IELTSリーディング対策: Summary Completion攻略法
はじめに
IELTSリーディングで出題される設問形式の中でも、**Summary Completion(要約穴埋め問題)**は特に多くの受験者を悩ませるパートです。一見すると「単語を空欄に入れるだけ」とシンプルに思えますが、実際には本文の流れを正確に理解し、同義表現やパラフレーズを見抜き、制限された単語数の中で正しく答えを選ぶ必要があります。
日本人受験者に多い失敗のパターンは以下のようなものです。
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本文と要約を一対一で一致させようとするあまり、パラフレーズを見落とす。 
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単語数制限(例:”ONE WORD ONLY”)を確認せず、余分な単語を書いて失点する。 
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文法的な一致(複数形・冠詞など)を軽視して減点される。 
つまり、Summary Completionは「読解力」だけでなく「設問形式への慣れ」と「細部への正確さ」が合否を分けるポイントになります。本記事では、この問題形式の特徴を理解し、解答のステップを整理しながら、得点につながる具体的な攻略法を紹介します。
Summary Completion問題の特徴
IELTSリーディングにおけるSummary Completionは、本文の一部を要約した短い文章に空欄が設けられ、そこに適切な語句を埋める形式です。この問題にはいくつかの特徴があります。
1. 本文の流れに沿った要約
要約は本文の一部をまとめたものであり、空欄の答えは必ず本文内に存在します。さらに、問題は通常本文の順序に沿って出題されるため、最初の空欄から順に本文を追うと該当箇所を見つけやすくなります。
2. 単語数制限がある
設問の指示文には「ONE WORD ONLY」「NO MORE THAN TWO WORDS」「NO MORE THAN THREE WORDS」などと明記されています。これを無視して1語多く書くと自動的に不正解になるため、必ず守ることが必要です。
3. 同義語・言い換え表現が多用される
要約は本文をそのままコピーしたものではなく、言い換えが含まれるケースが多いです。本文のキーワードがそのまま出てこないことも多いため、同義語やパラフレーズを認識する力が重要になります。
4. 文法的に正しい形で答える必要がある
答えが本文にそのまま存在していても、文の中で複数形や冠詞の有無が合わないと不自然になる場合があります。IELTSでは「文法的に自然な形」で答えることが求められるため、前後の文脈を必ず確認しましょう。
5. 選択式と記述式がある
Summary Completionには、
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選択式(本文から選ぶ or 選択肢リストから選ぶ) 
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記述式(本文からそのまま単語を抜き出す) 
 の2種類があります。どちらも本文を精読する力が必要ですが、記述式のほうが難易度が高い傾向にあります。
解答のステップ
Summary Completion問題は、本文の情報を正確に要約へ反映させる力が問われます。効率的に正答にたどり着くためには、以下のステップで取り組むと効果的です。
1. 指示文を必ず確認する
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「ONE WORD ONLY」「NO MORE THAN TWO WORDS」など、単語数制限を最初に確認します。 
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制限を守らないと自動的に不正解になるため、最重要ポイントです。 
2. 要約全体をざっと読む
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空欄の前後を読んで、どんな情報が入るのか予想します。 
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品詞(名詞・動詞・形容詞など)を特定しておくと、答えを見つけやすくなります。 
3. キーワードを特定する
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空欄の周辺にある特徴的な単語をピックアップします。 
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「日付」「数字」「固有名詞」などは、本文内で探しやすい手がかりになります。 
4. 本文から該当箇所を探す
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要約は本文の流れに沿っているため、空欄1から順に本文を読んでいきます。 
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いきなり精読するのではなく、スキャニング(キーワードを探す読み方)で該当部分を絞り込みます。 
5. 言い換え表現に注意してマッチさせる
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本文と要約は必ずしも同じ単語ではなく、同義語・パラフレーズが使われます。 
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例:本文が「due to」で、要約が「because of」の場合もあります。 
6. 空欄に単語を入れて文全体を確認する
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文法的に正しいか? 
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文意が自然に通じるか? 
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単語数制限に違反していないか? 
 を必ずチェックします。
よくあるパラフレーズの例
Summary Completionでは、本文と要約が同じ単語で一致することは少なく、多くの場合は**言い換え表現(パラフレーズ)**が使われます。これを知っておくことで、本文から答えを探しやすくなります。以下は頻出のパターンです。
動詞の言い換え
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“increase” → “rise” / “grow” / “expand” 
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“decrease” → “decline” / “drop” / “fall” 
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“improve” → “enhance” / “boost” 
名詞の言い換え
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“people” → “individuals” / “residents” / “citizens” 
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“problem” → “issue” / “difficulty” / “challenge” 
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“result” → “outcome” / “consequence” / “effect” 
形容詞・副詞の言い換え
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“important” → “significant” / “crucial” / “essential” 
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“big” → “large” / “huge” / “enormous” 
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“quickly” → “rapidly” / “swiftly” / “promptly” 
接続表現の言い換え
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“because of” → “due to” / “owing to” 
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“although” → “though” / “even though” 
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“for example” → “such as” / “for instance” 
数値や表現の変化
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“a majority of” → “most” 
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“less than half” → “minority” 
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“one third” → “33%” 
このような言い換えを意識しておくと、本文と要約の対応関係を素早く見抜くことができます。特に「動詞+名詞」の組み合わせで表現が変わるケースが多いため、まとめて学習しておくと効果的です。
注意すべきポイント
Summary Completionでは、設問形式の特徴を理解していても、ちょっとしたミスで失点してしまうことがあります。以下の点に特に注意しましょう。
1. スペルミスは即不正解
- 
IELTSでは完全一致が求められるため、1文字でも間違えると不正解になります。 
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特に複数形の -s, 動詞の -ed, -ing などのつづりに注意。 
2. 単語数制限を厳守する
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「NO MORE THAN TWO WORDS」の場合、3語書くと自動的に不正解。 
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例:正解が “economic growth” のとき、”the economic growth” と書くと3語になり失点。 
3. 文法的な一致を確認する
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空欄に入れた単語が、文全体の文法に合っているかを必ず確認。 
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例:本文では “student” でも、要約では “students” が正しいこともある。 
4. 本文の語をそのまま使う
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要約を自分で言い換えてはいけません。本文に書かれた単語をそのまま使うのがルールです。 
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自作のパラフレーズを書いてしまうと不正解になります。 
5. 時間配分に注意
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1問に時間をかけすぎると他の設問に響きます。 
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分からないときは一旦飛ばし、最後に戻って考えるのが効率的です。 
効率的な学習法
Summary Completionは練習を重ねることで正答率を上げやすい問題形式です。以下の学習法を取り入れると効果的です。
1. 公式問題集で実践演習を重ねる
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ケンブリッジ公式問題集(Cambridge IELTSシリーズ)を中心に学習。 
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実際の出題形式に慣れることで、本番での緊張を減らせます。 
2. 間違えた問題を徹底分析する
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「なぜその単語を選べなかったか」を必ず振り返る。 
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パラフレーズを見落としたのか、単語数制限を誤解したのかなど、原因を特定する。 
3. 言い換え表現リストを作成する
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過去問で出た「本文 → 要約」のパラフレーズを自分用にストック。 
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動詞・名詞・形容詞ごとにまとめておくと復習が楽。 
4. スキャニングとスキミングの練習
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スキャニング:特定の単語や数字を探す読み方。 
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スキミング:文章全体の流れをつかむ読み方。 
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要約穴埋め問題は本文全体を精読する必要がないため、この2つの技術が鍵。 
5. 時間を計って模擬演習する
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本番は60分で40問。Summary Completionだけに時間をかけすぎない練習が必要。 
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1問あたり2分以内を目安に取り組むと良い。 
まとめ
Summary Completion(要約穴埋め問題)は、IELTSリーディングで頻出する形式の一つであり、本文理解力・パラフレーズ認識力・正確な単語選択が同時に求められる難易度の高い問題です。
攻略のポイントは以下の通りです。
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単語数制限を守ること(ONE WORD ONLY などの指示を徹底) 
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要約全体を把握してから本文を読むこと 
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同義語・言い換え表現に敏感になること 
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スペル・複数形・冠詞の有無など細部をチェックすること 
学習の際は、公式問題集で実践を積みながら、自分が間違えたポイントを振り返り、言い換え表現リストを作成していくのが効果的です。さらに、スキャニングとスキミングを磨くことで、限られた時間内でも正確に答えを導けるようになります。
Summary Completionは慣れるまでは難しく感じますが、解答のプロセスを型にすることで安定して得点できる問題形式です。コツを押さえ、繰り返し練習を重ねることで、リーディングスコア向上につなげましょう。
FAQ:Summary Completion攻略法
Summary Completionはどんな問題?
本文の一部を要約した文章に空欄があり、本文から語句を抜き出して埋める問題です。設問の指示(例:ONE WORD ONLY / NO MORE THAN TWO WORDS)があり、語数制限を超えると不正解になります。
解答は本文の言い換えでもいい?
いいえ。基本は本文中の語をそのまま使います。自分でパラフレーズ(言い換え)すると不正解になります。ただし、本文と要約は別表現で書かれているため、該当箇所を見つける際には言い換えを手がかりにしましょう。
語数制限はどう数える?
- ONE WORD ONLY:1語のみ。
- NO MORE THAN TWO WORDS:最大2語まで。
- NO MORE THAN THREE WORDS:最大3語まで。
冠詞(a, an, the)や前置詞も1語としてカウントされます。
ハイフン語・数字・日付は何語扱い?
- ハイフン語(例:well-known)は1語扱い。
- 数字(例:1998, 25%)は1語扱い。
- 日付・時刻(例:June 5, 3 pm)も通常1要素として数えられます。
大文字・小文字は採点に影響する?
通常は大小文字は不問です。ただし固有名詞は本文どおりの表記が安全です(例:Pacific Ocean)。
単複数・品詞はどこまで合わせるべき?
空欄に入れた語が文法的に自然かを必ず確認してください。本文が単数でも、要約文の文脈上は複数形が正しいことがあります。品詞(名・動・形)も前後関係から予測し、文全体が通る形にします。
スペルミスはどの程度まで許される?
1文字でも誤りは不正解です。イギリス英語とアメリカ英語の綴りは一般にどちらも認められますが、本文の綴りに合わせるのが最も安全です。
本文のどこから探し始める?
要約は多くの場合、本文の段落・情報の順序に沿っています。空欄1→2→3…の順に、本文をスキャニングして該当箇所を絞り込みましょう。
時間配分のコツは?
- 1空欄あたり約1〜2分を目安に。
- 迷ったらいったん空欄のまま先へ進み、最後に戻って調整。
- 最終1〜2分で語数・スペル・文法一致のチェック。
よくあるミスは?
- 指示文の見落とし(語数制限違反)。
- 自作の言い換えを書いてしまう。
- 単複・冠詞の不一致で不自然な文になる。
- 固有名詞の取り違えやスペルミス。
正解候補が複数あるときの判断基準は?
- 語数制限を満たすか。
- 文法的に自然か(主語・動詞の一致、修飾関係)。
- 要約の流れと論理的につながるか。
- 本文の原文一致(綴り・形)に最も近いか。
練習方法のおすすめは?
- 公式問題で要約↔本文の対応表を自作。
- 外した空欄は、本文の言い換え(synonym)を必ず記録。
- 毎回、品詞予測→本文照合→語数・文法チェックの手順で固定化。
最後の見直しチェックリストは?
- 語数:指示文どおりか。
- スペル:固有名詞・複数形・接尾辞。
- 文法:単複・冠詞・前置詞の一致。
- 意味:文全体が自然に読めるか。

 
		 
		 
			 
			 
			 
			 
			