IELTSリーディング対策: Sentence Completion攻略法(文完成問題のテクニック)

はじめに

IELTSリーディングの問題形式の中で、Sentence Completion(文完成問題) は多くの受験生が「簡単そうで意外と間違えやすい」と感じるセクションです。一文の空欄を埋めるだけなのでシンプルに見えますが、実際には 語数制限・文法の整合性・パラフレーズ表現の理解 など、複数のスキルを同時に求められます。

特に、本文の単語をそのまま抜き出すのではなく、文の前後の流れに合わせて正しい形で補う必要があるため、注意力と読解力の両方が試されます。また、Sentence Completionは本文の流れに沿って出題されることが多いため、適切なスキャニング方法を身につければ効率的に得点できる問題タイプでもあります。

この記事では、Sentence Completionの特徴と出題パターン、よくあるミス、そして正しく解くための具体的なテクニックを詳しく解説していきます。試験本番でスコアを伸ばすために、ぜひ参考にしてください。


Sentence Completionの特徴

Sentence Completion(文完成問題)は、IELTSリーディングで頻出する形式の一つで、与えられた文の一部が空欄になっており、本文の情報をもとにその空欄を正しく埋める必要があります。ポイントとなる特徴は以下の通りです。

  • 語数制限がある
    問題文には「NO MORE THAN TWO WORDS」「NO MORE THAN THREE WORDS AND/OR A NUMBER」などの指示があり、この制限を守らなければ内容が正しくても不正解になります。

  • 答えは本文から抜き出す
    解答は必ず本文にある語句を使用します。自分の言葉に置き換えてはいけません。

  • 順序通りに出題される
    問題は本文の流れに沿って出題されるため、上から順に探していくと効率的に解答できます。

  • 文法的な整合性が必要
    空欄を埋めた後、文全体が正しい文法で成立するかを確認する必要があります。単数・複数、冠詞の有無、動詞の形に特に注意しましょう。

  • パラフレーズが多用される
    本文と問題文は同じ単語ではなく、意味を言い換えて出題されることが多いため、類義語や言い換え表現に慣れることが重要です。

このように、Sentence Completionは「単純な穴埋め問題」に見えて、実際には細かなルールや読解スキルが試される奥の深い問題タイプです。


Sentence Completion攻略ステップ

Sentence Completionを正しく解くためには、単に本文を読んで空欄を埋めるだけでは不十分です。以下のステップを踏むことで、効率的かつ正確に解答することができます。

1. 語数制限を必ず確認する

  • 「NO MORE THAN ONE WORD」=1語のみ

  • 「NO MORE THAN TWO WORDS」=最大2語まで

  • 「NO MORE THAN THREE WORDS AND/OR A NUMBER」=最大3語+数字も可
    指示を守らないと、意味が正しくても不正解になるため、最初に必ず確認しましょう。

2. 文法的に正しくなるかをチェック

  • 空欄を埋めた後に、文全体を声に出して読む と文法の違和感に気づきやすいです。

  • 単数・複数、冠詞(a/the)、前置詞の有無などに注意。

3. キーワードを特定して本文を探す

  • 問題文に出てくる 固有名詞(人名・地名・年代など)や特徴的な名詞 に注目して本文をスキャン。

  • 本文と完全に同じ単語ではなく、同じ意味の表現(パラフレーズ) を探す意識を持つ。

例:

  • 問題文:The project was completed in ___

  • 本文:The construction finished in 1998
    答えは 1998

4. パラフレーズに慣れる

  • IELTSでは同じ言葉を繰り返さず、別の表現に置き換えて出題されます。

  • 例:

    • “because of” → “due to”

    • “buy” → “purchase”

    • “important” → “significant”
      語彙力を強化し、類義語に敏感になることがスコアアップの鍵です。

5. 書き写しは正確に

  • 本文から答えを抜き出すときは スペルを完全に一致させる

  • 大文字・小文字は基本的に採点対象外ですが、固有名詞は正しく 書く必要があります。


Sentence Completionでよくあるミス

Sentence Completionはシンプルに見えますが、細かいルールや注意点を見落とすと失点につながります。受験生がよく犯すミスを整理しておきましょう。

1. 語数制限を守らない

  • 指示に「NO MORE THAN TWO WORDS」とあるのに3語書いてしまう

  • 正しい内容を書いていても即不正解になります

2. 自分の言葉で言い換えてしまう

  • 本文にある表現をそのまま使わず、意訳してしまうケース

  • IELTSでは 本文からそのまま抜き出す 必要があるため、意訳は不可

3. 文法的に不自然な答えを入れる

  • 単数・複数の不一致(student ↔ students)

  • 冠詞(a/the)の付け忘れや不要な追加

  • 動詞の形の誤り(work ↔ worked)

4. 本文の単語をそのまま写さない

  • スペルミス(特に unfamiliar な単語)

  • 固有名詞の大文字化を忘れる(例:london → London)

5. 根拠を確認せず「なんとなく」で埋める

  • 本文に答えが必ず存在するため、根拠が明確でない場合は要注意

  • 確認のために本文の該当箇所を必ずチェックする習慣をつける

このようなミスは、解答テクニック以前に「指示の読み取り」や「基本ルールの徹底」で防げます。


効率的な練習法

Sentence Completionを得点源にするためには、ただ解くだけでなく「正解に至るプロセス」を意識した練習が欠かせません。以下の方法を実践すると効果的です。

1. 問題タイプ別に集中的に練習する

  • Cambridge IELTSシリーズ など公式問題集を使い、Sentence Completionだけを抜き出して解く

  • 他の問題と混ぜずに取り組むことで、形式への慣れとスピードアップにつながる

2. 根拠となる本文に必ずマーカーをつける

  • 解答後、「答えが本文のどこにあったか」を明確にチェック

  • 正解でも、根拠を説明できない場合は実力が安定していないサイン

3. パラフレーズのノートを作る

  • 問題と本文で使われていた「言い換え表現」を記録する

  • 例:

    • 本文:because of → 問題文:due to

    • 本文:purchase → 問題文:buy

  • 類義語に敏感になることで、解答スピードが大幅に向上

4. 音読で文法整合性を確認する

  • 空欄を埋めた後に 声に出して読む と、文法の不自然さに気づきやすい

  • 自習でも取り入れると文法チェック力が鍛えられる

5. タイムトライアルで本番を意識

  • 1セットごとに制限時間を決めて解く

  • リーディング全体での時間配分(60分)を意識し、無駄に時間をかけない訓練をする

ポイントは「答えを当てること」ではなく「なぜその答えになるのか」を常に確認すること。これを繰り返すことで、本番で安定して正解を導けるようになります。


まとめ

Sentence Completion(文完成問題)は、IELTSリーディングにおいて比較的取り組みやすい形式ですが、語数制限・文法の整合性・パラフレーズ理解 といった複数の要素に注意する必要があります。

攻略のカギは以下の3点です:

  1. 語数制限を必ず守る

  2. 文全体が文法的に自然になるよう確認する

  3. 本文のパラフレーズを正しく見抜く

さらに、解答後には本文での根拠を必ず確認し、パラフレーズをノートに蓄積することで、次第にスピードと正答率が安定していきます。

Sentence Completionは本文の流れに沿って出題されるため、コツをつかめば効率よく得点できるセクションです。練習を重ねてパターンに慣れ、試験本番では確実に得点源にしていきましょう。


FAQ:Sentence Completion攻略法(文完成問題のテクニック)

Sentence Completionとは?どんな問題形式ですか?

本文中の情報を使って、設問に示された不完全な英文の空欄を単語または数字で埋める問題です。解答は本文にある語句をそのまま用い、語数・表記の指示に従います。

「NO MORE THAN TWO WORDS」とはどういう意味ですか?

これは「2語以内で答えなさい」という意味です。つまり、答えに使える単語の数は最大で2語までで、1語または2語で解答する必要があります。例えば、答えが “public transport” のように2語なら正解ですが、 “public transport system” のように3語になると不正解になります。

よくある誤解として、「more than 2 words=2語以上」と勘違いするケースがありますが、実際には「2語を超えてはいけない」という指示です。必ず “以内” と理解してください。

語数制限(NO MORE THAN…)はどう数えますか?

単語はスペースで区切られた語を1語として数えます。ハイフンで結ばれた語(e.g., well-known)は通常1語扱い、数字(e.g., 1998)は「a number」で1単位扱いになるのが一般的です。

大文字・小文字は採点に影響しますか?

通常は影響しませんが、固有名詞や頭字語(e.g., London, UNESCO)は本文通りの表記を推奨します。スペルミスは不正解になります。

冠詞(a, an, the)は入れるべき?

空欄を埋めた後の文が自然な英文になるように判断します。本文の表現に冠詞が含まれていれば、そのまま写すのが安全です。

単数・複数や動詞の形は変えてよいですか?

基本は本文にある形をそのまま使用します。空欄補充後の文法整合性(単数・複数、時制、一致)を必ずチェックしましょう。

本文にない言い換え(パラフレーズ)で答えてもよいですか?

不可です。問題文はパラフレーズで書かれていることが多いですが、解答は本文に実際に書かれている語句を用います。

数字は“two”と“2”のどちらで書くべき?

本文の表記に合わせるのが原則です。設問にAND/OR A NUMBERの指示があれば数字での解答も可能です。

順序通りに解けますか?

多くの場合、設問は本文の流れに沿っています。上から順にキーワードをたどると効率的です。

空欄の前後にヒントはありますか?

空欄直前直後の文法(品詞、前置詞、冠詞、修飾語)と意味の流れが重要な手掛かりです。入れた語で文全体が自然になるか必ず読み直しましょう。

ハイフン語や合成語の扱いは?

本文がハイフンつきであれば同じ形で書き写します。語数カウントは通常1語扱いです。

複数語解答の語順は自由ですか?

本文の語順に従うのが基本です。語順が入れ替わると意味が変わり不正解になることがあります。

綴りの揺れ(英米表記)はどうなりますか?

color/colour のような表記揺れは本文の綴りに合わせます。いずれにせよスペルミスは減点対象です。

略語や頭字語はそのまま使ってよい?

本文が略語を用いていれば同じ略語で解答可です。初出が正式名称→略語の場合でも本文の該当箇所の表記を写しましょう。

迷ったときの優先順位は?

①語数制限遵守 → ②本文に実在する語句 → ③文法整合性 → ④表記(大文字・ハイフン・数字)の順でチェックします。

時間配分のコツは?

本文の該当パラグラフをスキャン→候補語を当てはめ→文法チェックまでを素早く回します。1問に固執しすぎず、後で戻る判断も大切です。

効果的な練習方法は?

Sentence Completionのみをまとめ解き→根拠箇所にマーキング→パラフレーズ対応表を作成→音読で文法整合性チェック、をルーチン化しましょう。

よくある失点パターンは?

  • 語数オーバー(不要な冠詞や形容詞の追加)
  • 本文にない意訳で回答
  • 単複・時制・前置詞の不一致
  • スペルミスや固有名詞の表記ミス

最後の見直しで何を確認すべき?

空欄を埋めた文を声に出して読み、意味と文法が自然か、語数・表記が指示通りか、根拠が本文に明確に存在するかをチェックします。

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