IELTSリーディング対策: IELTS Readingでスコア7を取る方法(高得点突破法)

はじめに

IELTSのリーディングでスコア7を取ることは、多くの学習者にとって一つの大きな目標です。スコア7は「良好な英語運用能力(Good User)」と評価され、海外大学への進学や専門職への就職、さらには移住申請でも高く評価されます。しかし、その達成は決して簡単ではありません。スコア6.0〜6.5までは基礎的な読解力と単語力で突破できますが、7.0を目指すにはさらに高度な読解スピード、精度の高い解答力、そして時間配分の戦略が欠かせません。

特にIELTSリーディングは60分で3つの長文(計40問)を解き切る必要があり、問題の難易度も後半になるほど上がります。全ての文章を丁寧に読む時間はなく、「設問の種類別テクニック」と「効率的な読み方」を身につけなければなりません。

この記事では、スコア7を突破するための具体的な方法を、語彙力強化・読解戦略・時間管理・実践練習という4つの柱から解説していきます。これらを実践すれば、単なる運任せではなく、安定してスコア7を狙える実力をつけることができるでしょう。


スコア7に必要な正答数の目安

IELTSリーディングは 40問の客観式問題 で構成されており、その正答数によってスコア(バンドスコア)が換算されます。スコア7を達成するには、単純に「大きなミスをしない」ことが求められます。

正答数の目安(Academic版)

  • 30〜32問正解 → バンドスコア7.0

  • 33〜34問正解 → バンドスコア7.5

つまり、40問中およそ3分の1程度のミス(8〜10問以内)に収めればスコア7に到達できます。

正答数の目安(General Training版)

  • 34〜35問正解 → バンドスコア7.0

  • 36〜37問正解 → バンドスコア7.5

General Trainingのリーディングは一見易しいように思えますが、スコア換算の基準がAcademicより厳しく設定されています。そのため「取りこぼしを減らす正確さ」が特に重要です。

ポイント

  • スコア7を狙うなら「大きな失点を避けること」が最優先。

  • 苦手な設問形式でも完全に捨てるのではなく、最低限1〜2問は拾えるように準備する。

  • 7.0は「全問正解でなくても到達可能」だと理解することで、試験本番の心理的な余裕につながります。


スコア7を取るための読解戦略

スコア7を目指すためには、ただ英文を理解するだけでなく「試験仕様に最適化された読解方法」が欠かせません。ここでは、効率的に得点を積み重ねるための戦略を整理します。

1. スキミングとスキャニングを徹底

  • スキミング(Skimming):文章全体をざっと読み、テーマや構造を把握。段落ごとの要旨をつかむ。

  • スキャニング(Scanning):設問で問われるキーワードや数字・固有名詞を探し、該当箇所をピンポイントで読む。
    全文精読する時間はないため、「必要な箇所だけを素早く正確に読む」訓練が必須です。

2. 設問タイプごとの攻略法

IELTS Readingでは出題パターンがほぼ固定されています。各形式に応じた対策を身につけましょう。

  • True / False / Not Given:本文に「書かれていない情報」を見抜く訓練。曖昧な場合はNot Givenを選ぶ勇気を持つ。

  • Matching Headings:段落冒頭と結論部分を重視。細部に惑わされず、全体の主題を捉える。

  • Multiple Choice:選択肢はすべて本文の言い換え。本文に戻って根拠を確認する。

  • Summary / Table Completion:空欄の前後に注目し、文法的に合う形を探す。

3. 時間配分の徹底

  • 1パッセージあたり 20分以内 が理想。

  • Passage 1(簡単)で時間を稼ぎ、Passage 3(難しい)に余裕を残す。

  • 最後に 5分間の見直し を確保し、スペルミスや未回答を埋める。

4. 設問順序を意識して解く

設問は本文の流れに沿って並ぶことが多い。
前後の段落に注目すれば、答えの位置を効率よく特定できます。


語彙力強化と背景知識

スコア7を目指す上で、語彙力の差は得点力の差に直結します。IELTSリーディングでは難解な単語そのものよりも、言い換え表現(paraphrasing)に対応できる力が重要です。さらに、背景知識がある分野では理解が早くなるため、事前準備で優位に立つことができます。

1. アカデミック単語リスト(AWL)の習得

  • IELTSで頻出する学術的な語彙(例:analyze, derive, facilitate, sustainable など)は、必ず押さえる。

  • 日常会話では出てこないが、学術テキストでは多用される。
    1日10語ずつ覚えるなど、計画的に積み上げると効果的。

2. 言い換え表現への対応力

  • IELTSの設問は本文をそのまま引用せず、同義語や類義表現に置き換えて出題される。

  • 例:「increase」→「rise」「grow」「escalate」

  • 例:「important」→「crucial」「significant」
    類語辞典やコロケーション辞典を活用し、言い換えを体系的に身につける。

3. 分野別の背景知識を広げる

IELTSの長文は以下のようなテーマが多い:

  • 環境(climate change, renewable energy)

  • 科学技術(genetics, artificial intelligence)

  • 歴史・文化(ancient civilizations, art movements)

  • 社会問題(education, urbanization, globalization)

背景知識があると、難解な文でも「話の方向性」を予測しやすく、正答率が向上します。

4. 語彙ノートを作る習慣

  • 単語単体ではなく「文脈ごと」記録する。

  • 例:「sustainable development(持続可能な開発)」のようにフレーズで覚える。

  • 過去問演習で出会った語彙を繰り返し復習し、自分専用のIELTS語彙集を作ると効果大。


実践トレーニング方法

スコア7を取るには、知識を「使える力」に変えるトレーニングが欠かせません。特にIELTSリーディングは本番形式に慣れておくことで、解答スピードと精度が大きく向上します。

1. 公式問題集での反復練習

  • Cambridge IELTS Official GuideCambridge IELTS Past Papers は必須。

  • 実際の試験と同じ問題形式・難易度なので、最も信頼できる教材。

  • 1回解いて終わりではなく、間違えた問題を何度も復習して「なぜ誤答したのか」を明確にする。

2. 模試形式の時間制限演習

  • 60分で3パッセージ・40問 を解く訓練を定期的に実施。

  • 最初は時間切れになっても構わないので、とにかく本番のリズムに慣れることが重要。

  • 本番を想定し、解答用紙に転記する練習も行うと安心。

3. 精読と速読のバランス

  • 普段の学習では 精読(文法構造や意味を丁寧に確認)と 速読(全体像を素早く把握)を両方行う。

  • 精読で基礎力を固め、速読で実戦力を養う。
    例えば、平日は速読練習、週末に精読復習といった習慣化が効果的。

4. 間違え直しノートを活用

  • 間違えた問題を分析し、「本文のどこを誤解したのか」「設問のどの部分を見落としたのか」を記録する。

  • 単なる暗記ではなく「解法パターンの引き出し」を増やすことを意識する。

5. 英語新聞・学術記事での補強

  • The Guardian, BBC, National Geographic などで日常的に長文を読む習慣をつける。

  • IELTSの長文に近いテーマや文体に触れることで、試験本番での心理的負担が軽減される。


高得点を狙うためのテクニック

スコア7を安定して取るには、知識や読解力に加えて「試験独特のクセ」を押さえる必要があります。ここでは高得点突破に直結する実践テクニックを紹介します。

1. 「Not Given」に惑わされない

  • IELTS受験者が最も混乱しやすいのが True / False / Not Given

  • 本文に情報が明確に 存在しない場合は必ずNot Given
    「自分の常識」や「推測」で答えを選ばないこと。

2. 同義語・類義表現を即キャッチ

  • 問題文と本文の単語はほとんどが「言い換え」になっている。

  • 例:「rapidly increasing」=「growing quickly」

  • 日常的にパラフレーズ練習をしておくと、解答時間が短縮できる。

3. キーワードをマーキング

  • 本文を読む際に 数字・固有名詞・キーワード に下線を引く。

  • 設問と突き合わせるときに瞬時に該当箇所へ戻れる。

  • メモは簡潔に、時間をかけすぎないことがポイント。

4. 時間切れ対策

  • 最後の数問で時間が足りなくなった場合は、推測でも必ずマーク

  • IELTSはマーク式なので、空欄=0点確定。推測でも正解する可能性がある。

5. 集中力を維持する工夫

  • 3つの長文を60分で解くには、集中力の持続が重要。

  • 本番を想定し、模試演習の際も 机の上に時計を置き、試験環境を再現 する。


本番に向けた心構え

スコア7を取るには、知識や解法テクニックだけでなく、試験当日の心構えやメンタル管理も大きなカギとなります。焦りや不安でペースを乱すと、本来の実力を発揮できないこともあります。

1. 長文慣れを重視する

  • 本番前は短文の速読よりも「長文を60分集中して読む」練習を優先。

  • 集中力を途切れさせずに最後まで読み切るスタミナが必要。

2. 1問にこだわりすぎない

  • 難しい設問に時間をかけすぎると、後半の問題に影響が出る。

  • 分からない問題は一旦飛ばし、最後に戻って処理する柔軟さを持つ。

3. 常に時間を意識する

  • 1パッセージ=20分を厳守。

  • 迷ったら「残り時間で解けるか」を常に判断基準にする。

4. 焦らず冷静に取り組む

  • IELTSは「完璧主義」ではなく「安定した正答率」が評価される試験。

  • 多少の不正解があっても7.0は狙えるため、気持ちを切り替えて次に進むことが重要。

5. 事前準備で安心感を得る

  • 試験当日は文房具・受験票・時計を早めに準備。

  • 前日は軽い復習にとどめ、十分な睡眠を取る。


まとめ

IELTSリーディングでスコア7を取るためには、単に英語力を高めるだけでなく、試験に特化した戦略と時間管理が不可欠です。

  • 必要な正答数:Academicでは約30〜32問、Generalでは34〜35問の正解が目安。

  • 読解戦略:スキミング&スキャニングで効率的に情報を拾い、設問形式ごとの攻略法を確立する。

  • 語彙力と背景知識:AWLや分野別テーマに触れ、言い換え表現への対応力を強化。

  • 実践トレーニング:公式問題集で繰り返し練習し、本番の60分通し演習を重ねる。

  • テクニック活用:「Not Given」の見極め、キーワードマーキング、時間切れ対策を徹底。

  • 心構え:焦らず冷静に、1問に固執せず全体のペースを守ることが高得点につながる。

スコア7は「完全無欠な読解力」ではなく、「安定して正解を積み重ねる戦略力」で十分に到達可能です。日々の学習で精読と速読をバランスよく行い、本番を想定した演習を重ねることで、自信を持って試験に臨めるようになるでしょう。


FAQ:IELTS Readingでスコア7を取る方法(高得点突破法)

IELTS Readingでスコア7を取るには何問正解が必要?

目安はAcademicで30〜32/40、General Trainingで34〜35/40です。テスト回によって換算は僅かに変動します。

AcademicとGeneral Trainingで難易度や換算は違う?

出題の性質が異なり、GTはテキストがやや易しめな分、スコア換算が厳しめです。目標に合わせて形式を確認しましょう。

最適な時間配分は?

各パッセージ20分×3=60分を基準にし、最後の5分は見直し用に確保するのがおすすめです。

全文を精読すべき?

いいえ。スキミングで全体像、スキャニングで根拠箇所を素早く特定し、必要部分のみ精読します。

True/False/Not Givenで迷ったら?

本文に情報の有無で判断します。本文に明記がなければNot Given、本文と一致すればTrue、矛盾すればFalseです。推測や常識で埋めないこと。

Matching Headingsのコツは?

各段落の冒頭と結論を重点的に読み、細部ではなく主題(メインアイデア)でマッチさせます。紛らわしい同義語に注意。

語彙はどのレベルまで必要?

Academic Word List (AWL)の定着と、頻出分野(環境・科学・歴史文化・社会問題)の言い換え表現を優先。単語単体でなくコロケーションで覚えます。

言い換え(パラフレーズ)に強くなる方法は?

過去問の設問語と本文語の対応をノート化し、類義語・反意語・派生語をセットで記録。毎回の復習で「言い換え辞書」を育てます。

スペリングや大文字小文字は採点に影響する?

はい。スペリングミスは誤答扱いです。固有名詞や文頭の大文字、ハイフンの有無にも注意しましょう。

解答は本文の語をそのまま写すべき?

要約・完成問題では指示(語数制限・語形)を厳守。本文から抜き出す指定がある場合は原形を維持し、規定語数を超えないようにします。

時間が足りないときの優先順位は?

拾いやすい設問(固有名詞・数字が手がかりの問題や選択式)を先に。最後は推測でも必ずマークして空欄を避けます。

過去問はどれを使えばいい?

Cambridge IELTS公式シリーズを軸に。1回解いて終わりにせず、誤答分析→再演習で定着させます。

模試はどの頻度でやる?

最低でも週1回、60分通しで実施。平日は部分練習(設問タイプ別・語彙・速読)、週末に総合演習が効果的です。

紙(Paper)とコンピュータ(CBT)の違いは?

CBTはスクロールとハイライト機能が鍵。どちらを受験するか決めたら、同形式で練習し操作感に慣れましょう。

どのくらいの読書速度が目標?

目安として英語学術文の実読で220–280 wpm程度を目指すと余裕が生まれます。速度よりも根拠の正確な定位を優先。

復習で必ずやるべきことは?

誤答の原因を「語彙不足」「言い換え看過」「設問の誤読」「根拠段落の特定ミス」に分類し、再発防止のチェックリスト化。

ノートテイキングは必要?

必要最小限に。段落ごとの要旨を3〜5語でメモ、数字・固有名詞・転換語(however, thereforeなど)に印を付けます。

学習計画のサンプルは?

平日:語彙(AWL10語)+設問タイプ練習(20〜25問)/週末:60分通し1セット+誤答分析。4週間を1サイクルにします。

スコア7到達までの期間の目安は?

個人差がありますが、6.0→7.0は8〜12週間の集中的学習で到達するケースが多いです(週8〜10時間想定)。

本番のメンタル対策は?

「1問に固執しない」「時間の区切りを守る」を合言葉に。多少のミスでも7.0は可能と理解してペースを維持します。

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