IELTSリーディング対策: IELTS Readingでスコア6を取る方法(中級者向け戦略)

はじめに

IELTS Readingでスコア6を目指す学習者は、すでに基本的な読解力を持ち、試験の形式にもある程度慣れている段階にあります。しかし、スコア5台から6台に上げるには、単に「読む量」を増やすだけでは不十分です。限られた試験時間の中で情報を効率よく探し出し、パラフレーズを素早く見抜き、問題タイプごとの攻略法を実践できるかがポイントとなります。

本記事では、スコア6を安定して取得するために必要な時間管理の工夫や、問題別の解答戦略、効果的な学習法を整理しました。中級者が次のレベルに進むための実践的なステップを解説していきます。


スコア6を取るための目安

IELTS Readingでバンドスコア6を取るためには、以下の基準を押さえておく必要があります。

  • 必要な正答数:40問中 23〜26問程度の正解

  • 正答率の目安:およそ6割前後

  • 到達レベルの特徴

    • 日常的な英文や学術的なテーマをある程度理解できる

    • 主要なアイデアや具体的な情報を把握できる

    • 語彙やパラフレーズ表現にまだ弱点は残るが、全体像の理解は可能

スコア6は「中級レベルの英語力」とされ、留学や就労の申請条件としてもよく求められるラインです。つまり、単なる基礎突破ではなく「実際に使える読解力」を証明する水準となります。


時間配分の改善

IELTS Readingは 60分で3つの長文(計40問) に取り組む試験です。スコア6を狙う受験者にとって最大の課題は「最後まで解き切ること」。一語一句を精読する余裕はありません。効率的に時間を使うことで、正答率6割を安定して確保できます。

推奨時間配分

  • Passage 1:15分
     比較的やさしいため、素早く正答を積み重ねる。

  • Passage 2:20分
     中程度の難易度。慎重に取り組むが、行き詰まったら切り替えを意識。

  • Passage 3:25分
     最も難しい長文。残り時間を見据えつつ、得点源になる問題を優先。

時間配分のコツ

  1. 一度で正解を出そうとしない
    迷ったら仮の答えをマークし、最後に見直す。

  2. 本文を全部読まない
    設問に関連する箇所だけを探しに行く意識で。

  3. 見直し時間を残す
    3〜5分程度は最後の確認に回すことでケアレスミスを減らせる。


問題タイプ別の戦略

IELTS Readingでは、出題形式ごとに求められるスキルが異なります。スコア6を目指すなら、すべての問題に完璧に対応する必要はありません。得意分野で確実に点を取り、苦手問題は効率的に攻略することが重要です。

1. True / False / Not Given

  • True:本文に同じ内容が明記されている

  • False:本文と反対の内容が書かれている

  • Not Given:本文に情報がない

「Not Given」に惑わされないことがポイント。本文にない情報は深読みせず、即NGと判断。


2. Matching Headings

  • 各段落の「冒頭文」と「結論文」を重点的に読む

  • 段落の細部ではなく「全体の主題」をとらえる

  • 選択肢のキーワードに引っ張られず、言い換えを意識


3. Summary / Sentence Completion

  • 空欄前後の文脈を確認して文法的に合うか判断

  • 同義語・パラフレーズを見抜く練習が必須

  • 例:because of → due to / owing to


4. Multiple Choice Questions (MCQ)

  • 正解を探すより「誤りを消去する」方が効率的

  • 選択肢の一部が正しいが全体では誤り、という引っかけに注意

  • 時間をかけすぎない。迷ったら仮マークして先に進む


5. Matching Information / Features

  • キーワードを本文内で「スキャン」する力が重要

  • 人名・数字・固有名詞を目印に探すと効率的


問題ごとに「正答率を上げやすい形式」から確実に得点していくことが、スコア6到達の近道です。


読解スキルの強化

スコア6を狙うには、単に語彙力を増やすだけではなく、試験特有の読解スキルを意識的に磨く必要があります。以下の3つを重点的にトレーニングすると効果的です。

1. スキミング(Skimming)

  • 段落全体を細かく読むのではなく、大まかなテーマや流れを把握する読み方。

  • 各段落の冒頭と結論に注目すると要旨がつかみやすい。

  • 問題を解く前に本文をざっと眺めることで、設問の位置感覚がわかる。


2. スキャニング(Scanning)

  • 設問に出てくる キーワード(人名、数字、専門用語など) を手がかりに本文を探す技術。

  • 例:問題に「1990」とあれば、本文中の「1990s」や「in the early 90s」に注意。

  • 精読ではなく「情報の所在を探す作業」と割り切る。


3. パラフレーズ認識

  • IELTS Reading最大の壁は「言い換え表現」。

  • 例:

    • increase → rise / go up

    • because of → due to / owing to

    • important → crucial / significant

  • 「本文と設問で単語が一致しないのが普通」と心得て、意味レベルで結びつける訓練を重ねる。


4. 精読は必要なときだけ

  • すべての文を丁寧に読むのは時間的に不可能。

  • 必要な箇所だけ精読し、それ以外はスキャンで流す。

  • メリハリのある読み方がスコア6への鍵。


語彙力と背景知識

スコア6を安定して取るには、基礎的な単語力だけでなく、学術的な語彙や一般知識が必要です。IELTSのリーディングでは専門的なテーマが扱われることが多く、背景知識があるだけで理解スピードが大きく変わります。

1. 学術系の頻出語彙を強化

  • 教育:curriculum, assessment, literacy

  • 環境:sustainability, pollution, conservation

  • テクノロジー:innovation, artificial intelligence, automation

  • 社会:migration, inequality, governance

単語帳を丸暗記するのではなく、例文と一緒に覚えることで読解スピードが向上します。


2. パラフレーズのストックを増やす

IELTSでは「同じ意味を別の言葉で表す」ケースが頻繁に出ます。

  • advantage → benefit, merit

  • problem → issue, challenge

  • show → demonstrate, reveal

普段の学習で「同義語を意識的に書き足す」習慣をつけると、試験で有利になります。


3. 背景知識のインプット

  • 新聞や雑誌:The Guardian, National Geographic

  • 学術記事やリサーチブログ:教育、環境、歴史、科学分野に触れておくと有効

  • 頻出テーマは「歴史」「環境」「テクノロジー」「教育」「社会問題」

普段から英文記事を読み、慣れておくことで「知らないテーマでも理解できる耐性」がつきます。


実践トレーニング法

スコア6を狙うには、知識のインプットだけでなく、実際の問題形式に慣れるアウトプット練習が欠かせません。以下のステップで学習を進めると効果的です。

1. 公式問題集を使う

  • Cambridge IELTSシリーズは必須教材。

  • 本番形式に最も近いため、模試として繰り返し活用。


2. 解いた後の「振り返り」が重要

  • 単に答え合わせをするのではなく、以下を確認:

    • どのパラフレーズを見落としたか?

    • 設問に関連する段落をすぐに特定できたか?

    • 時間をかけすぎた問題はどれか?

間違いを次に活かすことがスコア向上の鍵。


3. 問題タイプごとの反復練習

  • 苦手分野(例:Matching Headings)を集中的に練習。

  • 得意分野はスピード強化を意識し、より短時間で解けるようにする。


4. タイムトライアルを導入

  • 1セット60分で解く練習を週1回は行う。

  • 普段は1パッセージ15〜20分で解く短期練習も取り入れる。


5. 英文多読と精読を組み合わせる

  • 多読:リーディングスピードの底上げ

  • 精読:論理関係や構文の正確な理解

「量」と「質」をバランスよく鍛えることが、スコア6到達の近道。


まとめ

IELTS Readingでスコア6を取るには、単に英語力を積み重ねるだけでなく、試験特有の戦略とスキルを身につけることが欠かせません。

  • 必要正答数は 23〜26問(約6割)

  • 時間配分を意識し、最後まで解き切る

  • 問題タイプごとの攻略法を理解して効率的に得点

  • スキミング・スキャニング・パラフレーズ認識を磨く

  • 学術系の語彙と背景知識を強化する

  • 公式問題集で実践的に練習し、解答後の分析を徹底

スコア6は「中級者が越えるべき最初の壁」であり、これを突破することで英語学習の自信も大きく高まります。日々の学習で戦略を意識すれば、安定してスコア6を達成できるでしょう。


FAQ:IELTS Readingでスコア6を取る方法(中級者向け戦略)

IELTS Readingでスコア6に必要な正答数は?

目安は40問中23〜26問(約6割)です。推し進める際は「取り切る問題を増やす」発想で得点源を固めましょう。

60分の時間配分はどうすればいい?

Passage 1:15分、Passage 2:20分、Passage 3:25分を目安に。迷った問題は仮マークして最後に見直します。

Not Givenを見分けるコツは?

本文に「情報がない」なら深読みせずNot Given。本文の推測や常識で補わないのが鉄則です。

Matching Headingsで迷子になります。対策は?

各段落の冒頭文と結論文を重視し、「細部」ではなく「主題」をつかむ。選択肢はキーワード一致よりも段落の要旨一致で判断します。

パラフレーズ(言い換え)に弱いです。どう鍛える?

誤答分析ノートに「設問語→本文語」の対応表を作成し、同義語をセットで暗記。例:increase→rise/go up、because of→due to/owing to。

語彙はどのレベルまで必要?

学術系の中頻度語(環境・教育・テクノロジー・社会・歴史)が必須。例文と一緒に覚え、品詞・コロケーションまで確認します。

Multiple Choiceは時間がかかります。時短のコツは?

正解探索より消去法を優先。「本文に反する」「範囲が広すぎる」「言い過ぎ(絶対表現)」の選択肢から切ります。

精読と多読のバランスは?

普段は多読で速度を底上げし、演習では設問該当箇所のみ精読。メリハリをつけて60分内に解き切る習慣を作ります。

公式問題集は何を使えばいい?使い方は?

Cambridge IELTSシリーズを軸に。本番形式で解いた後、「見落としたパラフレーズ」「場所特定の遅れ」「配点ロスの原因」を必ず記録します。

復習はどこまでやれば十分?

誤答理由の特定→根本原因(語彙/パラフレーズ/位置特定/時間配分)→再現ドリルの3ステップ。正解できた問題でも根拠の文に下線を引きます。

1日の学習メニュー例は?(45〜60分)

①語彙10分(同義語セット)②スキミング&スキャニング練習15分③問題タイプ別ドリル15分④ミニ模試&見直し15〜20分。

長文テーマの背景知識はどう付ける?

週に数本、環境・教育・科学・歴史・社会の英文記事を読み、要旨1行メモを作成。未知テーマ耐性が上がり処理速度が向上します。

本番でパニックになったら?

設問→本文の順で「位置特定」から入る型に戻る。迷いは仮マーク、時計を3分割で確認(15/35/60分)して崩れを最小化します。

最後の数分で何を見直す?

未記入・転記ミス・複数回答形式の漏れを優先。綴り・単複・語数制限(No more than ○ words)も必ず再確認します。

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