目次
- IELTSライティング Task 1 Academic Process(プロセス図)の書き方とサンプル解答- はじめに
- プロセス図問題の特徴
- 書き方の基本構成(4パラグラフ)
- よく使う表現・語彙
- サンプル問題と模範解答
- 解説ポイント
- まとめ
- FAQ:Task 1 Academic Process(プロセス図)の書き方とサンプル解答
- IELTS Task 1「プロセス図」とは?
- 基本構成は?(4パラグラフ)
- 語数はどのくらい?
- 時制は何を使う?
- 受動態は必須?
- オーバービューには何を書く?
- 並行工程(同時進行)はどう説明する?
- 循環型(例:Water Cycle)は始まりと終わりがない場合?
- 矢印・記号にラベルがない場合の対処は?
- 典型の接続語は?
- 自然プロセスでの必須語彙は?
- 工業プロセスでの必須語彙は?
- 数値がないのに比較は必要?
- 図にある細部は全て書くべき?
- よくある減点パターンは?
- 150語を超えつつ冗長にしないコツは?
- 分岐をどう書く?(ダイアモンド記号など)
- 図のラベルをそのまま使って良い?
- 時間や温度が書かれている場合の扱いは?
- 計画と配分時間は?
- スペリングとバリエーション(英/米)
- 図が複数(2枚以上)の場合は?
- 評価基準で重要なのは?
- テンプレート例は?
- 校正のチェックリストは?
 
IELTSライティング Task 1 Academic Process(プロセス図)の書き方とサンプル解答
はじめに
IELTSライティングTask 1 Academicでは、棒グラフや円グラフだけでなく「プロセス図(Process Diagram)」が出題されることがあります。プロセス図は、ある製品の製造過程や自然現象の流れを図解したもので、受験者はその流れを客観的かつ論理的に説明する力を求められます。
数値を比較する問題と異なり、工程の順序や因果関係を的確に伝えることが重要です。そのため、多くの受験者が「どこから書き始めればよいか」「どんな表現を使えばよいか」と戸惑いやすい問題タイプでもあります。
この記事では、プロセス図問題の特徴、基本的な書き方の流れ、役立つ表現、そしてサンプル解答を通じて、実際にどう取り組めばよいかを分かりやすく解説していきます。
プロセス図問題の特徴
IELTSライティング Task 1 のプロセス図問題は、数値の分析や比較ではなく、流れや工程を順序立てて説明する力を試す形式です。他のグラフ問題と異なる点や注意すべきポイントは以下の通りです。
1. 数値データが登場しない
折れ線グラフや棒グラフのように数字や割合を比較する必要はありません。その代わり、工程や段階を正しい順序で描写することが求められます。
2. 始まりと終わりが明確
プロセス図には多くの場合、スタート地点とゴール地点が存在します。例えば「粘土からレンガを作る工程」や「雨が川から海へ戻る水循環」などです。オーバービューでは、この「始まり」と「終わり」を押さえることが重要です。
3. 自然現象と人工プロセスの2種類
出題されるプロセス図には大きく分けて次の2タイプがあります。
- 
人工プロセス:工業製品の製造過程(レンガ製造、コーヒー生産など) 
- 
自然プロセス:自然界の循環(ウォーターサイクル、成長のライフサイクルなど) 
4. 客観的に説明する必要がある
意見や推測は一切不要です。与えられた図の中にある要素のみを、中立的かつ正確な英語で説明するのがポイントです。
5. 語彙・文法のポイント
- 
受動態(is heated, are collected など)を多用する 
- 
順序表現(first, next, subsequently, eventually)を使って流れをスムーズに記述する 
- 
「全体像 → 前半の詳細 → 後半の詳細」の4パラグラフ構成を意識する 
書き方の基本構成(4パラグラフ)
プロセス図問題は、数値の比較ではなく工程の流れを説明するため、文章の組み立てがとても重要です。IELTS Task 1 Academicでは、以下の 4パラグラフ構成 が最も効果的です。
1. イントロダクション(Introduction)
- 
問題文をパラフレーズして「何のプロセスか」を述べる。 
- 
数字がないため、簡潔に1〜2文でまとめるのがポイント。 
- 
例: 
 The diagram illustrates the process of producing bricks for the construction industry.
2. オーバービュー(Overview)
- 
プロセスの全体像をまとめる。 
- 
スタートとゴールを明示し、ステップ数や特徴的な要素を述べる。 
- 
ここがTask 1の採点で重要視される部分。 
- 
例: 
 Overall, the process consists of seven stages, beginning with digging clay and culminating in the delivery of the bricks.
3. 詳細説明①(Body 1: 前半の工程)
- 
図の**前半部分(開始から中盤まで)**を説明する。 
- 
工程を順序立てて、接続詞や時間表現を活用する。 
- 
例: first, then, next, after that, subsequently 
4. 詳細説明②(Body 2: 後半の工程)
- 
中盤から最終段階までを説明する。 
- 
分岐や合流があれば触れる。 
- 
最後に「完成品や結果」に到達する流れを示す。 
ポイント:
- 
必ず時系列順に説明する 
- 
受動態を積極的に使用して、客観的な説明にする 
- 
1文を短くしすぎず、工程をつなぐ接続表現を入れることで流れが自然になる 
よく使う表現・語彙
プロセス図問題では、工程の流れをスムーズに説明する語彙と、客観的に描写するための受動態が重要になります。以下は頻出かつ便利な表現リストです。
1. 順序を表す表現
- 
first / firstly 
- 
next / then 
- 
after that 
- 
subsequently 
- 
following this 
- 
afterwards 
- 
in the next stage 
- 
eventually / finally 
工程を時系列で説明する際に必須。文章の接着剤の役割を果たします。
2. プロセスの流れを表す表現
- 
begins with / starts with ~で始まる 
- 
ends with / finishes with ~で終わる 
- 
is followed by ~の後に続く 
- 
consists of ~から成る 
- 
involves ~を含む 
- 
undergoes ~を経る 
3. 受動態の表現(よく使う動詞)
- 
is heated (加熱される) 
- 
is cooled (冷却される) 
- 
is collected (集められる) 
- 
is transported (輸送される) 
- 
is processed (加工される) 
- 
is delivered (配達される) 
- 
is stored (保管される) 
プロセス図は「誰が」ではなく「何がどう処理されるか」に焦点があるため、受動態が中心になります。
4. 図解説明で便利な表現
- 
passes through ~を通過する 
- 
flows into ~に流れ込む 
- 
moves to / goes into ~に移動する 
- 
enters ~に入る 
- 
exits ~から出る 
- 
transforms into ~に変化する 
5. 自然プロセスで使える語彙
- 
evaporation (蒸発) 
- 
condensation (凝結) 
- 
precipitation (降水) 
- 
accumulation (蓄積) 
- 
cycle / circulation (循環) 
コツ:
- 
順序表現 + 受動態を組み合わせると、論理的でアカデミックな文章に仕上がります。 - 
例: First, the mixture is heated and subsequently cooled before being packaged. 
 
- 
サンプル問題と模範解答
問題例
The diagram shows the process of making bricks for the building industry.
模範解答(約180語)
Introduction
The diagram illustrates the process of producing bricks that are used in the construction industry.
Overview
Overall, the production of bricks involves seven main stages, starting with the digging of clay from the ground and culminating in the delivery of finished bricks to customers.
Body 1
At the initial stage, clay is dug up by a digger and placed on a metal grid where larger pieces are broken down. The filtered clay then passes through a roller, after which sand and water are added to form a mixture. This mixture is shaped into bricks either by using a wire cutter or by pouring it into moulds.
Body 2
In the subsequent stage, the raw bricks are dried in a drying oven for 24 to 48 hours. They are then heated in a kiln at moderate temperatures (200–980°C) before being exposed to a higher temperature (870–1300°C). Following this, the bricks are cooled in a cooling chamber for 48 to 72 hours. Finally, the finished bricks are packaged and delivered to the construction industry.
解説ポイント
- 
イントロ:問題文を言い換えて導入 
- 
オーバービュー:ステップ数と始まり/終わりをまとめる 
- 
本文:工程を前半・後半に分け、順序表現と受動態を活用 
- 
語数:180語前後で、Task 1 の基準(150語以上)を満たしている 
まとめ
IELTSライティング Task 1 Academic のプロセス図問題は、数値の比較ではなく 流れや工程を順序立てて説明する力 を測る特殊なタイプです。
ポイントは以下の通りです。
- 
4パラグラフ構成(イントロ → オーバービュー → 前半工程 → 後半工程)を意識する 
- 
順序表現(first, next, subsequently, finally など)で流れを明確にする 
- 
受動態(is heated, are collected, is processed など)を多用して客観的に記述する 
- 
オーバービューでは必ず 始まりと終わり をまとめる 
数字が出ない分、どの受験者も同じ図を説明するため差がつきにくいですが、全体像をしっかり押さえ、論理的で読みやすい文章にできるかがスコアの分かれ目になります。
練習の際は、公式問題集や過去の出題例を使い、文章の型と使える表現を繰り返し練習することが高得点への近道です。
FAQ:Task 1 Academic Process(プロセス図)の書き方とサンプル解答
IELTS Task 1「プロセス図」とは?
数値グラフではなく、製造工程や自然現象などの「流れ」を時系列で説明する問題です。図に基づき、客観的に過不足なく描写します。
基本構成は?(4パラグラフ)
Introduction(パラフレーズ) → Overview(始まり・終わり・ステップ数) → Body 1(前半工程) → Body 2(後半工程)。
語数はどのくらい?
最低150語。160〜190語程度を目安に、冗長にならない範囲で情報を網羅します。
時制は何を使う?
図が一般的な流れを示すため、現在形(一般現在)を基本にします。例:is heated, flows, undergoes。
受動態は必須?
人ではなく「もの」が処理されるため、受動態中心が自然です。例:is mixed, are filtered, is delivered。
オーバービューには何を書く?
プロセスの全体像:開始点・終了点・主要ステップ数・分岐/合流の有無。細部や数値は入れません。
並行工程(同時進行)はどう説明する?
「同時性」を示す表現を使います:Meanwhile, In parallel, At the same time, concurrently。後で合流する点も明記します。
循環型(例:Water Cycle)は始まりと終わりがない場合?
便宜的な起点を置いて「循環である」ことを明示します。例:Overall, the cycle is continuous, beginning with evaporation and eventually returning to the ocean.
矢印・記号にラベルがない場合の対処は?
図から推測せずに中立表現を用いる:an unidentified chamber, a set of filters, a series of pipes。不要な推測は避けます。
典型の接続語は?
first, next, then, after that, subsequently, afterwards, in the next stage, finally/eventually。並行ならmeanwhile。
自然プロセスでの必須語彙は?
evaporation, condensation, precipitation, accumulation, infiltration, runoff, cycle など。
工業プロセスでの必須語彙は?
is heated/cooled, is mixed, is filtered, is molded/cut, kiln/furnace, conveyor, chamber, packaging など。
数値がないのに比較は必要?
比較は不要。代わりに順序・因果・分岐/合流・時間の長短(図に明記がある場合のみ)を説明します。
図にある細部は全て書くべき?
重要工程を優先し、マイナー部品は束ねて記述。a series of / several を使って要約します。
よくある減点パターンは?
- オーバービューの欠落
- 推測・主観(「効率的」「危険」など)
- 時系列の混乱・工程の抜け漏れ
- 口語・非アカデミック語彙
150語を超えつつ冗長にしないコツは?
工程を塊でまとめる(前半/後半)。同種のステップは並列表現で短縮:is cleaned, mixed and molded。
分岐をどう書く?(ダイアモンド記号など)
At this point, the flow splits into two paths… / Depending on the condition, the material either A or B… のように条件分岐を言語化。
図のラベルをそのまま使って良い?
はい、適切です。ただし繰り返しは言い換え(同義語)も交えて読みやすくします。
時間や温度が書かれている場合の扱いは?
図に明記があれば客観的に記述:for 24–48 hours, at 200–980°C。不明なら推測しない。
計画と配分時間は?
全体20分目安:プランニング4–5分、執筆12–13分、見直し2–3分。オーバービューは先に書きます。
スペリングとバリエーション(英/米)
どちらでも可ですが統一を徹底。例:mould (UK) / mold (US)。
図が複数(2枚以上)の場合は?
共通の目的や入力/出力でまとめ、差異は対比で簡潔に。段落を分けて混在を防ぎます。
評価基準で重要なのは?
Task Achievement(オーバービュー含む網羅性)、Coherence & Cohesion(論理展開と接続語)、Lexical Resource(適切な語彙)、Grammar(正確さと多様性)。
テンプレート例は?
The diagram illustrates… Overall, the process consists of… Initially,… Subsequently,… Finally,… の骨格に工程を埋め込みます。
校正のチェックリストは?
- オーバービューがあるか
- 順序表現が機能しているか
- 受動態が不自然でないか
- 推測表現が混じっていないか
- スペリング/単位/時制の統一

 
		 
		 
			 
			 
			 
			 
			