目次

IELTSスピーキング対策 IELTS Speakingでバンド6を取るための戦略

はじめに

IELTSスピーキングでバンド6を目指す方は、すでに基本的な英語力を持ち、日常的なトピックであればある程度会話ができるレベルにいます。しかし、試験では「短すぎる回答」「語彙の繰り返し」「文法の不正確さ」「発音の不明瞭さ」などが原因でスコアが伸び悩むことが多いです。

バンド6は、英語学習者にとって大きな到達点であり、海外留学や一部のビザ申請、大学入学の条件を満たすことができるレベルです。つまり「実用的な英語力がある」と評価されるラインでもあります。

本記事では、これからバンド6を目指す学習者に向けて、試験官が重視するポイントを整理し、スコアを確実に伸ばすための実践的な戦略を紹介します。短い答えで終わらせない工夫や、シンプルでも正確に伝える方法など、実践できるテクニックを中心に解説していきます。


バンド6の評価基準とは?

IELTSスピーキングでバンド6を取るためには、試験官がどのような基準で評価しているのかを理解することが大切です。IELTSでは以下の4つの観点で採点されます。

1. 流暢さと一貫性(Fluency and Coherence)

  • 会話はある程度成り立つが、言葉に詰まったり、同じ表現を繰り返すことがある

  • 論理的なつながりは基本的にできているが、時々途切れる

2. 語彙力(Lexical Resource)

  • 日常的なトピックには対応できるが、より幅広い語彙を使おうとすると限界が見える

  • 同じ単語や表現を繰り返しがち

3. 文法の正確さと幅(Grammatical Range and Accuracy)

  • 基本的な文法構造は使える

  • 複雑な文になると誤りが目立つ

  • 正しい文もあるが、一貫してはいない

4. 発音(Pronunciation)

  • 意味は伝わるレベル

  • 訛りはあるが、コミュニケーションは成立する

  • 音のつながりやイントネーションが不自然なことがある

まとめると、バンド6は「ある程度の英語で意思疎通はできるが、まだ不自然さや制限が残るレベル」です。試験官にとって理解可能であれば評価されますが、「自然さ」「語彙の多様性」「正確さ」が不足しがちです。


バンド6を目指す戦略

1. シンプルで正確な文を優先する

無理に難しい文法や長文を使うより、短くても正確な文を話す方が評価につながります。

  • ❌ I like travel because it making me feel relax.

  • ✅ I like traveling because it makes me relaxed.

2. 答えを広げる意識を持つ

「Yes」「No」だけではスコアは伸びません。理由や具体例を追加して答える練習をしましょう。

  • 例:
    「Yes, I enjoy watching movies, especially comedies, because they help me reduce stress.」

3. 語彙を少しずつ増やす

同じ単語を繰り返すと評価が下がります。基本語彙のシノニムを意識的に使いましょう。

  • good → nice, great, enjoyable

  • bad → poor, terrible, unpleasant

4. フィラーで沈黙を避ける

考える時間が必要なときは、沈黙よりも「Well…」「Let me think…」「That’s an interesting question.」などの表現を挟むと自然に聞こえます。

5. 発音は明瞭さを重視する

ネイティブのようなアクセントは不要です。単語をはっきり区切り、強弱やリズムを意識することで、聞き手に伝わりやすくなります。


Part別の対策

Part 1(自己紹介・身近な質問)

  • 特徴:名前、趣味、住んでいる場所、日常生活などシンプルな質問が中心

  • 戦略:短く正確に答え、そこに理由を加えることを習慣化する


  • 「I live in Cebu. It’s a busy city, but I like it because everything is convenient.」

Part 2(2分間スピーチ)

  • 特徴:与えられたトピックについて1〜2分間話す課題

  • 戦略

    • PREP法(Point-Reason-Example-Point)を活用

    • メモを取る際は「キーワード」3つ程度にまとめる


  • 「I’d like to talk about my favorite teacher. He was very kind, and he always explained things clearly. For example, when I didn’t understand math, he gave me extra help. That’s why he is important to me.」

Part 3(抽象的な質問)

  • 特徴:教育、社会、文化など、より広いテーマで意見を聞かれる

  • 戦略:短くても「意見+理由」を必ず述べる


  • 「I think education is very important because it gives people more opportunities in the future.」

ポイントは「自分の意見を持ち、それを理由と例でサポートすること」。深い議論は不要ですが、会話を広げる意識が重要です。


学習法のおすすめ

1. 自分のスピーキングを録音して確認する

  • 録音を聞き返すと、文法の誤り・発音のクセ・沈黙の多さなど、自分では気づかない弱点が見えてきます。

  • 1日5分でも継続すると効果的です。

2. 模擬面接で3パートを通して練習する

  • 本番形式で「Part 1 → Part 2 → Part 3」を連続して練習することで、試験の流れに慣れます。

  • 時間感覚や緊張感を体験しておくと、本番で落ち着いて答えられます。

3. 毎日3分間のスピーキング練習を習慣化

  • 毎日1つのテーマを決めて、タイマーを使い3分間話し続ける練習をする

  • 例:「My favorite food」「A memorable trip」「The importance of education」など

  • 話した後に「理由や例を入れられたか」をチェックする

4. 語彙を「テーマ別」に整理する

  • IELTSでは「教育」「環境」「健康」「テクノロジー」などのテーマがよく出題されます。

  • それぞれの分野で使える単語を5〜10個ずつ準備しておくと安心です。

5. フィードバックをもらう

  • 先生やパートナーと練習し、改善点を指摘してもらうことが上達の近道です。

  • 特に発音や文法の癖は、第三者からの指摘で気づきやすいです。


まとめ

IELTSスピーキングでバンド6を目指す人にとって重要なのは、難しい表現を追い求めることではなく、シンプルでも正確に伝えることです。短い答えで終わらせず、理由や具体例を加えることで「会話を広げる力」が評価されます。

また、語彙を少しずつ増やし、沈黙を避ける工夫や発音の明瞭さを意識するだけでも、スコアは安定して伸びていきます。日々の練習では、録音・模擬面接・テーマ別の語彙学習を取り入れ、実践的なスピーキング力を鍛えることが効果的です。

バンド6は「英語で自分の考えを伝えられる」実用的なレベルです。この記事で紹介した戦略を実践すれば、試験官に「理解できる英語」として評価され、安定してバンド6を獲得できる可能性が高まります。


バンド5レベルの模範解答例

Part 1(身近な質問)

Q: Do you enjoy cooking?
A: Yes, I enjoy cooking, but I usually make simple food. For example, I often cook pasta or fried rice because they are easy and fast. It makes me feel relaxed after a busy day.

ポイント:短い答え+例を入れることで会話を広げている。


Part 2(2分間スピーチ)

Describe a book you have read recently.
Answer:
I’d like to talk about a book called The Alchemist. It’s a story about a boy who travels to find his dream.

I liked this book because the story was simple but meaningful. It teaches us to follow our dreams even if it’s difficult.

For example, the boy in the story faces many problems, but he continues his journey. This inspired me to keep working hard in my own life.

So overall, this book was important to me because it gave me motivation and positive energy.

ポイント:PREP法(Point → Reason → Example → Point)を意識。シンプルだがまとまっている。


Part 3(抽象的な質問)

Q: Do you think people read fewer books today? Why?
A: Yes, I think so. Many people spend more time on smartphones and social media, so they read fewer books. For example, my friends usually watch videos instead of reading. I believe technology is the main reason for this change.

ポイント:意見を述べ、その理由を1つ挙げ、例を入れている。


これらの解答例は「シンプルで明確に伝える」ことを優先しています。高度な文法や難しい単語を無理に使わず、理由+例 を必ず含めるのがバンド6戦略です。


FAQ:IELTSスピーキング対策 IELTS Speakingでバンド6を取るための戦略

IELTSスピーキングでバンド6とはどんなレベルですか?

日常的な話題なら概ねやり取りができ、意見や理由を述べられます。文法や語彙に不正確さ・限定は残るものの、全体として理解可能で一貫性のある回答ができるレベルです。

バンド5とバンド6の違いは何ですか?

バンド5は短い回答や言い直しが多く、一貫性が不十分になりがちです。バンド6は理由・例を添えた展開が増え、話題を維持しやすくなります。ミスはあっても意味の明確さが保てます。

試験官は何を基準に採点しますか?

①流暢さと一貫性 ②語彙 ③文法の幅と正確さ ④発音 の4観点です。バンド6では「伝わるか」「話を広げられるか」が重視されます。

バンド6を狙うコツは何ですか?

「短く正確 → 理由 → 具体例」の順で答えること。難語よりもシンプルで明確な英語を優先し、同じ単語の繰り返しを避けましょう。

Part 1ではどのくらい話せば良いですか?

1問につき20〜30秒程度が目安です。「結論+理由+一例」でコンパクトに広げると安定します。

Part 2(2分スピーチ)の構成は?

PREP法(Point→Reason→Example→Point)がおすすめ。メモはキーワード3〜5個に絞り、導入・理由・具体例・まとめの順で2分を使い切ります。

Part 3で気をつけることは?

抽象度が上がるため、「意見+理由+例(個人例→社会例)」の型で論理性を示しましょう。短く区切り、話題を段階的に広げます。

文法ミスはどの程度許されますか?

バンド6ではミスはあっても構いませんが、意味が曖昧にならないことが条件です。複雑さより正確さを優先しましょう。

発音や訛りはどのくらい影響しますか?

訛りはあっても問題ありません。語の区切り、ストレス、イントネーションを意識し、聞き取りやすさ(明瞭さ)を高めましょう。

フィラー(Well, Let me thinkなど)は使ってよいですか?

有効です。沈黙を埋め、時間を確保できます。ただし多用し過ぎず、すぐに内容に戻るのがポイントです。

知らないトピックが出たらどうする?

正直に限定を示しつつ、関連する一般論に橋渡しします(例:「I’m not very familiar with…, but in general…」)。話題を近い領域へリフレームしましょう。

聞き返しや質問の言い換えを頼んでも大丈夫?

はい。「Could you repeat the question, please?」「Do you mean…?」などの丁寧な表現は減点対象ではありません。

語彙はどのように増やせば効率的ですか?

頻出テーマ別(教育・環境・健康・テクノロジーなど)に5〜10語ずつ、言い換え(synonyms)をセットで覚え、実際に文で使う練習をします。

自然な接続表現(リンキング)は何を使えば良い?

理由:because, since/追加:also, besides/対比:however, on the other hand/例示:for example, for instance/まとめ:so, therefore, overall などを使い回せると安定します。

毎日の練習メニューの例は?

(1)3分独りスピーキング×1テーマ(録音) (2)録音の自己フィードバック(語彙の繰り返し・沈黙・文法) (3)Part2メモ→2分通し×1本 (4)Part3の意見整理を1問。

テンプレートは使っていいですか?

構成テンプレ(PREP/PEEL)は有効。ただし暗記丸出しは不自然になります。自分の語で再表現して柔軟に使いましょう。

どのくらいでバンド6に到達できますか?

出発点と学習量に依存しますが、毎日15〜30分の集中練習を継続すれば、数週間〜数ヶ月で安定化が見込めます。

当日の直前対策は何をすべき?

頻出テーマの言い換え確認、Part2の導入文を2〜3パターン練習、声出しで口を温める、深呼吸で速度をコントロールする、の4点です。

よくある失敗と回避法は?

(1)短すぎる回答→理由と例を必ず追加 (2)同語反復→簡単なシノニムに言い換え (3)早口→区切りと強弱を意識 (4)沈黙→短いフィラーで橋渡し。

自己修正(言い直し)は減点になりますか?

過度でなければ問題ありません。むしろ意味の明確化につながる自然な自己修正はプラスに働くことがあります。

オンライン練習でも効果はありますか?

十分あります。録音・録画で客観視でき、反復が容易です。可能ならパートナーや講師からのフィードバックも併用しましょう。

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