2025/06/25

ChatGPT

AIも完璧じゃない?ChatGPTがポンコツになる時とその理由

2025/06/25
この記事は約 6 分で読めます

AIも完璧じゃない?ChatGPTがポンコツになる時とその理由

「最近、ChatGPT使ってるけど、なんか変なこと言う時ない?」
「すごいって聞いてたのに、意外と微妙……?」

AIチャットツールとして話題のChatGPT。文章作成、要約、英訳、アイデア出し、コード生成まで、まさに万能選手のような存在ですが——
「なんかポンコツなんだけど…」と思う瞬間、一度はありませんか?

実はその感覚、あなただけではありません。

「まるで人間のように自然な受け答えができるAI」として注目されている一方で、ChatGPTには**得意なことと苦手なこと、そして“ミスをしやすいパターン”**が存在します。

たとえば…

  • 聞いた内容に答えてない

  • 長文を入力したら急に文脈を無視する

  • 回答が途中で終わる

  • どこかテンプレっぽくて深みがない

  • さっきと違うこと言ってる?

こうした“ポンコツモード”に遭遇すると、思わず「こっちが疲れるんだけど…」とため息をついてしまう人も少なくありません。

でも実は、それには明確な理由があるんです。
ChatGPTは人間のように「理解して答えている」のではなく、膨大なデータをもとに“それっぽい答え”を予測しているだけ
つまり、中身の正確さよりも「それっぽさ(自然さ)」が優先される構造なんですね。

また、質問の仕方や文脈の渡し方次第で、AIの「精度」や「働きぶり」が大きく変わってきます。
使いこなせば頼れる相棒に、間違うとポンコツ化する。まるで新入社員の教育みたいな話です。


この記事では、実際にChatGPTを使っていて感じやすい「ポンコツ化の瞬間」を具体例とともに紹介しながら、

  • なぜそんな現象が起きるのか

  • どんな時に起こりやすいのか

  • どうすれば改善できるのか

といった「理由」と「対処法」を、わかりやすく解説していきます。

あなたが「AIって結局こんなもんか」とがっかりする前に——
ちょっとしたコツと知識だけで、ChatGPTは“仕事のできる相棒”に変身するかもしれません。


第1章:ChatGPTがポンコツになる瞬間あるある5選

ChatGPTを使っていて「……え?」「なんで今これ?」と感じることはありませんか?
実は、それには明確な“パターン”があります。
ここでは、日常的に起きやすい“ポンコツ化あるある”を、リアルな体験をもとに5つ紹介します。


① 画像生成でフリーズ or エラー連発

「イラスト1枚お願い!」が一番トラブルになりやすい?

ChatGPTで画像生成(DALL·E)を使っていると、こんな経験はありませんか?

  • 指示を出しても、延々「…」と読み込み中のまま止まる

  • 「生成できませんでした」と返されてしまう

  • ちょっと修正してほしいだけなのに、全然違う画像が出てきた

実はこれ、ChatGPTの**“視覚的な指示解釈の限界”と、画像生成AI(DALL·E)との非同期性**が原因です。


❗ なぜ起きるのか?

ChatGPTに内蔵されている画像生成機能(DALL·E)は、文章(プロンプト)から画像を作るAIです。
しかし、このプロセスは実はかなり繊細で、以下のような点でよくつまずきます。

  • 複雑な構図・曖昧な依頼は処理不能になることがある
     例:「夏っぽくて、かわいくて、でもちょっと不思議な感じで」→AIは迷子に

  • 「少しだけ直して」は理解できないことが多い
     例:「背景だけ変えて」「右手の角度を少し下げて」→“背景全く違う新しい画像”が出てくることも

  • 人物や手・指などの細部描写が崩れることが多い(現在も進化中の領域)

ChatGPTは「画像を見ている」わけではなく、あくまでプロンプトを介して画像を“作らせている”だけ。
そのため、「この画像のここだけ変えて」といった視覚的な微調整は、実はとても苦手です。


✅ 対処法・コツ

問題 解決のコツ
長すぎ・抽象的なプロンプトで止まる 短く具体的に。「青空の下で笑う女性」くらいが最適
「少しだけ修正」ができない 必要な要素をあらためて全て書き直すつもりで依頼する
同じ構図でバリエーションがほしい 「同じ構図で色違いのバリエーションを2つ」と明示
手や細部がおかしい 無理に修正させるより、再生成する方が早い場合も

補足:「この画像をベースにして〜」のような指示が通るのは、**画像編集系AI(Midjourney V6+ControlNetやAdobe Firefly)**など、より専門的なツールです。ChatGPTでの画像生成は、今のところ“ざっくり作らせる”用途が主になります。


② 長文の入力で文脈が飛ぶ

がんばって背景も説明したのに、肝心なところスルー!?

ChatGPTに指示を出すとき、「なるべく丁寧に伝えよう」と思って、ついつい長文になってしまうこと、ありますよね。

  • 「この文章は、◯月に提出予定の報告書の一部で…」

  • 「背景としてはこういう事情があって、読者は主に上司で…」

  • 「制約条件としてはこの3点があり、できれば図も入れて…」

こうして一生懸命入力したのに——
返ってきた回答が、背景だけ読んで肝心な依頼部分を無視していたり、意図とまったく違った方向性だったりすることがあるのです。


❗ なぜこんなことが起きるのか?

ChatGPTが“ポンコツ化”するこの現象には、大きく2つの理由があります。


① トークン(記憶容量)制限の壁

ChatGPTは、会話の中でやりとりされたすべてのテキストを「トークン」という単位で記憶しています。
しかしこのトークンには上限があり、長文が続くと重要な部分が“読み飛ばされる”ことがあるのです。

たとえば、背景説明が800語、依頼文が最後の200語だとすると、AI側が“後ろの200語”までうまく辿り着けていないことも。


② “意図の優先度”が分からない

人間なら「たくさんの情報があるけど、結局はこのお願いをしているんだな」と読めますが、ChatGPTはそうではありません。
どこが本題で、どこが補足かの判断が苦手なので、曖昧なままだと「背景だけ真面目に説明して終わり」みたいなことが起こります。


✅ 対処法・コツ

問題 解決のコツ
長すぎて要点が埋もれる 結論ファースト:「まず要望→次に背景」の順で書く
指示の優先順位が伝わらない 「主な依頼は〇〇です」と明示する
途中で内容が飛ぶ 可能なら一度分けてやりとり:「この点だけ確認」「OKなら次へ」方式

プロンプトテンプレ例(改良版)

以下の文章は報告書のドラフトです。まずは◯◯だけを確認し、コメントをください。背景や補足はあとに記載しています。

このように、ChatGPTは“丁寧すぎる説明”がかえって逆効果になるケースがあります。
必要な情報は伝えつつ、**「何を求めているのか」「どこを重視して読んでほしいか」**を意識して書くだけで、ぐっと精度が上がりますよ。


③ 質問にちゃんと答えていない

「で、結局どういう意味なの?」が止まらない

ChatGPTに対して、

  • 「この文の意味を教えて」

  • 「AとBの違いを具体例つきで説明して」

  • 「このままで問題がある点はどこか指摘して」

といった比較的シンプルな問いかけをしたのに、返ってきたのはこんな感じだったこと、ありませんか?

  • どこかふんわりした解説だけで、質問の核心に触れていない

  • 「はい、おっしゃる通りです」と言って終わる

  • 要望とはズレた“よくある一般論”だけを返してくる

「いや、そこ聞いてないんだけど…」と突っ込みたくなる現象、ChatGPTユーザーには非常に“あるある”です。


❗ なぜそうなるのか?

この現象の主な原因は、「ChatGPTは“質問の意図”を正確にくみ取るのが苦手」だからです。


① 意図解釈が甘い(文脈の読み取り力に限界あり)

ChatGPTは言葉を理解しているように見えて、実は「過去の膨大なデータをもとに、それっぽい回答を予測している」だけ。
つまり、質問の「なぜそれを聞いているのか」という意図の背景までは、完全に理解できていないのです。


② 指示が曖昧 or 要素が多すぎると、ズレやすい

ChatGPTは一文に含まれるリクエストが多すぎたり、表現が曖昧だったりすると、自動的に“最もよく見かけるパターン”で答えてしまう傾向があります。

その結果、ユーザーの本来の問いから微妙にズレた回答になってしまい、ポンコツ化してしまうのです。


✅ 対処法・コツ

問題 解決のコツ
回答がぼんやりしている 「要点を3つに分けて」「具体例を1つ加えて」など出力形式を指定する
意図を読み取ってくれない 「この質問の目的は〇〇です」とあらかじめ伝える
ちゃんと答えているか不安 「◯◯について触れていない場合は再度補足して」と念押しプロンプトを添える

プロンプトテンプレ例(明確化バージョン)

css
この質問の目的は、ABの違いを初心者にわかるように伝えることです。
違いを3点挙げ、それぞれに例をつけて説明してください。

このように、質問の意図や形式を明確に伝えるだけで、ChatGPTの“ズレ回答”はぐっと減ります。
「察してくれるだろう」はNG。AIには“伝える努力”が必要なんです。


④ 同じことを何度も繰り返す

AIなのに“話がくどい”問題。エンドレスな繰り返し地獄へようこそ?

ChatGPTでこんな経験、ありませんか?

  • 「この文章を要約して」と頼んだら、“要約風”の文章が3回くらい繰り返される

  • 箇条書きを頼んだら、同じ内容を言い換えて何度も繰り返す

  • 回答の最後が「つまり〜、結論として〜、まとめると〜」で3回終わる

こうした“くどさ”や“無限ループ感”は、ChatGPTにありがちな“ポンコツ化あるある”の一つです。


❗ なぜこんなことが起こるのか?

これは主に2つの理由が考えられます。


① 冗長に書いた方が“それっぽく見える”という癖

ChatGPTは「正しさ」よりも「もっともらしさ(自然な言語)」を重視するAIです。
そのため、繰り返しや言い換えによって文量を水増しした方が“丁寧で賢く見える”と学習してしまっているケースがあります。


② ユーザーの曖昧な指示に対する“保険的な冗長性”

たとえば「この内容をわかりやすく書いて」とだけ指示すると、ChatGPTは「どの程度詳しく?」「誰向け?」が分からず、念のため冗長な表現で“カバーしよう”とする傾向があります。

その結果、ほぼ同じ内容を言い回しを変えて延々と繰り返す“くどいAI”に変貌してしまうのです。


✅ 対処法・コツ

問題 解決のコツ
同じ表現が繰り返される 「最大◯文字で」「箇条書きで重複を避けて」など制限を設ける
要点がぼやけるほど長い 「要点のみ」「一度だけ説明する」など繰り返しを禁止する
指示があいまいだった 「この文章を100文字以内で簡潔に要約してください」と具体的な条件を追加

プロンプトテンプレ例(繰り返し抑制バージョン)

以下の文章を簡潔にまとめてください。要点のみを含め、同じ内容を繰り返さず、最大150文字に収めてください。

ちょっとした制限やルールを加えるだけで、ChatGPTは驚くほど“スッキリした”回答を返してくれるようになります。
くどくて長いのは、AI側の“親切すぎるつもり”。その親切が裏目に出てるだけなんです。


⑤ 曖昧な指示に弱い(=勝手に都合よく解釈)

「いい感じでお願い」が一番危ない。AIは“空気が読めない”のです。

ChatGPTに対して、

  • 「ちょっとナチュラルに直して」

  • 「いい感じにまとめて」

  • 「テンプレっぽくならないようにお願い」

  • 「この表現、なんか微妙だから修正して」

というようなフワッとした指示を出したとき、なんだかモヤモヤする結果が返ってきたことはありませんか?

AIなのに、「なんか話が通じてない」感じがしてしまう——これもChatGPTの“ポンコツあるある”の一つです。


❗ なぜこうなるのか?

ChatGPTは、入力されたテキストを解析し、最も“自然に見える”出力を予測します。
でも、実は**「どのくらいナチュラルに?」「“いい感じ”って何?」の定義が曖昧だと、適切な答えを出せない**のです。

つまり人間なら「まあ、こういうことだろう」と文脈や状況から汲み取れるところを、ChatGPTは明示されていない限り想像できない
だから、

  • やたらフォーマルに直してきたり

  • 逆にカジュアルになりすぎたり

  • 結局ほとんど直っていなかったり

といった「ズレた対応」が起きてしまうのです。


✅ 対処法・コツ

曖昧な指示 改善方法
「ナチュラルに」 Before/Afterの例を提示:「この文みたいに自然に」
「テンプレっぽくなく」 “避けたい表現”を具体的に指定:「この表現は使わないで」
「いい感じに要約」 長さ・対象・目的を明示:「高校生にもわかるように、100文字で」

プロンプトテンプレ例(曖昧→具体的に)

この文章を自然な日本語に直してください。ただしビジネスメール向けで、丁寧すぎず、親しみがある印象になるようにしてください。
「よろしくお願いいたします」は避けてください。

ChatGPTに曖昧なままお願いすると、AIは勝手に“それっぽい”解釈をして動き出すことになります。
つまり、「あなたの期待」と「AIの解釈」がズレてしまうのは当然なんですね。

ちょっと手間でも、「どんな目的で、どう変えてほしいか」を最初に1〜2行加えるだけで、結果は大きく変わります。


まとめ:AIは万能じゃない。「どう使うか」は人間次第

ChatGPTが“ポンコツ”になる瞬間を見てきて、こう思った方も多いのではないでしょうか。

「結局、使い方が難しい」
「思ったよりも万能じゃなかった…」
「むしろ“手間が増える”ときもある」

確かにその通りです。ChatGPTは魔法の杖ではありません
でも、**「的確な問いかけ」や「適切なプロンプト」**を意識するだけで、AIは一気に“賢い相棒”へと進化します。


ポンコツ化を防ぐ、たったひとつの意識

それは——
「AIが勝手に理解してくれる」と思い込まないこと。

ChatGPTは、あなたの“頭の中”や“本音”を読むことはできません。
けれど、「自分の意図を丁寧に伝える」「出力の形式を指定する」「目的と背景を明確にする」ことで、驚くほど人間らしいやりとりが可能になるAIです。


✅ 人間がするべき3つのこと

  1. 目的を明確にする:「何をしてほしいのか」「なぜそれが必要なのか」

  2. ゴールを示す:「誰に向けて?」「どのくらいの長さで?」「どんな雰囲気で?」

  3. 対話しながら修正する:「OK」「ちょっと違う」「もっと◯◯寄りで」とフィードバックを返す


ChatGPTは、あくまで**“共同作業者”**です。
完璧な答えを一発でくれる「答えの自販機」ではなく、**自分の考えを整理したり、アイデアを広げたりするための“相棒”**なのです。


最後にもう一度、この言葉を忘れないでください。

AIは万能じゃない。どう使うかはその人間次第。

使う人のリテラシー次第で、ChatGPTは“ただのポンコツ”にも“最強の右腕”にもなるのです。


22

この記事を書いた人

最新記事

週間人気記事ランキング

月間人気記事ランキング

総合人気記事ランキング

記事カテゴリー

🏫 公式サイト 📩 お問い合わせ
/* */