目次
- TOEIC900点を取得する勉強法- はじめに
- 1. 現状分析と弱点特定
- 2. リスニング対策 ― ネイティブ速度に慣れる
- 3. リーディング対策 ― 精度とスピードの両立
- 4. 語彙と表現の拡充
- 5. 模試・時間配分の最適化
- 6. 900点突破のための学習習慣
- まとめ
- FAQ:TOEIC900点を取得する勉強法
- TOEIC900点までに必要な学習時間はどれくらい?
- 900点を狙う1日の学習配分は?
- 模試はどれくらいの頻度でやるべき?
- シャドーイングとディクテーション、どちらを優先?
- Part3・4が安定しません。効果的な先読みのコツは?
- Part5の目標解答時間は?
- Part7を時間内に解き切る方法は?
- 語彙はどう増やす?暗記が定着しません。
- リスニングで訛りや速さに対応できません。
- スコアが伸びない停滞期の打開策は?
- 本番での時間配分の鉄則は?
- 900点に必要な正答率の目安は?
- どの教材を中心に使うべき?
- 学習の進捗はどう測ればいい?
- 試験直前の24〜48時間は何をすべき?
- 再受験の間隔は?
 
TOEIC900点を取得する勉強法
はじめに
TOEIC900点は、英語力を客観的に証明するうえで一つの「到達点」とも言えるスコアです。外資系企業への就職・転職、グローバル部門でのキャリアアップ、あるいは英語を武器にした専門職を目指す際に大きな強みとなります。
700点・800点レベルまでは、基礎的な語彙や文法知識に加えて、TOEIC特有のテクニックや時間配分を意識することでスコアを上げることが可能でした。しかし、900点を超えるためには、単なる「解き方」や「コツ」に頼るだけでは足りません。正確性・スピード・高度な読解力とリスニング力 がすべて求められる段階に入ります。
特に900点を目指す受験者に共通する課題は、
- 
ケアレスミスを徹底的に減らすこと 
- 
ネイティブスピードに近い音声を理解すること 
- 
長文読解で情報を素早く正確に処理すること 
 です。つまり、英語の「試験対策」ではなく「実用レベル」での運用力を磨く必要があります。
本記事では、TOEIC900点を突破するために必要な学習戦略を、リスニング・リーディング・語彙・模試活用などの観点から整理し、効果的な学習法を具体的に解説していきます。
1. 現状分析と弱点特定
TOEIC900点を目指す段階では、すでに基礎的な英語力は十分に備わっています。そのため「どこで点数を落としているか」を把握し、弱点を徹底的に潰すことが最重要になります。
模試を使った自己診断
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公式問題集や信頼できる模試を利用し、正答率と時間配分をチェック 
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単なる点数ではなく、「どのPartでミスが集中しているか」を分析 
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目安:900点を狙うなら リスニングで95%以上、リーディングで85%以上 の正答率が必要 
リスニングの弱点例
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Part 2(応答問題):短文の聞き逃しやひっかけ問題での失点 
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Part 3・4(会話・説明文):先読み不足による情報取りこぼし 
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特に、設問文を読まずに音声に入ってしまうと正答率が下がる 
リーディングの弱点例
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Part 5(短文穴埋め):文法のケアレスミスや類似表現で迷う 
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Part 6(長文穴埋め):文脈理解不足での誤答 
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Part 7(長文読解):ダブルパッセージやトリプルパッセージで時間切れ 
弱点特定の具体的方法
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間違えた問題に必ずマークをつける 
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「理解不足」なのか「不注意」なのかを分類 
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不注意なら解答プロセスを改善、理解不足なら知識の強化へ 
900点突破は「弱点を1点でも減らす積み重ね」です。全体のスキルを底上げするよりも、失点パターンを潰す作業が効率的です。
2. リスニング対策 ― ネイティブ速度に慣れる
TOEIC900点を突破するための最大の壁の一つがリスニングです。800点台までは「聞き取れる部分を増やす」意識で十分でしたが、900点以上では ネイティブスピードの音声を正確に理解し、迷わず解答できる力 が必要となります。
シャドーイングで耳と口を鍛える
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公式問題集の音声を使い、スクリプトを見ながら声に出して真似する 
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慣れてきたらスクリプトなしで、音のリズムや抑揚まで再現する 
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毎日15分でも続けると、聞き取り精度が格段に向上する 
ディクテーションで弱点補強
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聞き取れなかった部分を「書き出す」練習 
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リエゾン(音のつながり)や省略表現を確認し、発音のクセを意識する 
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曖昧に聞き流さず、聞けなかった原因を突き止めることが重要 
先読み習慣を徹底
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Part 3・4では、音声が流れる前に設問と選択肢を確認 
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「何を問われるか」を把握してから聞くと、不要な情報に惑わされず正答率が上がる 
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特にダブルスピーカー(男女会話)では、役割を早めに把握することが鍵 
実践的リスニング素材で耳を慣らす
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TED Talks, BBC News, CNNなどで「TOEICより速い音声」に慣れる 
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毎日10分でも良いので、試験以外の英語音声を習慣化する 
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TOEIC音声が「聞きやすく感じる」状態を目指す 
リスニングは「耳に慣れる」だけでなく、「聞きながら理解する処理速度」を鍛えることが、900点突破に直結します。
3. リーディング対策 ― 精度とスピードの両立
TOEICのリーディングは、75分で100問を解答するハードなパートです。900点を目指す場合、単に正解するだけではなく、「正確に、かつ制限時間内に解き切るスピード」 が必須となります。
Part 5(短文穴埋め) ― 瞬発力で解く
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文法・語彙問題は 1問20秒以内 が目安 
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知識で瞬時に判断できる問題と、文脈を読まないと解けない問題を切り分ける 
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間違えた問題は必ず「なぜその選択肢が誤りか」まで確認 
Part 6(長文穴埋め) ― 文脈理解力を磨く
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文章全体の流れを意識し、単語の意味だけでなく文意との一貫性を確認 
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特に接続詞・代名詞の選択は、前後の文脈を正確に把握することが鍵 
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文章を読み飛ばさず、自然な流れを意識して解答する 
Part 7(長文読解) ― 情報検索と集中力
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シングルパッセージでは 設問と本文を往復しながら効率的に情報を探す 
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ダブル・トリプルパッセージでは、複数資料の関連性を早く見抜くことがポイント 
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例:メール+広告、記事+表、など資料間の関係を意識して読む 
時間配分の徹底
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Part 5:15分 / Part 6:10分 / Part 7:50分 が理想的 
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最後まで解き切ることを最優先にし、迷ったら一旦マークして進む 
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900点を狙うには 「解き残しゼロ」 が必須条件 
精読と速読のバランス
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普段の学習では精読で細かく理解力を高める 
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模試演習では速読を意識し、設問に必要な情報だけを素早く抽出する訓練をする 
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「読む」ではなく「問題を解くために情報を取る」という姿勢が重要 
リーディングで900点を目指すには、知識力よりも 正確性+処理速度+集中力の持続 が勝負になります。
4. 語彙と表現の拡充
TOEIC900点を目指す段階では、基礎的な単語力はすでに備わっています。ここからは ビジネスシーンで頻出する語彙・表現をどれだけ幅広く正確に使えるか がポイントになります。
TOEIC頻出ビジネス語彙を強化
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例:implement(実行する)、revenue(収益)、negotiate(交渉する)、comply with(〜に従う) 
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「動詞+名詞」「形容詞+名詞」のセットで覚えると実用性が高い 
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選択肢でよく出る類似表現(e.g., purchase / acquisition / procurement)を区別できるように 
類義語・派生語をまとめて覚える
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単語は単独で覚えるより、語族ごとに整理すると記憶が定着しやすい 
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例: - 
analyze → analysis → analytical 
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employ → employee → employer → employment 
 
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コロケーション(単語の組み合わせ)を意識
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TOEICは自然な表現を選ばせる問題が多い 
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例:make a decision(決断する)、conduct a survey(調査を行う)、meet a deadline(締め切りを守る) 
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単語帳だけでなく、例文で「一緒に使われる単語」を押さえる 
多読で文脈から吸収
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英字新聞、ビジネス記事、海外企業のプレスリリースなどを定期的に読む 
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文脈の中で語彙を理解すると「試験用の暗記」ではなく「使える知識」になる 
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知らない単語は調べてメモし、模試演習で再度出会うことで定着度が高まる 
語彙力は「知っている」だけでなく「瞬時に使える」レベルまで引き上げることが、900点突破の鍵となります。
5. 模試・時間配分の最適化
TOEIC900点を突破するためには、知識やスキルに加えて 「試験本番での時間管理」 が非常に重要です。いくら実力があっても、時間切れで解き残しが出るとスコアは伸びません。模試を使って「解答リズム」を体に染み込ませることがポイントです。
フル模試で本番を再現
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公式問題集や信頼できる模試を 2時間ぶっ通しで解く練習 を繰り返す 
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途中休憩を挟まず、実際のテスト環境と同じ条件で行う 
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本番独特の集中力や疲労感に慣れることが、最後まで得点を取り切る秘訣 
リーディングの時間配分モデル
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Part 5:15分(1問20秒ペース) 
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Part 6:10分 
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Part 7:50分(シングル25分、ダブル10分、トリプル15分) 
 これを徹底することで「最後まで全問解答」が可能になる
リスニングのリズムを習慣化
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Part 1・2は集中力を切らさずに一発で正答する 
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Part 3・4は 設問先読み → 音声理解 → 即答 のリズムを確立する 
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模試演習中は「設問文を見終わるタイミング」を意識して管理 
ミスの原因を記録する
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模試を解いたら必ず 「時間不足」「知識不足」「不注意」 の3つに分類 
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同じ原因での失点を繰り返さないように対策を明確化 
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900点を狙うには「自分の失点パターン」を完全に把握することが必須 
模試は「力試し」ではなく「時間配分の最適化と弱点潰し」のためのツール。回数を重ねるほど、本番で安定して高得点を出せるようになります。
6. 900点突破のための学習習慣
TOEIC900点は「短期間の追い込み」で到達するのが難しいスコアです。基礎力はすでに十分あるため、あとは 毎日の習慣の積み重ね が大きな差を生みます。
毎日の学習ルーティンを固定化
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リスニング:1時間(シャドーイング+模試音声) 
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リーディング:1時間(Part別演習+精読) 
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まとまった時間が取れない場合でも、通勤や隙間時間を利用して英語に触れる 
英語を「生活に組み込む」
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通勤中はポッドキャスト(BBC, CNN, TEDなど)を聞く 
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ニュース記事や英語サイトを日常的に読む 
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英語を「特別な勉強」ではなく「日常の一部」として取り入れる 
定期的な模試で進捗確認
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2〜3週間に一度は模試を解き、点数の推移を確認 
- 
900点が安定して取れるまでは「本番形式」での演習を継続 
- 
スコアの変動よりも「解き残しがなくなっているか」を重視 
メンタルと集中力の管理
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本番で高得点を取るには 2時間集中を維持できる体力 も重要 
- 
模試で本番同様に緊張感を持って取り組む習慣をつける 
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「解けるはずの問題を落とさない」意識で安定した得点力を作る 
TOEIC900点は、知識やテクニック以上に「習慣の質」で決まります。毎日の学習を仕組み化し、少しずつ精度を高めることで、確実に900点の壁を突破できます。
まとめ
TOEIC900点は、単なるテストテクニックだけでは到達できない「英語運用力」の証明です。
これまで解説してきたポイントを振り返ると:
- 
現状分析と弱点特定:自分の失点パターンを把握し、徹底的に潰す 
- 
リスニング強化:ネイティブ速度に慣れ、聞きながら理解する処理力を養う 
- 
リーディング強化:正確性とスピードを両立し、最後まで解き切る 
- 
語彙と表現の拡充:頻出ビジネス英語やコロケーションを習得し、瞬時に使えるレベルにする 
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模試・時間配分の最適化:解答リズムを身体に覚え込ませ、本番で安定した実力を発揮する 
- 
学習習慣の定着:日常生活に英語を組み込み、継続的に力を積み上げる 
これらを実行すれば、TOEIC900点は決して「特別な人だけのスコア」ではありません。むしろ、計画的な学習と徹底した習慣化によって、誰でも到達可能な目標です。
TOEIC900点を取得することは、就職・転職・昇進といったキャリアの選択肢を大きく広げるだけでなく、英語を自信を持って使えるようになる大きなステップでもあります。ぜひ、自分に合った学習法を継続し、900点突破を現実のものにしてください。
FAQ:TOEIC900点を取得する勉強法
TOEIC900点までに必要な学習時間はどれくらい?
現在のスコアと学習の質によりますが、800点前後から900点を目指す場合は、目安として100〜150時間の集中的トレーニングが必要です(1日2時間で2〜3か月)。「時間」よりも、弱点に直結した高密度の学習を優先してください。
900点を狙う1日の学習配分は?
推奨はリスニング60分+リーディング60分。
- リスニング:シャドーイング(20分)、ディクテーション(20分)、Part3・4の先読み→即答訓練(20分)
- リーディング:Part5瞬発力(20分)、Part6文脈把握(10分)、Part7実戦演習(30分)
模試はどれくらいの頻度でやるべき?
2〜3週間に1回はフル模試(休憩なし2時間)。日々はPart別の短時間ドリルで精度を上げ、フル模試で時間感覚と集中力を調整します。復習は「時間不足/知識不足/不注意」に分類して再発防止策を明確化。
シャドーイングとディクテーション、どちらを優先?
基本はシャドーイング優先。ただし聞き取れない箇所が残る場合は、その部分だけディクテーションで原因(音の連結・弱形・語彙不明)を特定→再シャドーイングで定着させます。
Part3・4が安定しません。効果的な先読みのコツは?
- 設問→選択肢の名詞・動詞だけを素早く拾い、問われ方の骨格を掴む
- 会話の役割(誰が・何を・なぜ)を最初の5秒で把握する
- 設問順≒情報出現順の原則を活用し、聞き逃しても次へ切り替える
Part5の目標解答時間は?
1問20秒以内が目安。迷ったら即マークして先へ。復習では「なぜ他の選択肢が誤りか」まで説明できる状態をゴールにします。
Part7を時間内に解き切る方法は?
- 設問先読み→本文スキャンの往復で「必要情報のみ」を抽出
- ダブル/トリプルは資料間の対応関係(日時・氏名・価格)を先に揃える
- 配分モデル:シングル約25分、ダブル約10分、トリプル約15分
語彙はどう増やす?暗記が定着しません。
語族・コロケーション単位で覚えます(例:analyze/analysis/analytical、make a decision、meet a deadline)。模試で出会った語を「例文化→音読→再出会い」のループで定着させるのが最短です。
リスニングで訛りや速さに対応できません。
日次でTOEIC音源+実世界素材(ニュース、講演など)を混ぜ、TOEICより速い音声で耳を鍛えます。目的は「本番が遅く聞こえる」状態づくり。毎日10〜15分で十分効果があります。
スコアが伸びない停滞期の打開策は?
- 間違いを原因別(時間/知識/不注意)に数値化し、最多原因を1つ潰す
- 同一素材の多回転学習(3〜5周)で精度を最大化
- 別フォームの模試で転移確認(やり込み効果が本番型で出るか)
本番での時間配分の鉄則は?
リーディングはPart5:15分/Part6:10分/Part7:50分。迷ったらマーキングして先に進み、解き残しゼロを最優先にします。リスニングは「先読み→理解→即答」の一定リズムを崩さないこと。
900点に必要な正答率の目安は?
あくまで目安ですが、リスニング95%前後、リーディング85%前後。配点は非公開のため多少の上下はありますが、取りこぼしを極小化する発想が重要です。
どの教材を中心に使うべき?
公式問題集を主軸に据えて、質の高い模試を補助的に使用。Part別の弱点には専用ドリルを短時間で回し、復習は根拠言語化(なぜそれが正解/誤りか)まで行います。
学習の進捗はどう測ればいい?
- 週次:Part別正答率/平均解答時間の推移
- 隔週〜月次:フル模試スコアと解き残し件数
- 日次:音読・シャドーイングの継続時間(分)を可視化
試験直前の24〜48時間は何をすべき?
新規学習は最小化し、自分用エラーノートの再点検、Part3・4の先読み感覚の最終調整、Part5の瞬発チェックを実施。睡眠と体調管理を最優先にして、当日はリズム重視で臨みます。
再受験の間隔は?
学習計画が回っているなら4〜8週間を目安に。毎回の受験で「同じ原因による失点が減っているか」をKPIに据え、フォーム依存のブレを抑えます。

 
		 
		 
			 
			 
			 
			 
			