2015/10/18
目次
「もう歳だから」「今さら英語なんて」——そんな言葉とは無縁のように、63歳のJoeさんは人生の新たな一歩を踏み出しました。
地方公務員として長年勤め上げ、定年後にようやく手にした“自由な時間”。
その時間を「英語の勉強」に費やすことを決め、向かったのはフィリピン・セブ島。若いクラスメイトに囲まれながらも、自分のペースで一歩ずつ語学力を伸ばしていくJoeさんの姿は、まさに“人生100年時代”を象徴するチャレンジです。
本記事では、Joeさんの留学動機からセブ島での生活、学習スタイル、そして定年後の英語活用ビジョンまで、シニア留学のリアルをたっぷりとご紹介します。
「英語を使う仕事に就いたことは、一度もなかったんです」
そう語るJoeさんは、地方公務員として長年地域に貢献してきた人生を歩み、英語とは無縁の日々を過ごしてきました。しかしその一方で、英語に対する“あこがれ”や“もどかしさ”は、心の中にずっとあったと言います。
転機の一つは、息子さんの留学経験。学生時代に交換留学で海外に滞在していたことがあり、その体験談を聞くたびに「英語ができると、こんなにも世界が広がるのか」と感じることが多かったそうです。
また、Joeさん自身も退職後にヨーロッパなどを旅行する機会がありました。しかしそのたびに、英語ができないことで「思うように楽しめない」「もっと深く現地と関わりたかった」と感じる瞬間が増えていきました。
「ホテルや空港でちょっとした会話ができるだけで、旅は全然違うものになる。けれど、その“ちょっとした会話”ができないのがもどかしかったんです」
そんな思いが積み重なり、「英語と本気で向き合おう」と決意。
そして、定年退職という人生の大きな節目を迎えた今、ようやく“時間”という最大の資源を自由に使えるようになり、英語学習への挑戦が現実のものとなりました。
「やりたいことは、やれるうちにやる。元気な今だからこそ、挑戦したいと思ったんです。英語は、ずっと自分の“心残り”でしたから」
63歳という年齢で始めるには不安もあったと言いますが、それ以上に「このまま何もしないまま人生を終えたくない」という気持ちが、Joeさんを動かしました。
英語を学ぶと決めたJoeさんが、まず悩んだのは「どこで学ぶか」でした。欧米やオーストラリアなども候補に上がったものの、最終的に選んだのは、フィリピン・セブ島。理由は明確でした。
「今の自分の英語レベルでいきなり欧米に行っても、会話のスピードについていけず、自信をなくして終わるんじゃないかと思ったんです。その点、フィリピンはマンツーマン授業が主流で、先生も親切。初心者が一歩ずつ学ぶには最適だと感じました」
さらに大きな決め手となったのがコスト面。年金生活の中で長期滞在を考えると、欧米の語学学校はやはり高額すぎるという現実もありました。セブ島なら、授業料・寮費・食事込みで、経済的にも無理なく挑戦できます。
学校選びでは、インターネットで徹底的に情報収集をしたそうです。多くの学校の口コミやブログを読み込み、カリキュラムや立地、生活環境などを比較検討。その中で3D ACADEMYが最も“現実的で信頼できる”と感じたといいます。
「立地が便利そうだったのと、スピーキングに重点を置いたカリキュラムが魅力的でした。それに、1コマ50分という授業時間もちょうどよくて。集中力が持続できる範囲で無理なく学べると思いましたね」
食事の評判が良かったことも、決め手のひとつだったとか。「日本人に合う食事かどうか」は、長期滞在において意外と大きな要素。実際に滞在してみて「予想以上においしかった」と満足そうに語ります。
そして何より、Joeさんの挑戦を支えてくれたのが家族の存在でした。
「妻は“やれるうちにやった方がいい”と、迷いなく背中を押してくれました。『元気なうちにやりたいことをやるべき』と、私より前向きだったかもしれません(笑)」
息子さんも、「英語を学ぶっていうのはすごく素敵な挑戦だ」と応援してくれたそうです。家族の理解と後押しが、Joeさんにとって何よりの心の支えとなり、63歳からの留学を現実のものにしてくれました。
セブ島に到着してすぐに行われたエントランステスト。
「こんなに難しいとは思わなかった」とJoeさんは苦笑します。リスニング、スピーキング、文法など多岐にわたる内容で、試験時間も長く、初日から体力的にも精神的にも消耗したと言います。
「最初の1週間は本当に必死でした。授業についていくので精一杯。でも、それでよかったと思っています。“本気でやらないとダメだ”という緊張感が、自分を奮い立たせてくれました」
3D ACADEMYの大きな特長は、マンツーマン授業が中心という点。Joeさんも、その制度の恩恵を大きく感じていました。
「グループレッスンだと、発言するのが恥ずかしくなる場面もあると思います。でもマンツーマンだと、先生が常に自分のレベルに合わせてくれるし、間違っても大丈夫という安心感がある。スピーキング力を伸ばすには最高の環境です」
授業では、スピーキングを中心にしつつ、必要に応じて発音や文法の基礎もバランスよく取り入れてくれたとのこと。先生たちの丁寧なサポートのおかげで、英語への苦手意識が少しずつ和らいでいきました。
さらに、Joeさんはグループクラスも3つ受講。最初のテストで振り分けられた「Movie understanding」「TOEIC」「Formal and Informal English」の3科目を、そのまま継続しました。
「グループクラスは、若い学生が多いけれど、みんな親切でしたし、テーマも実用的で楽しかったですね。特に“Movie understanding”の授業では、映画のワンシーンを題材にしてディスカッションするので、自然な表現が身につきました」
年齢的な不安を抱えながらのスタートでしたが、授業が始まってしまえば「ただの英語学習者」として教室に溶け込めたと言います。
教える側も学ぶ側も、そこに“年齢”というフィルターはありませんでした。
「先生も、若い学生たちも、私を特別扱いすることはなかった。それがすごくありがたかったですね。『自分もちゃんとここに居ていいんだ』と思わせてくれたんです」
そう語るJoeさんの表情には、自信と穏やかな喜びがにじんでいました。
語学学校3D ACADEMYの学生の多くは、20代から30代の若い世代。大学を休学して来ている人、社会人になって数年という人、ワーキングホリデー前の準備で来ている人など、その背景はさまざまです。そんな中に、63歳のJoeさんが加わるというのは、やはり珍しい存在だったかもしれません。
「最初は、浮いてしまわないかな?と少し心配もありました。でも実際はそんなことはまったくなくて。皆さん本当に優しくて、すぐに馴染むことができました」
若い世代とのコミュニケーションに年齢差を感じることはあったものの、それは語学力というよりもライフスタイルや話題の違い。しかし、Joeさんはそれを“壁”とは捉えず、“刺激”と捉えました。
「皆さん、自分の夢や目標に向かって前向きに行動しているんですよね。そういう姿に触れると、自分も“まだまだやれる”って思える。彼らにとって私は“年上のクラスメイト”かもしれないけど、お互いにいい刺激を与え合える関係だったと思います」
実際、Joeさんの真剣に学ぶ姿勢は、若い学生たちにとっても良い影響を与えていたようです。授業中はもちろん、空き時間や食堂でもJoeさんと話したがる学生が少なくありませんでした。
「“63歳で留学なんてすごいですね”ってよく言われました。でも、私は“若いうちにこんな経験ができるあなたたちの方がすごいよ”って思ってましたよ(笑)」
年齢に関係なく“学びたい”という気持ちで集まっている場所だからこそ、自然と壁がなくなる——それが語学学校の魅力でもあります。年齢を超えてつながる仲間たちとの交流は、Joeさんにとってセブ島で得た大きな財産となりました。
「最初は自分が特別に年上だという意識が強かったけど、途中からは“ただの英語を学ぶひとりの学生”という感覚でいられたのが嬉しかったです」
セブ島での留学生活は、語学だけでなく日常の暮らしそのものが大きな学びになります。特にシニア世代にとっては、生活リズムや食事、健康面など、気になるポイントも多いはず。Joeさんはどう過ごしていたのでしょうか。
「毎日6時に起きて、授業が始まる前に軽く予習をしていました。朝の時間は頭が一番クリアなので、集中できるんです。朝食後に授業を4コマ受けて、昼食、午後の授業、そして夕食。夜はジムに行ってから、また予習と復習。だいたい0時には就寝していました」
留学生活とは思えないほど規則正しい1日。Joeさん自身、「こんなに健康的な生活は久しぶり」と笑います。
宿題は毎日出され、授業の内容も決して楽ではありませんでした。しかし、生活面でのサポートが充実していたおかげで、勉強だけに集中できる環境が整っていたと言います。
「清掃も洗濯も全部学校側がやってくれるので、本当に助かりました。部屋も清潔で快適でしたし、“暮らしながら学ぶ”には理想的な環境でしたね」
また、食事については「想像以上によかった」とのこと。
「日本人なので、やっぱり生野菜が少ないとか気になる点はゼロではありません。でも、メニューはバランスがとれていて、飽きないように工夫されていたと思います。フィリピン料理をアレンジしたものや、日本食に近い味付けの日もあって、十分満足でした」
日々の授業では、午前と午後にマンツーマンが中心、合間にグループクラスを挟むスタイルで、1日6〜7コマの英語漬け。自分のペースで着実に取り組めるこのカリキュラムは、集中力の持続や体力の面でも、シニア世代にとって大きなメリットでした。
「1コマ50分というのもちょうど良くて。長すぎると疲れてしまうし、短すぎると物足りない。よく考えられているなと思いました」
授業以外の時間にはジムで汗を流し、体調管理も欠かさない。まさに“学ぶための生活”がすべてここに整っていたといえるでしょう。
フィリピン・セブ島は、語学留学の地として知られる一方で、さまざまな現実が同居する場所でもあります。
Joeさんは、授業や寮生活とは別に、街の中で出会った“異文化のリアル”に心を動かされたと語ります。
「セブはフィリピン第2の都市で、観光地としても有名。でも実際に街を歩くと、道路は整備されておらず、舗装されていないところも多い。そして何より、幼い子どもたちが物乞いをしていたり、路上で生活している姿を見て、胸が痛くなりました」
日本では想像もできない光景に直面し、「自分がどれほど恵まれた環境で生きてきたか」をあらためて実感したそうです。
「留学といっても、勉強だけではないんだと思いました。この国の現状を肌で感じることができたことは、自分にとってとても大きな学びでした」
語学学校の建物の中と、街に一歩出た先のギャップ。そのコントラストが、Joeさんの記憶に深く残っています。
「現地の人々は、とても明るくて親切なんです。でも、生活は決して楽ではない。そんな中で、毎日を一生懸命生きている姿を見ると、胸を打たれますね。日本にいたら出会えなかった世界でした」
だからこそ、「英語を学んで終わり」ではなく、「何か社会に役立てたい」という想いも芽生えてきたと言います。
「もし英語がもっと話せるようになったら、いつかフィリピンでボランティアをしてみたい。そんな気持ちになったのも、この土地の現実を見たからこそです」
英語というスキルを通じて、単に“旅を楽しむ”だけでなく、“世界を知る”ことができる。Joeさんにとってセブ島での体験は、語学を超えた人生の学びとなりました。
Joeさんが英語留学を決意した最大の目的——それは「自由に旅をする」ことでした。
定年後の時間を、もっと豊かに、もっと自分らしく生きたい。そのために、英語というツールは必要不可欠だと感じていたのです。
「これからの旅は、いわゆる“パッケージツアー”ではなく、自分の足で、自分のペースで歩く旅にしたいんです。現地の人と話して、ローカルな場所を楽しんで。英語ができれば、それが叶うと思って」
セブ島での留学生活を通して、Joeさんはその夢に確実に近づいていきました。
外国人学生との会話も楽しめるようになり、授業で学んだ表現を街で使ってみる勇気も身についてきた。
そして何より、マンスリーテストでスコアが少しずつ伸びていくことで、実力の手ごたえを感じられるようになったのです。
「最初は、ほんのひと言話すのにも緊張していた。でも、今は“通じる喜び”を実感できています。これは、本当に大きな変化です」
さらにJoeさんの中では、新しい目標も生まれてきました。
それは、英語を使って“社会貢献”をすること。
「まだ具体的なことは決めていませんが、英語を使って誰かの役に立てるような活動がしたい。日本でも、海外でも、ボランティアという形で何かできたらと思っています」
帰国後も、Joeさんは英語の勉強を続けると決めています。
留学は“ゴール”ではなく、“新たなスタート”。その思いは、セブ島での1ヶ月でますます強くなったようです。
「英語が話せることで、選択肢が増える。それは旅だけじゃなく、生き方そのものが広がるということだと思います。もう一度言いますが、年齢は関係ありません。“学びたい”という気持ちがあれば、何歳からでも始められるんです」
Joeさんの挑戦は、まだ始まったばかり。
63歳の今だからこそ開いた新しい扉の向こうに、どんな未来が待っているのか——英語を通して、自分の人生をもっと自由に、豊かに。そんな姿が、次なるシニア世代の背中をそっと押してくれそうです。
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A New Challenge at 63! Joe’s English Journey in Cebu After Retirement
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