目次
- IELTSライティング対策 時間配分トレーニング法
- はじめに
- ライティング試験の時間配分の基本
- 時間配分トレーニングのステップ
- Task 1 の時間配分練習法
- Task 2 の時間配分練習法
- 実践的トレーニング方法
- よくある失敗と改善法
- まとめ
- FAQ:IELTSライティング対策 時間配分トレーニング法
- IELTSライティングはTask 2から書くべき?
- Task 1に時間をかけすぎないコツは?
- アウトラインはどのくらいの時間で作る?
- 語数管理はどうする?
- 時間が足りなくなったときの優先順位は?
- 見直し時間では何を確認する?
- タイマー学習は毎回必要?
- 書き始めに時間を浪費してしまう場合の対策は?
- Task 2で段落は何個がよい?
- テンプレートは使ってよい?
- Task 1のデータ選定に迷う場合は?
- 模試形式の頻度と振り返り方法は?
- Computer-deliveredでも手書き練習は必要?
- 本番直前の最終調整は何をする?
IELTSライティング対策 時間配分トレーニング法
はじめに
IELTSライティングは、与えられた60分の制限時間の中でTask 1とTask 2を完成させる必要があります。しかし、多くの受験者が「途中で時間切れになり結論を書けなかった」「Task 1に時間をかけすぎてTask 2が中途半端になった」という経験をしています。これは英語力そのものよりも、時間配分の不慣れさによる失敗が大きな要因です。
実際、IELTSの採点ではTask 2の比重が大きく、時間配分を誤ると全体のスコアに直結します。つまり、限られた時間を戦略的に管理できるかどうかが、7.0以上のスコアを狙う上で極めて重要になるのです。
本記事では、時間を効率よく使うためのトレーニング方法を、ステップごとに解説します。毎日の練習に取り入れることで、本番でも落ち着いて計画的に書き進められる力が身につくでしょう。
ライティング試験の時間配分の基本
IELTSライティングの試験時間は60分で、Task 1とTask 2を両方仕上げなければなりません。ここで重要なのは、時間配分を意識して取り組むことです。
推奨される時間配分
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Task 1:20分
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約150語を目安に短めのレポートを書く課題。
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グラフ・図表・地図・プロセスを要約する形式が中心。
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Task 2:40分
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約250語以上のエッセイを書く課題。
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社会問題や意見を問うトピックが多く、構成力・論理力が重視される。
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なぜTask 2を優先するのか
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配点比率が高い:Task 2は全体の2/3を占める。
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採点基準が厳密:構成・論理展開・語彙力・文法のすべてを評価される。
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得点の伸びしろが大きい:Task 1での加点は限定的だが、Task 2を完成度高く仕上げることで全体スコアが大きく向上する。
そのため、練習でも本番でも「まずTask 2を40分確保することを最優先」と意識するのが高得点への第一歩です。
時間配分トレーニングのステップ
本番で効率よく60分を使い切るためには、いきなり制限時間に合わせるのではなく、段階的に時間を縮めていく練習が効果的です。以下の3ステップで訓練を進めましょう。
1. 初期段階(基礎力養成)
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Task 1:30分 / Task 2:50分
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まずは「内容を最後まで書き切ること」を目標にする。
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語数を満たす、段落構成を守るなど基本を固める段階。
2. 中期段階(時間短縮練習)
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Task 1:25分 / Task 2:45分
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少しずつ時間を縮めていき、構成と執筆をスピードアップ。
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この時期に「5分以内でアウトラインを作る訓練」を導入すると効果的。
3. 最終段階(本番シミュレーション)
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Task 1:20分 / Task 2:40分
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本番と同じ条件で繰り返し練習する。
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週1回は模試形式で「60分連続」で解くことを習慣化する。
このように徐々に制限時間に慣れていくことで、焦らずに本番でも落ち着いて書けるようになります。
Task 1 の時間配分練習法
Task 1は20分・150語程度で仕上げる課題です。限られた時間内で「分析 → 執筆 → 見直し」を効率よく行う必要があります。以下のように時間を割り振ると効果的です。
時間配分の目安
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5分:分析
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グラフや図表の全体傾向を確認
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共通点・相違点・極端な数値をメモ
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説明する要素を2〜3個に絞り込む
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12分:執筆
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導入(パラフレーズ):設問文を自分の言葉に言い換える
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オーバービュー:全体的な傾向や特徴を簡潔に示す
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本文(詳細説明):主要なデータや比較を中心に展開
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3分:見直し
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数値や単位の誤りを確認
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単語のスペルミスを修正
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主語と動詞の一致など文法チェック
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効果的なトレーニング法
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5分以内で概要をメモする練習:毎日1つのグラフを見て要点だけをまとめる。
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150語制限の感覚をつかむ:短すぎず、長すぎない文章量を体で覚える。
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時間短縮の繰り返し:最初は25分かかってもよいので、徐々に20分以内に収める。
Task 1は「正確さ」と「簡潔さ」が重視されるため、練習段階から無駄を削ぎ落とした表現を心がけると本番で安定した得点が狙えます。
Task 2 の時間配分練習法
Task 2は40分・250語以上のエッセイ課題で、IELTSライティング全体の2/3の配点を占める最重要パートです。論理展開・語彙力・文法の精度など幅広い能力が評価されるため、時間配分を意識した練習が必須です。
時間配分の目安
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5分:構成を考える
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設問文を正確に読み、立場を決定
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2〜3の理由や根拠をブレインストーミング
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段落ごとのアウトラインをメモ
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30分:執筆
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導入(Introduction):問題文の言い換え+立場提示
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本文1(Body 1):最も強い理由+具体例
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本文2(Body 2):別の理由+補足例
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必要なら本文3:第三の視点(時間があれば)
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結論(Conclusion):意見のまとめ
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5分:見直し
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段落の流れが自然か確認
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接続詞の使い方(However, Therefore, In additionなど)をチェック
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文法的な誤りやスペルミスを修正
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効果的なトレーニング法
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5分以内にアウトラインを作成する練習
→ 「アイデアが出ずに時間を浪費する」失敗を防ぐ。 -
30分で書き切る模擬練習
→ 内容を充実させつつスピード感を磨く。 -
見直しポイントを固定化
→ 主語・動詞の一致、冠詞、スペル、段落の一貫性など、自分の弱点をリスト化して短時間で確認。
Task 2は「質」と「量」の両立が求められるため、最初の5分の計画と最後の5分のチェックが得点アップのカギになります。
実践的トレーニング方法
時間配分を身につけるためには、単に書く練習を繰り返すだけでは不十分です。日々の学習にタイムマネジメントを意識した工夫を取り入れることで、本番に強い実戦力を養えます。
1. タイマー学習法
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常にストップウォッチやスマホのタイマーを使い、残り時間を意識しながら書く。
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「20分でTask 1」「40分でTask 2」を徹底する。
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最初は超過しても構わないが、少しずつ時間内に収められるようにする。
2. アウトライン練習
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本文を書かずに、5分以内で構成メモだけ作成する練習を繰り返す。
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設問を見て即座に立場を決め、2〜3の理由を出せるようにする。
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アイデア発想のスピードアップに直結。
3. 模試形式練習
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週1回はTask 1とTask 2を通しで60分で解く。
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実際の試験環境を想定して机に時計を置き、紙に手書きで書く。
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集中力と時間感覚を養う。
4. 高速見直し法
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残り3〜5分で必ず見直しを行う習慣をつける。
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確認する項目を絞る(例:主語と動詞の一致、時制、スペルミス、段落間の接続詞)。
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「全部直そう」とせず、自分の弱点に特化して見直すと効率的。
よくある失敗と改善法
時間配分を意識していても、本番では焦りや習慣の甘さから失敗につながるケースが多く見られます。代表的な失敗とその改善法を整理しました。
1. Task 1に時間をかけすぎる
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失敗例:グラフの細部をすべて説明しようとして25〜30分かかり、Task 2が中途半端になる。
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改善法:主要な特徴や大きな傾向だけに絞る。細かい数値や例外は必要最低限で十分。
2. 構成を考えずに書き始める
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失敗例:途中でアイデアが途切れ、論理が飛び飛びになり結論が弱くなる。
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改善法:必ず最初の5分でアウトラインを作る習慣をつける。メモ段階で段落の柱を決めておく。
3. 見直し時間を確保できない
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失敗例:最後まで書くことに集中しすぎ、文法やスペルの誤りをそのまま残してしまう。
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改善法:常に「最後の3〜5分はチェック用」と決めて練習する。短時間で直せるエラーに絞ると効果的。
4. 語数不足・超過
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失敗例:Task 1が120語、Task 2が220語で語数不足により減点。または長すぎて時間切れになる。
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改善法:練習時に「150語」「250語」を意識して書き、自然に感覚を身につける。特に語数カウント練習を取り入れると効果的。
5. バランスを欠いた練習
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失敗例:Task 2ばかり練習してTask 1が弱い、あるいは逆にTask 1に偏る。
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改善法:週ごとに「Task 1重点」「Task 2重点」を交互に設定する。模試形式では必ず両方を解く。
まとめ
IELTSライティングで高得点を取るためには、英語力だけでなく時間配分のスキルが欠かせません。特に配点比率の高いTask 2を優先し、Task 1を効率よくまとめることが合格ライン突破の鍵となります。
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基本配分:Task 1=20分、Task 2=40分
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練習の流れ:最初は余裕を持たせ、段階的に本番ペースに近づける
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Task 1のポイント:分析5分、執筆12分、見直し3分
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Task 2のポイント:構成5分、執筆30分、見直し5分
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必須習慣:タイマーを使う・アウトライン練習・模試形式・高速見直し
これらを日常的にトレーニングに取り入れれば、60分の中で落ち着いて構成し、最後まで書き切る力が身につきます。結果として、安定して7.0以上を狙える実力が形成されるでしょう。
FAQ:IELTSライティング対策 時間配分トレーニング法
IELTSライティングはTask 2から書くべき?
おすすめはTask 2を先に40分で仕上げ、残り20分でTask 1に取り組む方法です。配点比重が高いTask 2を先に確実に完成させることで、全体スコアの安定化につながります。
Task 1に時間をかけすぎないコツは?
最初の5分で全体傾向と主要ポイントを2〜3個に絞り、12分で導入・オーバービュー・本文を簡潔に書き切ります。最後の3分は見直しに固定して、削れない時間として死守します。
アウトラインはどのくらいの時間で作る?
目標は5分以内。立場、理由2〜3個、各段落の要点、例のメモまでを書きます。タイマーで測り、書き始めまでの準備時間を短縮する訓練を繰り返しましょう。
語数管理はどうする?
練習段階で150語(Task 1)・250語(Task 2)の目安を体得します。段落あたりの平均文数や1文の平均語数を把握し、概算で語数を見積もれるようにしておくと時間短縮になります。
時間が足りなくなったときの優先順位は?
- Task 2の結論(結論文)を必ず書く
- 各段落のトピックセンテンスを明確にする
- 例や詳細は最低限にし、論理のつながりを優先
見直し時間では何を確認する?
- 主語と動詞の一致、時制の一貫性
- 冠詞・複数形・前置詞の基本ミス
- 接続詞の適切さ(However, Therefore など)
- スペルと明らかなタイプミス
タイマー学習は毎回必要?
はい。毎回タイマーを使い、段階的に「25→20分(Task 1)」「45→40分(Task 2)」へ短縮させます。週1回は60分通しの模試形式で本番ペースを確認します。
書き始めに時間を浪費してしまう場合の対策は?
「5分アウトラインのみ」ドリルを独立して実施します。お題を見たら立場と理由を即決し、段落の柱をメモに落とし、書かずに次のお題へ移る訓練で初動を高速化します。
Task 2で段落は何個がよい?
導入・本文2段落・結論の4段落が基本。時間に余裕があるときのみ本文3段落に拡張します。時間が逼迫したら、本文2段落構成に戻して完成度を優先します。
テンプレートは使ってよい?
導入や結論の枠組み程度の軽いテンプレートは時間短縮に有効です。ただし、丸暗記の不自然な言い回しは避け、トピックに合わせて柔軟に言い換えられる表現を用意しましょう。
Task 1のデータ選定に迷う場合は?
最大・最小・全体傾向・顕著な対比の4点に絞ります。細部の列挙は避け、主要な特徴を説明することで時間と語数をコントロールします。
模試形式の頻度と振り返り方法は?
週1回が目安です。終了後は「超過時間の原因」「語数配分」「見直しで直せた/直せなかったエラー」をチェックリスト化し、次回の練習目標を1〜2個に絞って改善します。
Computer-deliveredでも手書き練習は必要?
入力環境が異なっても、時間配分スキルは共通です。普段は試験形式に合わせた練習を中心にしつつ、どの形式でも通用する「5分計画→執筆→見直し」のリズムを固定化しましょう。
本番直前の最終調整は何をする?
- 5分アウトライン×3題(Task 2)
- Task 1の要約ドリル(導入+オーバービューのみを5分で)
- 見直しチェックリストの再確認
