TOEICリスニング Part 2 攻略法(応答問題)

はじめに

TOEIC Part 2(応答問題)は、試験のリスニングセクションの中でも特に瞬発力が求められるパートです。短い質問や発言に対して最も自然な応答を選ぶ形式であり、問題数は25問。1問ごとに音声は1回しか流れず、しかもスクリプトは表示されません。

一見すると簡単そうに感じられるかもしれませんが、実際には 引っかけの選択肢紛らわしい音の聞き分け が多く、リスニング力だけでなく状況を推測する力も必要です。特に「Yes/Noで答えると思ったら説明が正解」「単語の聞き間違いで別の意味になる」など、受験者が間違いやすいポイントが仕掛けられています。

本記事では、TOEIC Part 2 の出題傾向や特徴を整理しながら、効率よく正答率を高めるための攻略法をわかりやすく解説します。


出題形式

TOEIC Part 2(応答問題)は、短い 質問または発言に対して最も自然な応答を選ぶ 形式です。問題数は全部で 25問、試験時間はおよそ8分。各問題の流れは以下の通りです。

  1. ナレーターが 質問または発言 を読み上げる

  2. それに対する 3つの応答 が続けて流れる

  3. 受験者は最も適切な1つを選ぶ

特徴

  • 音声は1回のみ → 聞き逃しは許されないため集中力が重要。

  • スクリプトなし → メモは取れず、リスニング力が直接試される。

  • 短い文のやり取り → 会話の自然さを基準に選択することがポイント。

質問文の主なタイプ

  1. Yes/No疑問文
    例: “Do you work here?”
    → 応答は「Yes/No」だけでなく、説明が正解の場合も多い。

  2. Wh疑問文(5W1H)
    例: “When does the train leave?”
    → 応答は「時刻」「場所」「人物」など具体的な情報が正解。

  3. 依頼・提案
    例: “Could you send me the file?”
    → 応答は「Sure.」「I’d be happy to.」などが自然。

  4. 日常的な発言・感想
    例: “It’s really hot today.”
    → 応答は「Yes, it is.」「Let’s open the window.」など会話らしい流れ。


攻略のポイント

1. 質問の種類を瞬時に把握する

Part 2 では、質問の種類によって答え方が大きく変わります。聞いた瞬間に Yes/No疑問文Wh疑問文 か、あるいは 依頼・提案 なのかを即座に判断する習慣をつけましょう。

  • Yes/No疑問文 → 単純な「はい/いいえ」ではなく、状況に合った説明が正解の場合が多い。

  • Wh疑問文 → 誰・何・どこ・いつ・なぜ・どう、のどれを聞かれているかを聞き分ける。

  • 依頼・提案 → 前向きに応じる表現が基本。

2. キーワードを聞き取る

全文を理解する必要はありません。疑問詞・動詞・名詞 などのキーワードを押さえれば、解答の方向性が見えてきます。

  • “When will the meeting start?” → Whenmeeting が重要。答えは時刻を表す表現。

3. 引っかけ選択肢に注意

TOEIC Part 2 の特徴は、意味は不自然でも音が似ている選択肢 が用意されている点です。

  • ship ↔ trip

  • library ↔ laboratory
    また、Yes/No疑問に対して無関係なYes/Noで答えるなどのトラップもよく出題されます。

4. 聞き取れなくても消去法を活用

もし問題文を聞き逃してしまっても、3つの応答を冷静に聞いて 明らかに不自然なものを排除 すれば正解率は上がります。

5. 実戦的な練習法

  • パターン練習:短いQ&Aを繰り返し聞いて瞬発力を鍛える。

  • シャドーイング:音声を真似して即答できる反応速度を磨く。

  • 頻出表現暗記:依頼、日常会話、会議関連などでよく出るフレーズをリスト化して覚える。


よく出る応答パターン例

TOEIC Part 2 では、質問や発言のパターンはある程度決まっています。以下に「頻出タイプ」と「自然な応答例」をまとめます。すべてを覚えておくと、瞬発的に正解を選びやすくなります。


1. Yes / No 疑問文

単純な「はい/いいえ」だけでなく、状況説明が自然な応答になることが多いです。

  • Q: “Do you work here?”

    • A: “Yes, in the accounting department.”

    • A: “No, I’m just visiting.”

  • Q: “Is this seat taken?”

    • A: “No, you can sit here.”

    • A: “Yes, someone’s sitting here.”

  • Q: “Did you get my email?”

    • A: “Yes, I read it this morning.”

    • A: “Not yet, but I’ll check soon.”


2. Wh- 疑問文(5W1H)

疑問詞ごとに典型的な答え方をパターン化すると対応しやすくなります。

Who

  • Q: “Who’s giving the presentation today?”

    • A: “Mr. Kim from marketing.”

    • A: “The new manager.”

What

  • Q: “What time does the train leave?”

    • A: “At 9:30 sharp.”

    • A: “In about ten minutes.”

  • Q: “What’s included in the price?”

    • A: “Breakfast and free Wi-Fi.”

Where

  • Q: “Where is the nearest bus stop?”

    • A: “Just around the corner.”

    • A: “Across from the post office.”

When

  • Q: “When will the meeting begin?”

    • A: “At 2 p.m.”

    • A: “After lunch.”

Why

  • Q: “Why is the office closed today?”

    • A: “It’s a public holiday.”

    • A: “Because of the power outage.”

How

  • Q: “How will you get to the airport?”

    • A: “I’ll take a taxi.”

    • A: “By subway.”


3. 依頼・お願い

「Sure.」「No problem.」「I’d be glad to.」など、前向きな応答が基本。

  • Q: “Could you open the window?”

    • A: “Of course.”

    • A: “Sure, no problem.”

  • Q: “Would you mind sending me the report?”

    • A: “I’ll do it right away.”

    • A: “Not at all.”

  • Q: “Can you help me with this box?”

    • A: “Yes, I’d be happy to.”

    • A: “Sure, let me give you a hand.”


4. 提案

提案に対しては 賛成 or 代替案 が自然な応答になります。

  • Q: “Shall we have lunch now?”

    • A: “Yes, I’m hungry.”

    • A: “Let’s wait until 1 p.m.”

  • Q: “Why don’t we take a break?”

    • A: “Good idea.”

    • A: “Yes, let’s do that.”


5. 日常的な発言への応答

日常会話風の発言に対して、自然な共感やリアクションが必要です。

  • Q: “It’s really hot today.”

    • A: “Yes, I’m sweating.”

    • A: “Let’s turn on the air conditioner.”

  • Q: “I can’t find my phone.”

    • A: “Did you check your bag?”

    • A: “I saw it on your desk.”

  • Q: “I’m going on vacation next week.”

    • A: “That sounds great!”

    • A: “Where are you going?”


6. 感謝・謝罪への応答

定番のパターンを覚えておくと安心。

  • Q: “Thank you for your help.”

    • A: “You’re welcome.”

    • A: “My pleasure.”

  • Q: “I’m sorry for being late.”

    • A: “That’s all right.”

    • A: “Don’t worry about it.”


7. 不意の状況質問

とっさに聞かれる実務的な質問も頻出。

  • Q: “What’s the best way to contact you?”

    • A: “By e-mail.”

    • A: “Here’s my phone number.”

  • Q: “How long will the delivery take?”

    • A: “About three days.”

    • A: “It should arrive tomorrow.”


まとめ

TOEIC Part 2 では、こうした 定番の応答パターンを覚えておくことが最大の武器 になります。

  • Yes/No → 状況説明もあり

  • Wh疑問 → 具体的な答え

  • 依頼・提案 → 前向きに応じる

  • 発言 → 共感やリアクション

この「応答パターン辞書」を頭に入れておけば、音声が流れた瞬間に正答を選びやすくなります。


まとめ

TOEIC Part 2(応答問題)は、一見シンプルな形式ですが、実際には 瞬発力・リスニング力・会話感覚 が試される難易度の高いパートです。音声は1回しか流れないため、聞き逃さずに 質問の種類を瞬時に判断し、自然な応答を選ぶ ことが重要になります。

攻略のポイントを振り返ると――

  • 質問タイプを見極める(Yes/No・Wh・依頼・発言)

  • キーワードをキャッチして全体の意味を推測する

  • 引っかけ選択肢に注意し、不自然な答えを排除する

  • 定番の応答パターンを暗記しておく

日常会話の延長のように自然な答えを選べるようになれば、Part 2 は大きな得点源となります。日々の練習ではシャドーイングやパターン学習を取り入れ、耳と口を使って即答力を鍛えましょう。

Part 2 を制することは、TOEICリスニング全体のスコアアップにも直結します。
基礎パターンを押さえて、安定して高得点を狙えるように仕上げていきましょう。


FAQ:

TOEIC Part 2 はどんな形式?何問ある?

短い質問または発言を聞き、続く3つの応答から最も自然なものを1つ選びます。全25問、音声は各設問1回のみです。

最初に何を意識すればいい?

質問タイプの判定(Yes/No・Wh・依頼/提案・発言)を最優先。疑問詞・主要動詞・キーワード名詞を瞬時に掴みます。

Yes/No 疑問への正しい応答は「はい/いいえ」だけ?

違います。状況説明(“Not yet, but I will.” など)がより自然な正解になることが多いです。

Wh 疑問(5W1H)で外さないコツは?

聞かれた情報の種類だけに答えること。
例:“When will the meeting start?” → 時刻/時期のみ(余計な説明を足しすぎない)。

依頼や提案にどう答える?

前向きに受けるのが基本(“Sure.” “I’d be happy to.”)。代替案を出す応答(“How about after lunch?”)が正解になることもあります。

発言(感想・状況)に対する自然な返しは?

共感・同意・次の行動の提案が自然です(“It’s cold in here.” → “Let me close the window.”)。

よくある引っかけは?

音の類似(ship/trip, library/laboratory)、質問と文法・時制の不一致、Yes/No 誘導、意味的に無関係なのに語が共通する選択肢など。

聞き取れなかったときの対処法は?

3択の内容から消去法。質問タイプに合わない、論理的につながらない、情報過多/過少な応答を除外します。

時間・日付・数字系の落とし穴は?

fifteenfiftythirteenthirty の聞き分け、by/on/at の前置詞、quarter past/to など慣用表現に注意。

英米の発音差にはどう対応?

主要単語の二重発音に慣れる(advertisement, schedule, either/neither)。イントネーションで疑問種別を捉える練習が有効です。

「選択疑問(A or B?)」のコツは?

必ず選択肢のどちらか(または「どちらでもない」)を示す応答が自然です(“The morning train or the afternoon one?” → “The afternoon one.”)。

否定疑問文(Didn’t you … ?)はどう捉える?

話者の予想を含むため、単なる Yes/No より事実説明で返す応答が選ばれやすいです(“Didn’t you send it?” → “I emailed it yesterday.”)。

タグ疑問(…, isn’t it?)の扱いは?

同意・確認が目的。賛同(“It is.” “You’re right.”)や軽い補足が自然な応答になります。

部分的にしか聞き取れない場合は?

掴めた名詞・動詞から場面を推定。場面に不自然な応答(場所に時間で答えるなど)を除外します。

最速でスコアに直結する練習法は?

パターンドリル(質問タイプ別100~200本)→ シャドーイング → 即答リピート(2~3秒以内)を毎日。短時間×高頻度が効果的です。

勉強時間の目安は?

リスニング300~500点帯:1日20~30分×4週間でパターン定着。600点以上を狙うなら1日30~45分で弱点タイプを潰します。

メモは取れる?聞き返しはできる?

できません。音声は1回のみでスクリプト表示もなし。集中して先読みせず「耳でタイプ判定→即応答選別」の流れを自動化しましょう。

解答速度を上げる小技は?

設問開始直後にタイプ判定用キーワード(疑問詞/助動詞/命令形)を待ち受ける意識を持つ。選択肢は「不自然探し」で秒殺します。

語彙が不安でも戦えますか?

はい。Part 2 は文脈適合性が命。頻出コアイディオム(依頼・提案・同意・謝罪/感謝)を優先暗記して対応可能です。

本番直前の最終チェックは?

①音類似ワードリスト復習 ②時間/数の聞き分け ③依頼/提案の定型応答 ④消去法の基準確認(タイプ不一致・意味不連続・情報過不足)。

スコアが伸び悩む原因は?

設問タイプの未判定、Yes/No の過信、音類似トラップへの耐性不足、練習が「精聴のみ」で即答訓練が足りないことが典型です。

おすすめの当日ルーティンは?

試験前10~15分:
・依頼/提案/同意フレーズ50本を音読
・数字・時刻のミニドリル(1~2分)
ship/trip など音対リストを一読

Part 2 の正答感が持てない…見直しはできる?

見直しは不可。迷ったら「タイプ整合」「意味連続」「冗長/過不足の有無」で最も自然な応答を即決します。

独学での素材はどう選ぶ?

質問タイプごとに整理されたQ&A音源、短文シャドーイング素材、音類似・数字特化ドリルを組み合わせると効率的です。

Part 1・3・4 の学習と相乗効果はある?

あります。Part 1 の音認識と語彙、Part 3・4 の推論力は Part 2 のタイプ判定・文脈補完に直結します。

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