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セブ島移住ガイド: 引越し前にやるべき10のこと
はじめに
海外移住は人生の大きな転機であり、期待と同時に不安もつきものです。特にフィリピン・セブ島は、温暖な気候、美しいビーチ、英語環境、そして比較的低コストな生活水準から、多くの日本人に選ばれている移住先の一つです。
しかし、現地に到着してから慌てないためには、日本にいるうちに準備しておくことが非常に重要です。パスポートやビザといった基本的な手続きだけでなく、資金計画、荷物の整理、住まい探し、医療保険の確認など、やるべきことは意外と多いものです。
この記事では、セブ島への移住を検討している方に向けて「引越し前にやるべき10のこと」を整理しました。順を追って準備を進めれば、不安を減らし、安心して新しい生活をスタートできます。
1. パスポートとビザの確認
セブ島移住を考える上で、まず最優先で確認すべきなのが パスポートとビザ です。
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パスポートの有効期限
フィリピン入国時には、パスポートの残存期間が少なくとも 6か月以上 必要です。更新が近い場合は、出発前に必ず更新しておきましょう。 -
観光ビザからのスタート
多くの日本人移住者は観光ビザ(30日間有効)で入国し、その後延長手続きを行います。最長36か月まで延長が可能で、短期〜中期滞在者にとっては最も一般的な方法です。 -
特別就学許可証(SSP)
語学学校や専門学校に通う場合は、学生ビザではなく SSP が必要です。これは学校側が代行申請してくれるケースがほとんどです。 -
長期滞在ビザ
セブ島に定住したい人は、以下のビザを検討する価値があります:-
リタイアメントビザ(SRRV):一定額の預金や年金収入が条件。シニア層に人気。
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就労ビザ:現地で働く場合に必須。企業がスポンサーになる必要があります。
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ポイント
現地での生活を始める前に、ビザの種類や延長方法を理解しておくことで、トラブルを防ぎ安心して移住準備が進められます。
2. 資金計画と生活費のシミュレーション
セブ島移住を成功させるためには、生活費の目安を把握し、しっかりと資金計画を立てておくことが大切です。日本と比べると生活コストは安い部分も多いですが、油断すると出費が膨らむこともあります。
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家賃
コンドミニアム:月2〜6万円程度(立地・広さによる)
戸建て:月3〜8万円程度 -
光熱費・水道代
月3,000〜8,000円程度。エアコンを多用すると高くなる傾向。 -
通信費(Wi-Fi・携帯)
月1,500〜3,000円程度。光回線も都市部なら利用可能。 -
食費
ローカル食堂:1食200〜300円
日本食レストランや輸入品中心だと、日本以上に割高になる場合も。 -
交通費
Grab(配車アプリ)やタクシーを利用しても、日本に比べて安価(市内移動で200〜400円程度)。 -
医療・保険
公立病院は安いが、安心して利用できる私立病院は高額になるケースが多い。海外旅行保険や現地保険の利用を検討。
生活費の目安(単身者の場合)
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節約型:月7〜10万円
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標準型:月12〜18万円
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ゆとり型:月20万円以上
ポイント
事前に1年分の生活費を試算し、予備費も含めて用意しておくことで、現地での資金不足リスクを避けられます。
3. 荷物の整理と海外輸送の準備
移住準備で多くの人が悩むのが「何を日本から持っていくか」「現地で買うか」という問題です。セブ島は都市化が進んでおり、生活必需品は現地でも揃いますが、日本の品質や入手困難なものは事前に準備しておくと安心です。
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現地で調達できるもの
家具・家電・調理器具はセブ島でも購入可能。大型のものは輸送費が高いため、現地調達がおすすめ。 -
日本から持参すべきもの
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常備薬やサプリメント(処方薬は数か月分確保)
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日本食材(出汁・調味料・乾物など)
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高品質な衣類(特にビジネス用や冬物は入手困難)
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電子機器や周辺アクセサリー(充電器・変換プラグなど)
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輸送方法の選択
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航空便(エアカーゴ):到着が早いが費用は高め。
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船便(シッピング):費用は安いが到着まで1〜2か月以上かかる。
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引越し専門業者:ドア・ツー・ドアで手間が少ないが割高。
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荷物整理のポイント
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必要最低限に絞り、現地で調達可能なものは無理に持って行かない。
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海外発送の見積もりを複数社で比較し、費用対効果を確認。
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航空手荷物の超過料金も考慮に入れると、結果的に輸送業者を利用した方が安くなる場合もある。
アドバイス
最初はスーツケース2〜3個で渡航し、生活に慣れてから不足分を国際宅配便で送るのが現実的でおすすめです。
4. 健康診断と医療保険の手配
海外移住で最も重要なのが「健康の管理」です。特にセブ島の医療環境は整ってきているものの、日本のように誰でも安価に高水準の医療を受けられるわけではありません。渡航前にしっかり準備しておくことで安心して暮らせます。
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渡航前の健康診断
日本で一度しっかりと健康診断を受けておきましょう。特に歯科治療は現地だと費用が高くなるため、事前に治療を済ませておくのがおすすめです。 -
持病・薬の準備
持病がある場合は、必ず主治医に相談し、必要な薬を数か月分持参。処方箋(英語訳付き)を準備しておくと現地でも安心です。 -
医療保険の選択肢
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海外旅行保険:短期〜中期滞在者向け。キャッシュレス診療が可能なプランを選ぶと安心。
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現地の医療保険:長期滞在者向け。フィリピンの保険会社が提供しているプランは比較的安価。
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国際保険(グローバル保険):駐在員や家族移住者向け。世界中で利用可能だが保険料は高め。
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医療費の実情
セブ市内の私立病院(チョンワホスピタルやセブドクターズ病院)は設備も整い安心ですが、診療費は日本より高額になるケースも多いです。
ポイント
移住初期は体調を崩しやすいため、保険なしでの滞在は非常にリスクが高いです。必ず自分に合った保険を事前に準備しておきましょう。
5. 銀行・クレジットカードの準備
セブ島移住において、お金の管理はとても重要です。日本と同じ感覚で現地生活を始めると「ATMが使えない」「カードが使えない」といったトラブルに遭うこともあります。出発前にしっかり準備しておきましょう。
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日本の銀行口座のオンライン化
移住後も日本の銀行を利用するケースは多いです。インターネットバンキングを必ず設定しておきましょう。ワンタイムパスワードカードやアプリも忘れずに。 -
海外対応クレジットカード
海外利用がスムーズなVISAまたはMastercardを複数枚用意するのがおすすめ。JCBは利用できない店が多いので注意。-
海外キャッシング可能なカード
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海外旅行保険が自動付帯のカード
この2つは特に便利です。
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国際キャッシュカード(デビットカード)
日本の銀行口座から直接現地ATMで引き出せるカード。新生銀行やソニー銀行などが有名です。 -
フィリピン現地での口座開設
長期滞在する場合、BDOやBPIなど大手銀行で口座を開設すると便利。ただし開設には以下が必要になることが多いです:-
ACR I-Card(外国人登録証)
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現地住所を証明する書類
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パスポート
※口座開設は「半年以上の滞在」を前提に審査されるケースもあります。
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ポイント
最初は日本の口座+国際キャッシュカードで対応し、生活が落ち着いてから現地銀行口座を開設する流れが安心です。
6. 語学準備(英語&ビサヤ語)
セブ島は英語が公用語の一つとして広く使われているため、他の東南アジア諸国に比べると日本人にとって生活しやすい環境です。しかし、実際に暮らすとなると 英語力の有無が生活の快適さに直結 します。また、現地の人々とより深く関わるためには「ビサヤ語(セブアノ語)」を少しでも理解しておくと大きな助けになります。
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英語の必要性
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病院・銀行・役所などの手続きは基本的に英語。
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ショッピングやレストランでも英語はほぼ通じる。
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英語力があれば、トラブル時も冷静に対応できる。
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ビサヤ語(セブアノ語)のメリット
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タクシー運転手やローカルマーケットではビサヤ語が喜ばれる。
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「ありがとう=Salamat」「おはよう=Maayong buntag」など簡単なあいさつを覚えるだけで印象が良くなる。
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ローカルとの距離が縮まり、より現地になじみやすい。
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渡航前の学習方法
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英会話スクールやオンライン英会話で英語をブラッシュアップ。
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ビサヤ語はYouTubeやアプリで基礎を学べる。
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移住初期に語学学校へ1〜3か月通いながら住居探しをするのも人気の方法。
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ポイント
完璧な語学力は不要ですが、最低限の英語+簡単なビサヤ語のあいさつを知っているだけで、セブ島生活がぐっとスムーズになります。
7. 住まい探しの下調べ
セブ島移住を考える上で、住まい選びは最も大切な準備のひとつです。現地に到着してから探すことも可能ですが、事前にエリアや物件の特徴を知っておくことで安心して移住を始められます。
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住居タイプの選択肢
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コンドミニアム:プール・ジム・セキュリティ完備で利便性が高い。家賃は月2〜6万円が目安。
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アパート・戸建て:広さに対して割安だが、セキュリティ面は物件によって差がある。
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シェアハウス:短期滞在や留学生に人気。コミュニティ作りにも役立つ。
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人気エリアの特徴
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ITパーク:ビジネス街で治安が比較的良く、コンドミニアムが多い。
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アヤラセンター周辺:買い物・交通の便が良く、都会的な生活が可能。
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マクタン島(リゾートエリア):海が近く、のんびりと暮らしたい人向け。
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バニラッドやタランバン:郊外で落ち着いた雰囲気。ファミリー層に人気。
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契約時の注意点
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家賃は「前家賃+保証金2か月分」が一般的。
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家具付き物件が多いが、備品の状態を事前にチェック。
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光熱費や管理費が家賃に含まれているか要確認。
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ポイント
最初はホテルやサービスアパートメントで短期滞在し、現地を歩いて内見してから本契約するのがおすすめです。ネットの写真だけで契約するとトラブルにつながる可能性があります。
8. 学校・教育機関のリサーチ(家族移住の場合)
家族でセブ島移住を考えている場合、子どもの教育環境は最優先で検討すべきポイントです。セブ島にはインターナショナルスクールや私立校、語学学校など多様な選択肢があります。
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インターナショナルスクール
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英語を中心とした教育を受けられるため、子どもがグローバルに育つ環境が整う。
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カリキュラムはアメリカ式、イギリス式、IB(国際バカロレア)など学校によって異なる。
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学費は年間50万〜150万円程度と高額だが、教育の質が高く、駐在員や外国人家庭に人気。
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現地私立校・公立校
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学費は比較的安価で、ローカルの子どもたちと一緒に学べる。
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英語とフィリピン語での授業が中心。
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カルチャーショックを受けやすいため、現地文化に馴染みたい家庭向け。
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語学学校(短期利用)
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子どもの英語力を集中的に伸ばす目的で、移住初期に通わせる家庭もある。
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SSP(特別就学許可証)が必要になる場合あり。
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教育と住居エリアの関係
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国際学校はITパーク周辺やマクタン島などに集中している。
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通学の利便性を考えると、学校選びと同時に住居エリアも検討するのが効率的。
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ポイント
教育機関の選択は家族の移住スタイルを大きく左右します。事前に学校説明会や見学をオンラインで予約できるケースもあるため、渡航前に情報収集しておきましょう。
