間の関係(依頼→返信→通知など)を矢印で把握します。問いごとに根拠行を必ず特定します。

どのレベルの語彙力が必要?

まずビジネス頻出語(メール・案内・広告・会議表現)を優先して5000語レベルを目安に。意味だけでなく品詞・派生語・コロケーションまで覚えます。

毎日の学習ルーティン例は?

語彙30語+Part 5を20問→Part 7精読1セット→弱点ノート復習。週2回は75分通し模試で時間感覚を矯正します。

模試の活用法は?

本番同条件で解く→設問別・パート別の時間超過を記録→「迷い時間」を特定→原因(語彙不足/設問先読みの不足/根拠探索の遅さ)に対応した復習を行います。

直前期は何をやるべき?

新出分野に手を広げず、既学の語彙・文法の復習、フォーム(設問先読み・スキャン・根拠確認)の固定化、ペース配分の最終リハーサルに集中します。

ケアレスミスを減らすには?

選択肢の言い換えトラップに注意し、必ず本文の根拠行に下線を引く意識で確認。最後の2〜5分はマークずれと未塗りつぶしのチェックに充てます。

スコアアップに直結する勉強の優先度は?

①頻出語彙の定着 ②Part 5の瞬発力 ③Part 7の設問先読みとスキャニング ④75分の通し練習と振り返り、の順が効果的です。

英文を読むスピードが遅いです。改善法は?

精読と多読を分離します。精読で構文力を鍛え、別枠でタイマーを使った多読(WPM計測)を行い、意味が大勢で取れれば戻らない癖をつけます。

辞書は本番で使えますか?

いいえ、使用不可です。未知語に遭遇しても文脈・言い換え・対比表現から推測し、設問に必要な最小限の意味をつかみます。

目標スコア別の着眼点は?

〜600点:Part 5の基礎文法と頻出語で取りこぼし削減。700〜800点:Part 7の情報検索スピード強化。900点〜:根拠の即時特定と迷い時間ゼロ化。

解けない問題に出会ったら?

即マークで先へ。戻っても伸びない消耗問題はスルーし、可解度の高い問題で確実に得点します。

学習効果を最大化する復習法は?

誤答を「知識不足/読解戦略不足/時間管理ミス」に分類し、原因別に対策をノート化。次の演習で同類のミスを潰すPDCAを回します。

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