IELTSリーディング対策:True/False/Not Given攻略法

はじめに

IELTSリーディングにはいくつかの設問形式がありますが、その中でも多くの受験者を悩ませるのが True / False / Not Given 問題です。一見するとシンプルに「正しいか間違いか」を判断するだけの問題に思えますが、実際には本文の細かいニュアンスや情報の有無を丁寧に読み取らなければ正解できません。

特に多くの人がつまずくのは FalseとNot Givenの区別 です。本文に書かれていない情報を「間違い」と誤解してしまうケースが後を絶ちません。IELTSでは「本文に明確に書かれていない=Not Given」と判断する必要があるため、この点を理解できるかどうかが得点の分かれ目となります。

この記事では、True / False / Not Givenの仕組みを整理し、正答率を高めるための実践的な攻略法を解説します。問題に取り組む際の思考プロセスを明確にし、典型的な落とし穴を避けることで、確実にスコアアップにつなげましょう。


True/False/Not Givenの基本ルール

まずは、この設問形式の判断基準を正しく理解することが大切です。表面的にはシンプルに見えますが、IELTSでは厳密なルールに基づいて採点されます。

True

  • 設問文の内容が本文の記述と完全に一致している場合。

  • 言葉が多少言い換えられていても、意味が変わらなければTrueになります。

  • 例:本文に「The university library opens at 8 a.m.」とあり、設問文が「The library opens at 8 in the morning.」ならTrue。

False

  • 本文の記述が設問文の内容と明確に矛盾している場合。

  • 「真逆」や「明らかに反対」の意味になることがポイントです。

  • 例:本文に「The library closes at 10 p.m.」とあるのに、設問文が「The library closes at midnight.」ならFalse。

Not Given

  • 本文に関連するトピックは出てきても、設問文の内容を正しいとも間違いとも判断できない場合。

  • 情報が不足している、あるいは本文にまったく言及がないときはNot Givenを選びます。

  • 例:本文に「The library has thousands of books.」と書かれているが、設問文が「The library has more than 20,000 books.」なら、数値が示されていないためNot Given。


ポイントは、「本文にあることだけで判断する」 という姿勢です。自分の知識や推測を混ぜてはいけません。


攻略ステップ

True/False/Not Given問題を正しく解くには、以下の手順を踏むと安定して得点につながります。

1. 設問文のキーワードを見つける

  • 人名、地名、年代、数値、専門用語などは手がかりになりやすい。

  • 動詞や形容詞も言い換えられて出てくることが多いので注意。

  • 例:「The scientist discovered the cure in 1998」という設問なら、「scientist」「cure」「1998」がキーワード。

2. 本文で該当箇所を探す

  • リーディング問題は多くの場合、設問の順序に沿って本文が展開される。

  • 前後の文も含めて確認することで、文脈を取り違えるのを防げる。

3. 本文と設問文を比較する

  • 単語単位ではなく、「意味が同じかどうか」で判断。

  • 同義語や言い換えに注意(例:”many” = “a large number of”)。

4. True / False / Not Givenを判定する

  • 完全一致 → True

  • 真逆・矛盾 → False

  • 本文に情報が不足 → Not Given

5. 時間管理を意識する

  • 難しいと感じたら一度飛ばして後回しにする。

  • 1問に固執せず全体のリズムを崩さないことが重要。


この流れを繰り返すことで、「なんとなく」で答えるリスクを減らし、確実に正答率を高められます。


よくある間違いと注意点

True/False/Not Given問題では、多くの受験者が同じパターンのミスを繰り返します。ここで典型的な落とし穴を整理しておきましょう。

1. 自分の知識や常識で判断してしまう

  • IELTSリーディングは 本文に書かれたことだけ を根拠に答えるテストです。

  • 例:地球は丸いという常識があっても、本文に「The Earth is flat」と書かれていればFalseにしなければなりません。

2. 「False」と「Not Given」を混同する

  • 本文に情報がなければ、誤りでも正解でもなく Not Given

  • 多くの人が「書いてない=False」と誤解しがちですが、それは不正解の典型例です。

3. 部分一致に騙される

  • 設問文の一部だけ本文と一致していても、全体として矛盾があればFalse。

  • 例:本文に「Most students passed the exam」とあり、設問が「All students passed the exam」ならFalse。

4. 強調語や数量表現を軽視する

  • “some” と “all”、”often” と “always”、”can” と “must” の違いは致命的。

  • 1語の違いがTrue/Falseを変えるので、必ず丁寧にチェックする。

5. 焦って早とちりする

  • 特に試験時間が迫ると、ざっと読んで決めてしまうことが多い。

  • しかし、この問題形式は正確な読み取りが求められるので、冷静さを保つことが重要。


これらの注意点を意識するだけで、ケアレスミスを大幅に減らすことができます。


練習のポイント

True/False/Not Given問題は、知識よりも「情報をどう切り分けて判断するか」が問われます。効率的にスキルを磨くために、以下の方法を意識して練習しましょう。

1. 過去問や模試で徹底的に復習する

  • 特に「なぜNot Givenなのか?」という解説を確認することが重要。

  • 間違えた問題を「自分はどこで本文にない情報を読み込んでしまったのか?」という視点で振り返る。

2. キーワードとパラフレーズ(言い換え)の感覚を鍛える

  • IELTSでは “increase” = “rise”、”because” = “due to” などの言い換えが頻出。

  • 単語帳を丸暗記するよりも、同じ意味を別の言葉で表す練習が効果的。

3. 時間を計って解く習慣をつける

  • 本番では1問にかけられる時間は 1〜1.5分程度

  • 練習段階からストップウォッチを使って時間感覚を身につける。

4. 「飛ばす勇気」を持つ

  • Not Givenの問題は特に時間を浪費しやすい。

  • 決めきれないときは一旦飛ばし、他の問題を解いた後で戻る。

5. 読解スキル全般を底上げする

  • 英字ニュースや雑誌記事を読み、要点をまとめる練習も効果的。

  • 普段から「事実」「意見」「書かれていないこと」を区別する癖をつけると、試験での判断が早くなる。


このような練習を継続すると、「False」と「Not Given」の線引きが自然にできるようになり、安定して得点できるようになります。


まとめ

True/False/Not Given問題は、IELTSリーディングの中でも受験者が特に苦戦する設問形式です。一見シンプルに見えても、本文の微妙なニュアンスを正確に読み取らなければ得点できません。

攻略のカギは次の3点です:

  1. 本文にある情報だけを根拠に判断すること

  2. FalseとNot Givenをしっかり区別すること

  3. キーワードの言い換えや数量表現の違いに敏感になること

また、練習の際には「なぜその答えになるのか」を必ず確認し、特にNot Given問題の理解を深めることがスコアアップに直結します。時間配分を意識しつつ、本文を冷静に分析する習慣を身につければ、安定して高得点を狙えるようになります。


FAQ:True/False/Not Given攻略法

True / False / Not Givenの基本的な違いは?

Trueは本文と設問が同じ意味。Falseは本文と設問が矛盾。Not Givenは本文に判断に必要な情報がない場合です。言い換え表現でも意味が一致していればTrueになります。

FalseとNot Givenを見分けるコツは?

本文が設問内容を否定していればFalse、本文がその点に言及していないならNot Given。迷ったら「本文のどの文が設問を否定しているか」を答えられるか確認しましょう。

設問の順番と本文の対応関係はある?

多くの場合、設問は本文の出現順に沿います。該当箇所を見つけたら、次の設問は同じ段落かその後方で探すと効率的です。

どのキーワードに注目すべき?

固有名詞、日付・年代、数値、比較語(more than, less than)、数量語(all, most, some, few)、頻度語(always, often, rarely)、助動詞(must, may, can)に注目します。

言い換え(パラフレーズ)にはどう対応する?

単語一致ではなく意味一致で判断します。例:increase = risebecause of = due to。同義語辞典的な置換を想定して読みましょう。

数値や比較が絡む設問の注意点は?

「more than / over / at least」など境界表現を厳密に確認。本文が「over 50」で設問が「at least 50」なら不一致です。数値は1違いでもFalseの根拠になります。

推測で埋めたくなるときの対処法は?

本文根拠が欠けていればNot Givenを選びます。常識や背景知識を持ち込まず、テキスト内の情報だけで判断します。

時間配分はどれくらい?

1問あたり約1〜1.5分を目安に。行き詰まったらマークして飛ばし、最後に戻ります。Not Given系は時間を消費しやすいため後回しも有効です。

本文のどの範囲を読めばいい?

該当センテンス前後(最低1〜2文)も読みます。接続詞(however, therefore)や対比表現がTrue/Falseを逆転させることがあります。

Yes/No/Not Givenとの違いは?

True/False/Not Givenは事実関係の一致・不一致を問います。Yes/No/Not Givenは筆者の意見・主張への一致・不一致を問います。

部分一致に騙されない方法は?

設問全体と本文全体の意味を比較します。本文が「Most」なのに設問が「All」ならFalse。部分的に一致していても全体が矛盾すればFalseです。

否定表現や強調語の扱いは?

no, not, never, only, exactly, always, must などは意味を大きく変えます。小さな語でも結論を反転させるため、細心の注意を払います。

判断が揺れるときのチェックリストは?

  • 本文に同等の主語・述語・条件が揃っているか
  • 数量・頻度・比較の語が一致しているか
  • 本文が明確に否定しているか(→False)/情報不足か(→Not Given)

NGワードや落とし穴は?

「多分」「常識的に」「たぶんこうだろう」はNG。本文にない原因・目的・数量を補完してしまうと誤答に直結します。

効率的な練習方法は?

間違いノートを「なぜNot Givenなのか」「どの語がTrue/Falseを決めたか」の2軸で整理。設問→本文根拠の対応関係を1行で書き出す癖をつけます。

最後に見直すべきポイントは?

  • 設問文の強調語(only, all, always など)
  • 本文の逆接(however, although)
  • 境界値(以上・超過・未満)

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